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三章 精霊姫 側妃になる

王宮へ

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 側妃様、此方の水晶宮がお過ごし頂く宮で御座います。」

 案内されたのは【水晶宮】

 側妃用に用意されているのは、2つの宮。
 【水晶宮】と【花の宮】

 本来は、側妃は1人だけ娶るが、その側妃も懐妊の兆しが一向に見えない場合、2人目の側妃を娶る。その為に、側妃の宮は2つ用意されている。

 そして、私に宛てがわれた宮は【水晶宮】
 寵妃が住むとされる宮だ。

 透明度の高いガラスに覆われて、陽の光で明るく、天井には美しいステンドグラス。
 中には、温室のようになっており、噴水があり、花々が美しく咲き乱れている。
 室内は、温度調整されており、とても過ごしやすい。

 この水晶宮を建てた当時の王太子が、寵愛する側妃の為に、美しい癒しの空間を作ったと言われている。

 水晶宮の周りには、木々が生い茂っている為、周りの目も気にならない様になっている。

 (これは・・・凄い。私好みの宮だ。)

 至る所に、観葉植物があり、天井からも吊るされてあり、まるで辺境伯邸での温室の中に居るみたい。

 部屋は、植物を多く置き、癒しの空間にしたいことや、部屋の中に階段を設置し、下の部屋に移動出来る様に希望していた。
 下の部屋には、ポーションや魔道具を作るための作業場とし、そこから直接出れる庭には、森の様に木々を植えて、俗世と隔離した様にしたいと話していた。
 階段は螺旋状になっていて、とてもお洒落な造りになっている。
 壁紙は、淡いクリーム色で優しい雰囲気に、絨毯は白地に、青と緑で柄が入っている。
 モスグリーン生地の猫足ソファーに、白地と青地のクッション。
 大きな窓で開放感があり、バルコニーにも、可愛いガーデンテーブル。
 本棚や糸など刺繍する道具なども揃っている。

 私の希望を忠実に再現している。
 素敵な部屋で気に入った!

 さぁー、肝心の寝室は・・・カチャ

 ネイビーの絨毯に、天蓋付きの大きなベッド。
 天蓋は、白地に青と緑の糸で繊細な刺繍がされていて、とても上品な仕上がり。

 照明は、私が自作した魔道具。
 魔道具に魔力を流し込むと、淡い光を灯した花がフワフワと部屋に散らばっていき、幻想的な雰囲気を作り、とても素敵な空間に。

 ベッドで本を読む時用の照明は、別途サイドテーブルに準備してある。

 うんうん。雰囲気作りとしては、okじゃないかな?
 殿下がその気になれないという時用に、一応媚薬の類も用意してある。勿論私のお手製なので、効果はバッチリ!効果時間は2~3時間と個人差あり。
 流石に、それ以上長い時間は疲れちゃうと思うしね!

 夜着は・・・セクシー且つちょいカワなヒラヒラとしたベビードール。
 これも・・・私のお手製だ!
 流石に初夜をスルーされたら、溜まったものではないので・・・。
 自分で言うのもなんだけどなんだけど、清楚な儚げ美女(16歳だから美少女?)が、悩ましげな美ボディで、ベビードールなんて着ちゃってたら、押し倒さない男は居ないだろ!?という、自己判断です。

 専属メイド達に、着せて見せたところ、大絶賛されたので、間違い無いと思う。
 何なら、彼女達もそういう夜着が欲しいと言っていたので、ちゃちゃっと作ってプレゼントした。
 側妃は、閨以外の時間は、基本的に自由なので、その時間を使って、私発案のベビードールを商品にして販売しても良いかもしれない。

 夜疲れるだろうから、今から少し湯に浸かって、マッサージして貰って、仮眠取ろう。
 お昼は抜いて、アフタヌーンティーで、果物とスコーン食べよう。
 夜も少なめにしないと、食後の運動が辛そうかなー。
 まぁ、精霊姫なので、食べなくても死なないけどねー。
 でも、美味しいものを食べることは、生活を豊かにする事にも繋がるから、美味しいものは味わいたい!

 妊娠中は、子供に栄養たっぷり上げたいから、ドラゴンの肉と精霊樹の実をメインで作って貰おうかな。
 ふふっ。ちょっと気が早いかな。
 んー、眠い。おやすみなさい。
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