213 / 241
おんやまあ
しおりを挟む
もうここに用はないと、サクッとお山のお家まで転移した。
久しぶりって言うほど、間を開けたわけではないが‥‥‥‥。
「あれ‥‥‥‥シロ君、お家ってこんな感じだったけ?」
「いや‥‥‥‥?」
莉緒が勝手に聖地にした、フェンリルのお家。&周りの敷地。
─────うん、何も壊れたりしているわけではないのだが‥‥‥‥何となく‥‥‥‥荒れているような‥‥‥‥埃っぽいような‥‥‥‥。
二人で首を傾げながら、ママフェンリル達を探しに行くが、さほど苦労もなく親子は見つかった。
いつもの場所に親子はいたが、怪我をしている様子はないが、なんとなくお疲れモードを発動していた。
「‥‥‥‥ど、どうしたの?」
恐る恐る尋ねると、ママはけだるそうに視線をくれ「はぁ~~ ~」と重い溜息をついた。
「‥‥‥‥もういいから、アレらを連れて帰ってくれ」
「ゆっくりねられないでしゅ」
「しずかにしてほしいでしゅ」
「なにが、たのちぃのかわかんない」
アレ‥‥‥‥。フェンリル親子に呆れられる‥‥‥‥あれ。
聞く前から何となく分かっていたけど、お家の敷地から離れた場所から、定期的に衝突音が響いてくる。
そして微かだが「まだまだ─────」とか「甘いあまいねぇ─────」とかどこかの少年漫画の様な台詞が途切れ途切れに聞こえる。
そして時間差のように、風に乗ってお家に砂埃がサアァァァ~とやってくる。
お家が何となく埃っぽいのは、これか。
「‥‥‥‥何してんの、あれ」
事の始まりは、ママフェンリルの昔語りだったようだ。
昔の話とはいえ、長生きする魔獣にその観念はないので、ついこの間の出来事という感覚らしいのだが。
「お主、人間の言うところの『勇者』の話を知っているか?」
「それなら、おっさんから聞いたことがある。昔々の物語ってヤツよね」
読んではないけど、知ってはいるかな。
そのあと、勇者の仲間の子孫とやらに呪いの『日記』も見せてもらったかな。‥‥‥‥見たくなかったし知りたくなかったけど。
「読んだことないけど、たぶん『勇者』について大分脚色がしてあるよね」
勝てば官軍、勝者に耳障りのいい都合のいい話を乗せるのは、元の世界でもあるあるの話だ。
そういうと、ママフェンリルはうんうんと頷いていた。
「そうだ。あの二人が、人間の『勇者』とやらの話をやたら持ち上げてするからな、ついな」
─────アイツは口は達者だったが、戦闘力としてはそんな大した事なかった。なんなら、今のお前らの方がその『勇者』とやらより上かもな。と言ってしまったらしい。
─────ん?ちょっとまって?
「ママは『勇者』知ってるの?」
そう質問すると、今まで凛々しかったママが幼児がいやいやをするように、じったんじったんと地面を転げまわった。
「あ゛~~~!あの頃の事は思い出したくないわ~」
その言葉で、おっちゃんが言っていた台詞を思い出した。
『勇者とフェンリル』の絵画は今でも人気。貴族の家には大抵一枚はある─────。
─────まま。やってんね。
久しぶりって言うほど、間を開けたわけではないが‥‥‥‥。
「あれ‥‥‥‥シロ君、お家ってこんな感じだったけ?」
「いや‥‥‥‥?」
莉緒が勝手に聖地にした、フェンリルのお家。&周りの敷地。
─────うん、何も壊れたりしているわけではないのだが‥‥‥‥何となく‥‥‥‥荒れているような‥‥‥‥埃っぽいような‥‥‥‥。
二人で首を傾げながら、ママフェンリル達を探しに行くが、さほど苦労もなく親子は見つかった。
いつもの場所に親子はいたが、怪我をしている様子はないが、なんとなくお疲れモードを発動していた。
「‥‥‥‥ど、どうしたの?」
恐る恐る尋ねると、ママはけだるそうに視線をくれ「はぁ~~ ~」と重い溜息をついた。
「‥‥‥‥もういいから、アレらを連れて帰ってくれ」
「ゆっくりねられないでしゅ」
「しずかにしてほしいでしゅ」
「なにが、たのちぃのかわかんない」
アレ‥‥‥‥。フェンリル親子に呆れられる‥‥‥‥あれ。
聞く前から何となく分かっていたけど、お家の敷地から離れた場所から、定期的に衝突音が響いてくる。
そして微かだが「まだまだ─────」とか「甘いあまいねぇ─────」とかどこかの少年漫画の様な台詞が途切れ途切れに聞こえる。
そして時間差のように、風に乗ってお家に砂埃がサアァァァ~とやってくる。
お家が何となく埃っぽいのは、これか。
「‥‥‥‥何してんの、あれ」
事の始まりは、ママフェンリルの昔語りだったようだ。
昔の話とはいえ、長生きする魔獣にその観念はないので、ついこの間の出来事という感覚らしいのだが。
「お主、人間の言うところの『勇者』の話を知っているか?」
「それなら、おっさんから聞いたことがある。昔々の物語ってヤツよね」
読んではないけど、知ってはいるかな。
そのあと、勇者の仲間の子孫とやらに呪いの『日記』も見せてもらったかな。‥‥‥‥見たくなかったし知りたくなかったけど。
「読んだことないけど、たぶん『勇者』について大分脚色がしてあるよね」
勝てば官軍、勝者に耳障りのいい都合のいい話を乗せるのは、元の世界でもあるあるの話だ。
そういうと、ママフェンリルはうんうんと頷いていた。
「そうだ。あの二人が、人間の『勇者』とやらの話をやたら持ち上げてするからな、ついな」
─────アイツは口は達者だったが、戦闘力としてはそんな大した事なかった。なんなら、今のお前らの方がその『勇者』とやらより上かもな。と言ってしまったらしい。
─────ん?ちょっとまって?
「ママは『勇者』知ってるの?」
そう質問すると、今まで凛々しかったママが幼児がいやいやをするように、じったんじったんと地面を転げまわった。
「あ゛~~~!あの頃の事は思い出したくないわ~」
その言葉で、おっちゃんが言っていた台詞を思い出した。
『勇者とフェンリル』の絵画は今でも人気。貴族の家には大抵一枚はある─────。
─────まま。やってんね。
276
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる