39 / 106
二章 精霊姫 人間界に降りる
設計士と別荘の打ち合わせ
しおりを挟む
【5日目】
今日もロイ義兄様のベッドで目を覚ます。
初日だけ、それぞれの部屋で寝ただけで、2日目からは、ずっと一緒に寝ている。
あー、これ残りの滞在期間もロイ義兄様の部屋で寝るんだな。別に嫌じゃないから良いけど。
一つだけ気になる事は、ロイ義兄様の奥さんの実家ですよーって事だけ。普通に考えたら有り得ない。私の倫理観はどこにいったのか。精霊姫に転生した事によって、人間の理から外れ、色々変わっていっているのだろうか。
前世では、イケメンは遊んでそうと言う偏見で避けていたし、浮気や不倫?何言ってるの?と思っていた筈だ。それが今の私はなんだ?
妻の居るイケメンと日々体を重ね・・・不倫じゃん!?
少しの罪悪感はあるものの、ロイ義兄様と過ごせば、それもあっという間に霧散してしまう。
お義姉様が視界に入らなければ、ロイ義兄様が結婚している事も時々忘れてしまう。余りにもロイ義兄様が私を愛して求めてくれるので、ロイ義兄様の側は心地が良く、擦り寄ってしまう。それで良いと思ってしまうのは何故だろう。
◇◇◇
昨日、筆頭執事のセスにお願いしておいた設計士が到着した。
「急にお呼びたてしてごめんなさいね。私は、今此方でお世話になっているスティーリア・マグニートと申します。」
「丁寧なご挨拶ありがとうございます。代々リッドラン辺境伯家にて、設計の仕事を任せて頂いているサリーズ家のリオルと申します。此方は、私の息子のライルと申します。」
市井で良く見かける赤茶色の髪ではなく、少し暗い緑色の髪・・・オリーヴ色かな。
瞳も同じオリーヴ色。色味は地味だが、落ち着いた色味で好きな色味。
顔立ちも悪くなく、切長の瞳も知的で、市井ではモテる部類に入ると思う。
私の周りは、ロイ義兄様を筆頭にイケメンが多いから、少し評価が厳し目になってしまうけれど、領主お抱えの設計士であり、この容姿であれば、引くて数多だろうな。
「どうぞ、お掛けになって。本日お呼びしたのは、私の別荘を建てるにあたって、設計をお願いしたいと思いまして。簡単な希望は紙に書いて纏めておきました。イメージが伝わりやすい様に、簡単な絵も描いて見たのですが・・・」
「なるほど。この資料も大変参考になります。設計図を起こしやすいですね。一度、簡単に設計図を下書きさせて頂き、それを見ながら細かな修正をしていくと言う事で、如何でしょうか?それにしても、見たことが無いデザインですね。」
「それが良いわ。ふふっ。どの国にも無いから、図面も起こしにくいと思うのだけど、疑問に思った事は何でも聞いて欲しいわ。」
んー、私のイメージ図だけでは分かりにくいかも・・・
目を閉じて、ブラウザで検索するイメージで・・・コレとコレとコレも・・・ロイ義兄様の時の様に出したらダメだから、マジックバッグ から出した様に見せよう。
「此方の資料も追加でお渡しします。参考にどうぞ。」
ブラウザで検索して、プリントアウトした様な紙を渡す。
紙には、日本の温泉旅館や平家などの写真が載っている。それに、設計図も。
・・・いや、なんで、前世の情報を検索して出せちゃうわけ?
「これは・・・初めて見るものですね。絵もとても精巧で、この図面も素晴らしいですね。とても参考になります。直ぐにでも、取り掛かりたいと思いますので、今日はこれで失礼します。」
「次に会うのを楽しみにしていますね。」
さて、私の別荘の設計は任せたから、図面が完成してから造園の依頼をかける。
まだまだ時間が掛かるかな。
あ、リオルに娼館も設計依頼しよう。
娼館は、私の別荘と同じテイストにしようと思ったけど、遊郭っぽくしよう。
これも、資料を準備して打ち合わせしよう。実際の遊郭みたいに、格子の中で女の子達が待機して指名を待つ感じにはしないけどね。
女の子達は部屋で待機で、カタログで選んで貰う。
温泉旅館もリオルに任せちゃった方が良いかなーと、思いつつも1人に仕事が偏り過ぎるのも良くないから、明明後日会う別の設計士に、孤児院と温泉旅館の設計を任せちゃおうかな。
さて、午後からはギルド長が紹介してくれた設計士との打ち合わせがある。
ギルド長の意見なども聞きたいから、場所は冒険者ギルドの応接室で打ち合わせする事になった。
◇◇◇
私の格好は、冒険者ギルドでは浮いてしまうので、外套のフードを目深く被り中に入る。
この時間帯は、狩りに行っている人が多い為、ギルド内は人が少ないが、雑談をしている人達がチラホラ。
「知ってるか?王太子殿下が側妃を娶るかもしれないんだってよ。」
「あー、まぁ、そうなるだろうな。なんせ、ご結婚されて3年経つがお子が出来たって聞かないからなー。」
「そそっ、お世継ぎが必要だからな。」
「側妃様はお披露目が無いから、どんな人か見れないのが残念だよな。」
「王族の側妃になる位だから、美人だろ。」
「そりゃそうだろ。側妃様が不器量だったら、お世継ぎの容姿が残念になるだろーが。」
「言えてる!魔力領量多くて美人な側妃様かー。結局相手は、上位貴族だろ。」
「王太子殿下のお子を産むんだから、そうじゃなきゃ問題だろ。」
「まぁーな。」
・・・ほぉ、王太子が側妃を娶るのか。
というか、結婚して3年経っても妃殿下に懐妊の兆しがないとは・・・居心地悪そう。
王侯貴族のゴシップは、平民も貴族も大好物だから、こんな辺境まで話が届くわけか。
えーっと、確か王太子は16歳で成人してすぐに妃殿下と婚姻したと習った。
今が結婚して3年なら、今19歳か。
んー・・・前世の知識がある私からすると19歳で子供がいた方が「早っ!」って驚くところだけど・・・。
この世界は結婚早いからなー。
まぁ、16歳とは言っても、体の造りが違うのか、成長スピードに差があるのか、前世の16歳とは比べ物にならないほど、立派な体躯をしている。
16歳と言っても、私からすれば18歳の間違いでは?と言いたくなる。
16歳って聞くと、まだ少し幼さが残る感じがあるイメージだけど、こちらの16歳は、幼さ?何それ?な感じで、もう立派な男!なのよね。
既に側妃を迎えるって噂があると言うことは、お相手はもう決まってるのかな。
魔力量が多いとなると、やっぱり高位貴族か。
私は、お茶会などの社交を一切していないので、他の貴族令嬢は知らない。貴族名鑑で知識として頭に入っているだけ。
そう、貴族名鑑ね。一度目を通しただけで記憶されたんだよね・・・。
他にも礼儀作法も淑女教育も一度教えて貰えば、すぐ自分の物に出来る。
この体のポテンシャルの高さが恐ろしい。流石、精霊姫といったところか。
(本当に、前世でどれだけ徳を積んだのー!)
今日もロイ義兄様のベッドで目を覚ます。
初日だけ、それぞれの部屋で寝ただけで、2日目からは、ずっと一緒に寝ている。
あー、これ残りの滞在期間もロイ義兄様の部屋で寝るんだな。別に嫌じゃないから良いけど。
一つだけ気になる事は、ロイ義兄様の奥さんの実家ですよーって事だけ。普通に考えたら有り得ない。私の倫理観はどこにいったのか。精霊姫に転生した事によって、人間の理から外れ、色々変わっていっているのだろうか。
前世では、イケメンは遊んでそうと言う偏見で避けていたし、浮気や不倫?何言ってるの?と思っていた筈だ。それが今の私はなんだ?
妻の居るイケメンと日々体を重ね・・・不倫じゃん!?
少しの罪悪感はあるものの、ロイ義兄様と過ごせば、それもあっという間に霧散してしまう。
お義姉様が視界に入らなければ、ロイ義兄様が結婚している事も時々忘れてしまう。余りにもロイ義兄様が私を愛して求めてくれるので、ロイ義兄様の側は心地が良く、擦り寄ってしまう。それで良いと思ってしまうのは何故だろう。
◇◇◇
昨日、筆頭執事のセスにお願いしておいた設計士が到着した。
「急にお呼びたてしてごめんなさいね。私は、今此方でお世話になっているスティーリア・マグニートと申します。」
「丁寧なご挨拶ありがとうございます。代々リッドラン辺境伯家にて、設計の仕事を任せて頂いているサリーズ家のリオルと申します。此方は、私の息子のライルと申します。」
市井で良く見かける赤茶色の髪ではなく、少し暗い緑色の髪・・・オリーヴ色かな。
瞳も同じオリーヴ色。色味は地味だが、落ち着いた色味で好きな色味。
顔立ちも悪くなく、切長の瞳も知的で、市井ではモテる部類に入ると思う。
私の周りは、ロイ義兄様を筆頭にイケメンが多いから、少し評価が厳し目になってしまうけれど、領主お抱えの設計士であり、この容姿であれば、引くて数多だろうな。
「どうぞ、お掛けになって。本日お呼びしたのは、私の別荘を建てるにあたって、設計をお願いしたいと思いまして。簡単な希望は紙に書いて纏めておきました。イメージが伝わりやすい様に、簡単な絵も描いて見たのですが・・・」
「なるほど。この資料も大変参考になります。設計図を起こしやすいですね。一度、簡単に設計図を下書きさせて頂き、それを見ながら細かな修正をしていくと言う事で、如何でしょうか?それにしても、見たことが無いデザインですね。」
「それが良いわ。ふふっ。どの国にも無いから、図面も起こしにくいと思うのだけど、疑問に思った事は何でも聞いて欲しいわ。」
んー、私のイメージ図だけでは分かりにくいかも・・・
目を閉じて、ブラウザで検索するイメージで・・・コレとコレとコレも・・・ロイ義兄様の時の様に出したらダメだから、マジックバッグ から出した様に見せよう。
「此方の資料も追加でお渡しします。参考にどうぞ。」
ブラウザで検索して、プリントアウトした様な紙を渡す。
紙には、日本の温泉旅館や平家などの写真が載っている。それに、設計図も。
・・・いや、なんで、前世の情報を検索して出せちゃうわけ?
「これは・・・初めて見るものですね。絵もとても精巧で、この図面も素晴らしいですね。とても参考になります。直ぐにでも、取り掛かりたいと思いますので、今日はこれで失礼します。」
「次に会うのを楽しみにしていますね。」
さて、私の別荘の設計は任せたから、図面が完成してから造園の依頼をかける。
まだまだ時間が掛かるかな。
あ、リオルに娼館も設計依頼しよう。
娼館は、私の別荘と同じテイストにしようと思ったけど、遊郭っぽくしよう。
これも、資料を準備して打ち合わせしよう。実際の遊郭みたいに、格子の中で女の子達が待機して指名を待つ感じにはしないけどね。
女の子達は部屋で待機で、カタログで選んで貰う。
温泉旅館もリオルに任せちゃった方が良いかなーと、思いつつも1人に仕事が偏り過ぎるのも良くないから、明明後日会う別の設計士に、孤児院と温泉旅館の設計を任せちゃおうかな。
さて、午後からはギルド長が紹介してくれた設計士との打ち合わせがある。
ギルド長の意見なども聞きたいから、場所は冒険者ギルドの応接室で打ち合わせする事になった。
◇◇◇
私の格好は、冒険者ギルドでは浮いてしまうので、外套のフードを目深く被り中に入る。
この時間帯は、狩りに行っている人が多い為、ギルド内は人が少ないが、雑談をしている人達がチラホラ。
「知ってるか?王太子殿下が側妃を娶るかもしれないんだってよ。」
「あー、まぁ、そうなるだろうな。なんせ、ご結婚されて3年経つがお子が出来たって聞かないからなー。」
「そそっ、お世継ぎが必要だからな。」
「側妃様はお披露目が無いから、どんな人か見れないのが残念だよな。」
「王族の側妃になる位だから、美人だろ。」
「そりゃそうだろ。側妃様が不器量だったら、お世継ぎの容姿が残念になるだろーが。」
「言えてる!魔力領量多くて美人な側妃様かー。結局相手は、上位貴族だろ。」
「王太子殿下のお子を産むんだから、そうじゃなきゃ問題だろ。」
「まぁーな。」
・・・ほぉ、王太子が側妃を娶るのか。
というか、結婚して3年経っても妃殿下に懐妊の兆しがないとは・・・居心地悪そう。
王侯貴族のゴシップは、平民も貴族も大好物だから、こんな辺境まで話が届くわけか。
えーっと、確か王太子は16歳で成人してすぐに妃殿下と婚姻したと習った。
今が結婚して3年なら、今19歳か。
んー・・・前世の知識がある私からすると19歳で子供がいた方が「早っ!」って驚くところだけど・・・。
この世界は結婚早いからなー。
まぁ、16歳とは言っても、体の造りが違うのか、成長スピードに差があるのか、前世の16歳とは比べ物にならないほど、立派な体躯をしている。
16歳と言っても、私からすれば18歳の間違いでは?と言いたくなる。
16歳って聞くと、まだ少し幼さが残る感じがあるイメージだけど、こちらの16歳は、幼さ?何それ?な感じで、もう立派な男!なのよね。
既に側妃を迎えるって噂があると言うことは、お相手はもう決まってるのかな。
魔力量が多いとなると、やっぱり高位貴族か。
私は、お茶会などの社交を一切していないので、他の貴族令嬢は知らない。貴族名鑑で知識として頭に入っているだけ。
そう、貴族名鑑ね。一度目を通しただけで記憶されたんだよね・・・。
他にも礼儀作法も淑女教育も一度教えて貰えば、すぐ自分の物に出来る。
この体のポテンシャルの高さが恐ろしい。流石、精霊姫といったところか。
(本当に、前世でどれだけ徳を積んだのー!)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
378
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる