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二章 精霊姫 人間界に降りる
ロイ義兄様との関係
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ロイ義兄様とは、あれから更に行為がエスカレートして行き・・・
「先を少し入れるだけ。処女膜は破らないから大丈夫だよ?」
という、何が大丈夫か全く分からない事を言われた。
(純潔を守るって処女膜破かなければ良し!な判断なの?それなら良いのかな・・・)
と言う様に、流されまくり今に至る。
ロイ義兄様の婚約者は、一月前から、此方の屋敷に引っ越していた。
正直な所、気不味い。
彼女は何も知らないし、何より・・・彼女はロイ義兄様を愛してる。
彼女の事を思うのであれば、私がロイ義兄様を拒否しなければならない。
ロイ義兄様が眉を下げて「今だけで良いから、夢を見させておくれ」と切なげに言われてしまうと、拒否出来ず、そのままズルズルと関係を続けてしまう。
貴族の結婚は自分で結婚相手を選ぶ事も出来ない。勿論ロイ義兄様も例外では無い。
彼が、「今だけ」と望んでいるのだから、あと少し甘えさせてあげよう。
お義姉様には申し訳無いけれど、ロイ義兄様が望んでいるのは私だから・・・。
この関係も、ロイ義兄様が結婚するまで。そうなるはずだった・・・。
__________________________________
結婚式が終わり、今頃はロイ義兄様も初夜頑張ってる所かなー。などと思いながら、ベッドで本を読む。
ちょっと、本に夢中で夜更かしになっちゃったので、そろそろ寝ないとと思った所で、扉をノックする音が響く。
(こんな夜更けに誰が・・・?)
「・・・私だ。入るよ。」
「え?ロイ義兄様?」
(え?何でロイ義兄様がいるの?初夜は?)
「部屋の前を通ったら、灯りが漏れていたから、まだ起きていると思ってね。」
「えっと、ロイ義兄様?今夜は、大事な初夜だと思うのですが・・・。」
ロイ義兄様は、くしゃっと顔を歪め
「あぁ、役目は果たしてきたよ。とは言っても、好きでもない女を前に、勃つものも勃たなくて、媚薬を使ってなんとかって所かな。」
(それはなんとまぁ・・・掛ける言葉もないかな。)
「それでね。リアに慰めて貰いにきたんだよ。今日は添い寝してくれるだけで良いんだ。抱きしめて寝たい。癒しておくれ。」
(はぁー。お義姉様抱いた後に、ヤリにきたなら最悪だけど、抱きしめて癒しをか・・・。)
「仕方無いですね。添い寝するだけですよ?皆が起きる前に部屋に戻ってくださいね?」
「分かっているよ。ありがとう。」
ロイ義兄様は、私を抱きしめ、髪に顔を埋めて、寝てしまった。
媚薬を使わなければ抱けないのか。
それは苦痛な事だろう。
でも、子作りは貴族の義務。
何か役に立てる事はないかな。
ちょっと考えてみよう。
__________________________________
翌朝、お義姉様は、部屋で朝食を取った。
初めてだと、身体がキツいだろうから、翌日の朝は部屋で朝食を取るのが普通らしい。
何も言わずとも、勝手に部屋に朝食が準備されるのだとか。
つまりは、初夜抱かれなかったとしても、部屋に朝食が用意されてしまうと言う事だ。
午後、お義姉様とすれ違った時に、少し話をしたが、ロイ義兄様とは、対照的に幸せそうだった。
なんとも言えない・・・。
お義姉様を見ると「幸せそうで良かった」と思う。
でも、ロイ義兄様を見てると「可哀想に・・・」と憐れんでしまう。
どうしたものか。
やっぱり、どうしても辛そうにしているロイ義兄様を優先に考えてしまう。
お義姉様には申し訳無いけれど、一つ考えてついた方法をロイ義兄様に話そう。
お義姉様と分かれて、ロイ義兄様の執務室に向かう。
扉をノックし、部屋に入る。
ロイ義兄様は、此方に向かって、歩いてきて、髪を一房掬い口付けを落とす。
「リアが此処にくるのは、珍しいね。どうしたの?」
柔らかい笑顔で、嬉しそうな顔をされると、私も自然と笑顔になる。
「ロイ義兄様のお悩みを解決出来るお話をしにきました。」
「私の悩み・・・?」
「単刀直入に言うと、子作りについてです。」
「・・・リア。媚薬を飲む以外に方法があるというのかな?」
「はい。普通の方法での子作りでは無いので、余りおすすめ出来ないのですが、ロイ義兄様が余りに辛そうだったので・・・。そして、これは私にしか出来ない方法なので、口外しないで頂きたいのです。」
「分かった。約束する。」
「・・・簡潔に言えば、ロイ義兄様が自慰をし、出した精液を私が魔力で包み込み時を止めます。その精液を閉じ込めた珠を、お義姉様の筒内に挿入し、精液を流し込んで子作りをします。これであれば、ロイ義兄様が辛い思いをしながら、お義姉様を抱く必要はありません。」
「そんな事が可能なのか。そこは、リアだからと言ったところか。是非今夜にでも試してみたい。」
「分かりました。では、今夜私の部屋に来てください。それと、お義姉様には、此方を飲み物に混ぜて飲ませて下さい。眠り薬の効果と体を温めて、妊娠しやすくする効果が入ったものです。飲んで15分程で効いて来ますので、閨の前に、一緒にお酒を飲み、それに混ぜても良いかもしれません。」
「分かった。では、今夜部屋にいくよ。私の為に考えてくれて、ありがとう。」
ぎゅっと抱きしめ、耳元で「愛してるよ」と囁きながら、口付けを落とす。
私は、ロイ義兄様の背中をゆっくり摩りながら、これで良いのか悩んでいた。
でも、ロイ義兄様の為。他に方法は浮かばない。
ロイ義兄様に取っては、救われるが、お義姉様に取っては・・・。
子作りの必要が無くなれば、ロイ義兄様がお義姉様を抱く必要が無くなる。
これから、ずっと愛する人に抱かれずに過ごす事になる。
それは、きっと悲しく辛い事だろう。
だが、好きでもない女を無理やりにでも抱かなければ行けない、ロイ義兄様も辛い。
両方を救える案が無いのであれば、私はロイ義兄様を取る。
これでロイ義兄様は、子作りの重圧からも心労からも解放される。
お義姉様だって、好きな人の子供を授かる事が出来る。
ロイ義兄様は、お義姉様の事が嫌いなわけでは無い。
友人として、親愛の情はある。
だから、無碍に扱わず、大切にしている。ただ抱けないだけで・・・。
ただ、その優しさが、お義姉様に誤解をさせていると思う。
側からみれば、2人は仲の良い、愛し合う夫婦だ。
お義姉様もロイ義兄様が、細やかに日々配慮し、優しくされ、愛されてるなと思っているはず。見ていて幸せオーラが凄い。
でも、それでいいと思う。
何も知らなければ、幸せなままで居られる。知る必要のない事実は気付かなければ良い。
「先を少し入れるだけ。処女膜は破らないから大丈夫だよ?」
という、何が大丈夫か全く分からない事を言われた。
(純潔を守るって処女膜破かなければ良し!な判断なの?それなら良いのかな・・・)
と言う様に、流されまくり今に至る。
ロイ義兄様の婚約者は、一月前から、此方の屋敷に引っ越していた。
正直な所、気不味い。
彼女は何も知らないし、何より・・・彼女はロイ義兄様を愛してる。
彼女の事を思うのであれば、私がロイ義兄様を拒否しなければならない。
ロイ義兄様が眉を下げて「今だけで良いから、夢を見させておくれ」と切なげに言われてしまうと、拒否出来ず、そのままズルズルと関係を続けてしまう。
貴族の結婚は自分で結婚相手を選ぶ事も出来ない。勿論ロイ義兄様も例外では無い。
彼が、「今だけ」と望んでいるのだから、あと少し甘えさせてあげよう。
お義姉様には申し訳無いけれど、ロイ義兄様が望んでいるのは私だから・・・。
この関係も、ロイ義兄様が結婚するまで。そうなるはずだった・・・。
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結婚式が終わり、今頃はロイ義兄様も初夜頑張ってる所かなー。などと思いながら、ベッドで本を読む。
ちょっと、本に夢中で夜更かしになっちゃったので、そろそろ寝ないとと思った所で、扉をノックする音が響く。
(こんな夜更けに誰が・・・?)
「・・・私だ。入るよ。」
「え?ロイ義兄様?」
(え?何でロイ義兄様がいるの?初夜は?)
「部屋の前を通ったら、灯りが漏れていたから、まだ起きていると思ってね。」
「えっと、ロイ義兄様?今夜は、大事な初夜だと思うのですが・・・。」
ロイ義兄様は、くしゃっと顔を歪め
「あぁ、役目は果たしてきたよ。とは言っても、好きでもない女を前に、勃つものも勃たなくて、媚薬を使ってなんとかって所かな。」
(それはなんとまぁ・・・掛ける言葉もないかな。)
「それでね。リアに慰めて貰いにきたんだよ。今日は添い寝してくれるだけで良いんだ。抱きしめて寝たい。癒しておくれ。」
(はぁー。お義姉様抱いた後に、ヤリにきたなら最悪だけど、抱きしめて癒しをか・・・。)
「仕方無いですね。添い寝するだけですよ?皆が起きる前に部屋に戻ってくださいね?」
「分かっているよ。ありがとう。」
ロイ義兄様は、私を抱きしめ、髪に顔を埋めて、寝てしまった。
媚薬を使わなければ抱けないのか。
それは苦痛な事だろう。
でも、子作りは貴族の義務。
何か役に立てる事はないかな。
ちょっと考えてみよう。
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翌朝、お義姉様は、部屋で朝食を取った。
初めてだと、身体がキツいだろうから、翌日の朝は部屋で朝食を取るのが普通らしい。
何も言わずとも、勝手に部屋に朝食が準備されるのだとか。
つまりは、初夜抱かれなかったとしても、部屋に朝食が用意されてしまうと言う事だ。
午後、お義姉様とすれ違った時に、少し話をしたが、ロイ義兄様とは、対照的に幸せそうだった。
なんとも言えない・・・。
お義姉様を見ると「幸せそうで良かった」と思う。
でも、ロイ義兄様を見てると「可哀想に・・・」と憐れんでしまう。
どうしたものか。
やっぱり、どうしても辛そうにしているロイ義兄様を優先に考えてしまう。
お義姉様には申し訳無いけれど、一つ考えてついた方法をロイ義兄様に話そう。
お義姉様と分かれて、ロイ義兄様の執務室に向かう。
扉をノックし、部屋に入る。
ロイ義兄様は、此方に向かって、歩いてきて、髪を一房掬い口付けを落とす。
「リアが此処にくるのは、珍しいね。どうしたの?」
柔らかい笑顔で、嬉しそうな顔をされると、私も自然と笑顔になる。
「ロイ義兄様のお悩みを解決出来るお話をしにきました。」
「私の悩み・・・?」
「単刀直入に言うと、子作りについてです。」
「・・・リア。媚薬を飲む以外に方法があるというのかな?」
「はい。普通の方法での子作りでは無いので、余りおすすめ出来ないのですが、ロイ義兄様が余りに辛そうだったので・・・。そして、これは私にしか出来ない方法なので、口外しないで頂きたいのです。」
「分かった。約束する。」
「・・・簡潔に言えば、ロイ義兄様が自慰をし、出した精液を私が魔力で包み込み時を止めます。その精液を閉じ込めた珠を、お義姉様の筒内に挿入し、精液を流し込んで子作りをします。これであれば、ロイ義兄様が辛い思いをしながら、お義姉様を抱く必要はありません。」
「そんな事が可能なのか。そこは、リアだからと言ったところか。是非今夜にでも試してみたい。」
「分かりました。では、今夜私の部屋に来てください。それと、お義姉様には、此方を飲み物に混ぜて飲ませて下さい。眠り薬の効果と体を温めて、妊娠しやすくする効果が入ったものです。飲んで15分程で効いて来ますので、閨の前に、一緒にお酒を飲み、それに混ぜても良いかもしれません。」
「分かった。では、今夜部屋にいくよ。私の為に考えてくれて、ありがとう。」
ぎゅっと抱きしめ、耳元で「愛してるよ」と囁きながら、口付けを落とす。
私は、ロイ義兄様の背中をゆっくり摩りながら、これで良いのか悩んでいた。
でも、ロイ義兄様の為。他に方法は浮かばない。
ロイ義兄様に取っては、救われるが、お義姉様に取っては・・・。
子作りの必要が無くなれば、ロイ義兄様がお義姉様を抱く必要が無くなる。
これから、ずっと愛する人に抱かれずに過ごす事になる。
それは、きっと悲しく辛い事だろう。
だが、好きでもない女を無理やりにでも抱かなければ行けない、ロイ義兄様も辛い。
両方を救える案が無いのであれば、私はロイ義兄様を取る。
これでロイ義兄様は、子作りの重圧からも心労からも解放される。
お義姉様だって、好きな人の子供を授かる事が出来る。
ロイ義兄様は、お義姉様の事が嫌いなわけでは無い。
友人として、親愛の情はある。
だから、無碍に扱わず、大切にしている。ただ抱けないだけで・・・。
ただ、その優しさが、お義姉様に誤解をさせていると思う。
側からみれば、2人は仲の良い、愛し合う夫婦だ。
お義姉様もロイ義兄様が、細やかに日々配慮し、優しくされ、愛されてるなと思っているはず。見ていて幸せオーラが凄い。
でも、それでいいと思う。
何も知らなければ、幸せなままで居られる。知る必要のない事実は気付かなければ良い。
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