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五章
ひと月ぶりの外出
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お兄様から、外出の許可が出たので、早速コーヒーショップに向かう事にした。
今回の納品分は、私が外に出られない為、トーリに届ける様、お願いしていたので、今日は、ルディさんへお礼を言いに行く。
ずっと家にいるだけで、森の中のお散歩も行けなかったので、お礼のハンカチも大量生産してしまった・・・。
消耗品だから、良いわよね・・・?
「トーリ、おはよう。今日も宜しくね」
「はい。やっと外出許可がおりて、良かったです」
「ふふっ。本当にね。一月も家に籠ることになるなんて思わなかったけれど、護衛を増やしたりと、犯人達の処罰などで、色々と時間を要するわよね」
「そうですね。不穏な芽は摘む必要がありますから、色々と調べが必要ですし、護衛の選別などもありましたから、念には念を入れて、時間を取らせて頂きました」
「私の我儘に付き合って貰って、申し訳ないわね」
「いえ、邸で護衛するのと、ここで護衛するのと大して差はありません。ただ、場所が変わっただけですので」
「そう言って貰えると、助かるわ」
今回は、私が狙われた訳ではなく、たまたま私の馬車が通ったから襲われただけで、あんな事早々起こらないわよね。
気にし過ぎも良くないし、切り替えて行きましょう。
肩に居るリコリスをひと撫でして、馬車に乗り込む。
久しぶりの外出に、心が浮き立つ。
街は、変わらず賑やかね。
帰りに、カフェに寄って、お茶菓子も買って帰りましょう。
お兄様には、いつも私が作ったパウンドケーキを送っているだけだから、こちらで売っている甘過ぎないお菓子などを送るのも良いかもしれないわね。
今度、リコリスを作ってくれたお友達も、リコリスの様子を見に来てくれると言っていたから、その方へのお礼も準備しなければならないわ。
幸いな事に、その方は、甘いものも好まれると言うことだったから、多種多様なお菓子を用意しておきましょう。
後は、個人的に使う用として、花を改良し、安眠出来るポプリを作ったから、それも渡せたら良いな。
香り長持ちで、1月は安眠効果が続くので、枕元に置いて貰いたい。
もし、気に入って貰えたら、定期的に贈ろうかなと思っている。
それだけ、彼には助けて貰っている。
家の中には、彼の作ったもので溢れ、リコリスという可愛くて強い相棒まで作ってくれた。
感謝してもしきれないわね。
街並みを見ながら、考えを巡らせていると、馬車が停止した。
「メルティアナ様、到着致しました」
「えぇ、ありがとう」
トーリのエスコートで、馬車を降りて、歩き出す。
これが、今の私の日常。
穏やかで、優しい時間。
店の前にいる看板犬のダフル君に挨拶をして、リコリスを下ろす。
ここに来るときは、リコリスはダフル君と過ごすのが恒例となっている。
相変わらず、大人しくおっとりした看板犬のダフル君。
毛並みも綺麗で、リコリスも気持ち良さそうに、ダフル君の背に寝転んでいるのを見ると、私もリコリスになって見たいと思ってしまう。
羨ましいわね。
ドアを開けると、カランコロンとドアベルが鳴り、コーヒー豆を挽く音と共に良い香りが漂ってくる。
「いらっしゃいませ」
「やぁ、いらっしゃい。メル」
笑顔で振り返り、声を掛けるモカさんの隣には、ひと月前に、私を助けてくれたルディさんが立っていた。
「おはようございます。モカさん、ルディさん」
こうして、私の日常は戻ってきた。
今回の納品分は、私が外に出られない為、トーリに届ける様、お願いしていたので、今日は、ルディさんへお礼を言いに行く。
ずっと家にいるだけで、森の中のお散歩も行けなかったので、お礼のハンカチも大量生産してしまった・・・。
消耗品だから、良いわよね・・・?
「トーリ、おはよう。今日も宜しくね」
「はい。やっと外出許可がおりて、良かったです」
「ふふっ。本当にね。一月も家に籠ることになるなんて思わなかったけれど、護衛を増やしたりと、犯人達の処罰などで、色々と時間を要するわよね」
「そうですね。不穏な芽は摘む必要がありますから、色々と調べが必要ですし、護衛の選別などもありましたから、念には念を入れて、時間を取らせて頂きました」
「私の我儘に付き合って貰って、申し訳ないわね」
「いえ、邸で護衛するのと、ここで護衛するのと大して差はありません。ただ、場所が変わっただけですので」
「そう言って貰えると、助かるわ」
今回は、私が狙われた訳ではなく、たまたま私の馬車が通ったから襲われただけで、あんな事早々起こらないわよね。
気にし過ぎも良くないし、切り替えて行きましょう。
肩に居るリコリスをひと撫でして、馬車に乗り込む。
久しぶりの外出に、心が浮き立つ。
街は、変わらず賑やかね。
帰りに、カフェに寄って、お茶菓子も買って帰りましょう。
お兄様には、いつも私が作ったパウンドケーキを送っているだけだから、こちらで売っている甘過ぎないお菓子などを送るのも良いかもしれないわね。
今度、リコリスを作ってくれたお友達も、リコリスの様子を見に来てくれると言っていたから、その方へのお礼も準備しなければならないわ。
幸いな事に、その方は、甘いものも好まれると言うことだったから、多種多様なお菓子を用意しておきましょう。
後は、個人的に使う用として、花を改良し、安眠出来るポプリを作ったから、それも渡せたら良いな。
香り長持ちで、1月は安眠効果が続くので、枕元に置いて貰いたい。
もし、気に入って貰えたら、定期的に贈ろうかなと思っている。
それだけ、彼には助けて貰っている。
家の中には、彼の作ったもので溢れ、リコリスという可愛くて強い相棒まで作ってくれた。
感謝してもしきれないわね。
街並みを見ながら、考えを巡らせていると、馬車が停止した。
「メルティアナ様、到着致しました」
「えぇ、ありがとう」
トーリのエスコートで、馬車を降りて、歩き出す。
これが、今の私の日常。
穏やかで、優しい時間。
店の前にいる看板犬のダフル君に挨拶をして、リコリスを下ろす。
ここに来るときは、リコリスはダフル君と過ごすのが恒例となっている。
相変わらず、大人しくおっとりした看板犬のダフル君。
毛並みも綺麗で、リコリスも気持ち良さそうに、ダフル君の背に寝転んでいるのを見ると、私もリコリスになって見たいと思ってしまう。
羨ましいわね。
ドアを開けると、カランコロンとドアベルが鳴り、コーヒー豆を挽く音と共に良い香りが漂ってくる。
「いらっしゃいませ」
「やぁ、いらっしゃい。メル」
笑顔で振り返り、声を掛けるモカさんの隣には、ひと月前に、私を助けてくれたルディさんが立っていた。
「おはようございます。モカさん、ルディさん」
こうして、私の日常は戻ってきた。
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