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二章 精霊姫 人間界に降りる
別荘地を下見する
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午後は、馬で領地を巡り、何処に別荘を建てるか決める。
「リア、馬を借りると聞いたけど、遠乗りでも行くのかな?」
乗馬服を身にまとい、厩に向かおうとして部屋を出た所で、ロイ義兄様に話しかけられる。
「いえ、別荘を建てるにあたって、何処が良いか下見にいく予定です。」
「・・・別荘?」
「はい、此方は北に位置している為、夏は涼しいので避暑に良いかと思いまして・・・。ランドール様にはどこにでも好きに建てて良いと許可を頂きました。」
「そう・・・。私も一緒に付いて行っても良いかな?」
「えぇ、ロイ義兄様が何もご予定が無ければ、ご一緒しましょう。」
「分かった。すぐ着替えてくるから、部屋で少し待っていてくれるかい?」
「分かりました。お待ちしてますね。」
部屋に戻り、お茶とお菓子を果物を摘みつつ、ロイ義兄様を待つ。
すぐ着替えると言っていただけあって、本当にすぐ部屋に来た。
「リア、お待たせ。行こうか。」
ロイ義兄様は、サッと手を出して、エスコートする。
このエスコート身についてて、自然と手が出ちゃうんだろうな。
貴族令息の教育の賜物か。
「それで、何処か目星は付けていたりするのかな?」
「はい、ランドール様に地図を見せて頂き、街から離れ、広く平坦な場所を見つけましたので、そこを見に行こうかと思います。」
「分かった。では、私はリアの後をついていくよ。」
◇◇◇
「ロイ義兄様、此処です。」
周りを見回して、一言。
「本当に何も無いな。」
「何も無いのが良い所なんですよ?これから私が、環境を整えて行くのですから。」
「なるほど。何も無いからこそ、手を入れやすいという訳か。」
「はい。地図で目星をつけて、予想通りの場所で良かったです。此処に別荘を建てたいと思います。」
「ねぇ、リア。その別荘には、夏に毎年訪れる予定なのかい?」
「はい、その予定です。結界を張って、誰も侵入出来ないようにし、別荘の周りには木々を植え、森を作り、小さな湖を作ります。これで人目を気にせず水浴びしたり、寛げます。冬にも楽しめるように、露天風呂も作る予定です。」
ロイ義兄様は、私に馬を寄せて、目を細めて、うっそりと微笑む。
「それは良いね。是非私も別荘に招待して貰いたいな?」
「・・・えぇ、ロイ義兄様が来たいと言うのであれば、ご招待致します。」
「それは楽しみだ。」
ロイ義兄様は、私の耳に口を添え、「愛し合うのにピッタリな場所だね。」と囁いた。
私は、何も答えずに微笑んだ。
誰にもバレずに、ロイ義兄様も別荘にかー。
私だけなら、別荘に遊びに行ってきますで終わるんだけど。
流石に堂々とロイ義兄様と一緒に別荘に遊びに行ってきますとは言えない。
その場合は、ロイ義兄様だけでなく、妹とお義姉様も一緒でなければ。
流石に、私が寛ぐ為の別荘に、お義姉様は招待したくない・・・。
ロイ義兄様の事で気まずいのに。
お義姉様は何も知らないから、私がただ一方的に気まずいだけだけど・・・。
ロイ義兄様だけ、夕食後に別荘までポータルを使って転移して貰って、朝戻って貰うなら、バレずに済むかな。ロイ義兄様の執事は、私たちの事知ってるから上手いことやってくれると思うし。
休みの日は、友人の領地に顔を出しに行くとかで、2泊程度であれば大丈夫かもしれない。
でも、その場合、口裏を合わせてくれる友人が必要になる・・・。
んー、まぁその辺は私が考えてもしょうがない。
きっと、ロイ義兄様が上手いことやるでしょ。
あ、マグニート辺境伯家用にも、此処に別荘建てれば良いのか。
そうすれば、妹も婚約者連れて、そっちの別荘に遊びに来たり、ロイ義兄様もそっちの別荘に遊びに行きやすい。
それで、日中は、私もそっちの別荘に合流して、一緒に過ごせば、イチャイチャは出来ないけれど、一緒に過ごす事は出来る。
夜になったら、ロイ義兄様だけ、私の別荘に転移して来れば、朝まで一緒に過ごせる。
元々、ロイ義兄様とお義姉様は、寝室は別だし、初夜以降は閨を一度も共にしてないので、別荘に来ても部屋は別々のはず。
「ロイ義兄様、マグニート辺境伯家用にも別荘を建てようと思うのですが、如何ですか?」
「へぇー、それも良いね。我が家の別荘は何処に建てるのかな?此処から遠いのかな?」
「場所は、少し考えてます。私もそちらの別荘に遊びに行く事もあると思うので、近場に建てるかとも思ったのですが、転移してしまえば、距離は関係ないので、どうしようかなと。」
「確かに、転移してしまえば距離は関係ないね。因みに、別荘の私の部屋から、リアの別荘に転移出来る様にはして貰えるんだよね?」
「勿論です。そのつもりで考えていました。」
「良かった。日中は、触れ合えないけど、一緒に過ごせるのは嬉しいよ。それに夜はリアの別荘で愛しあえるなら、嬉しい事この上ないね。」
「私も一緒に過ごせるのは嬉しいです。私の別荘の場所は此処に決めたので、取り敢えず結界だけ張っちゃいます。残りの準備は、明日以降したいと思います。」
腐葉土が残り少ないから、マジックバッグ から材料出して、作らないと。
後は、お義父様に別荘の話をして、ランドール様にも許可を取って・・・。
「ロイ義兄様、お義父様に別荘のお話をして、間取りや内装などの相談もしなければいけません。」
「分かった。それは私から父上に話を通しておくよ。きっと、母上とミリアは2人でキャッキャ言いながら、壁紙を選んだりするんじゃ無いかな。ミリアの婚約者や友人も招待出来る様に、客室は・・・5部屋欲しいかな。ミリアの婚約者のご両親と兄弟を招待する事もあるかもしれないからね。調理場、使用人部屋、護衛の部屋も必要になるな。」
「なるほど。規模が少し大きくなるので、ロッジというよりは、コテージの様な感じですかね。いや、コテージでも無いのかな。普通に貴族の屋敷が建ちそうですね。部屋数などもお義父様と相談して決めてください。ミリアと婚約者の部屋は隣にしてあげて、バルコニーを繋げて、長椅子を置いて、一緒に星空を眺められるようにしても良いですね。」
「そんな事言ったら、ミリアが大喜びしそうだ。伝えておくね。」
「はい。では、そろそろ戻りましょうか。」
「リア、馬を借りると聞いたけど、遠乗りでも行くのかな?」
乗馬服を身にまとい、厩に向かおうとして部屋を出た所で、ロイ義兄様に話しかけられる。
「いえ、別荘を建てるにあたって、何処が良いか下見にいく予定です。」
「・・・別荘?」
「はい、此方は北に位置している為、夏は涼しいので避暑に良いかと思いまして・・・。ランドール様にはどこにでも好きに建てて良いと許可を頂きました。」
「そう・・・。私も一緒に付いて行っても良いかな?」
「えぇ、ロイ義兄様が何もご予定が無ければ、ご一緒しましょう。」
「分かった。すぐ着替えてくるから、部屋で少し待っていてくれるかい?」
「分かりました。お待ちしてますね。」
部屋に戻り、お茶とお菓子を果物を摘みつつ、ロイ義兄様を待つ。
すぐ着替えると言っていただけあって、本当にすぐ部屋に来た。
「リア、お待たせ。行こうか。」
ロイ義兄様は、サッと手を出して、エスコートする。
このエスコート身についてて、自然と手が出ちゃうんだろうな。
貴族令息の教育の賜物か。
「それで、何処か目星は付けていたりするのかな?」
「はい、ランドール様に地図を見せて頂き、街から離れ、広く平坦な場所を見つけましたので、そこを見に行こうかと思います。」
「分かった。では、私はリアの後をついていくよ。」
◇◇◇
「ロイ義兄様、此処です。」
周りを見回して、一言。
「本当に何も無いな。」
「何も無いのが良い所なんですよ?これから私が、環境を整えて行くのですから。」
「なるほど。何も無いからこそ、手を入れやすいという訳か。」
「はい。地図で目星をつけて、予想通りの場所で良かったです。此処に別荘を建てたいと思います。」
「ねぇ、リア。その別荘には、夏に毎年訪れる予定なのかい?」
「はい、その予定です。結界を張って、誰も侵入出来ないようにし、別荘の周りには木々を植え、森を作り、小さな湖を作ります。これで人目を気にせず水浴びしたり、寛げます。冬にも楽しめるように、露天風呂も作る予定です。」
ロイ義兄様は、私に馬を寄せて、目を細めて、うっそりと微笑む。
「それは良いね。是非私も別荘に招待して貰いたいな?」
「・・・えぇ、ロイ義兄様が来たいと言うのであれば、ご招待致します。」
「それは楽しみだ。」
ロイ義兄様は、私の耳に口を添え、「愛し合うのにピッタリな場所だね。」と囁いた。
私は、何も答えずに微笑んだ。
誰にもバレずに、ロイ義兄様も別荘にかー。
私だけなら、別荘に遊びに行ってきますで終わるんだけど。
流石に堂々とロイ義兄様と一緒に別荘に遊びに行ってきますとは言えない。
その場合は、ロイ義兄様だけでなく、妹とお義姉様も一緒でなければ。
流石に、私が寛ぐ為の別荘に、お義姉様は招待したくない・・・。
ロイ義兄様の事で気まずいのに。
お義姉様は何も知らないから、私がただ一方的に気まずいだけだけど・・・。
ロイ義兄様だけ、夕食後に別荘までポータルを使って転移して貰って、朝戻って貰うなら、バレずに済むかな。ロイ義兄様の執事は、私たちの事知ってるから上手いことやってくれると思うし。
休みの日は、友人の領地に顔を出しに行くとかで、2泊程度であれば大丈夫かもしれない。
でも、その場合、口裏を合わせてくれる友人が必要になる・・・。
んー、まぁその辺は私が考えてもしょうがない。
きっと、ロイ義兄様が上手いことやるでしょ。
あ、マグニート辺境伯家用にも、此処に別荘建てれば良いのか。
そうすれば、妹も婚約者連れて、そっちの別荘に遊びに来たり、ロイ義兄様もそっちの別荘に遊びに行きやすい。
それで、日中は、私もそっちの別荘に合流して、一緒に過ごせば、イチャイチャは出来ないけれど、一緒に過ごす事は出来る。
夜になったら、ロイ義兄様だけ、私の別荘に転移して来れば、朝まで一緒に過ごせる。
元々、ロイ義兄様とお義姉様は、寝室は別だし、初夜以降は閨を一度も共にしてないので、別荘に来ても部屋は別々のはず。
「ロイ義兄様、マグニート辺境伯家用にも別荘を建てようと思うのですが、如何ですか?」
「へぇー、それも良いね。我が家の別荘は何処に建てるのかな?此処から遠いのかな?」
「場所は、少し考えてます。私もそちらの別荘に遊びに行く事もあると思うので、近場に建てるかとも思ったのですが、転移してしまえば、距離は関係ないので、どうしようかなと。」
「確かに、転移してしまえば距離は関係ないね。因みに、別荘の私の部屋から、リアの別荘に転移出来る様にはして貰えるんだよね?」
「勿論です。そのつもりで考えていました。」
「良かった。日中は、触れ合えないけど、一緒に過ごせるのは嬉しいよ。それに夜はリアの別荘で愛しあえるなら、嬉しい事この上ないね。」
「私も一緒に過ごせるのは嬉しいです。私の別荘の場所は此処に決めたので、取り敢えず結界だけ張っちゃいます。残りの準備は、明日以降したいと思います。」
腐葉土が残り少ないから、マジックバッグ から材料出して、作らないと。
後は、お義父様に別荘の話をして、ランドール様にも許可を取って・・・。
「ロイ義兄様、お義父様に別荘のお話をして、間取りや内装などの相談もしなければいけません。」
「分かった。それは私から父上に話を通しておくよ。きっと、母上とミリアは2人でキャッキャ言いながら、壁紙を選んだりするんじゃ無いかな。ミリアの婚約者や友人も招待出来る様に、客室は・・・5部屋欲しいかな。ミリアの婚約者のご両親と兄弟を招待する事もあるかもしれないからね。調理場、使用人部屋、護衛の部屋も必要になるな。」
「なるほど。規模が少し大きくなるので、ロッジというよりは、コテージの様な感じですかね。いや、コテージでも無いのかな。普通に貴族の屋敷が建ちそうですね。部屋数などもお義父様と相談して決めてください。ミリアと婚約者の部屋は隣にしてあげて、バルコニーを繋げて、長椅子を置いて、一緒に星空を眺められるようにしても良いですね。」
「そんな事言ったら、ミリアが大喜びしそうだ。伝えておくね。」
「はい。では、そろそろ戻りましょうか。」
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