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三章 逢瀬
---奏視点⑦---
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別れ際に、写真が撮りたいといった彼女に、この三人の前で写真を撮るのは恥ずかしいなと思いながらも、俺も彼女との写真が欲しかったので、了承した。
すぐに送って貰った写真を確認すると、恥ずかしそうにしながらも笑顔を向けている茉莉絵の姿が写っていて、撮ってよかったと思った。
いつでも見れるように印刷して羊と一緒に机に飾っとくか。
一人で家に帰りながら、何度も写真を見返してしまう。浴衣……最高だったな。
いつも可愛いと思ってたけど、なんか浴衣って特別だなと思った。
来年も浴衣でお祭りに行きたいなー。その時は、ちゃんと恋人として……って、やばい。俺、恋する乙女みたいな思考になってね?
家について、シャワーを浴びてソファーで寛いでいると、茉莉絵からメッセージが届いた。
『今日はお祭り一緒に行ってくれて、ありがとう。とても楽しかった。最後はお兄ちゃんと帰ることになっちゃったけど、もう少し一緒に居たかったな。今日は勉強はお休みの日にして、早めに寝ようと思います。おやすみなさい』
流石に、今日は勉強しないよな。俺も今日は楽しかった思い出として残しておきたいから、勉強はしないで早めに寝るか。
『足、早く良くなるといいな。俺ももう少し一緒にいたいなって思ったけど、今日一日楽しかったよ。おやすみ』
さてと、結構歩き回ったし、もう寝るかと、部屋に行こうとすると獅子丸も後に続き、一緒にベッドに入って就寝した。
◆ ◆ ◆
昨日は、母さんたちが帰ってくる前に寝たから、今日は朝から昨日のデートはどうだったのかと聞かれていた。
「昨日は、茉莉絵ちゃんどんな浴衣だったの?」
「薄い水色の浴衣で朝顔と蝶々が描かれたやつだったよ」
「爽やかで若い子に似合いそうなデザインね」
「めっちゃ可愛かったな」
写真をまた見返して、可愛いなと噛み締める。
「ちゃんと可愛いって言ってあげたの?」
「え……そりゃー……あれ……?」
あれ、俺、何度も可愛いって思ったけど、言葉にしてなくね?
まじか……会った時にすぐに褒めるべきだろ……
「あんたね……茉莉絵ちゃん、奏のために浴衣きて可愛くしてきたんでしょうよ。そこでちゃんと褒めてあげなくてどうするのよ。かわいそー」
「いや、その、可愛いとは思ってたんだけど……言ってなかったな」
「お兄ちゃん、デートで女の子褒めないとかありえないよ!」
「……花音まで」
小学生の妹にまで叱られるって……
兄としての威厳が……
「お兄ちゃん、ちゃんと茉莉絵ちゃんのことリードしてあげてるの? 女の子は男の子に引っ張ってって貰いたいものなんだよ」
「なんで、小学生の花音がそんなこと分かるんだよ」
「え? だって、漫画の女の子たちはみんなそうだもん」
「……漫画、読むもの選ぼうな?」
「お兄ちゃんこそ、少女漫画読んで女心を学んだほうがいいと思うよ! これ、貸してあげるから」
「え、いや、はぁ……」
妹に漫画を押し付けられてしまった。
この前のデートちゃんとリード出来てたかな。
うーん、読み慣れない漫画をペラペラを捲り、ちょっと読んでみることにした。
「今度会った時に、ちゃんと言っときなさいよ」
「そうだな。言ってないとは思ってなかったから、気付けて良かったな」
「お母さんに感謝しなさいよ」
「おう」
次に会った時とか、夏期講習の後になるから、しばらくは会えない……
だいぶ今更な感じになりそうだな……
それでも、言わないより言ったほうがいいよな。
すぐに送って貰った写真を確認すると、恥ずかしそうにしながらも笑顔を向けている茉莉絵の姿が写っていて、撮ってよかったと思った。
いつでも見れるように印刷して羊と一緒に机に飾っとくか。
一人で家に帰りながら、何度も写真を見返してしまう。浴衣……最高だったな。
いつも可愛いと思ってたけど、なんか浴衣って特別だなと思った。
来年も浴衣でお祭りに行きたいなー。その時は、ちゃんと恋人として……って、やばい。俺、恋する乙女みたいな思考になってね?
家について、シャワーを浴びてソファーで寛いでいると、茉莉絵からメッセージが届いた。
『今日はお祭り一緒に行ってくれて、ありがとう。とても楽しかった。最後はお兄ちゃんと帰ることになっちゃったけど、もう少し一緒に居たかったな。今日は勉強はお休みの日にして、早めに寝ようと思います。おやすみなさい』
流石に、今日は勉強しないよな。俺も今日は楽しかった思い出として残しておきたいから、勉強はしないで早めに寝るか。
『足、早く良くなるといいな。俺ももう少し一緒にいたいなって思ったけど、今日一日楽しかったよ。おやすみ』
さてと、結構歩き回ったし、もう寝るかと、部屋に行こうとすると獅子丸も後に続き、一緒にベッドに入って就寝した。
◆ ◆ ◆
昨日は、母さんたちが帰ってくる前に寝たから、今日は朝から昨日のデートはどうだったのかと聞かれていた。
「昨日は、茉莉絵ちゃんどんな浴衣だったの?」
「薄い水色の浴衣で朝顔と蝶々が描かれたやつだったよ」
「爽やかで若い子に似合いそうなデザインね」
「めっちゃ可愛かったな」
写真をまた見返して、可愛いなと噛み締める。
「ちゃんと可愛いって言ってあげたの?」
「え……そりゃー……あれ……?」
あれ、俺、何度も可愛いって思ったけど、言葉にしてなくね?
まじか……会った時にすぐに褒めるべきだろ……
「あんたね……茉莉絵ちゃん、奏のために浴衣きて可愛くしてきたんでしょうよ。そこでちゃんと褒めてあげなくてどうするのよ。かわいそー」
「いや、その、可愛いとは思ってたんだけど……言ってなかったな」
「お兄ちゃん、デートで女の子褒めないとかありえないよ!」
「……花音まで」
小学生の妹にまで叱られるって……
兄としての威厳が……
「お兄ちゃん、ちゃんと茉莉絵ちゃんのことリードしてあげてるの? 女の子は男の子に引っ張ってって貰いたいものなんだよ」
「なんで、小学生の花音がそんなこと分かるんだよ」
「え? だって、漫画の女の子たちはみんなそうだもん」
「……漫画、読むもの選ぼうな?」
「お兄ちゃんこそ、少女漫画読んで女心を学んだほうがいいと思うよ! これ、貸してあげるから」
「え、いや、はぁ……」
妹に漫画を押し付けられてしまった。
この前のデートちゃんとリード出来てたかな。
うーん、読み慣れない漫画をペラペラを捲り、ちょっと読んでみることにした。
「今度会った時に、ちゃんと言っときなさいよ」
「そうだな。言ってないとは思ってなかったから、気付けて良かったな」
「お母さんに感謝しなさいよ」
「おう」
次に会った時とか、夏期講習の後になるから、しばらくは会えない……
だいぶ今更な感じになりそうだな……
それでも、言わないより言ったほうがいいよな。
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