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四章 行き着く先は

---瑞樹視点⑤---

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 大学生になり、家庭教師のバイトやゼミなどで忙しい日々を送っているが、相変わらず彼氏はいない。

 宮本くんと別れてから、告白してくれた男の子もいたけれど、なかなか彼への想いを吹っ切ることができずに、誰とも付き合えていなかった。

 私と別れた後に、いろはちゃんと宮本くんが付き合ってるって聞いた時は、やっとなんだねって思った。
 私とのことがなければ、もっと早く付き合っていたんだろうなと思うものの……彼と初めて付き合ったのは私なんだよと心の中で謎のマウントをとってしまう。

 二人は幸せなんだから、心の中で思うくらい許されるよね。

 カフェで課題をやりながらお茶をしていると、隣の子達が一つのスポーツ雑誌を手に取り盛り上がっていた。

 「ねぇ、見てみて! この子、格好良いのに、バスケも上手いってやばくない⁉︎」

 「どれどれ、宮本くんっていうんだ。まじでイケメンじゃん」

 バスケ……宮本……バスケ雑誌に載ってるんだ。
 高校を卒業してからどうしているのかは全く知らなかったけど、相変わらずバスケを頑張ってるんだね。

 「うわー、幼馴染の彼女に支えられてバスケ頑張れてるとかってインタビューで惚気てるんですけどっ⁉︎」

 「本当だ、すごいね。彼女にベタ惚れじゃん。こんなイケメンと幼馴染とか羨ましい! 私もイケメンの幼馴染欲しい!」

 「ねー、欲しいわー。まぁ、欲しいって言ってできるものでもないんだけどねー」

 「しかも、初恋同士だって。可愛いー」

 「初恋は叶わないなんて誰が言ったんだか。幼馴染で初恋同士って、漫画の中の話ですかって感じだね」

 「初恋叶う確率なんて低いんだから、叶わないっていう説が正しいとは思うけどね」

 「あー、確かにね」

 初恋は叶わないよ……私の初恋は、手を繋ぐこともキスをすることもなく、一月足らずで終わってしまった。
 部活帰り一緒に帰ったりといった夢のようなひと時は本当に一瞬で、すぐに苦しい日々が始まった。

 初恋の人と付き合えても、彼に好きな人が居たのであれば、なんの意味もない。
 付き合えた喜びなんて本当に一瞬だけ。待っているのは地獄だけ。

 私のこと好きじゃなくてもいいから付き合いたいなんて二度と思わない。
 これからは、ちゃんと私のことを好きになってくれる人と付き合おう。
 そう思えるようになったのは、宮本くんと付き合った期間があったからだよね……

 知りたくない気持ちを教えてくれて、ありがとうとは思わない。

 宮本くん、好きだったけど、残酷な人……

 あなたより素敵な人を見つけてやるんだから!
 そう思いながら、アイスティーを飲み干した。
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