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三章 精霊姫 側妃になる

王太子殿下とティータイム

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 「スティーリア様、王太子殿下がいらっしゃいました」

 「分かったわ」

 遠目から見ても、イケメンオーラを放ってるわー。
 手足が長いってだけで、イケメン度増し増しだわ。

 サラサラ艶々黒髪が、短く整えられてて、決まってるなー。
 凛々しい目元が・・・今!微笑みましたけどー!!え?微笑んだよね!?
 あれ?親しい間柄の人にしか見せないんじゃ・・・1日でもう親しくなったのかな?私たち。

 「やあ、スティーリア。今日は、誘いを受けてくれて有難う」

 「此方こそ、お誘い有難うございます。本日は、私のおすすめのお茶菓子を用意させたので、楽しんで頂ければと思います。さぁ、殿下お掛けください」

 「スティーリア・・・」

 腰を引き寄せられ、額に口付けを落とす・・・。

 (え!?なに?なに?なにーーーーーーーーー!?)

 「で、殿下?」

 「スティーリア。私の事は、ヴァンと呼んで欲しい。昨夜は無理をさせたが、体は大丈夫か?」

 甘い!雰囲気があまーい!

 「あの、えっと・・・体の方は、ゆっくり湯に浸かり、侍女達が体を解してくれたお陰で、大丈夫です。ご心配ありがとうございます。殿下」

 「ヴァンだ」

 「え?」

 「ヴァンと呼んで欲しい」

 「・・・ヴァン様?」

 「いい子だ」

 ちゅっ。

 こんな所で何してくれてるんですかー!ヴァン様ー!
 恥ずかしすぎる。せめて人目を気にして欲しい・・・。
 あー、王族や貴族は、使用人は人の目に入らないんだったか・・・。

 「あの、ヴァン様、恥ずかしいので、外では、そういう事は控えて頂けると嬉しいですわ。あと、私の事は、リアとお呼び下さい」

 殿下だけ愛称と言うのもなんなので、私も愛称で呼んで貰おう!
 でも、なんでレオニードの愛称である、レオじゃなくて、ミドルネームのヴァン呼びなんだろう。

 「ふっ、リアは恥ずかしがり屋なんだな。使用人達は、こう言う時は目を逸らすものだ。気にする必要はない」

 「え、いや、それはちょっっっっ!んー!ふぁ、ヴァン、まって、ムーーー!!!」

 (こんな所で、閨の時のような口付けをするなんてー!!)

 ヴァン様が満足するまで、ひたすら口の中を貪られ、お茶会前にグッタリ。

 「リア、すまない。頬を染めて、恥ずかしがるお前が愛らしくて、触れずには居られない」

 (あれ、ヴァン様って溺愛系王子なの?あれー?予想と違いすぎてビックリなんですが。取り敢えず、お茶会を始めたい・・・料理人が頑張ってくれた、スイーツが食べたい)

 「ヴァン様・・・少し我慢して頂けると嬉しいです。ヴァン様とのお茶会を楽しみに待っておりましたので、そろそろ席に着いても宜しいですか?」

 「あぁ、すまない。私も楽しみにしていた。座ろうか」

 「はい。・・・あの、ヴァン様?」

 「ん?どうした?」

 (「ん?」じゃないわー!何でそんなに引っ付いて座るのー!)

 「あの、少し近い様な気が致します。ヴァン様も狭いと、思いますので、私はそちらの席へ移動・・・」

 「いや、問題ない。このままで良いだろう。さぁ、リアのおすすめを頂こうか」

 (3人がけのソファーに、私の腰を抱き寄せて、ピッタリと座るって・・・諦めよう)

 「ヴァン様、こちらは、我が辺境伯領にて収穫した、オレンジと精霊樹の実を使った焼き菓子でございます。甘さ控えめで食べやすく、栄養価もあるので、忙しくて食事を抜いてしまった時などに、摘むのにも丁度良いのです」

 「それは、楽しみだ。どれ。・・・この実は塩気があり、食感も楽しめて、オレンジとも相性が良い様だ。これは美味しいな。是非王宮の料理長にも作り方を教えてほしい。公務の合間に摘むのに、良さそうだ」

 「お気に召して頂けて良かったです。料理人も喜ぶ事でしょう。後程、王太子宮に伺う様に申し伝えておきますわ」

 「助かる。ほら、リアの好きな焼き菓子なのであろう?お食べ」

 (・・・これは、所謂あーんですよね?もう今更だよね。食べちゃえ!)

 「ふふっ。やっぱり美味しいです。うちの料理人は素晴らしいですわ」

 (な・・・なに?めっちゃ見つめてくるんですけど。今度は何!?)

 「ヴァン様?どうしまし・・・っっっ!ふっ、あっ!」

 (またなのー!?お茶会って何ー!?お茶飲んでないし、お菓子も一口しか食べてないよー!)

 先程とは違い、ソファーの上なので、私はクッションの上に押し付けられ、ヴァン様に覆いかぶさる様に、深く深く口付けをされる。
 仕方なしに、されるがままに流されていると、ヴァン様の手がスカートの中に!

 「~~~~~~っ!!んーーーー!!んんんーーーーー!!!」

 (こんな所で、盛らないでー!せめてベッドでー!ここ外ー!庭園!周りに使用人もいるのよー!)

 「はぁはぁはぁ。ヴァン様・・・」

 「そんな目を潤ませて、可愛い顔を見せられたら、やめられないよ?」
 
 ちゅっ。ちゅっ。

 (こんなところで、そんな事するから、生理的な涙が出てしまったんじゃないかー!もー、カイン様ー!この人の何処が淡白なのよー!)

 「ヴァン様!こんな外でこの様な事はいけませんわ。あの、せめて二人っきりでベッドの上にいる時にして頂けると、嬉しいです」

 あー、もう!私ったら何言ってるの。恥ずかしい!
 両手で顔を隠し、羞恥に耐えるしかない。

 「あー、可愛いな。ちゅっ。ちゅっ。今夜もたっぷり可愛がってやろう。残念だが、そろそろ行かねばならない。ちゅっ」

 「あ、ヴァン様。まだ食べて頂いてないお菓子がありますので、是非お持ち下さい。休憩時間にでも食べて下さい」

 「あぁ、頂いて行こう。ありがとう。また夜に。ちゅっ」

 はぁー・・・疲れた。
 あれ?子作りにここ来たんだったよね?
 溺愛されにきたんだったっけ?

 「スティーリア様・・・お茶のご用意をしておりますので、少し此方で休まれてから部屋に戻られますか?」

 「そうね。そうするわ。なんか疲れちゃったし・・・」
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