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見なかったことに
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ひゅうるりと心地いい風が、平原を渡っていく。
何故に自分は既視感のある平原で、風に吹かれているのだろう‥‥‥‥。
あの時と違うのは‥‥‥‥自分とシロ君の背後に、お目付け役という名の付き添いが並んでいる事だろうか。
「─────ちょっと聞きたいんだけど。 私達は王都とやらに行って、城下町でスイーツ三昧の予定じゃなかったっけ?」
「その予定は、最優先事項ではありません」
「登城して、お偉いさんに会う事じゃね?」
えええぇっ!違うの!?振り返ると、従魔を側に従えたフリートとラングから「なぜそうなる‥‥?」と呆れた視線を貰った。
「楽しくなさそう‥‥‥‥」
ショックを受けていると、ウィル少年から「城には筆頭料理長がおられますから、きっと美味しいものがでますよ~」の発言に「なるほど、そうなんだ!」とテンションがもどった。
「料理長のは美味しいですね」
「自分は食べた事ない‥‥‥」
「安心しろ。俺達にその機会はこないよ」
付き添いの顔ぶれの中には、ウィル君のお兄さん組も混じっていた。
彼らはこの街に用があるらしい。
というか彼らの要請で、何故か私がここへ呼ばれた。─────なんでだ。
「‥‥‥‥しかし、スゲェ数だな」
「解体作業してるのは、街の者達ですね」
「これでも減った方ですね。最初見た時はもっと落ちてましたから」
「肉、取り放題ですね」
「肉」発言に犬型従魔が反応し「なになに、おやつくれるの?」とばかりに人間の周りをウロウロ周回しだす。
街へ入る平原に、点々と落ちているブライトモンキーの死体。
いつか見た光景である。というか‥‥‥‥わりと最近。
見なかったことにして通過したやつだ。またここに来る事になるだろうなんて‥‥‥‥。
「アレの後始末をしろとは、言っていませんよ」
「あれは、この街の人間が持っていくのだろ?」
「なんなく肉が大量に入るので、住人は大歓迎じゃないかな」
「 いよっ─────し!さくさく行ってみよう~」
急にその気になって足を進めるリオ。それっぽい事を言ってみたものの、砦組は理解していた。
この平原の散らかりっぷりは、間違いなく目の前にいる人物のヤラカしだと。
どうやったかは不明だが、平原にポイ捨てしたのを指摘されるのが嫌だったらしく、当の本人はぐすぐすしていたと思われる。
「ウィル、これは本当に彼女一人でやったのか?」
「まあ、こんな事で出来るのはリオさんだけでしょうけど‥‥‥‥どうやるんでしょうね」
ヒソヒソと兄弟で交わされる会話に、他の二人も加わる。
「俺達、前にそれっぽいの見たぞ」
「ビックボアの時ですよね」
「僕見れなかったんですけど、どんな感じでした?」
「やばいぞ、あれは」
「ビックボアの巨体が舞うんですよ。意味が解らないでしょ」
─────仕留められたビックボアは見だのだが、‥‥‥‥あれが空を舞う‥‥‥‥。
「ビックボアの肉の方が美味しいですから─────まあいっかて所ですね」
─────少年は、想像することを放棄した。
「ちょっと肉固いもんな。ブライトモンキー」
「砦にまだビックボア、大量に貯蔵されてますしね」
他の二人も深く追求することを放棄した。
「‥‥‥‥なあ。なんかすごい会話を聞いてしまったような」
「‥‥‥‥俺に聞くなよ。聞かなかった事にしろよ。提出しなきゃいけない報告書が増えるだろ?」
───── 業務が増える!
その単語に、部下のお口はキュッとなった。
~~ ~~~ ~~~
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続前転ローリングをかまします。
何故に自分は既視感のある平原で、風に吹かれているのだろう‥‥‥‥。
あの時と違うのは‥‥‥‥自分とシロ君の背後に、お目付け役という名の付き添いが並んでいる事だろうか。
「─────ちょっと聞きたいんだけど。 私達は王都とやらに行って、城下町でスイーツ三昧の予定じゃなかったっけ?」
「その予定は、最優先事項ではありません」
「登城して、お偉いさんに会う事じゃね?」
えええぇっ!違うの!?振り返ると、従魔を側に従えたフリートとラングから「なぜそうなる‥‥?」と呆れた視線を貰った。
「楽しくなさそう‥‥‥‥」
ショックを受けていると、ウィル少年から「城には筆頭料理長がおられますから、きっと美味しいものがでますよ~」の発言に「なるほど、そうなんだ!」とテンションがもどった。
「料理長のは美味しいですね」
「自分は食べた事ない‥‥‥」
「安心しろ。俺達にその機会はこないよ」
付き添いの顔ぶれの中には、ウィル君のお兄さん組も混じっていた。
彼らはこの街に用があるらしい。
というか彼らの要請で、何故か私がここへ呼ばれた。─────なんでだ。
「‥‥‥‥しかし、スゲェ数だな」
「解体作業してるのは、街の者達ですね」
「これでも減った方ですね。最初見た時はもっと落ちてましたから」
「肉、取り放題ですね」
「肉」発言に犬型従魔が反応し「なになに、おやつくれるの?」とばかりに人間の周りをウロウロ周回しだす。
街へ入る平原に、点々と落ちているブライトモンキーの死体。
いつか見た光景である。というか‥‥‥‥わりと最近。
見なかったことにして通過したやつだ。またここに来る事になるだろうなんて‥‥‥‥。
「アレの後始末をしろとは、言っていませんよ」
「あれは、この街の人間が持っていくのだろ?」
「なんなく肉が大量に入るので、住人は大歓迎じゃないかな」
「 いよっ─────し!さくさく行ってみよう~」
急にその気になって足を進めるリオ。それっぽい事を言ってみたものの、砦組は理解していた。
この平原の散らかりっぷりは、間違いなく目の前にいる人物のヤラカしだと。
どうやったかは不明だが、平原にポイ捨てしたのを指摘されるのが嫌だったらしく、当の本人はぐすぐすしていたと思われる。
「ウィル、これは本当に彼女一人でやったのか?」
「まあ、こんな事で出来るのはリオさんだけでしょうけど‥‥‥‥どうやるんでしょうね」
ヒソヒソと兄弟で交わされる会話に、他の二人も加わる。
「俺達、前にそれっぽいの見たぞ」
「ビックボアの時ですよね」
「僕見れなかったんですけど、どんな感じでした?」
「やばいぞ、あれは」
「ビックボアの巨体が舞うんですよ。意味が解らないでしょ」
─────仕留められたビックボアは見だのだが、‥‥‥‥あれが空を舞う‥‥‥‥。
「ビックボアの肉の方が美味しいですから─────まあいっかて所ですね」
─────少年は、想像することを放棄した。
「ちょっと肉固いもんな。ブライトモンキー」
「砦にまだビックボア、大量に貯蔵されてますしね」
他の二人も深く追求することを放棄した。
「‥‥‥‥なあ。なんかすごい会話を聞いてしまったような」
「‥‥‥‥俺に聞くなよ。聞かなかった事にしろよ。提出しなきゃいけない報告書が増えるだろ?」
───── 業務が増える!
その単語に、部下のお口はキュッとなった。
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ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続前転ローリングをかまします。
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