聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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おんやまあ

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 もうここに用はないと、サクッとお山のお家まで転移した。 

 久しぶりって言うほど、間を開けたわけではないが‥‥‥‥。

「あれ‥‥‥‥シロ君、お家ってこんな感じだったけ?」

「いや‥‥‥‥?」

 莉緒が勝手に聖地にした、フェンリルのお家。&周りの敷地。
 ─────うん、何も壊れたりしているわけではないのだが‥‥‥‥何となく‥‥‥‥荒れているような‥‥‥‥埃っぽいような‥‥‥‥。

 二人で首を傾げながら、ママフェンリル達を探しに行くが、さほど苦労もなく親子は見つかった。
  いつもの場所に親子はいたが、怪我をしている様子はないが、なんとなくお疲れモードを発動していた。

「‥‥‥‥ど、どうしたの?」

 恐る恐る尋ねると、ママはけだるそうに視線をくれ「はぁ~~ ~」と重い溜息をついた。

「‥‥‥‥もういいから、アレらを連れて帰ってくれ」
「ゆっくりねられないでしゅ」
「しずかにしてほしいでしゅ」
「なにが、たのちぃのかわかんない」

 アレ‥‥‥‥。フェンリル親子に呆れられる‥‥‥‥あれ。
 
 聞く前から何となく分かっていたけど、お家の敷地から離れた場所から、定期的に衝突音が響いてくる。
 
 そして微かだが「まだまだ─────」とか「甘いあまいねぇ─────」とかどこかの少年漫画の様な台詞が途切れ途切れに聞こえる。
 そして時間差のように、風に乗ってお家に砂埃がサアァァァ~とやってくる。
  お家が何となく埃っぽいのは、これか。

「‥‥‥‥何してんの、あれ」

 事の始まりは、ママフェンリルの昔語りだったようだ。 
 昔の話とはいえ、長生きする魔獣にその観念はないので、ついこの間の出来事という感覚らしいのだが。

「お主、人間の言うところの『勇者』の話を知っているか?」

「それなら、おっさんから聞いたことがある。昔々の物語ってヤツよね」

 読んではないけど、知ってはいるかな。
 そのあと、勇者の仲間の子孫とやらに呪いの『日記』も見せてもらったかな。‥‥‥‥見たくなかったし知りたくなかったけど。
 
「読んだことないけど、たぶん『勇者』について大分脚色がしてあるよね」

 勝てば官軍、勝者に耳障りのいい都合のいい話を乗せるのは、元の世界でもあるあるの話だ。
 そういうと、ママフェンリルはうんうんと頷いていた。

「そうだ。あの二人が、人間の『勇者』とやらの話をやたら持ち上げてするからな、ついな」

 ─────アイツは口は達者だったが、戦闘力としてはそんな大した事なかった。なんなら、今のお前らの方がその『勇者』とやらより上かもな。と言ってしまったらしい。
 ─────ん?ちょっとまって?

「ママは『勇者』知ってるの?」

 そう質問すると、今まで凛々しかったママが幼児がいやいやをするように、じったんじったんと地面を転げまわった。

「あ゛~~~!あの頃の事は思い出したくないわ~」
 
 その言葉で、おっちゃんが言っていた台詞を思い出した。

『勇者とフェンリル』の絵画は今でも人気。貴族の家には大抵一枚はある─────。

 ─────まま。やってんね。
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