9 / 81
9
しおりを挟む
日が傾き、闇に飲み込まれつつある静な空間。
訓練場の使用許可を取り付け、俺は1人その場に佇む。……いや、正確には1人ではないな。
訓練場から建物内部へ向かう唯一の出入り口には、ギルとヒースが先ほどまでの装備を脱ぎラフな格好で此方の様子を窺っていた。
訓練場の使用許可を取り付ける際、目的を聞かれた。俺は手にしていた刀を軽く持ち上げて少し身体を動かしてくる、と伝えたのだ。
建物内部から漏れる魔法による灯りはあるものの、日も傾きはじめたこの時間帯に武器を使っての訓練はあまり褒められたものではない、と忠告される。
怪我を負うような事はしないつもりだが、心配ならば傍で見ていればいいと言い残して訓練場へ向かった。
辿り着いた訓練場。時間も時間だった為、人はいない。建物から足を一歩踏み入れ、その場で軽く頭を下げる。
生前、俺は幼い頃から父が運営する剣道道場に通って剣道を習っていた。
練習場へ足を踏み入れる際、己を鍛える場所、上級者からの教えを請う場所に感謝を込めて一礼してから入るのが礼儀となっている。
幼い頃から習慣化されたその動きは、どんな場所でも発揮されるようだ。
訓練場の中程まで進むとピタリと歩を止める。
気付けばギルが、ヒースを伴って先ほど俺が一礼した場所にいた。
暫く目を閉じてゆっくりと深く、呼吸を繰り返す。
沈みかけの太陽の光を背に鞘から刀身を引き抜くと、光が反射して刃に彫られた複雑な紋様が浮き上がった。
ゆっくりと目を開き、その紋様を見つめる。
剣道に真剣を使う機会はあまりない。試合では竹刀が主だし、型を披露する時は木刀を使用する。
時折、上級の有段者が真剣を用いて型を披露するくらいだ。
一際ゆっくり、深く息を吐き出すと手にした刀身を真横に振り抜き、ピタリと止める。
空を切る音が響く。
柄を両手で握り、更に切り上げピタリと止める。そのまま下へ、斜め上へ。振り向きざまに振り下ろし地面すれすれのところで止める。
何度も何度も、そこにはいない見えない敵を屠っていく。その度に空を切る音が響き、汗が滴った。
どのくらい経ったか…。
目に滴った自分の汗に集中力が途切れた。
肩で息をしている。
着ていた上着が汗で肌に張り付く程濡れている。
髪も濡れて水滴が滴る程。
気が付けば夕食時はとうに過ぎ、建物内部の光も疎らになっていた。
俺は刀身を鞘に納めその場で一礼する。
出入り口に向かって踵を返したところで、此方を微動だにせず凝視していた2人の存在を思い出した。
「……ずっと見てたのか?」
妙に気恥ずかしい心地になり、誤魔化すように笑うと2人は弾かれたように動き出す。
「…あ、あぁ…。なんとも…素晴らしい光景だった…」
この世界の人には、初めての光景だろう。俺の腕前程度の鍛錬で発せられる感想ではないが、素直に受け取っておく。
「その様子ですとまた着替えが必要ですね。用意しますのでそのまま浴場へ向かって下さい。ギル、案内は頼みましたよ」
ヒースが気を利かせてくれる。確かに、汗で服がビショビショだ。ここはお言葉に甘えて先に湯を貰う事にする。
ぎこちなく動き出すギルに案内されながら俺達は浴場へ向かった。
ギルに案内された浴場は俺が想像してたものとは大分違った作りをしていた。
辛うじて脱衣所と浴室は区切られていたが、浴室は広くその真ん中に湯を張った浅い1メートル四方の桶が3つほど並んでいただけの場所だった。
どうやら掛け流しタイプらしい。
あー………湯には流石に浸かれねぇか…。
若干疲れが増した気もしなくはないが、仕方ない。ここは日本ではない異世界なのだ。
「ギル、一緒に入るか?付き合わせる形になっちまったし、背中くらい流すぞ」
「え?!いや、おれ、私はっ!まだやることがあってだなっ!」
鍛錬に付き合わせる形になり、ギルもまだ汚れを落としていない。夕食だってまだのハズだ。
そう思って誘ってみたが、まさか誘われるとは思ってなかったのか声を裏返して慌て出す。
「流石に広すぎて1人じゃ寂しかったんだが……仕方ねぇか…」
そう思って断念しようと濡れた服を脱ぎ始める。
「シ、シンがそこまで言うなら!お、おおお供しようっ」
お?ラッキー。ハッキリ言って使い方分かんねぇんだよな。掛け流しでいいのかね?
着替えを持ってきてくれたヒースに、洗濯する為だとびしょ濡れの衣服を要求され、若干人に触らせるのに抵抗を感じつつも手渡す。
ヒースも風呂に誘ったが、すっぱりと断られた。
2人並んで浴室へ。ギルが挙動不審なのを不思議に思いつつ手桶で湯を掬う。
取りあえず汗を流したくて頭からそれを被った。何度か繰り返して濡れて顔に張り付く髪をかき上げると、さっぱりした。身体を洗うような物は見当たらない為、丹念に湯を掛けて汗を流していく。
ふと、自分が立てる音以外しない事に気付いてギルを見ると、此方を見つめたまま仁王立ちしてる。
……やっぱガタイがいいとアレもでけぇんだな…。
などと思いつつギルに近付き目の前で手を振る。
「おい、ギル。ギールー?どしたー?さっきから変だぞ?」
振っていた手の動きを止めて今度はペチペチと頬を叩く。
一瞬、瞳が揺らめいたように見えて爪先立ちして顔を近付けた。エメラルドグリーンの瞳を見つめて再び呼びかける。
「ギル?」
呼びかけた途端、ガシッと頬を両手で挟まれた。
ギルの瞳は綺麗な色だなぁ…なんて呑気な事を思っていると、次の瞬間には目の前にギルの閉じられた瞼が映る。
次いで唇に柔らかな感触。
何故か俺はギルに、キスをされているらしい。
……………………………………………は?
訓練場の使用許可を取り付け、俺は1人その場に佇む。……いや、正確には1人ではないな。
訓練場から建物内部へ向かう唯一の出入り口には、ギルとヒースが先ほどまでの装備を脱ぎラフな格好で此方の様子を窺っていた。
訓練場の使用許可を取り付ける際、目的を聞かれた。俺は手にしていた刀を軽く持ち上げて少し身体を動かしてくる、と伝えたのだ。
建物内部から漏れる魔法による灯りはあるものの、日も傾きはじめたこの時間帯に武器を使っての訓練はあまり褒められたものではない、と忠告される。
怪我を負うような事はしないつもりだが、心配ならば傍で見ていればいいと言い残して訓練場へ向かった。
辿り着いた訓練場。時間も時間だった為、人はいない。建物から足を一歩踏み入れ、その場で軽く頭を下げる。
生前、俺は幼い頃から父が運営する剣道道場に通って剣道を習っていた。
練習場へ足を踏み入れる際、己を鍛える場所、上級者からの教えを請う場所に感謝を込めて一礼してから入るのが礼儀となっている。
幼い頃から習慣化されたその動きは、どんな場所でも発揮されるようだ。
訓練場の中程まで進むとピタリと歩を止める。
気付けばギルが、ヒースを伴って先ほど俺が一礼した場所にいた。
暫く目を閉じてゆっくりと深く、呼吸を繰り返す。
沈みかけの太陽の光を背に鞘から刀身を引き抜くと、光が反射して刃に彫られた複雑な紋様が浮き上がった。
ゆっくりと目を開き、その紋様を見つめる。
剣道に真剣を使う機会はあまりない。試合では竹刀が主だし、型を披露する時は木刀を使用する。
時折、上級の有段者が真剣を用いて型を披露するくらいだ。
一際ゆっくり、深く息を吐き出すと手にした刀身を真横に振り抜き、ピタリと止める。
空を切る音が響く。
柄を両手で握り、更に切り上げピタリと止める。そのまま下へ、斜め上へ。振り向きざまに振り下ろし地面すれすれのところで止める。
何度も何度も、そこにはいない見えない敵を屠っていく。その度に空を切る音が響き、汗が滴った。
どのくらい経ったか…。
目に滴った自分の汗に集中力が途切れた。
肩で息をしている。
着ていた上着が汗で肌に張り付く程濡れている。
髪も濡れて水滴が滴る程。
気が付けば夕食時はとうに過ぎ、建物内部の光も疎らになっていた。
俺は刀身を鞘に納めその場で一礼する。
出入り口に向かって踵を返したところで、此方を微動だにせず凝視していた2人の存在を思い出した。
「……ずっと見てたのか?」
妙に気恥ずかしい心地になり、誤魔化すように笑うと2人は弾かれたように動き出す。
「…あ、あぁ…。なんとも…素晴らしい光景だった…」
この世界の人には、初めての光景だろう。俺の腕前程度の鍛錬で発せられる感想ではないが、素直に受け取っておく。
「その様子ですとまた着替えが必要ですね。用意しますのでそのまま浴場へ向かって下さい。ギル、案内は頼みましたよ」
ヒースが気を利かせてくれる。確かに、汗で服がビショビショだ。ここはお言葉に甘えて先に湯を貰う事にする。
ぎこちなく動き出すギルに案内されながら俺達は浴場へ向かった。
ギルに案内された浴場は俺が想像してたものとは大分違った作りをしていた。
辛うじて脱衣所と浴室は区切られていたが、浴室は広くその真ん中に湯を張った浅い1メートル四方の桶が3つほど並んでいただけの場所だった。
どうやら掛け流しタイプらしい。
あー………湯には流石に浸かれねぇか…。
若干疲れが増した気もしなくはないが、仕方ない。ここは日本ではない異世界なのだ。
「ギル、一緒に入るか?付き合わせる形になっちまったし、背中くらい流すぞ」
「え?!いや、おれ、私はっ!まだやることがあってだなっ!」
鍛錬に付き合わせる形になり、ギルもまだ汚れを落としていない。夕食だってまだのハズだ。
そう思って誘ってみたが、まさか誘われるとは思ってなかったのか声を裏返して慌て出す。
「流石に広すぎて1人じゃ寂しかったんだが……仕方ねぇか…」
そう思って断念しようと濡れた服を脱ぎ始める。
「シ、シンがそこまで言うなら!お、おおお供しようっ」
お?ラッキー。ハッキリ言って使い方分かんねぇんだよな。掛け流しでいいのかね?
着替えを持ってきてくれたヒースに、洗濯する為だとびしょ濡れの衣服を要求され、若干人に触らせるのに抵抗を感じつつも手渡す。
ヒースも風呂に誘ったが、すっぱりと断られた。
2人並んで浴室へ。ギルが挙動不審なのを不思議に思いつつ手桶で湯を掬う。
取りあえず汗を流したくて頭からそれを被った。何度か繰り返して濡れて顔に張り付く髪をかき上げると、さっぱりした。身体を洗うような物は見当たらない為、丹念に湯を掛けて汗を流していく。
ふと、自分が立てる音以外しない事に気付いてギルを見ると、此方を見つめたまま仁王立ちしてる。
……やっぱガタイがいいとアレもでけぇんだな…。
などと思いつつギルに近付き目の前で手を振る。
「おい、ギル。ギールー?どしたー?さっきから変だぞ?」
振っていた手の動きを止めて今度はペチペチと頬を叩く。
一瞬、瞳が揺らめいたように見えて爪先立ちして顔を近付けた。エメラルドグリーンの瞳を見つめて再び呼びかける。
「ギル?」
呼びかけた途端、ガシッと頬を両手で挟まれた。
ギルの瞳は綺麗な色だなぁ…なんて呑気な事を思っていると、次の瞬間には目の前にギルの閉じられた瞼が映る。
次いで唇に柔らかな感触。
何故か俺はギルに、キスをされているらしい。
……………………………………………は?
46
お気に入りに追加
2,053
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる