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二章 精霊姫 人間界に降りる

世界のお勉強をする

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 この屋敷には、図書館か?と言うほど、立派な書庫がある。
 前世では、昼休みと放課後に、図書室に入り浸っていたので、書庫は居心地が良い。

 家庭教師の先生のお話で分かった事は、幾つかあるが、「え!?そうなの!?」と思った事が・・・。

 この国、学校が無いんですけどー!
 えー?異世界と言えば、鉄板の乙女ゲームの舞台となる学園があるものでは?

 何でも、貴族は基本的に家庭教師を雇い、邸で勉強するのが、当たり前。
 10才からは、お茶会などに参加して、友人作りをするらしい。
 大体、12~13才辺りで、婚約をして、成人の16才で結婚する流れ。

 16才で結婚。
 まぁ、身体は大人になってるので、子を産める年齢という基準みたい。

 ほむ。
 いつか、学園作ろう。
 異世界といえば、学園での恋愛でしょ!
 可愛い制服作って、学生生活とかもしてみたい。

 孤児院に先生を派遣して、読み書きと簡単な計算が出来る様にする予定なので、貴族以外の子供たちは、孤児院に通って貰おう。
 
 商会で、ガッツリお金を稼いで、学園作るぞー!
 商会で稼いだお金は、学園と孤児院で使って行く感じになりそうかな。
 お金持ちになりそうだから、多分大丈夫だと思う。

 この世界は、大きく分けて、私が今いる人間の国ライオネル、獣人の国フリード、竜人の国グランドルと、分かれており、その中で、また細かく国が分かれているそうだ。

 獣人でモフモフとか憧れるし、竜人のひんやり・しっとりな鱗も魅力的。
 
 因みに、竜人の国は、空に浮いてるんだとか!
 何それ!飛行石!?

 竜人は、上位種は、翼の出し入れが出来るので、自分で飛んで行くが、下位種は、飛竜に乗って移動するんだとか。
 飛竜に乗るとか、羨ましい。
 私も一度は乗ってみたい。
 寧ろ餌付けして、1匹連れて帰りたい。いつか竜人の国に行ってみよう。

 獣人の国は、トップが九尾と銀狼と黒獅子の3人いるらしい。

 九尾いいな。毛並み綺麗そう。もふもふしたい。

 んー、書庫は静かで、少しひんやりした空気が気持ちいい。
 なんか眠くなってきた。

 少しだけ・・・
 
 机に、頭を伏して暫し昼寝を・・・

 カタンッ

 「あれ、寝てるのか。・・・リア。」
 
 んー?ロイ義兄様かな。眠い。このまま寝たふりしとこう。

 サラリと指で髪をすく感覚。
 一房掬い、口付けを落とし、去っていく足音。

 ・・・えっ!?えぇぇぇぇー!?

 ・・・これは・・・知らないふりをした方が良いよね。私寝たふりしてたし。
 ロイ義兄様って私の事が好きなのかな。普段は、そんな素振り無かったのにな。

 それから、ロイ義兄様が度々書庫を訪れる様になった。
 私が寝ている時は、儀式の様に髪に口付けを落とし去っていく。
 私が起きている時は、本について少し雑談をして去っていく。

 私は、何も気付かない、知らないふり。

 その知らないふりもそろそろ限界に・・・。

 何故か?

 今まで髪に口付けを落として去って行っていたのに、今では、唇に口付けを落として行くのー!
 私の今世でのファーストキス!
 勝手にファーストキスを奪われてしまったが、不幸中の幸い?相手がイケメンで良かった。

 これも、始めは軽く触れる程度だったが、徐々に啄む様な口付けに変わって・・・これ寝たふり無理でしょ。
 
 「ん・・・ロイ義兄様?」
 
 薄らと目を開けて、ぼんやりと見上げる。
 流石に自分でも、ここまでやれば、起きるだろうと予想してたのか、私が目覚めても特段驚いた様子も無い。

 「リア。おはよう。良く眠れたかな?」

 え?もしや、口付けは無かった事にして会話をする気?
 どうしたものか。突っ込むべきか?んー・・・。

 「えっと、おはようございます。ついウトウトしてしまいました。ロイ義兄様は、本を探しに?」
 
 スリっと、親指で私の唇をなぞり、目を細めて、耳元に囁く。

 「リア。はじめて髪に口付けを落とした時から気付いていたでしょう?」

 ドクン

 始めから、私が寝たふりを気付いて、口付けをしていたと言う事?

 後頭部に手を回し、ふいっと上を向かされて、軽く口付けされる。
 
 「ロイ義兄様・・・」

 と、口を開いた時に、舌が滑りこんできた。

 これは、前世で言うところの、ディープキス。
 んんんんー、気持ち良いのが困った。
 イケメンとの濃厚なキス。
 キスまでなら良いかな?少しだけ流されても・・・
 
 それから、どれくらい口付けを交わしていたのか、離れて行った時には、もう頭がくらくらして何も考えられなかった。

 それから、書庫で何度か密事に耽る事に。
 口付けだけなら、と意味不明な言い訳を心の中で呟き、ロイ義兄様からの口付けを受け入れる。
 
 それから徐々にスカレートしていき、身体を触れ合い・・・最後までしなきゃ良いって事にしよう!と、流れに流されて、ただただ、挿入していないだけで、指でや舌で何度もイカされ、私も股を貸し、私の肌を精液で汚す、濃厚な触れ合いをしている。

 お互いに、何も言わないが、この関係が、結婚するまでと思っている。
 勿論、ロイ義兄様も次期当主として、政略結婚することは納得しているし、私も気持ち良くて流されてしまっているけど、結婚は考えた事もない。

 お互いに、今のこの時間を楽しんでいるだけ。
 ロイ義兄様は、そこに私への愛情が混じってしまっているだけ。口付ける度に、愛してると囁き続けるので、心臓がキュッと苦しくなる。成就することのない想いを言葉にし、触れ合う。この行為は不毛じゃないのかな。
 それでも、ロイ義兄様が望むのであれば、私は流され、今を受け入れる。

 はぁ。
 私の貞操観念どうしちゃったのー!?

________________________________

R18設定ではないので、エロシーンはサラッと流します。
 
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