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四章 行き着く先は
---悠視点⑥---
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いろはは、バイトがない日は時々体育館の二階から一人で練習を見ていることがあるため、今日は来てるかどうか確認するのが癖になってしまった。
お、今日も来てくれたんだなと見ていると、その後ろにあいつが続いて二階に上がってきた。
二人で観にくるほど仲がいいのか……応援に来てくれて嬉しいはずなのに、二人でくるなら来てほしくなかったという嫉妬心もあり、思わず顔を顰めてしまう。
二人が身を寄せながら、スマホでメッセージのやり取りをしてるのを観て、このままじゃあいつにいろはが取られてしまうという焦りが生まれた。
それからは練習にも集中できず、シュートを外しまくるなど俺らしくないプレイで充に心配されてしまった。
こんなことくらいで練習に影響しているようじゃ、インターハイになんて出場できないよな。
あの日からいろはが練習を見にこなくなってしまった。
やっぱりあいつのこと好きになったのか……だから、もう俺の練習なんて観にこないのか。
まだ何も伝えてないのに終わるなんて……そんなの駄目だ。
急いでシャワーを浴びていろはの家にいくと、風邪引くといけないから、カフェラテを作ってる間ドライヤーで髪を乾かしてと言って、ドライヤーを貸してくれた。
本当に優しいな……俺にだけだったら良いのに。
今日はもう気持ちを伝えると意気込んできたので、しっかりと好きだと気持ちを伝えた。
やっぱり栗原と付き合ってたことが気になってたみたいで、昔から好きだったと言ってもなかなか信じてもらえないよなって思ったけど、信じてもらえるように言葉を尽くしていくしかない。
そして、返事は今すぐいらないからと、夏に改めて告白することを決めた。
◆ ◆ ◆
母の日は、ちょうど部活が昼までだったため、花でも買って帰るかと花屋に立ち寄ると、いろはとあいつが話している姿が目に入ってきた。
どうしてこうも二人でいるところに遭遇してしまうのか……見たくないのにな。
いろはは、俺が気にしてるだろうというのを察して、偶然なのだと強調して言っていたが、気になるものは気になるんだよなー。
バイト先で一緒に過ごしている時間があると思うと、俺の知らない二人の世界があるようで……はぁ。
インターハイの予選会が近付き、鬼気迫る勢いで、みんな練習に励んでいる。
去年は惜しくも準優勝に終わり、インターハイに進むことが出来なかったから……
いろはに癒してもらおうと、部活が終わり家に向かうと、レモネードの横にチョコが添えられていた。
まさか、俺が甘いものが好きだと勘違いされていたとは……
確かに、祭りに行けば必ずりんご飴を買っていたけど、それはいろはと一緒に食べたかったから買っていただけで、特別好きというわけでもなかった。
そんな勘違いも可愛いと思ってしまうのは重症だよな。
すると、リストバンドと必勝守りをくれた。
わざわざ俺のために神社まで行って必勝祈願してくれたのか……やばいな。目の奥が熱くなるのをなんとか誤魔化しながら、腕にリストバンドを嵌めた。
ユニフォームの色に合わせて白に青でロゴが刺繍されいるものだった。
そばでいつでもいろはが応援してくれているような気がしていいな。
感謝の気持ちを込めながら両手を握り締め、その手を額に当てるとインターハイに出場できますようにと願った。
◆ ◆ ◆
「よーし、お前らわかってるよな? いつも通りにプレーすれば問題ない。焦らずパス回していけ。うちの要は宮本だ。ボール集めて畳み込んで行くぞ」
「はいっ!」
コーチの声かけに、みんな気合が入り目つきが変わる。
まずは、初戦頑張ろうと気合を入れ、観客席をさっと見る。
こんなに居たら、いろはを見つけることなんて……そう思っていたのに、一瞬目の端にいろはが見えた気がして、すぐに視線を戻すと、いろはが大きく手を振っていた。
よしっ、無様な試合は見せられない。俺はチームの要だとコーチも言っていたのだから、しっかりと役割を果たそう。
意気込み迎えた初戦は、みんなの調子も良く、完全にうちのチームの流れになり、その流れのままダブルスコアにて試合終了となった。
初戦をダブルスコアで勝ったことにより、勢い付いてとんとん拍子に決勝へと勝ち進むことができた。
とうとう決勝は前回負けた相手との因縁対決か……
「いいか。お前らは今調子が良い。良い流れが来てる。この調子で行けば、勝てる! 去年の仮を返すぞ!」
「おう!」
去年は一年生だったが、俺も試合に出させて貰ったから、勝ちたい気持ちが強い。
去年インターハイ出場を逃した三年生の代わりに俺が勝つからと約束をした。
さぁ、一年の練習の成果を見せに行こうか。
うちも相手も速攻を仕掛けるチームなため、ゲーム展開も早く体力の消耗も激しい。
足にガタが来る前に点差を開きたいのに、お互いに点の取り合いでなかなか焦れる試合となった。
苛立ちを感じた相手チームからファールをもらった時は、一瞬怪我をしないか心配したが、特に問題なかったため、これはチャンスだと思った。
フリースローは外さない。必ず入れると決め、冷静にゴールリングのみに集中をすると、シュッとネットを切る音が聞こえ歓声が上がる。この音が聞きたいがためにバスケやってると言ってもいいかもな。
よしっ、流れはこちらにきた。このまま決めるぞ!
みんなで顔を合わせて行くぞと気合を入れ直し、流れを変えることなく、優勝することができた。
大歓声の中、客席にいるいろはの方を見ると相変わらず大きくブンブンと手を振っていて、応援ありがとうなと、いろはに向けて大きく拳をあげた。
お、今日も来てくれたんだなと見ていると、その後ろにあいつが続いて二階に上がってきた。
二人で観にくるほど仲がいいのか……応援に来てくれて嬉しいはずなのに、二人でくるなら来てほしくなかったという嫉妬心もあり、思わず顔を顰めてしまう。
二人が身を寄せながら、スマホでメッセージのやり取りをしてるのを観て、このままじゃあいつにいろはが取られてしまうという焦りが生まれた。
それからは練習にも集中できず、シュートを外しまくるなど俺らしくないプレイで充に心配されてしまった。
こんなことくらいで練習に影響しているようじゃ、インターハイになんて出場できないよな。
あの日からいろはが練習を見にこなくなってしまった。
やっぱりあいつのこと好きになったのか……だから、もう俺の練習なんて観にこないのか。
まだ何も伝えてないのに終わるなんて……そんなの駄目だ。
急いでシャワーを浴びていろはの家にいくと、風邪引くといけないから、カフェラテを作ってる間ドライヤーで髪を乾かしてと言って、ドライヤーを貸してくれた。
本当に優しいな……俺にだけだったら良いのに。
今日はもう気持ちを伝えると意気込んできたので、しっかりと好きだと気持ちを伝えた。
やっぱり栗原と付き合ってたことが気になってたみたいで、昔から好きだったと言ってもなかなか信じてもらえないよなって思ったけど、信じてもらえるように言葉を尽くしていくしかない。
そして、返事は今すぐいらないからと、夏に改めて告白することを決めた。
◆ ◆ ◆
母の日は、ちょうど部活が昼までだったため、花でも買って帰るかと花屋に立ち寄ると、いろはとあいつが話している姿が目に入ってきた。
どうしてこうも二人でいるところに遭遇してしまうのか……見たくないのにな。
いろはは、俺が気にしてるだろうというのを察して、偶然なのだと強調して言っていたが、気になるものは気になるんだよなー。
バイト先で一緒に過ごしている時間があると思うと、俺の知らない二人の世界があるようで……はぁ。
インターハイの予選会が近付き、鬼気迫る勢いで、みんな練習に励んでいる。
去年は惜しくも準優勝に終わり、インターハイに進むことが出来なかったから……
いろはに癒してもらおうと、部活が終わり家に向かうと、レモネードの横にチョコが添えられていた。
まさか、俺が甘いものが好きだと勘違いされていたとは……
確かに、祭りに行けば必ずりんご飴を買っていたけど、それはいろはと一緒に食べたかったから買っていただけで、特別好きというわけでもなかった。
そんな勘違いも可愛いと思ってしまうのは重症だよな。
すると、リストバンドと必勝守りをくれた。
わざわざ俺のために神社まで行って必勝祈願してくれたのか……やばいな。目の奥が熱くなるのをなんとか誤魔化しながら、腕にリストバンドを嵌めた。
ユニフォームの色に合わせて白に青でロゴが刺繍されいるものだった。
そばでいつでもいろはが応援してくれているような気がしていいな。
感謝の気持ちを込めながら両手を握り締め、その手を額に当てるとインターハイに出場できますようにと願った。
◆ ◆ ◆
「よーし、お前らわかってるよな? いつも通りにプレーすれば問題ない。焦らずパス回していけ。うちの要は宮本だ。ボール集めて畳み込んで行くぞ」
「はいっ!」
コーチの声かけに、みんな気合が入り目つきが変わる。
まずは、初戦頑張ろうと気合を入れ、観客席をさっと見る。
こんなに居たら、いろはを見つけることなんて……そう思っていたのに、一瞬目の端にいろはが見えた気がして、すぐに視線を戻すと、いろはが大きく手を振っていた。
よしっ、無様な試合は見せられない。俺はチームの要だとコーチも言っていたのだから、しっかりと役割を果たそう。
意気込み迎えた初戦は、みんなの調子も良く、完全にうちのチームの流れになり、その流れのままダブルスコアにて試合終了となった。
初戦をダブルスコアで勝ったことにより、勢い付いてとんとん拍子に決勝へと勝ち進むことができた。
とうとう決勝は前回負けた相手との因縁対決か……
「いいか。お前らは今調子が良い。良い流れが来てる。この調子で行けば、勝てる! 去年の仮を返すぞ!」
「おう!」
去年は一年生だったが、俺も試合に出させて貰ったから、勝ちたい気持ちが強い。
去年インターハイ出場を逃した三年生の代わりに俺が勝つからと約束をした。
さぁ、一年の練習の成果を見せに行こうか。
うちも相手も速攻を仕掛けるチームなため、ゲーム展開も早く体力の消耗も激しい。
足にガタが来る前に点差を開きたいのに、お互いに点の取り合いでなかなか焦れる試合となった。
苛立ちを感じた相手チームからファールをもらった時は、一瞬怪我をしないか心配したが、特に問題なかったため、これはチャンスだと思った。
フリースローは外さない。必ず入れると決め、冷静にゴールリングのみに集中をすると、シュッとネットを切る音が聞こえ歓声が上がる。この音が聞きたいがためにバスケやってると言ってもいいかもな。
よしっ、流れはこちらにきた。このまま決めるぞ!
みんなで顔を合わせて行くぞと気合を入れ直し、流れを変えることなく、優勝することができた。
大歓声の中、客席にいるいろはの方を見ると相変わらず大きくブンブンと手を振っていて、応援ありがとうなと、いろはに向けて大きく拳をあげた。
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