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二章 嫉妬
---奏視点③---
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そろそろ帰る時間かとスマホで時間を確認してると、後ろからクラスの女子の声が聞こえたきた。
なんで寄りにもよって五十嵐なんだ……
「今何してるの?」とかどうでもいいようなメッセージ送ってきたり、学校でもやたらと話しかけてきたりと、だいぶうざいんだよな……
まぁ、ちょうど帰る時間だったし、さっさと帰るに限る。
勉強が一段落して、休憩をとっていると、透からメッセージが届いた。
透は、転校してきて隣の席になったこともあり、すぐ仲良くなった。
誰とも気軽に話せる透は、男女隔てなく交流があるようだった。
『格ゲーの新作買ったから、明日やろうぜー』
……お前、受験生だろ。何ゲーム買ってるんだよ。
そういうのは、受験が終わったあとに買うだろ。
でも……たまにはゲームもいいかもな。
明日は日曜日だから茉莉絵と会える日だけど……たまには透とも遊ばないとな。
最近週末は茉莉絵とばかり過ごしてたからな。
翌日、10時に透の家を訪ねると、何故か五十嵐が居た。
どういうことだと、透を睨みつけると、手を合わせて謝っていた。
「佐伯くん、いらっしゃいって、私の家じゃないんだけどね」
「そうだな。透の家だな。なんでいるの?」
「まぁ、いいからいいから、早く入って。私もお兄ちゃんと格ゲー良くやってたから強いんだからね!」
「いや……はぁ……」
こんなことなら、今日は公園に行って茉莉絵と会ってれば良かったな……
透め……
「あっ、ちょっとお手洗いかして」
「そこの扉がトイレだから、どうぞー。俺たちリビングでゲーム準備しとくな」
「はーい」
リビングのドアを閉めて、透を問い詰める。
「おいっ、なんで五十嵐がいるんだよ」
「怒るなよー。俺も不運だっての。お前が来るから、アイスでも買いに行こうと思って、コンビニ行ったらさ……出会しちゃったんだよな」
(回想)
『あれ、木下くんじゃん。おはよう、アイス買いに来たの?』
『そっ、これから奏が遊びに来るから、買っといてやろうかなって思って』
『えっ⁉︎ これから佐伯くんと遊ぶの? それ、私も行っていい?』
『え、いや、格ゲーやるから五十嵐さんは楽しくないと思うけど』
『ふっ、お兄ちゃんと良く格ゲーやってたから、自信あるんだよね。よし、アイス以外にもお菓子買っていこうよ。お邪魔するから私が買ってくるね』
『え、ちょ……』
ーーーーーーーーーー
「というわけで、押し切られちゃったんだよねー」
「お前がはじめに余計なこと言わなければ……」
「俺も奏がくるなんて言わなきゃ良かったって後から気付いたよ……でもさ、ほら、彼女強引だけど、小さくて可愛いだろ? ダメなのか?」
小さくて可愛いか……
そういうなら、お前が付き合えばいいんじゃないのか。
付き纏わられて迷惑なんだけど。
「俺の気持ち知ってて、それを言うのか?」
「はいはい、ごめんって。お前には愛しの茉莉絵ちゃんがいるもんな」
「おい、勝手に名前で呼ぶなよ」
「まだ付き合ってもないのに、名前呼びも許さないなんて……お前……独占欲強いのな」
「……いや、普通だろ」
独占欲強いのか……? 友達だろうと他の男が好きな女の子の名前を呼んでたら嫌……だよな?
「とりあえず、茉莉絵の名前を出すときは、相沢さんって言えよな」
「うわぁー、彼氏面」
「うっせ」
透と話しながらゲームを起動していると、五十嵐がリビングに入ってくるのが見えた。
はぁ……今日は早めに切り上げよう。
「これ、さっき透くんと買ってきたから、良かったら食べてね」
「どーも」
テーブルに広げられたお菓子は、俺が普段からよく食べているものだったため、透が選んだか教えたんだろうなと思った。
こんなに冷たくされているのに、なんで彼女はめげないんだろう。
ただ、告白してくるわけじゃないので、お断りも出来ないわけで……もう、こんな状態が続くなら、告白してくれればいいのにと思ってしまう。
バッサリ断って終わらせたい……
「うわっ、まじかよ……五十嵐さん強すぎない? まさか負けると思わなかった……」
「だから言ったでしょ? 私格ゲーには自信があるって」
透の家にくるために適当なこと言ったのかと思ったら、本当に強かった……
透も昔から格ゲーやってたって言ってたし、俺も何度も一緒にやったことあるから、弱くないことは知っている。
それでも、こんなに簡単に負けるなんて、五十嵐……強いな。
「奏! 俺の仇をとってくれ!」
「は? いや、まぁ、やってみるか」
俺でも勝てるか? とりあえず、やってみないことには分からないな。
バトルを始めると、本当に僅差で勝利することができた。
五十嵐が予想以上に強くて驚いた。女子で格ゲーこんなに強い子いたんだな。
「あー、悔しい! 負けちゃった。佐伯くん、コマンド入力早いねー。あれかな、ピアノ弾けるから指が早く動かせるのかな?」
「いや、それは関係ないだろ」
「そうかな?」
普段どうでもいいような話題を振ってくる時とは違い、ゲームだったせいか、五十嵐がいてもそれほど苦にはならなかった。
一時間ほど遊んでいると、五十嵐のスマホが鳴った。
「親から帰ってこいって連絡きちゃったから、帰るね」
「はいよ。お疲れー」
「お疲れ」
いつまでいるのかと思っていたから、一時間で帰ってくれてホッとした。
親呼び出しナイス!
「そうだ。昼、食ってく? 母さんが、カレー作って行ってくれたんだよ」
「お、食べてこうかな」
少し早めの昼食を食べ、それから二時間ほど遊んで、帰宅した。
久しぶりに何時間もゲームしたな。
月に一度くらいはこういう風にゲームする時間作るのもメリハリが出来ていいかもしれないな。
勉強ばかりじゃ飽きるし、モチベーションも保てないしな。
なんで寄りにもよって五十嵐なんだ……
「今何してるの?」とかどうでもいいようなメッセージ送ってきたり、学校でもやたらと話しかけてきたりと、だいぶうざいんだよな……
まぁ、ちょうど帰る時間だったし、さっさと帰るに限る。
勉強が一段落して、休憩をとっていると、透からメッセージが届いた。
透は、転校してきて隣の席になったこともあり、すぐ仲良くなった。
誰とも気軽に話せる透は、男女隔てなく交流があるようだった。
『格ゲーの新作買ったから、明日やろうぜー』
……お前、受験生だろ。何ゲーム買ってるんだよ。
そういうのは、受験が終わったあとに買うだろ。
でも……たまにはゲームもいいかもな。
明日は日曜日だから茉莉絵と会える日だけど……たまには透とも遊ばないとな。
最近週末は茉莉絵とばかり過ごしてたからな。
翌日、10時に透の家を訪ねると、何故か五十嵐が居た。
どういうことだと、透を睨みつけると、手を合わせて謝っていた。
「佐伯くん、いらっしゃいって、私の家じゃないんだけどね」
「そうだな。透の家だな。なんでいるの?」
「まぁ、いいからいいから、早く入って。私もお兄ちゃんと格ゲー良くやってたから強いんだからね!」
「いや……はぁ……」
こんなことなら、今日は公園に行って茉莉絵と会ってれば良かったな……
透め……
「あっ、ちょっとお手洗いかして」
「そこの扉がトイレだから、どうぞー。俺たちリビングでゲーム準備しとくな」
「はーい」
リビングのドアを閉めて、透を問い詰める。
「おいっ、なんで五十嵐がいるんだよ」
「怒るなよー。俺も不運だっての。お前が来るから、アイスでも買いに行こうと思って、コンビニ行ったらさ……出会しちゃったんだよな」
(回想)
『あれ、木下くんじゃん。おはよう、アイス買いに来たの?』
『そっ、これから奏が遊びに来るから、買っといてやろうかなって思って』
『えっ⁉︎ これから佐伯くんと遊ぶの? それ、私も行っていい?』
『え、いや、格ゲーやるから五十嵐さんは楽しくないと思うけど』
『ふっ、お兄ちゃんと良く格ゲーやってたから、自信あるんだよね。よし、アイス以外にもお菓子買っていこうよ。お邪魔するから私が買ってくるね』
『え、ちょ……』
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「というわけで、押し切られちゃったんだよねー」
「お前がはじめに余計なこと言わなければ……」
「俺も奏がくるなんて言わなきゃ良かったって後から気付いたよ……でもさ、ほら、彼女強引だけど、小さくて可愛いだろ? ダメなのか?」
小さくて可愛いか……
そういうなら、お前が付き合えばいいんじゃないのか。
付き纏わられて迷惑なんだけど。
「俺の気持ち知ってて、それを言うのか?」
「はいはい、ごめんって。お前には愛しの茉莉絵ちゃんがいるもんな」
「おい、勝手に名前で呼ぶなよ」
「まだ付き合ってもないのに、名前呼びも許さないなんて……お前……独占欲強いのな」
「……いや、普通だろ」
独占欲強いのか……? 友達だろうと他の男が好きな女の子の名前を呼んでたら嫌……だよな?
「とりあえず、茉莉絵の名前を出すときは、相沢さんって言えよな」
「うわぁー、彼氏面」
「うっせ」
透と話しながらゲームを起動していると、五十嵐がリビングに入ってくるのが見えた。
はぁ……今日は早めに切り上げよう。
「これ、さっき透くんと買ってきたから、良かったら食べてね」
「どーも」
テーブルに広げられたお菓子は、俺が普段からよく食べているものだったため、透が選んだか教えたんだろうなと思った。
こんなに冷たくされているのに、なんで彼女はめげないんだろう。
ただ、告白してくるわけじゃないので、お断りも出来ないわけで……もう、こんな状態が続くなら、告白してくれればいいのにと思ってしまう。
バッサリ断って終わらせたい……
「うわっ、まじかよ……五十嵐さん強すぎない? まさか負けると思わなかった……」
「だから言ったでしょ? 私格ゲーには自信があるって」
透の家にくるために適当なこと言ったのかと思ったら、本当に強かった……
透も昔から格ゲーやってたって言ってたし、俺も何度も一緒にやったことあるから、弱くないことは知っている。
それでも、こんなに簡単に負けるなんて、五十嵐……強いな。
「奏! 俺の仇をとってくれ!」
「は? いや、まぁ、やってみるか」
俺でも勝てるか? とりあえず、やってみないことには分からないな。
バトルを始めると、本当に僅差で勝利することができた。
五十嵐が予想以上に強くて驚いた。女子で格ゲーこんなに強い子いたんだな。
「あー、悔しい! 負けちゃった。佐伯くん、コマンド入力早いねー。あれかな、ピアノ弾けるから指が早く動かせるのかな?」
「いや、それは関係ないだろ」
「そうかな?」
普段どうでもいいような話題を振ってくる時とは違い、ゲームだったせいか、五十嵐がいてもそれほど苦にはならなかった。
一時間ほど遊んでいると、五十嵐のスマホが鳴った。
「親から帰ってこいって連絡きちゃったから、帰るね」
「はいよ。お疲れー」
「お疲れ」
いつまでいるのかと思っていたから、一時間で帰ってくれてホッとした。
親呼び出しナイス!
「そうだ。昼、食ってく? 母さんが、カレー作って行ってくれたんだよ」
「お、食べてこうかな」
少し早めの昼食を食べ、それから二時間ほど遊んで、帰宅した。
久しぶりに何時間もゲームしたな。
月に一度くらいはこういう風にゲームする時間作るのもメリハリが出来ていいかもしれないな。
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