今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

文字の大きさ
上 下
21 / 106
二章 精霊姫 人間界に降りる

ロイ義兄様との関係

しおりを挟む
 ロイ義兄様とは、あれから更に行為がエスカレートして行き・・・
 
 「先を少し入れるだけ。処女膜は破らないから大丈夫だよ?」

 という、何が大丈夫か全く分からない事を言われた。

 (純潔を守るって処女膜破かなければ良し!な判断なの?それなら良いのかな・・・)
 と言う様に、流されまくり今に至る。

 ロイ義兄様の婚約者は、一月前から、此方の屋敷に引っ越していた。
 正直な所、気不味い。
 彼女は何も知らないし、何より・・・彼女はロイ義兄様を愛してる。
 
 彼女の事を思うのであれば、私がロイ義兄様を拒否しなければならない。
 ロイ義兄様が眉を下げて「今だけで良いから、夢を見させておくれ」と切なげに言われてしまうと、拒否出来ず、そのままズルズルと関係を続けてしまう。
 貴族の結婚は自分で結婚相手を選ぶ事も出来ない。勿論ロイ義兄様も例外では無い。
 彼が、「今だけ」と望んでいるのだから、あと少し甘えさせてあげよう。
 お義姉様には申し訳無いけれど、ロイ義兄様が望んでいるのは私だから・・・。

 この関係も、ロイ義兄様が結婚するまで。そうなるはずだった・・・。

 __________________________________

 結婚式が終わり、今頃はロイ義兄様も初夜頑張ってる所かなー。などと思いながら、ベッドで本を読む。

 ちょっと、本に夢中で夜更かしになっちゃったので、そろそろ寝ないとと思った所で、扉をノックする音が響く。

 (こんな夜更けに誰が・・・?)

 「・・・私だ。入るよ。」

 「え?ロイ義兄様?」
 
 (え?何でロイ義兄様がいるの?初夜は?)

 「部屋の前を通ったら、灯りが漏れていたから、まだ起きていると思ってね。」

 「えっと、ロイ義兄様?今夜は、大事な初夜だと思うのですが・・・。」

 ロイ義兄様は、くしゃっと顔を歪め

 「あぁ、役目は果たしてきたよ。とは言っても、好きでもない女を前に、勃つものも勃たなくて、媚薬を使ってなんとかって所かな。」

 (それはなんとまぁ・・・掛ける言葉もないかな。)

 「それでね。リアに慰めて貰いにきたんだよ。今日は添い寝してくれるだけで良いんだ。抱きしめて寝たい。癒しておくれ。」

 (はぁー。お義姉様抱いた後に、ヤリにきたなら最悪だけど、抱きしめて癒しをか・・・。)

 「仕方無いですね。添い寝するだけですよ?皆が起きる前に部屋に戻ってくださいね?」

 「分かっているよ。ありがとう。」

 ロイ義兄様は、私を抱きしめ、髪に顔を埋めて、寝てしまった。
 媚薬を使わなければ抱けないのか。
 それは苦痛な事だろう。
 でも、子作りは貴族の義務。

 何か役に立てる事はないかな。
 ちょっと考えてみよう。
 
 __________________________________
 
 翌朝、お義姉様は、部屋で朝食を取った。
 初めてだと、身体がキツいだろうから、翌日の朝は部屋で朝食を取るのが普通らしい。
 何も言わずとも、勝手に部屋に朝食が準備されるのだとか。
 つまりは、初夜抱かれなかったとしても、部屋に朝食が用意されてしまうと言う事だ。

 午後、お義姉様とすれ違った時に、少し話をしたが、ロイ義兄様とは、対照的に幸せそうだった。
 なんとも言えない・・・。
 お義姉様を見ると「幸せそうで良かった」と思う。
 でも、ロイ義兄様を見てると「可哀想に・・・」と憐れんでしまう。

 どうしたものか。

 やっぱり、どうしても辛そうにしているロイ義兄様を優先に考えてしまう。
 お義姉様には申し訳無いけれど、一つ考えてついた方法をロイ義兄様に話そう。

 お義姉様と分かれて、ロイ義兄様の執務室に向かう。
 扉をノックし、部屋に入る。

 ロイ義兄様は、此方に向かって、歩いてきて、髪を一房掬い口付けを落とす。

 「リアが此処にくるのは、珍しいね。どうしたの?」

 柔らかい笑顔で、嬉しそうな顔をされると、私も自然と笑顔になる。

 「ロイ義兄様のお悩みを解決出来るお話をしにきました。」

 「私の悩み・・・?」

 「単刀直入に言うと、子作りについてです。」
 
 「・・・リア。媚薬を飲む以外に方法があるというのかな?」

 「はい。普通の方法での子作りでは無いので、余りおすすめ出来ないのですが、ロイ義兄様が余りに辛そうだったので・・・。そして、これは私にしか出来ない方法なので、口外しないで頂きたいのです。」
 
 「分かった。約束する。」

 「・・・簡潔に言えば、ロイ義兄様が自慰をし、出した精液を私が魔力で包み込み時を止めます。その精液を閉じ込めた珠を、お義姉様の筒内に挿入し、精液を流し込んで子作りをします。これであれば、ロイ義兄様が辛い思いをしながら、お義姉様を抱く必要はありません。」

 「そんな事が可能なのか。そこは、リアだからと言ったところか。是非今夜にでも試してみたい。」

 「分かりました。では、今夜私の部屋に来てください。それと、お義姉様には、此方を飲み物に混ぜて飲ませて下さい。眠り薬の効果と体を温めて、妊娠しやすくする効果が入ったものです。飲んで15分程で効いて来ますので、閨の前に、一緒にお酒を飲み、それに混ぜても良いかもしれません。」

 「分かった。では、今夜部屋にいくよ。私の為に考えてくれて、ありがとう。」

 ぎゅっと抱きしめ、耳元で「愛してるよ」と囁きながら、口付けを落とす。
 私は、ロイ義兄様の背中をゆっくり摩りながら、これで良いのか悩んでいた。
 でも、ロイ義兄様の為。他に方法は浮かばない。

 ロイ義兄様に取っては、救われるが、お義姉様に取っては・・・。
 
 子作りの必要が無くなれば、ロイ義兄様がお義姉様を抱く必要が無くなる。
 これから、ずっと愛する人に抱かれずに過ごす事になる。
 それは、きっと悲しく辛い事だろう。

 だが、好きでもない女を無理やりにでも抱かなければ行けない、ロイ義兄様も辛い。
 
 両方を救える案が無いのであれば、私はロイ義兄様を取る。
 これでロイ義兄様は、子作りの重圧からも心労からも解放される。

 お義姉様だって、好きな人の子供を授かる事が出来る。

 ロイ義兄様は、お義姉様の事が嫌いなわけでは無い。
 友人として、親愛の情はある。
 だから、無碍に扱わず、大切にしている。ただ抱けないだけで・・・。

 ただ、その優しさが、お義姉様に誤解をさせていると思う。
 側からみれば、2人は仲の良い、愛し合う夫婦だ。
 お義姉様もロイ義兄様が、細やかに日々配慮し、優しくされ、愛されてるなと思っているはず。見ていて幸せオーラが凄い。
 
 でも、それでいいと思う。
 何も知らなければ、幸せなままで居られる。知る必要のない事実は気付かなければ良い。
 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

転生しても山あり谷あり!

tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」 兎にも角にも今世は “おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!” を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った

冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。 「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。 ※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

【完結】四ばあちゃん、二度目の人生

大江山 悠真
ファンタジー
63歳、高校時代の仲間4人のおばあちゃんが異世界転生。せっかくの二度目悔いなく生きたいとシズ・セリ・ヤエ・マリ奮戦中。現在はセリを中心に展開中。シズ・セリ・ヤエと登場し、最後のマリのお話です。シズ・セリ・ヤエの子供たちも登場するかもしれません。初めての作品でなかなか思うように登場人物が動いてくれませんが完結まで進めていこうと思っています。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

処理中です...