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一章 精霊姫 誕生

精霊姫の家

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 精霊たちに着いていくと、木々に囲まれたレンガ作りで、赤い屋根の可愛い家が見えた。

 近くには、前世でもあった、桃・林檎・蜜柑が植えてある。
 前世の食べ物って持ち込めたり出来るものなのかな?

 「この果樹も精霊姫たちが植えたのかな?食べてみてもいい?」

 良い香りだし、美味しそう!是非とも味見したい!

 「これは、精霊姫様たちが植えたんじゃなくて、ここに元からある果樹だよ。栄養価が高くて、ここでしか手に入らないから、希少価値が高く、人間界では、高値で売れるんだよー」

 えっ!?売ったりしていいの!?

 「そうそう!人間界では、お金が必要だからね!精霊姫様たちもこれらを売って、お金に変えて、人間界で遊んでたね」

 成程。確かに無一文では遊べないもんね。
 良い事聞いた!私もこれを持って、人間界に遊びに行ってみよう!

 はっ、また忘れてた。

 「服着たいから、先に家の中に入るね。着替えてから果物食べて、家を模様替えとかしてみようかな」

 わぁー、可愛いお家!
 暖色系の色で纏まっていて、温かみのある雰囲気で、落ち着く感じ。
 クッションやブランケットなども自分で編んだんだろうな。
 一つ前の精霊姫は、攻撃魔法使わず支援特化って言ってたし、穏やかで優しい感じだったんだろうな。そんな雰囲気が部屋に満ちてる。

 「姫様ー!衣装部屋こっちだよー!」

 衣装部屋?クローゼットじゃなくて、衣装専用の部屋があるの?
 もしや、歴代の精霊姫の衣装が全て残ってるとかじゃないよね?

 「あ、う、うん。今行く!」

 一番奥にある部屋のドアを開けると・・・

 「うわー!なにこれ!え?どうなってるの?」

 部屋の広さに驚愕した!
 え、待って。
 この部屋20畳位あるんじゃない?
 家の大きさとあってないよね!?

 「はははー!驚いたー?みんな始め驚くんだよね!」
 「そうそう!みんな同じ反応するから面白いー!」
 「ここはね。魔法で空間拡張されてるから、実際の家の大きさより広い部屋が作れるんだよー」

 やっぱり、そうだよね。
 空間拡張!異世界!魔法あるあるだよ!

 「流石に、その時代の流行などもあるから、適度に服は整理して破棄して貰ってるから、精霊姫様も好みじゃないものとかあったら、処分してね」

 「あ、あと。ここは下着が仕舞ってあるからね。一つ前の精霊姫様が、転生して早々下着が無いのは困るでしょって、色んなサイズのを買っておいてくれたんだよ」

 「そーそー、一つ前の精霊姫様の時、服はあるのに、何で下着がないのー!って、言いながら、余ってた布で下着縫ってたよね」

 一つ前の精霊姫には感謝だ!
 サイズが合うか分からないから、幾つも用意してくれたんだ!
 次の精霊姫の為にって心遣いが嬉しい!生きていたら友達になれたと思う!
 まぁ、生きていたら、私が精霊姫として転生することもなかったんだよね。はぁ。

 「一つ前の精霊姫には、感謝して使わせて貰うね」

 凄い種類豊富だなー。
 可愛いのからセクシーなのまで・・・。私の好みがどれか分からないから、色々用意してくれたんだ。気持ちが本当に嬉しい。

 うーん。余り可愛過ぎず、セクシー過ぎず・・・。
 あ、これにしよう。
 白で、上に控えめにフリルがついて、白の糸で控えめに刺されてる刺繍が綺麗。
 横を紐で結ぶタイプ。

 これとセットになってる上の下着も。
 異世界あるあるの、ドロワーズとかコルセットとかかなーとか思ってたんだけど、前世と同じようなブラジャーとショーツで本当に良かった!
 誰かが下着改革してくれたんだね!ありがとー!
 両手を合わせて天を仰いだ。

 服は、どうしようかな。
 いっぱいあって見るのが大変!

 ベースはシンプルに白のワンピースにしようかな。
 色毎に整理されてるから、見やすいな。

 白のワンピースを物色してると、緑と青の糸で刺繍されたワンピースを見つけた。
 まるで、私の色だ。
 早速着替えて、鏡の前に立つ。

 「うわぁ、めっちゃ似合う!というか、私美少女過ぎる!!!!本当にこの顔!体が成熟したら、とんだ傾国の美女になっちゃうけど、大丈夫なの!?」

 華奢で、少し目を伏せただけで、儚げで消えそうな雰囲気を醸し出し、庇護欲そそる美少女。自分で言うのもなんだけど、微笑んだだけで、男が落ちそうな勢いですよ・・・。

 「今までの精霊姫様も美人だったけど、今回の精霊姫様は、歴代の精霊姫様のなかでも群を抜いて美人だよねー。ひとつ前の精霊姫様は可愛い感じだったかな」

 「うんうん。もー、人間界に行ったら凄いことになりそうだよー!」

 「歴代の精霊姫様たちも、フード付きの外套着たりしてたね」

 「後は、メガネかけてみたり、認識阻害魔法使って、印象に残らないようにしたりしてた!」

 成程。精霊姫は、基本的に美人な造りなのね。
 その中でも、私は群を抜いて美人とは・・・前世で、どんだけ徳を積んだのー!(本日何度目?)

 伊達メガネかけて知的美人っていうのもいいなー♪
 魔道具師をするときに、伊達メガネいいかも!雰囲気作り大事!
 冒険者するときは、フード付きの外套とかにしようかな?

 「みんな色々対策して遊んでたのね。折角だから髪留めとかもみてみようかな♪」

 さて、髪も魔法でどうにか出来ちゃうのかなー。
 イメージ。イメージ・・・後ろを残し、両サイドを編み込んで髪留めで留める。

 シュルシュル

 「わぁー、本当に出来た!魔法何でもありすぎて怖いわ!」

 パチパチパチパチッ
 精霊たちに拍手された。何故?

 「今回の精霊姫様はすごいねー。初日で魔法使いこなしてるよー!」

 「うんうん。凄い凄い!みんな始めはイメージするのが難しくて、魔法が途中で消えちゃったりするのにね。」

 あ、なんだ。皆始めから魔法使いたい放題ってわけではないのか。
 魔法はイメージが大事だから、明確にイメージ出来ないと使えず、コツが必要なのか。
 前世の私、ファンタジー大好き妄想脳で良かった!(本日何回目?)
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