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五章
待ち合わせ
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お兄様から、護衛の手配などが、完了したとすぐに連絡が来たので、ルディさんに、待ち合わせ時間などを、伝言する。
昼と夜とでは、またお祭りの雰囲気も違うということで、お昼少し前に、会う約束をし、出店などで食べ物を買い、一緒に食事を取る事にした。
昼の時間帯は、お酒は出ないが、夜になると、明かりが灯り、子ども達は帰宅し、大人達がお酒を飲みながら楽しむのだそうう。
お酒・・・まだ飲んだこと無いけど、もう成人しているし、お祭りの時くらい、飲んでも良いわよね。
どんなお酒があるのかしら。
お兄様は、良くワインを嗜んでいたと思ったけど。
私も、ワイン飲めるかしら。
リコリスを肩に乗せて、森の入り口まで向かうと、トーリが騎士服ではなく、私服で立っていた。
「トーリ、おはよう。あなたも、今日は、騎士服じゃないのね」
「流石に、お祭りとなりますと、目立ってしまいますからね。夜になれば、お酒を飲まれる方もいますから、絡まれる事態になり兼ねませんので」
「そうなのね。・・・なんて言えば良いか。スタイルが良いわね」
上下黒色の服が、身体のラインを引き立てていて、引き締まっているのが良く分かる。
背も高いから、足の長さも目立つ。
「あの・・・恐れ入ります?」
褒められ慣れていないのか、照れくさそうに、そう言うトーリは、少し可愛いなと思った。
レンも、今日は、私服で陰ながら護衛に当たると聞いていたので、トーリと一緒にいるものと思っていたけれど、レンの姿は見当たらない。
「今日は、レンもお祭りに行くのよね?一緒にいないのね」
「レンは、先に、街へ向かっていますので、何か無い限りは、姿を見ることは無いと思います」
「そう・・・。それは、残念だわ。いつもの服とは、違った姿を、見たかったのだけど」
「あー・・・、私は、朝方会いましたが・・・」
「どうして、言い淀むのかしら?」
「いや・・・。レンは、顔が整っているので・・・お祭りで、女性達に、声掛けられそうだなと思ったんです」
「・・・そう。女性達は、積極的なのね」
寡黙なレンが、女性達に絡まれて、どんな対応をするのか、気になるわ。
冷たくあしらうのか、それとも・・・。
なんとなく、レンの側に女性がいるのは・・・なんとも言えない気持ちになるわね。
良い大人だし、レンにお付き合いしている女性がいたとしても不思議ではないのに。
それでも、ずっと私の側で見守ってくれていたと言うことは、女性と出会う機会もないのでは?と思ったりもする。
それが、仕事だとは言え、それでいいのかしら・・・。
「それでは、メルティアナ様。向かいましょう」
「えぇ、今日も一日、宜しくね」
トーリのエスコートで、馬車に乗りながら、一目でも、レンの姿が見れると良いなと思った。
昼と夜とでは、またお祭りの雰囲気も違うということで、お昼少し前に、会う約束をし、出店などで食べ物を買い、一緒に食事を取る事にした。
昼の時間帯は、お酒は出ないが、夜になると、明かりが灯り、子ども達は帰宅し、大人達がお酒を飲みながら楽しむのだそうう。
お酒・・・まだ飲んだこと無いけど、もう成人しているし、お祭りの時くらい、飲んでも良いわよね。
どんなお酒があるのかしら。
お兄様は、良くワインを嗜んでいたと思ったけど。
私も、ワイン飲めるかしら。
リコリスを肩に乗せて、森の入り口まで向かうと、トーリが騎士服ではなく、私服で立っていた。
「トーリ、おはよう。あなたも、今日は、騎士服じゃないのね」
「流石に、お祭りとなりますと、目立ってしまいますからね。夜になれば、お酒を飲まれる方もいますから、絡まれる事態になり兼ねませんので」
「そうなのね。・・・なんて言えば良いか。スタイルが良いわね」
上下黒色の服が、身体のラインを引き立てていて、引き締まっているのが良く分かる。
背も高いから、足の長さも目立つ。
「あの・・・恐れ入ります?」
褒められ慣れていないのか、照れくさそうに、そう言うトーリは、少し可愛いなと思った。
レンも、今日は、私服で陰ながら護衛に当たると聞いていたので、トーリと一緒にいるものと思っていたけれど、レンの姿は見当たらない。
「今日は、レンもお祭りに行くのよね?一緒にいないのね」
「レンは、先に、街へ向かっていますので、何か無い限りは、姿を見ることは無いと思います」
「そう・・・。それは、残念だわ。いつもの服とは、違った姿を、見たかったのだけど」
「あー・・・、私は、朝方会いましたが・・・」
「どうして、言い淀むのかしら?」
「いや・・・。レンは、顔が整っているので・・・お祭りで、女性達に、声掛けられそうだなと思ったんです」
「・・・そう。女性達は、積極的なのね」
寡黙なレンが、女性達に絡まれて、どんな対応をするのか、気になるわ。
冷たくあしらうのか、それとも・・・。
なんとなく、レンの側に女性がいるのは・・・なんとも言えない気持ちになるわね。
良い大人だし、レンにお付き合いしている女性がいたとしても不思議ではないのに。
それでも、ずっと私の側で見守ってくれていたと言うことは、女性と出会う機会もないのでは?と思ったりもする。
それが、仕事だとは言え、それでいいのかしら・・・。
「それでは、メルティアナ様。向かいましょう」
「えぇ、今日も一日、宜しくね」
トーリのエスコートで、馬車に乗りながら、一目でも、レンの姿が見れると良いなと思った。
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