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一章 再会
---悠視点②---
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家に帰り、すぐに母さんを問い詰める。
「いろはが帰ってきてること、なんで言ってくれないんだよ!」
「何怒ってるのよ。別にそれくらいいいじゃない。あなたを驚かせたいなんて、いろはちゃん可愛いわねー」
「くそっ、言ってくれれば……」
「言ってたらなんだっていうのよ」
「……っ」
言ってくれてれば……いろはが帰ってくる前に栗原と別れていたかもしれない。
いろはを忘れるために、彼女と付き合ったから……
はぁ。俺、最低だ。
翌日から部活が再開され、朝練のため、体育館でバッシュを履いていると、隣に充が座った。
「昨日さ、いろはちゃんと帰ってたな?」
「あぁ……」
「まさか、いろはちゃんがこっちに戻ってくるなんて思わなかったし、同じ学校に通うなんてな……」
「あぁ……」
「もー、お前そればっかり。悪かったよ。俺もまさかこんなに早く再会するなんて思ってなかったから、無責任なこと言って……」
「あぁ……」
何を言ったところで、現状は変わらない。
いろはのことが好きなのに、俺は栗原と付き合っている。
いろはもきっと勘違いしているはずだ……俺が好きなのはいろはなのに。
「で、どうするんだ? 付き合って間もないけど……栗原のこと少しは好きになったりとか……」
「ないな。付き合って一月も経ってないのに、数年分のいろはへの想いが簡単に消えるわけないだろ」
「だよなー……まじで、ごめん」
「いや、俺も……はぁ、自業自得だ」
「やべっ、集合だ。とりあえず、今は部活頑張ろうぜ」
「そうだな」
モヤモヤした気持ちを晴らすように部活に打ち込み、顔を洗いスッキリさせたところで、教室へと向かう。
丁度、俺の教室から出てきたところだった鈴木がすれ違いざまに「宮本くん、おはよー」と声をかけて去っていった。
きっといろはに会いに行ったんだろうなと思ったら、予想通りだった。
一限目が終わると、充の彼女である佐々木がいろはに声をかけてID交換しているのを見て、これでいつでもいろはに連絡が取れるなと思った。
小学生の頃はお互いスマホを持っていなかったから、連絡手段もなく、中学に上がってスマホを買ってもらったが、親を通じてID聞くのもなんかなと思い、聞けずにここまできてしまった。
佐々木がいろはを昼に誘ってくれた時は、ありがたいと思った。転校してきたばかりで、高校で友達もいない状態だから、もし、一人だったら俺が一緒にと思っていたから。
隣で、いろはと佐々木が水族館の話をしていて、またクラゲを見てそうだよなと思って話を聞いていたら、充が話に割って入って驚いた。
まさか、行くと言い出すとは……何を考えてるんだか。
後で問い詰めようと廊下に出ると、今度は佐藤が日曜日一緒に行くと言い出した。
何を言ってるんだと思っていたら、次は栗原も行くといいだし、次から次へとなんなんだと思った。
いろはも断るに断りにくいと思ったんだろう。知らない人間が二人増えて困っていただろうに、了承してしまった。
俺がもう少し立ち回れれば良かったんだけどな。ごめんな、いろは。
最近、栗原との関係をどうするか悩んでいる。
お試しで付き合ったけど、そろそろやめようと伝えようかと何度か思った。
だけど、まだお試しで付き合うことになって一月も経っていない。俺の勝手に振り回していいんだろうか。
「あれ、悠はバスケやらないのか?」
「今はいいや」
昼を食べた後は、だいたい体育館でバスケをして遊んでいるが、今日はなんかする気になれなかった。
「そういえば、さっきなんでいろは達の話に割って入った?」
「あー、あれな。俺のせいで、栗原と付き合うことになっちゃっただろ? でも、悠はずっといろはちゃんのことが好きだっただろ? だから、いろはちゃんと遊ばせてあげたいなーって思って……まぁ、こんなことになっちゃったけど」
「はぁー、お前、次からはもう少し考えろよな」
「悪かったってー」
「当日は、瑠奈がいろはちゃんの相手すると思うから、お前は……まぁ、適当に頑張れな?」
「人ごとだと思って……はぁ、どうすっかなー」
水族館行った後とかに、栗原にははっきりと言った方がいいんだろうか。
いつまでも俺の都合に付き合わせてる方が時間の無駄だし、やっぱり早めに言ったほうが栗原のためにもなるよな。
日曜日は、電車とバスの時間をスマホで調べて乗り継ぎが良い感じになるように家を出ると、丁度隣からいろはが出て来たところだった。
動きやすいようにスニーカーを選んだんだろうなとか、水色のショートパンツが似合ってるなとか、一目見ただけでいろはへの想いが駆け巡る。
「おはよう」と満面の笑みを向けてくれる彼女を思わず抱きしめそうになるも、今の俺には彼女がいるからと思いとどまる。
待ち合わせ場所に着くと、充と佐々木、栗原が来ていた。
いろはと栗原は今日初めて話すから、自己紹介するのはわかっていたが、俺と付き合ってるとわざわざ言うとは思わなくて、反応しそうになるのをなんとか堪える。
いろはも特に気にした様子は見せず、栗原と仲良くしたいと言っていた。
俺の彼女と仲良くか……いろはにとって、俺って本当にただの幼馴染なんだよな。
はぁ……
「いろはが帰ってきてること、なんで言ってくれないんだよ!」
「何怒ってるのよ。別にそれくらいいいじゃない。あなたを驚かせたいなんて、いろはちゃん可愛いわねー」
「くそっ、言ってくれれば……」
「言ってたらなんだっていうのよ」
「……っ」
言ってくれてれば……いろはが帰ってくる前に栗原と別れていたかもしれない。
いろはを忘れるために、彼女と付き合ったから……
はぁ。俺、最低だ。
翌日から部活が再開され、朝練のため、体育館でバッシュを履いていると、隣に充が座った。
「昨日さ、いろはちゃんと帰ってたな?」
「あぁ……」
「まさか、いろはちゃんがこっちに戻ってくるなんて思わなかったし、同じ学校に通うなんてな……」
「あぁ……」
「もー、お前そればっかり。悪かったよ。俺もまさかこんなに早く再会するなんて思ってなかったから、無責任なこと言って……」
「あぁ……」
何を言ったところで、現状は変わらない。
いろはのことが好きなのに、俺は栗原と付き合っている。
いろはもきっと勘違いしているはずだ……俺が好きなのはいろはなのに。
「で、どうするんだ? 付き合って間もないけど……栗原のこと少しは好きになったりとか……」
「ないな。付き合って一月も経ってないのに、数年分のいろはへの想いが簡単に消えるわけないだろ」
「だよなー……まじで、ごめん」
「いや、俺も……はぁ、自業自得だ」
「やべっ、集合だ。とりあえず、今は部活頑張ろうぜ」
「そうだな」
モヤモヤした気持ちを晴らすように部活に打ち込み、顔を洗いスッキリさせたところで、教室へと向かう。
丁度、俺の教室から出てきたところだった鈴木がすれ違いざまに「宮本くん、おはよー」と声をかけて去っていった。
きっといろはに会いに行ったんだろうなと思ったら、予想通りだった。
一限目が終わると、充の彼女である佐々木がいろはに声をかけてID交換しているのを見て、これでいつでもいろはに連絡が取れるなと思った。
小学生の頃はお互いスマホを持っていなかったから、連絡手段もなく、中学に上がってスマホを買ってもらったが、親を通じてID聞くのもなんかなと思い、聞けずにここまできてしまった。
佐々木がいろはを昼に誘ってくれた時は、ありがたいと思った。転校してきたばかりで、高校で友達もいない状態だから、もし、一人だったら俺が一緒にと思っていたから。
隣で、いろはと佐々木が水族館の話をしていて、またクラゲを見てそうだよなと思って話を聞いていたら、充が話に割って入って驚いた。
まさか、行くと言い出すとは……何を考えてるんだか。
後で問い詰めようと廊下に出ると、今度は佐藤が日曜日一緒に行くと言い出した。
何を言ってるんだと思っていたら、次は栗原も行くといいだし、次から次へとなんなんだと思った。
いろはも断るに断りにくいと思ったんだろう。知らない人間が二人増えて困っていただろうに、了承してしまった。
俺がもう少し立ち回れれば良かったんだけどな。ごめんな、いろは。
最近、栗原との関係をどうするか悩んでいる。
お試しで付き合ったけど、そろそろやめようと伝えようかと何度か思った。
だけど、まだお試しで付き合うことになって一月も経っていない。俺の勝手に振り回していいんだろうか。
「あれ、悠はバスケやらないのか?」
「今はいいや」
昼を食べた後は、だいたい体育館でバスケをして遊んでいるが、今日はなんかする気になれなかった。
「そういえば、さっきなんでいろは達の話に割って入った?」
「あー、あれな。俺のせいで、栗原と付き合うことになっちゃっただろ? でも、悠はずっといろはちゃんのことが好きだっただろ? だから、いろはちゃんと遊ばせてあげたいなーって思って……まぁ、こんなことになっちゃったけど」
「はぁー、お前、次からはもう少し考えろよな」
「悪かったってー」
「当日は、瑠奈がいろはちゃんの相手すると思うから、お前は……まぁ、適当に頑張れな?」
「人ごとだと思って……はぁ、どうすっかなー」
水族館行った後とかに、栗原にははっきりと言った方がいいんだろうか。
いつまでも俺の都合に付き合わせてる方が時間の無駄だし、やっぱり早めに言ったほうが栗原のためにもなるよな。
日曜日は、電車とバスの時間をスマホで調べて乗り継ぎが良い感じになるように家を出ると、丁度隣からいろはが出て来たところだった。
動きやすいようにスニーカーを選んだんだろうなとか、水色のショートパンツが似合ってるなとか、一目見ただけでいろはへの想いが駆け巡る。
「おはよう」と満面の笑みを向けてくれる彼女を思わず抱きしめそうになるも、今の俺には彼女がいるからと思いとどまる。
待ち合わせ場所に着くと、充と佐々木、栗原が来ていた。
いろはと栗原は今日初めて話すから、自己紹介するのはわかっていたが、俺と付き合ってるとわざわざ言うとは思わなくて、反応しそうになるのをなんとか堪える。
いろはも特に気にした様子は見せず、栗原と仲良くしたいと言っていた。
俺の彼女と仲良くか……いろはにとって、俺って本当にただの幼馴染なんだよな。
はぁ……
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