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二章 精霊姫 人間界に降りる

冒険者ギルドへ

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 【2日目】

 孤児院を建てるにあたって、業者が此方に来るのは、1週間後。
 その間に出来ることは済ませたい。

 この領内の魔獣を把握して、RPGお馴染みの分厚い攻略本を作りたい。
 地図に、魔獣の生息地なども書き込んで、魔獣それぞれの特徴や技なども記述し、どういう攻撃が有効なのか、弱点なども記述した本を冒険者ギルドに何冊か置いて、自由に閲覧出来る様にしたい。
 熟練のものしか知り得ない情報も、依頼料を払い、豆知識的に載せたい。

 こういうのがあるだけで、初心者でも知識をつけて、危険を回避出来たり、効率よく狩りが出来る様になるはず!
 私は、冒険者たちに優しい世界を作りたい!
 何故か?私が冒険者になりたいから、ただそれだけ。

 今は、リッドラン辺境伯領とマグニート辺境伯領しか出来ないけど、いずれこの国の全ての領の攻略本を作りたい。

 採取できる薬草も纏めて、効能なども記載した薬草本も作りたいな。
 そこに、薬草を使って、ポーションの作り方や薬の作り方や解毒なども載せたい。
 何かあった時に、現地で薬草を採取して、自分で解毒薬などを作れれば、危機に対処が出来る。サバイバル術とかを纏めた本も良いかもしれない。
 
 初心者は、キャンプするにも慣れないはず。
 どの辺に魔獣除けの香を炊くのかや、テントを張る場所、食べられる魔獣や果物なども記載して、毒があって食べられない果物や毒草、きのこなどの記載もして注意を促そう。

 簡単な調理方法も載せて、あると便利なグッズなども載せて置いて、このエリアに行くなら、このアイテムは必須!といった様な物も載せて置くのも良いね。

 まずは、冒険者ギルドに行って、この領に生息している魔獣と薬草などを聞き取りしよう。
 そうしたら、領内を周って、魔獣と薬草を鑑定しまくって、その情報を紙に複写しよう。
 上級冒険者に依頼して、その紙に情報を追記して行って貰おう。
 それを纏めて本にして、冒険者ギルドに置く。
 持ち歩きたい人には販売も可。
 ただ、少しお高いので、買うのは中級者からかな。初心者は、冒険者ギルドで見て、覚えるかメモして置くのがお勧めかな。

 孤児院にも置いて置こう。冒険者になりたい子もいるかもしれないし、薬草取りなどの依頼は、小さい子でも出来る。因みに、10歳から冒険者登録が出来る。
 10才~13才位までは、薬草取りや、お使いなどの依頼を受け、個人差はあるが、13才~15才位から街に近い、低レベルの魔獣を狩り出す。

 と、いうことで、今日は冒険者ギルドに行こう。

 午前中は、レモンを植えに行く予定だったけど、翌日に変更しよう。
 使用人と騎士団の服の相談に業者の人が、午後すぐ来る予定だったけれど、ギルドで話し合いに時間を取られそうなので、午後3時頃来てもらう様に急遽変更した。

 ◇◇◇

 「スティーリア様、此方が冒険者ギルドでございます。」

 「ありがとう。」
 
 冒険者ギルドに来るにあたって、ただの小娘が一人で行ったとこで何が出来る?な感じだと思ったので、リッドラン辺境伯家の筆頭執事のセスに同行して貰った。
 領主の執事が同行する事で、スムーズに話も進むだろうと予想している。

 冒険者ギルド内は、まぁまぁ予想通りな感じかな?
 依頼受けるカウンターがあって、後ろは事務処理などが出来る机がある。
 ただ、依頼をのも、依頼をのも、のも同じカウンターなので、人の流れがスムーズではない様に見受けられる。

 冒険者ギルドも改造させて貰おうかな。相談してみよう。
 
 「スティーリア様。ギルド長が応接室でお待ちとの事ですので、行きましょう。」

 私が、ギルド内を観察している間に、ギルド員と話をしていたらしいセスに促される。
 
 「えぇ。行きましょう。」

 応接室は、ギルドの2階にあり、ギルド内にしては、綺麗な扉の前に案内された。
 
 セスが扉を叩き、「リッドラン辺境伯家が執事、セスでございます」と一声掛ける。
 
 「入れ」

 その声は野太く、少し荒々しい。流石ギルド長と言ったところか。

 中に入ると、背が高く、しっかりと鍛え上げられた体躯、髪も瞳も焦茶色、男らしい精悍な顔立ちで、モテそうだなと思った。
 年齢は、お義父様と同じくらいだろうか。

 「此方は、アリスティア様の輿入れ先のご息女でございます。マグニート辺境伯家のご令嬢スティーリア様でございます。」

 「へぇー。そんなお嬢様が冒険者ギルドにどんな用があるんだ?お嬢様にとっては、ここは汚いし、男どもが屯してて、怖いだろう?」

 「はじめまして。マグニート辺境伯家が長女。スティーリアと申します。この度はお時間を作って頂き有難うございます。」
 
 ふわりと微笑み、丁寧に挨拶をする。

 ギルド長は、目を瞠り、固まる。
 しかし、それもほんの数秒。流石ギルド長、正気に戻るのが早い。

 「これはこれは、丁寧な挨拶ありがとうな。ただ、俺は平民で冒険者として過ごして来たから、そんな丁寧な挨拶は出来ない。わりぃな。俺は、ここのギルド長を任せられてる、ヨークだ。宜しくな。それで、こっちのが補佐のリーだ。」

 「ギルド長の補佐をさせて頂いております。リーです。宜しくお願いします。」

 おぉ?これは、なんだ?貴族っぽい。
 長い水色の髪を後ろで一つに縛り、水色の瞳がキラキラしてる。綺麗だけど、女性的というわけでも無く、男だと分かる綺麗さ。なんか上品だし、絶対元貴族。
 あれかな?三男とかで継ぐ家も無いし、文官にもならずに冒険者になったって感じかな?
 見た目的に水魔法とか治癒魔法とか得意そう。

 「ヨーク様。リー様。宜しくお願いします。私の事はスティーリア・・・いえ、リアとお呼び下さい。畏まる必要もありません。気を楽にお話下さい。」

 「おー・・・じゃあ、遠慮なく、リアって呼ばせて貰うな。それで、今日はどんな用事で?」

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