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五章
許可を取る
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リコリスをテーブルの上に置き、お兄様に繋いで貰う。
『はい、どうしたのかな?』
「お兄様、お時間宜しいですか?」
『問題ないよ。丁度、休憩を取ろうと、思っていたからね』
・・・休憩を取ろうと思っていたわけじゃなくて、私が連絡したから、休憩を取ると言うことかしら。
先程のトーリの話では、そういう事だったわよね。
「お兄様。本当に、毎日しっかりと、休憩を取ってくださいね。お兄様が倒れてしまったら、悲しいです・・・」
『ちょっと休憩を取らなかっただけで、倒れる様な、やわな身体ではないけど、メルに心配掛けたくないから、ちゃんと休憩を取るようにするよ』
「良かった。それで、今日ご連絡したのは、その・・・出掛けるにあたって、護衛の手配などしなければならないと、トーリが言っていたので、お兄様に相談をしなければと、思いまして」
『ん?出掛けるだけなら、今いる護衛で事足りると思うが、トーリがそう言うと言うことは、普段の外出とは、何か違うと言うことかな?』
「はい。実は、収穫祭というお祭りに誘われまして、折角なので参加したいと思ったのですが、人が多い場所に行くのは、護衛の問題があると聞きまして・・・ダメですか?」
『・・・誘われた?誰と行くか教えてくれるかな?』
「はい。今日、コーヒーショップに行った時に、ルディさんに収穫祭に行った事がないなら、一緒に行こうと誘われました」
『あー・・・、彼か。メルは、その収穫祭に行きたいんだね?』
「はい。お祭りというものが、どういうものなのか知りたいのと、とても楽しそうだなと思いまして」
『そうか・・・。彼は、剣の腕も立つし、護衛の1人に数えても良さそうだ。それに・・・周りに護衛も多く付けるから、2人きりになることもないし、何か間違いが起こることもないだろう。平民の扮した護衛の数を少し増やすのと、レンも街中で陰ながら護るように行っておくよ』
「間違いですか?」
『いや、メルは気にしなくて良いよ。後の事は、こちらで手配するから、メルは、お祭りを楽しんでおいで』
「はい!ありがとうございます。でも、ルディさんを護衛として考えるのは、止めてくださいね。彼は、我が家で雇っている騎士ではないのですから」
『そうだね・・・報酬を払って、当日は護衛の代わりを・・・』
「お兄様!ダメです!彼は、友人として誘ってくれたのですから、そういうのは止めて欲しいです」
『友人ね・・・。まぁ、流石に、遊びに行くのに、それを仕事にさせてしまうのも悪いか。分かったよ。彼とは、適度な距離を保ち、楽しんでおいで』
「適度な距離ですか?平民の方達は距離が近そうなので、判断が難しいところですが・・・」
『・・・ん?それは、どういうことかな?』
「いえ、アンナ嬢もルシ様達に距離が近かったなと思い出したのと、今日、ルディさんに頭を撫でられたりしたので、私達とは、距離の取り方が違うのだなと思いまして」
『・・・聖女殿については、例外と思っていいよ。彼については、判断が難しいな』
「ですが、トーリが鋭い視線で、ルディさんを牽制していたので、すぐに手を離されましたが」
『あぁ、トーリがいるなら大丈夫だな。じゃ、羽目を外さない様に、決して1人にならない様に、気をつけること』
「はい。分かりました。ありがとうございます」
『じゃ、後は、トーリと打ち合わせをするから、替わってくれるかな?』
「はい、宜しくお願いします。呼んできますね」
少しは、難色を示すかと思ったけど、特にダメと言われることもなく、許可が貰えて良かった。
当日は、レンも平民服を着て、護衛につくのよね。
黒尽くめの服以外、見た事がないから、どんな服装なのか、とても気になるわ。
当日、レンの姿を見る事は出来るのかしら。
『はい、どうしたのかな?』
「お兄様、お時間宜しいですか?」
『問題ないよ。丁度、休憩を取ろうと、思っていたからね』
・・・休憩を取ろうと思っていたわけじゃなくて、私が連絡したから、休憩を取ると言うことかしら。
先程のトーリの話では、そういう事だったわよね。
「お兄様。本当に、毎日しっかりと、休憩を取ってくださいね。お兄様が倒れてしまったら、悲しいです・・・」
『ちょっと休憩を取らなかっただけで、倒れる様な、やわな身体ではないけど、メルに心配掛けたくないから、ちゃんと休憩を取るようにするよ』
「良かった。それで、今日ご連絡したのは、その・・・出掛けるにあたって、護衛の手配などしなければならないと、トーリが言っていたので、お兄様に相談をしなければと、思いまして」
『ん?出掛けるだけなら、今いる護衛で事足りると思うが、トーリがそう言うと言うことは、普段の外出とは、何か違うと言うことかな?』
「はい。実は、収穫祭というお祭りに誘われまして、折角なので参加したいと思ったのですが、人が多い場所に行くのは、護衛の問題があると聞きまして・・・ダメですか?」
『・・・誘われた?誰と行くか教えてくれるかな?』
「はい。今日、コーヒーショップに行った時に、ルディさんに収穫祭に行った事がないなら、一緒に行こうと誘われました」
『あー・・・、彼か。メルは、その収穫祭に行きたいんだね?』
「はい。お祭りというものが、どういうものなのか知りたいのと、とても楽しそうだなと思いまして」
『そうか・・・。彼は、剣の腕も立つし、護衛の1人に数えても良さそうだ。それに・・・周りに護衛も多く付けるから、2人きりになることもないし、何か間違いが起こることもないだろう。平民の扮した護衛の数を少し増やすのと、レンも街中で陰ながら護るように行っておくよ』
「間違いですか?」
『いや、メルは気にしなくて良いよ。後の事は、こちらで手配するから、メルは、お祭りを楽しんでおいで』
「はい!ありがとうございます。でも、ルディさんを護衛として考えるのは、止めてくださいね。彼は、我が家で雇っている騎士ではないのですから」
『そうだね・・・報酬を払って、当日は護衛の代わりを・・・』
「お兄様!ダメです!彼は、友人として誘ってくれたのですから、そういうのは止めて欲しいです」
『友人ね・・・。まぁ、流石に、遊びに行くのに、それを仕事にさせてしまうのも悪いか。分かったよ。彼とは、適度な距離を保ち、楽しんでおいで』
「適度な距離ですか?平民の方達は距離が近そうなので、判断が難しいところですが・・・」
『・・・ん?それは、どういうことかな?』
「いえ、アンナ嬢もルシ様達に距離が近かったなと思い出したのと、今日、ルディさんに頭を撫でられたりしたので、私達とは、距離の取り方が違うのだなと思いまして」
『・・・聖女殿については、例外と思っていいよ。彼については、判断が難しいな』
「ですが、トーリが鋭い視線で、ルディさんを牽制していたので、すぐに手を離されましたが」
『あぁ、トーリがいるなら大丈夫だな。じゃ、羽目を外さない様に、決して1人にならない様に、気をつけること』
「はい。分かりました。ありがとうございます」
『じゃ、後は、トーリと打ち合わせをするから、替わってくれるかな?』
「はい、宜しくお願いします。呼んできますね」
少しは、難色を示すかと思ったけど、特にダメと言われることもなく、許可が貰えて良かった。
当日は、レンも平民服を着て、護衛につくのよね。
黒尽くめの服以外、見た事がないから、どんな服装なのか、とても気になるわ。
当日、レンの姿を見る事は出来るのかしら。
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