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いつか見た夢の世界で
荒み、澱む
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花香る庭園は、荒れ果てていた。
かつてその場所で咲き誇っていたこの世全ての季節ごとの花々は、今や枯れ落ちるか力無く萎びれて、朽ちた後は塵が如く掻き消えて失せていた。
明るく日の照る場所にあるはずの庭園は、いっそ曇天の空に包まれているが如く陰惨な雰囲気に包まれていた。
そんな荒廃した城壁の内にある花園の、更に奥まった場所にある宮の中。
本棚はおろか図書室として扱っていた部屋からすら溢れて廊下から茶室など至る所にまで書物が侵食し、それら全てが掃除の手さえ届かず埃にまみれていた。
そして、たった1人の主を除いて誰も立ち入らない宮の寝室。
その寝台に横たわって、1人の女性が窓の外を呆然と眺めていた。 たった独りきりの、宮の主たる女性だった。
「……………………」
女性は言の葉を紡がない。 何を言ったとしても、誰も返してくれないと知っているから。
ただ、たった1人を待ち続けている彼女。 たった1人で宮の中で生活をして、たった独りでこの場所に在り続けた彼女。
ずっと、ずっとずっとずっと………あの人が来る事を待ち望んでいた。
けれど、待ち人は訪れず。
瑞々しく朗らかな人だった女性は、しかし今となっては庭園の花達と同じように枯れ果てようとしていた。
花は、ただ咲いているだけではいけない。 誰かに愛でられ、育まれなければ……。
花にとっての水のような貴方。 日の光のように、この心に巣食う孤独を照らし出して慰めてくれた貴方。
貴方との語らいが心を満たし、貴方との時間が生きる糧だった。
「…………………」
でも、今は誰もいない。
この心には、ずっと孤独が巣食っていた。
水も日照も失って、長い長い時の中で多くの時間を暇つぶしをしながら過ごしてきて、でもいつの頃からか宮を出る事すら億劫になって花を愛でる事をしなくなった。
雲の形から色々なものを連想したり、空にある色の数を数えたり、雲と雲のかけっこを眺めてたり、目を閉じて風の音や揺れる草花の音やその匂いを感じたりするような事もなくなった。
宮に閉じこもって、来る日も来る日も寝て起きてを繰り返し、どうしても眠れない時には読書に耽った。 それでも、いつしか何度も読み返した本すら読まなくなってしまった。
退屈で退屈で退屈で退屈で暇で退屈で、孤独で。
「…………………」
貴方はいつ逢いに来てくれるの? とてもとても寂しいの。
だから、貴方が外のお話を聞かせてくれるだけでも嬉しいの。
ただ一時でもいい、側に居てくれるだけでいいの。 貴方がくれるぬくもりを糧にするわ。
ほんの少しの時間があればそれだけで、まだまだ生きていられるのだから。
だから、来て………! この手を握って。
「……………………」
何度も何度も、永遠とも思えるほど長い孤独の中で枕を濡らした。
1度だって、願いが叶った事なんて無かったけれど。 ただ想い続けた。
「……………………」
でも、もう枕を濡らす事なんて無い。
涙などとうに枯れてしまった。
孤独に打ちひしがれていた心だって、ついには疲れ果てていた。
だからもう、彼女にできるのは眠る事だけだった。
ギシギシと軋むベッドの上を這って、久し振りに両足で立ち上がる。 その手には、引き裂かれたシーツを持って。
庭園の一番大きな木。 今は枯木と化したその木の1番太くて高い位置にある枝に輪の形に結んだシーツを引っ掛けた。
思い残す事など無いのだ。
未練を追うほどの活力も無いのだ。
独りぼっちで生きている事が、たまらなく怖いのだ。
彼女は、ためらいなく輪に首を掛けて、跳んだ。
そして宙ぶらりんの寝所にて、永遠の眠りに落ちていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
全くもって寝覚めは最悪だと言えるだろう。
確かに、最近はハードワークを背負い込んで連日徹夜で仕事に明け暮れていたけれど、何もそんな、夢の世界でまで辛い思いを背負い込むだなんて。
「でも、あの夢……」
今朝見たのは、いつか見た夢に出てきた女性の夢だった。
夢の内容にも、そこに出てきた女性についても思い当たる節などありはしない。 ありはしない、はずなのだけれど……。
………いいえ、きっと気のせい。 何かの本で読んだお話の一節が夢として映像化されて見ていただけの、幻なのだわ。
それよりも、目が覚めてしまったのならもう今からは現実だ。
視線を動かせば、机の上に山と積まれた資料が目に映る。 昨日のノルマをユースクリフ家お抱えの薬師が調合した栄養剤片手に深夜までかかりながら終わらせた分と、今日学園から帰ってから処すべきノルマ分である。
繁忙期である生徒会の書類と領地視察の報告書、エリーナが立ち上げた企業監督者の報告書と指示書作成。 さらに生徒会が例年通り時期的にこれまで以上に忙しくなる事を想定しての前倒し業務への取掛かりなど、やる事は山ほどある。
だからこそ、今はそれ以外の事を気にしている余裕などありはしないのだ。
夢は所詮、夢。 ただの、睡眠中の脳が見せる何処かから引っ張り出されてきた記憶の一部でしかないのだから。
だからこそさっさと寝覚めの悪い夢の事など忘れて、現実と向き合うべきなのだ。
そう思い直して、学園の制服に着替えて、屋敷を出る時間までほんの少しでも今日のノルマを済ませておこうと机に向かう。
いくら私付きの侍女が増えたといっても、日が昇る前から起きて私の世話をするような者はいない。 アリーでさえ日が昇ってから動き始めるのだから、それが普通なのだけれど。
もっとも、そんな誰も目覚めていない1人の時間はとても気に入っているし、むしろ周りに人がいる方が気が詰まってしまうのだから、とても気楽で良い。
サラサラと紙面をペンが走る音のみが響く部屋の中で、ため息を1つ零した。 そしてチラと部屋の隅を見やれば、そこには見たくもない現実の象徴が飾られている。
そうしてまたため息をもう1つ零す事が最近の朝によく起こる事象である。
今日こそは、ジークと話をつけなければ。
そう考えて、もうあとひと踏ん張りと気合を入れ直そうとしたところでアリーが登校の時間だと告げに来た。
私は仕方なしと、机の上のやりかけの書類をファイルに収めて書類の山に返した。
そうして呼びに来たアリーに付いて、馬車まで向かうのだ。
今日こそは、憂いを解消して気楽に仕事をしようと、胸に想いを秘めながら。
かつてその場所で咲き誇っていたこの世全ての季節ごとの花々は、今や枯れ落ちるか力無く萎びれて、朽ちた後は塵が如く掻き消えて失せていた。
明るく日の照る場所にあるはずの庭園は、いっそ曇天の空に包まれているが如く陰惨な雰囲気に包まれていた。
そんな荒廃した城壁の内にある花園の、更に奥まった場所にある宮の中。
本棚はおろか図書室として扱っていた部屋からすら溢れて廊下から茶室など至る所にまで書物が侵食し、それら全てが掃除の手さえ届かず埃にまみれていた。
そして、たった1人の主を除いて誰も立ち入らない宮の寝室。
その寝台に横たわって、1人の女性が窓の外を呆然と眺めていた。 たった独りきりの、宮の主たる女性だった。
「……………………」
女性は言の葉を紡がない。 何を言ったとしても、誰も返してくれないと知っているから。
ただ、たった1人を待ち続けている彼女。 たった1人で宮の中で生活をして、たった独りでこの場所に在り続けた彼女。
ずっと、ずっとずっとずっと………あの人が来る事を待ち望んでいた。
けれど、待ち人は訪れず。
瑞々しく朗らかな人だった女性は、しかし今となっては庭園の花達と同じように枯れ果てようとしていた。
花は、ただ咲いているだけではいけない。 誰かに愛でられ、育まれなければ……。
花にとっての水のような貴方。 日の光のように、この心に巣食う孤独を照らし出して慰めてくれた貴方。
貴方との語らいが心を満たし、貴方との時間が生きる糧だった。
「…………………」
でも、今は誰もいない。
この心には、ずっと孤独が巣食っていた。
水も日照も失って、長い長い時の中で多くの時間を暇つぶしをしながら過ごしてきて、でもいつの頃からか宮を出る事すら億劫になって花を愛でる事をしなくなった。
雲の形から色々なものを連想したり、空にある色の数を数えたり、雲と雲のかけっこを眺めてたり、目を閉じて風の音や揺れる草花の音やその匂いを感じたりするような事もなくなった。
宮に閉じこもって、来る日も来る日も寝て起きてを繰り返し、どうしても眠れない時には読書に耽った。 それでも、いつしか何度も読み返した本すら読まなくなってしまった。
退屈で退屈で退屈で退屈で暇で退屈で、孤独で。
「…………………」
貴方はいつ逢いに来てくれるの? とてもとても寂しいの。
だから、貴方が外のお話を聞かせてくれるだけでも嬉しいの。
ただ一時でもいい、側に居てくれるだけでいいの。 貴方がくれるぬくもりを糧にするわ。
ほんの少しの時間があればそれだけで、まだまだ生きていられるのだから。
だから、来て………! この手を握って。
「……………………」
何度も何度も、永遠とも思えるほど長い孤独の中で枕を濡らした。
1度だって、願いが叶った事なんて無かったけれど。 ただ想い続けた。
「……………………」
でも、もう枕を濡らす事なんて無い。
涙などとうに枯れてしまった。
孤独に打ちひしがれていた心だって、ついには疲れ果てていた。
だからもう、彼女にできるのは眠る事だけだった。
ギシギシと軋むベッドの上を這って、久し振りに両足で立ち上がる。 その手には、引き裂かれたシーツを持って。
庭園の一番大きな木。 今は枯木と化したその木の1番太くて高い位置にある枝に輪の形に結んだシーツを引っ掛けた。
思い残す事など無いのだ。
未練を追うほどの活力も無いのだ。
独りぼっちで生きている事が、たまらなく怖いのだ。
彼女は、ためらいなく輪に首を掛けて、跳んだ。
そして宙ぶらりんの寝所にて、永遠の眠りに落ちていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
全くもって寝覚めは最悪だと言えるだろう。
確かに、最近はハードワークを背負い込んで連日徹夜で仕事に明け暮れていたけれど、何もそんな、夢の世界でまで辛い思いを背負い込むだなんて。
「でも、あの夢……」
今朝見たのは、いつか見た夢に出てきた女性の夢だった。
夢の内容にも、そこに出てきた女性についても思い当たる節などありはしない。 ありはしない、はずなのだけれど……。
………いいえ、きっと気のせい。 何かの本で読んだお話の一節が夢として映像化されて見ていただけの、幻なのだわ。
それよりも、目が覚めてしまったのならもう今からは現実だ。
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繁忙期である生徒会の書類と領地視察の報告書、エリーナが立ち上げた企業監督者の報告書と指示書作成。 さらに生徒会が例年通り時期的にこれまで以上に忙しくなる事を想定しての前倒し業務への取掛かりなど、やる事は山ほどある。
だからこそ、今はそれ以外の事を気にしている余裕などありはしないのだ。
夢は所詮、夢。 ただの、睡眠中の脳が見せる何処かから引っ張り出されてきた記憶の一部でしかないのだから。
だからこそさっさと寝覚めの悪い夢の事など忘れて、現実と向き合うべきなのだ。
そう思い直して、学園の制服に着替えて、屋敷を出る時間までほんの少しでも今日のノルマを済ませておこうと机に向かう。
いくら私付きの侍女が増えたといっても、日が昇る前から起きて私の世話をするような者はいない。 アリーでさえ日が昇ってから動き始めるのだから、それが普通なのだけれど。
もっとも、そんな誰も目覚めていない1人の時間はとても気に入っているし、むしろ周りに人がいる方が気が詰まってしまうのだから、とても気楽で良い。
サラサラと紙面をペンが走る音のみが響く部屋の中で、ため息を1つ零した。 そしてチラと部屋の隅を見やれば、そこには見たくもない現実の象徴が飾られている。
そうしてまたため息をもう1つ零す事が最近の朝によく起こる事象である。
今日こそは、ジークと話をつけなければ。
そう考えて、もうあとひと踏ん張りと気合を入れ直そうとしたところでアリーが登校の時間だと告げに来た。
私は仕方なしと、机の上のやりかけの書類をファイルに収めて書類の山に返した。
そうして呼びに来たアリーに付いて、馬車まで向かうのだ。
今日こそは、憂いを解消して気楽に仕事をしようと、胸に想いを秘めながら。
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