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二章 嫉妬
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「あー、ちょっと違うか。今は誰とも付き合う気がないが正しいかな」
「今は?」
「そう。だって俺たち受験生だぞ? 恋愛してる暇ないだろ? だから、今は、誰からの想いも受け入れないし、俺も誰かに想いを伝えるつもりもない」
今は……それなら受験が終わったら……告白を受けるかもしれないと言うこと。
卒業のタイミングで奏くんに告白する子は沢山いると思う。誰にも取られたくない……どうしよう。
「なぁ、俺も勝手なこと言っていいか?」
「ん? なんでもどうぞ」
「茉莉絵も今は受験に集中して、誰とも付き合わないで」
「え……?」
そんなこと言われたら、期待してしまう。
受験が終わったら、奏くんから何か聞けるのかと……
「ダメか?」
「だめ……じゃない。でも、それってまるで奏くんが」
「ストップ。俺がさっきなんて言ったか覚えてるだろ?」
「誰からの想いも受け入れないし、誰かに想いを伝えることもない」
「正解。今は何も言わないよ。俺たちは受験生だからな?」
「うん。私たちは受験生だからね」
「それでも、こうやって息抜きは必要なわけで」
「必要だね」
今はまだ付き合うことはできないけれど、私のことが好きだと伝わってくる。
友達以上恋人未満という微妙な関係だけど、今はそれで十分だと思った。
「浴衣デート楽しみだな?」
「デ、デート……うん、楽しみ」
奏くんの口からデートなんて言葉が出てくると思わなかったからドキドキしてしまう。
これで付き合ってないって言って誰が信じてくれるんだろうというくらいには、彼の視線が甘かった。
さっきまで地獄に突き落とされたような気分だったのに、今はお花畑の中にいるようで、感情の起伏の激しさに思春期だからかなーと漠然と思った。
「もう俺のことで泣くなよ?」
「えっと、それは……」
泣くなと言われて、わかったと言えるほど、私は強くない。
また今回みたいに女の子と遊んだと聞けば、心乱されて涙が溢れてしまうかもしれない。
「茉莉絵以外の女子に興味がないって言ってんの。これでもまだ不安か?」
「えっ⁉︎ いや、え、あの」
これは、想いを伝えた内には入らないの⁉︎
急にデレられて、なんて返せばいいか分からないけど、嬉しい……
あっ、一応これは言っといたほうがいいかな。
奏くんも気にするかもしれないし……
「奏くん……うちの親、二人とも身長が高いんだよね」
「うん?」
「だから、もしかしたら……奏くんの身長超えちゃうかもしれない」
自分より大きい女子は嫌かな……
でも、身長止まらないんだよね……
「はっ、俺だって成長期だっての。自分だけ伸びると思ってんじゃねーよ」
そういうと、奏くんは私のおでこを人差し指で軽く弾いた。
「痛っ」
思わず反射で「痛っ」と言ってしまったけれど、実際は本当に軽くだったから、痛みなんてなかった。
そうだよね。奏くんもまだこれから伸びるよね。私だけじゃないんだよね。
お母さんが言っていたみたいに、奏くんの成長期に期待しようかな。
家に帰ると、ちょうどお兄ちゃんが出かけようと靴を履いているところだった。
「行ってらっしゃい」
一声かけて、靴を脱ごうとしたところで、お兄ちゃんと目が合い、腕を強く掴まれる。
「おいっ! どうしたっ!」
「痛っ、お兄ちゃん落ち着いて」
「例の男か? あいつに泣かされたのか?」
「えっ、違っ、奏くんが悪いわけじゃ……」
どうしよう、お兄ちゃん怒ってる。
奏くんのこと悪く思わないでほしい。私が勝手に勘違いして泣いただけだから……
「ちょっと、何大きな声出してるの?」
「お母さん……」
「あらあら、目が真っ赤ねぇ。お兄ちゃんも茉莉絵ちゃんが心配なのはわかるけど、そんなに大きな声出したら、驚いて何も言えないでしょ?」
「……悪かったな」
そういうと、掴んだ腕を話してくれたが、理由を聞くまでは出かける気もなさそうな雰囲気にどうしたものかと思った。
「ほら、あなたは出かけるところだったんだから、もう行きなさい。茉莉絵ちゃんは、お母さんと女子会しましょうね。ちょうど、ケーキを買ってきたところだったから、お茶入れるわね」
「はぁ、分かったよ。行ってくる。茉莉絵も何かあったら言えよ」
「うん、お兄ちゃんありがとう」
心配してくれてるんだろうなと思いながらも、お兄ちゃんには話しにくいと思っていたので、引いてくれてよかった。
お母さんにも感謝しないと。
もうたくさん泣いて、奏くんの気持ちもしっかりと知ることが出来た。
今はもう大丈夫だって、説明しないとね。
「今は?」
「そう。だって俺たち受験生だぞ? 恋愛してる暇ないだろ? だから、今は、誰からの想いも受け入れないし、俺も誰かに想いを伝えるつもりもない」
今は……それなら受験が終わったら……告白を受けるかもしれないと言うこと。
卒業のタイミングで奏くんに告白する子は沢山いると思う。誰にも取られたくない……どうしよう。
「なぁ、俺も勝手なこと言っていいか?」
「ん? なんでもどうぞ」
「茉莉絵も今は受験に集中して、誰とも付き合わないで」
「え……?」
そんなこと言われたら、期待してしまう。
受験が終わったら、奏くんから何か聞けるのかと……
「ダメか?」
「だめ……じゃない。でも、それってまるで奏くんが」
「ストップ。俺がさっきなんて言ったか覚えてるだろ?」
「誰からの想いも受け入れないし、誰かに想いを伝えることもない」
「正解。今は何も言わないよ。俺たちは受験生だからな?」
「うん。私たちは受験生だからね」
「それでも、こうやって息抜きは必要なわけで」
「必要だね」
今はまだ付き合うことはできないけれど、私のことが好きだと伝わってくる。
友達以上恋人未満という微妙な関係だけど、今はそれで十分だと思った。
「浴衣デート楽しみだな?」
「デ、デート……うん、楽しみ」
奏くんの口からデートなんて言葉が出てくると思わなかったからドキドキしてしまう。
これで付き合ってないって言って誰が信じてくれるんだろうというくらいには、彼の視線が甘かった。
さっきまで地獄に突き落とされたような気分だったのに、今はお花畑の中にいるようで、感情の起伏の激しさに思春期だからかなーと漠然と思った。
「もう俺のことで泣くなよ?」
「えっと、それは……」
泣くなと言われて、わかったと言えるほど、私は強くない。
また今回みたいに女の子と遊んだと聞けば、心乱されて涙が溢れてしまうかもしれない。
「茉莉絵以外の女子に興味がないって言ってんの。これでもまだ不安か?」
「えっ⁉︎ いや、え、あの」
これは、想いを伝えた内には入らないの⁉︎
急にデレられて、なんて返せばいいか分からないけど、嬉しい……
あっ、一応これは言っといたほうがいいかな。
奏くんも気にするかもしれないし……
「奏くん……うちの親、二人とも身長が高いんだよね」
「うん?」
「だから、もしかしたら……奏くんの身長超えちゃうかもしれない」
自分より大きい女子は嫌かな……
でも、身長止まらないんだよね……
「はっ、俺だって成長期だっての。自分だけ伸びると思ってんじゃねーよ」
そういうと、奏くんは私のおでこを人差し指で軽く弾いた。
「痛っ」
思わず反射で「痛っ」と言ってしまったけれど、実際は本当に軽くだったから、痛みなんてなかった。
そうだよね。奏くんもまだこれから伸びるよね。私だけじゃないんだよね。
お母さんが言っていたみたいに、奏くんの成長期に期待しようかな。
家に帰ると、ちょうどお兄ちゃんが出かけようと靴を履いているところだった。
「行ってらっしゃい」
一声かけて、靴を脱ごうとしたところで、お兄ちゃんと目が合い、腕を強く掴まれる。
「おいっ! どうしたっ!」
「痛っ、お兄ちゃん落ち着いて」
「例の男か? あいつに泣かされたのか?」
「えっ、違っ、奏くんが悪いわけじゃ……」
どうしよう、お兄ちゃん怒ってる。
奏くんのこと悪く思わないでほしい。私が勝手に勘違いして泣いただけだから……
「ちょっと、何大きな声出してるの?」
「お母さん……」
「あらあら、目が真っ赤ねぇ。お兄ちゃんも茉莉絵ちゃんが心配なのはわかるけど、そんなに大きな声出したら、驚いて何も言えないでしょ?」
「……悪かったな」
そういうと、掴んだ腕を話してくれたが、理由を聞くまでは出かける気もなさそうな雰囲気にどうしたものかと思った。
「ほら、あなたは出かけるところだったんだから、もう行きなさい。茉莉絵ちゃんは、お母さんと女子会しましょうね。ちょうど、ケーキを買ってきたところだったから、お茶入れるわね」
「はぁ、分かったよ。行ってくる。茉莉絵も何かあったら言えよ」
「うん、お兄ちゃんありがとう」
心配してくれてるんだろうなと思いながらも、お兄ちゃんには話しにくいと思っていたので、引いてくれてよかった。
お母さんにも感謝しないと。
もうたくさん泣いて、奏くんの気持ちもしっかりと知ることが出来た。
今はもう大丈夫だって、説明しないとね。
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