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第2章 貴族編
第55話 敵基地からの脱出
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脱出開始から1時間が経過した。
すでに半数以上の樹族たちが牢から脱出し、村の跡地に向かっているが、未だに気づかれた様子はない。
結構堂々と基地内を横切っているのに全く気づかれないとか、ミミックから奪ったこの能力便利すぎる。
空気に擬態とか完全にチートでしかない。
「よし、これで残ってる人たちは最後だな」
「はい、オレたちで最後です」
最後に残ったのはキョウとその両親だった。
俺は全員に固まるように指示し、敵陣出口を目指して歩く。
「カイトさん! 前から兵士が!」
「大丈夫だ。絶対に気づかれないから」
ミミックから奪った擬態能力は見ただけでは絶対に破ることはできない。
直接触れでもされない限り、決してバレることはない。
「……本当だ。一体何がどうなってるんですか?」
「ふっふっふ、企業秘密だ」
不思議な顔をするキョウにそう笑いかける。
決してバレないことがわかり安心したのか、それ以降のキョウたちの足取りが少し軽くなった。
そのままのペースで歩き続け、いよいよ出口まであと少しとなった時、彼女が現れる。
「カイトさん……あの人」
「……大丈夫だ。触られない限り、俺たちの存在がバレることはない」
そう、大丈夫だ。絶対バレない。
だから安心して横を素通りできる。
そう、思ったのだが――、
「………………?」
ミズハが突然、俺たちの前で立ち止まった。
それだけでなく、ゆっくりと移動する俺たちに視線まで合わせてくる。
「見えて……ないんですよね?」
「あ、ああ……絶対に見えていないはずなんだけど」
ミミックから奪った透化七変化は、自分たちの姿を思うように見せられる能力。
空気として周囲に見せている今、絶対に俺たちの姿は見えないはずなのだが。
「ハッ!」
――カカッ!
突然ミズハがナイフを取り出し、俺たちに向けて投げてきた。
俺はキョウたち全員を瞬時にしゃがませ事なきを得る。
「…………気のせい?」
後ろの木に刺さったナイフを見ながら、ミズハはそんな感想を漏らした。
彼女は刺さったナイフを引き抜くと、懐にしまって基地の奥へと消えていった。
「…………ふぅ」
「し、心臓が止まるかと思いました」
俺は逆に飛び出るかと思ったよ。
「あの人、どうしてオレたちのことに気づいたんでしょうか?」
「わからない……けど、おそらくただの勘だと思う」
彼女のあの態度からして、絶対に確信をもっていない。
「長年、暗殺者として生きて培われた一種の特殊能力だろうな。空気の流れとか、視線とか、そういう気配から察したんだと思う」
そういうものに敏感でなければ、暗殺者なんていう裏の仕事で生きてはいけなかったんだろう。
そう考えると、若くしてそんなものを身につけてしまった彼女がかわいそうに思えてきた。
「よし、ここまで来ればいいだろう」
ミズハをかわし、いよいよ基地の外に出た。
見つからないように移動するため、街道脇の森の中に入って能力を解除。
ミーナが来るまでひっそりと待機する。
「お待たせカイト。キョウたちで最後?」
「ああ、そっちは?」
「こっちも順調。みんな集まった時点で問題なく飛べるわよ」
「了解。じゃあミーナは最後の護衛よろしくな。俺もピートを回収してすぐ合流する」
キョウたち家族を引き渡して敵基地に戻る。
「あ、あの、カイトさん」
「ん?」
「本当に、本当にありがとうございました! 見ず知らずのオレたちのために、領主辞めてまで助けに来てくれて……」
「おう、気にすんな。俺はやりたいようにやっただけさ。他のみんなもそれは同じだ」
「それでもお礼を言わせてください。あなたたちは我々の村の恩人です」
「この御恩は決して忘れません。私たちにできることがあったら、何なりとおっしゃってください」
「ああ、なら、その時が来たら遠慮なく言わせてもらいます」
樹族秘伝のシロップとか、ネクタルの製法とか。
ミーナの姿が見えなくなったのを確認し、改めて基地の中に戻った。
基地の中は相変わらず落ち着いた空気だ。
俺たちが脱走していることは全く気づかれていない。
「カイトさん、こっちです」
牢のあった洞窟近く、深い茂みの中にピートはいた。
ここで状況を確認しつつ、ネズミ型ゾンビを使って情報収集を行ってもらっていたのだが。
「樹族の人達は? 全員脱出できましたか?」
「ああ、あとは俺たちだけだ。そっちは?」
「すいません、どっちもわかりませんでした」
ピートは首を横に振った。
「そうか……まあ仕方ないか」
「でも、どこかに運ばれたことはわかりました。消えた樹族の人たちは死んでいません。それだけは確かです」
「それだけわかれば十分だよ。お疲れさん」
生きている可能性が出てきただけでも朗報だ。
死んでさえいなければ、またきっと会うことができる。
「さて、じゃあ残すはネクタルだな」
「すいません。それに関しては全然……」
「まあ、わざわざそれ目当てで攻め込んで来たくらいだしなあ」
きっと機密情報なんだろう。
なら、一般兵がそのことを知らなくても頷ける。
「どうしよう……アレがないとロリマスの呪いが」
「大丈夫だ、問題ない」
俺は袋に手を突っ込んで皿と一升瓶を出した。
「カイトさん、それは?」
「油。ピート、今手持ちのネズミゾンビ何匹?」
「えーと、あの後増やしたので20匹くらいですかね?」
「そっか。じゃあ、そのゾンビたちにこれ飲ませてくれる?」
「わかりました……けど、油なんて飲ませてどうするんですか?」
そんなの決まっているだろ?
欲しいものがあるけど場所がわからない。
そんな時どうするかなんて昔からやることは一つしかない。
聞いた話の内容から、ネクタルはかなりの重要アイテムっぽい。
厳重にどこかに隠してあって、その場所がわからないと来ている。
ならば、どうするか?
簡単だ。
こうすればいい。
「ネクタルの在りかを文字通り炙り出すんだよ。ネズミゾンビを爆弾に変えて、この基地燃やせば出てくるだろ」
そんなに重要なブツならば、真っ先にどこかに移送しようとするはずだ。
そこを叩いて強奪する。
「慌てて持ち出してきたところを後ろから殴って奪う。俺の能力なら、絶対に不意打ちに気づけない」
「なるほど、そんな手が……あ! でもそんな派手なことやっちゃって大丈夫ですかね?」
「俺たち以外はもう逃げる準備できているし問題ないだろ」
「あの……僕たちは?」
「俺はミミックから奪った能力がある。空気に擬態して逃げて見せるさ」
「僕はぁ!? 僕はどうなるんですかぁ!?」
大丈夫の範囲に自分が入っていないことを悟り、ピートは半泣きでそう叫んだ。
--------------------------------------------------------------------------------
《あとがき》
次回、男だらけの脱出劇スタート。
第4回次世代ファンタジーカップにエントリーしました!
読み終わった後、できれば評価をいただけたらと。
作者のやる気に繋がりますので。
応援よろしくお願いします!
すでに半数以上の樹族たちが牢から脱出し、村の跡地に向かっているが、未だに気づかれた様子はない。
結構堂々と基地内を横切っているのに全く気づかれないとか、ミミックから奪ったこの能力便利すぎる。
空気に擬態とか完全にチートでしかない。
「よし、これで残ってる人たちは最後だな」
「はい、オレたちで最後です」
最後に残ったのはキョウとその両親だった。
俺は全員に固まるように指示し、敵陣出口を目指して歩く。
「カイトさん! 前から兵士が!」
「大丈夫だ。絶対に気づかれないから」
ミミックから奪った擬態能力は見ただけでは絶対に破ることはできない。
直接触れでもされない限り、決してバレることはない。
「……本当だ。一体何がどうなってるんですか?」
「ふっふっふ、企業秘密だ」
不思議な顔をするキョウにそう笑いかける。
決してバレないことがわかり安心したのか、それ以降のキョウたちの足取りが少し軽くなった。
そのままのペースで歩き続け、いよいよ出口まであと少しとなった時、彼女が現れる。
「カイトさん……あの人」
「……大丈夫だ。触られない限り、俺たちの存在がバレることはない」
そう、大丈夫だ。絶対バレない。
だから安心して横を素通りできる。
そう、思ったのだが――、
「………………?」
ミズハが突然、俺たちの前で立ち止まった。
それだけでなく、ゆっくりと移動する俺たちに視線まで合わせてくる。
「見えて……ないんですよね?」
「あ、ああ……絶対に見えていないはずなんだけど」
ミミックから奪った透化七変化は、自分たちの姿を思うように見せられる能力。
空気として周囲に見せている今、絶対に俺たちの姿は見えないはずなのだが。
「ハッ!」
――カカッ!
突然ミズハがナイフを取り出し、俺たちに向けて投げてきた。
俺はキョウたち全員を瞬時にしゃがませ事なきを得る。
「…………気のせい?」
後ろの木に刺さったナイフを見ながら、ミズハはそんな感想を漏らした。
彼女は刺さったナイフを引き抜くと、懐にしまって基地の奥へと消えていった。
「…………ふぅ」
「し、心臓が止まるかと思いました」
俺は逆に飛び出るかと思ったよ。
「あの人、どうしてオレたちのことに気づいたんでしょうか?」
「わからない……けど、おそらくただの勘だと思う」
彼女のあの態度からして、絶対に確信をもっていない。
「長年、暗殺者として生きて培われた一種の特殊能力だろうな。空気の流れとか、視線とか、そういう気配から察したんだと思う」
そういうものに敏感でなければ、暗殺者なんていう裏の仕事で生きてはいけなかったんだろう。
そう考えると、若くしてそんなものを身につけてしまった彼女がかわいそうに思えてきた。
「よし、ここまで来ればいいだろう」
ミズハをかわし、いよいよ基地の外に出た。
見つからないように移動するため、街道脇の森の中に入って能力を解除。
ミーナが来るまでひっそりと待機する。
「お待たせカイト。キョウたちで最後?」
「ああ、そっちは?」
「こっちも順調。みんな集まった時点で問題なく飛べるわよ」
「了解。じゃあミーナは最後の護衛よろしくな。俺もピートを回収してすぐ合流する」
キョウたち家族を引き渡して敵基地に戻る。
「あ、あの、カイトさん」
「ん?」
「本当に、本当にありがとうございました! 見ず知らずのオレたちのために、領主辞めてまで助けに来てくれて……」
「おう、気にすんな。俺はやりたいようにやっただけさ。他のみんなもそれは同じだ」
「それでもお礼を言わせてください。あなたたちは我々の村の恩人です」
「この御恩は決して忘れません。私たちにできることがあったら、何なりとおっしゃってください」
「ああ、なら、その時が来たら遠慮なく言わせてもらいます」
樹族秘伝のシロップとか、ネクタルの製法とか。
ミーナの姿が見えなくなったのを確認し、改めて基地の中に戻った。
基地の中は相変わらず落ち着いた空気だ。
俺たちが脱走していることは全く気づかれていない。
「カイトさん、こっちです」
牢のあった洞窟近く、深い茂みの中にピートはいた。
ここで状況を確認しつつ、ネズミ型ゾンビを使って情報収集を行ってもらっていたのだが。
「樹族の人達は? 全員脱出できましたか?」
「ああ、あとは俺たちだけだ。そっちは?」
「すいません、どっちもわかりませんでした」
ピートは首を横に振った。
「そうか……まあ仕方ないか」
「でも、どこかに運ばれたことはわかりました。消えた樹族の人たちは死んでいません。それだけは確かです」
「それだけわかれば十分だよ。お疲れさん」
生きている可能性が出てきただけでも朗報だ。
死んでさえいなければ、またきっと会うことができる。
「さて、じゃあ残すはネクタルだな」
「すいません。それに関しては全然……」
「まあ、わざわざそれ目当てで攻め込んで来たくらいだしなあ」
きっと機密情報なんだろう。
なら、一般兵がそのことを知らなくても頷ける。
「どうしよう……アレがないとロリマスの呪いが」
「大丈夫だ、問題ない」
俺は袋に手を突っ込んで皿と一升瓶を出した。
「カイトさん、それは?」
「油。ピート、今手持ちのネズミゾンビ何匹?」
「えーと、あの後増やしたので20匹くらいですかね?」
「そっか。じゃあ、そのゾンビたちにこれ飲ませてくれる?」
「わかりました……けど、油なんて飲ませてどうするんですか?」
そんなの決まっているだろ?
欲しいものがあるけど場所がわからない。
そんな時どうするかなんて昔からやることは一つしかない。
聞いた話の内容から、ネクタルはかなりの重要アイテムっぽい。
厳重にどこかに隠してあって、その場所がわからないと来ている。
ならば、どうするか?
簡単だ。
こうすればいい。
「ネクタルの在りかを文字通り炙り出すんだよ。ネズミゾンビを爆弾に変えて、この基地燃やせば出てくるだろ」
そんなに重要なブツならば、真っ先にどこかに移送しようとするはずだ。
そこを叩いて強奪する。
「慌てて持ち出してきたところを後ろから殴って奪う。俺の能力なら、絶対に不意打ちに気づけない」
「なるほど、そんな手が……あ! でもそんな派手なことやっちゃって大丈夫ですかね?」
「俺たち以外はもう逃げる準備できているし問題ないだろ」
「あの……僕たちは?」
「俺はミミックから奪った能力がある。空気に擬態して逃げて見せるさ」
「僕はぁ!? 僕はどうなるんですかぁ!?」
大丈夫の範囲に自分が入っていないことを悟り、ピートは半泣きでそう叫んだ。
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