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二章 精霊姫 人間界に降りる

孤児院を新設する

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 さて、この世界に来て、そろそろ1年。世界樹に魔力を注ぎに精霊界に戻って来たわけです。

 そうそう、この世界樹ユグドラシルの葉。
 魔力を注ぐ前に、少量収穫して、売っても良いらしい。これまた、精霊姫たちの日記に書いてあった!

 これも、精霊姫しか収穫出来ないので、高値で売り買いされる。
 エリクサーの材料なんだとか。
 ただでさえ、数が少ないのに、私が売り忘れると、エリクサーが作れず困るんだとか。
 ほむ。前回そんなことも知らずに、魔力注いだだけだったので、世界樹ユグドラシルの葉が市場に出回らず。
 ただでさえ、数の少ないエリクサーが、一切出回らず、王家すら買う事が出来なかったのだとか。

 なので、今回は、忘れずにしっかり収穫しましたよー!

 そんなこんなで、私お金持ちになったのです。
 精霊界にあるものだけでも凄い儲けだけど、私が作ったマジックバッグ、保冷・保温のタンブラーや飲料水などといったものの売上も良く、お金が貯まる一方。
 
 これは、お金を使って市場を回さなければ!
 以前から考えていた孤児院を、改築しよう!と、思ったのだけど、改築するには、子供たちを一時的に別の場所に移さなければならない。
 それなら、いっそ新しく作って、完成したら引っ越して貰えば良いのでは?という事になり、お義父様に業者を紹介して頂き、私の商会名義で孤児院を新設することに。

 孤児院は、基本的に各領主が支援して経営している為、領地により経営状況に差がある。
 そこで、商会名義の孤児院を作る事で、領地ごとによって、差が出ない様にしたい。各領地の現状を把握して、各地に新しく作っていきたい。
 前世で好きだった桜の花をモチーフにした紋章を作って、さくら児童養護施設と名付けて、16才で独り立ち出来る様に支援をしていきたい。

 新建屋は、全て領地の人たちを使う事で、領地の経済活性化にもなれば良いな。

 因みに、王侯貴族向けの商品は、辺境伯家で新たに作った商会で売り、冒険者や民衆向けの商品は、私が新たに立ち上げた商会で売る事にした。
 王侯貴族向けの商品は、単価も高いし、定期購入もあるので、売上上々。辺境伯家にもマージンがたっぷり入って、良い感じ。

 そして、辺境伯家の使用人の服も一からデザインし、作り直す事に。
 これは、お義父様に相談し、日頃の感謝を込めて、私からプレゼントさせて頂く事に。
 服に使った生地は、エンペラースパイダーの糸を使って作られたもの。普通であれば、身に付けることが出来ない一級品。
 色は、染色し、ネイビーの品の良い仕上がりになっている。

 今まで使用していた、使用人達の服は、辺境伯家だけあって、しっかりとした生地を使ってあるので、店に依頼して、可愛くリメイクし、孤児院の子供達の服にして貰う事にした。

 数も大量なので、店員たちは当分忙しいとは思うが、売り上げは相当のものになるので、店に取っては良い仕事だと思う。

 次は、辺境伯の騎士団員達のマントやブーツ、パンツなどを、精霊姫達が使ってたマジックバッグに眠っていた、ドラゴンの皮を使って新調した。
 剣もミスリルを使ったものに。マジックバッグは、ドラゴンの皮を使って作り、辺境伯領騎士団の紋章を刻印し、容量は1片5m時間停止機能付きにした。
 これには、騎士団員達だけでなく、お義父様とロイ義兄様も大喜びだった。

 調理場には、時間停止機能付きの、お肉をスライスして収納して置ける、引き出し付きガラスケースや、時間停止付きの保存容器を沢山プレゼント。ナイフもミスリル製にし、保温機能付きの寸胴もプレゼントした。

 そして、一番のプレゼントは・・・騎士団の訓練場の休憩スペースと調理場を繋ぐ魔道具を作った事。
 これで、訓練後に、調理場から直接休憩スペースに昼食を転送する事が出来る様に!

 因みに、この休憩スペースも改装した。訓練場のすぐ横にある休憩スペース。
 訓練の合間の休憩程度にしか使われておらず、訓練後は、食堂に行って昼食を取っていた。折角なら、昼食もここで取れば良いのでは?と思い、ちょっと弄らせて貰う事に。

 まずは、ドラゴンの羽を取り出し、日除けにする。
 ドラゴンの骨を砕き固めたもので、テーブルと椅子を作り、コーティングする。ドラゴンの皮を使って椅子に乗せるクッションを作る。
 テーブルに魔法陣を埋め込んだ魔石を嵌め込んだ。この魔石に魔力を流す事で、調理場に知らせが届き、食事が転送されてくる。
 食事用のテーブルとは別に、ドラゴンの頭蓋骨を支柱にしたテーブルを作り、そこには水分補給用のタンブラーが転送されるようになっている。
 地面は、砂が舞うことがないように、ドラゴンの骨で整地した。

 休憩スペースには、結界を張って、このエリアに入った瞬間、浄化魔法が発動するので、訓練後スッキリした状態で食事が出来る上に、温度調整がされているので、過ごしやすいという、至れり尽くせりな休憩スペースとなっている。
 今では、お義父様とロイ義兄様も訓練後は、ここで団員たちと食事をしている。

 お義母様には、お義父様とデザインを揃えた指輪に、収納魔法を施したものと、エンペラースパイダーの糸を使ったドレスをプレゼントした。

 義妹のミリアリアには、ブレスレットに収納魔法を施したものと、お義母様と同じくドレスをプレゼントした。
 ミリアリアには、同じ年の婚約者が居るので、是非結婚指輪を作らせて欲しいとお願いした。今からどんなのが良いかデザインを考えて貰っている。お互いの瞳の色の宝石を嵌めた指輪にする事と、それに収納魔法を施す事は決まっている。

 ミリアリアの婚約者は、隣の領地の嫡男で、剣術の腕前も中々のものだとか。ミリアリアにお願いされて、ミスリルの剣、マントにブーツ、パンツにマジックバッグをプレゼントした。
 
 因みに、ロイ義兄様は、今年で16歳になり、結婚を控えている。婚約者は、領地の反対側にある辺境伯家の長女。辺境伯家の娘らしく、幼少の頃から剣を嗜んでいたとの事で、それなりに剣の腕が立つとの事。
 ミリアリアもそれなりに剣は扱える。

 結婚祝いに、ウェディングドレスとヴェールは、全てエンペラースパイダーの糸を使い、精霊の粉を振りかけて仕上げた。
 この精霊の粉は、キラキラと七色に光り、幻想的な雰囲気を醸し出す、世界に一つだけのドレスになっている。
 王族でも手に入れる事が叶わない史上のウェディングドレスだ。
 因みに、結婚指輪も私から二人お揃いの空間収納機能付きでプレゼントさせて貰った。
 そして、最後に精霊姫の加護を贈った。大盤振る舞いだ!
 
 王都で挙げる式は、王太子ご夫妻も招待している為、驚く事間違いないだろう。
 そして、辺境伯領に戻ってきてから、親族だけに披露宴を行い、領民へのお披露目がある。



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