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裏切り設定
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「ワウワフワフ (羽虫はどこにでもいるぞ)」
森だと鬱陶しいくらい飛び回っていたぞ。とシロ君は教えてくれたが。
「いたっけ?見かけなかったけどな~」
「ワウワウワウ───わふわふわふ (弱い奴等だからな。これは付いて来たんだろ、この子供に)」
言いながらシロ君の顔の周りを周回する「羽虫」とやらを、ふんっ─────と鼻息で吹き飛ばす。
─────付いて来た? 虫が?
『 シロ君の言う「羽虫」は人でいうところの「妖精」です 』
「─────え、よぅ」
あまりにメジャーな単語に興奮しかけたが、他に人がいる事にはたっと手で口を押えた。
へぇ~、これが「妖精」って奴か。ちょっとイメージが‥‥‥‥でも。
「‥‥‥‥これって何系?仲良し力貸す系とか、反対の害なす系とか色々あるじゃん(小声)」
『ピンポーン!(小) 妖精はどこにでもいるっす! たまに気に入った人に付いて、力を貸すこともあるっす!けど、力的に従魔と比べて「微妙」なんすよね~。だから「羽虫」っす !』
久しぶりじゃん『鑑定』君よ。そして相変わらず文字だけなのに喧しい。
んで何々?悪いことする系じゃないけど、元世界の漫画やアニメの様にバリバリ力ありまっせ! 気に入られた俺は特別超強えぇぇぇ!て感じじゃないんだ。
再びブンブンとシロ君周りを飛び回り、またしても鼻息で飛ばされていく白い球‥‥‥‥。
‥‥‥‥想像してたのと違う。それに飛び方が。‥‥‥‥うん、虫だね
『力的に微妙なので、ほっといてもいい存在です』
‥‥‥‥私の妖精への認識が‥‥‥‥、期待のしすぎ?‥‥‥‥そうなんだ、ちょっと残念。
どうやら元世界の、ああだったらいいな~♪設定に大分毒されて、こちらの「こんなの大したことねーよ」感覚に残念感がぬぐえない。
「まあ、悪さしないようならいい‥‥‥‥か?」
顔によってきた妖精とやらを「邪魔だなぁ」シっシっと手で払っていると。
「じゃあ、妹に付いてるやつはいても問題ないんですね?」
いつの間にかお兄ちゃんがさっきより近くに寄っていて、呟いていた台詞をちゃっかり拾われていたことに、ワタワタと動揺してしまう。
「─────あ、あれ?ひょとして君にも見えてるの?」
周りをブンブン飛び回っているのを指さすと、「はい」とサラッと返された。
「最初は気のせいかと。でもこの街に来たら一段と増えたんです。父さんにも見えてるみたいで、娘は天の使いだとか言い出しちゃって‥‥‥‥ちょっと‥‥‥‥」
ありゃ~「うちの子、才能あって特別なのよ~!」ってマウント取ってきた、近所のオバハンを思い出すわ。その子が成人する頃には‥‥‥‥。教育と指導って本当に大事だわ。
「他に見えてるのは?」
「村にいる友達の半数位は‥‥‥‥。大人の人だと父さんと、もう一人ぐらいです」
『子供は感受性が強いです。成長するにつれて見えなくなるでしょう 』
ああ、そこら辺は期待を裏切らない設定なんだ。
そうなんだと納得していると『ナビ』ちゃんが『付け足しておきますけど』と再度表示がされた。
『 この子に「羽虫」が付いてるのは、「御大」のせいですね 』
─────ん゛んん゛ん゛っっ!!なんでそうなるの!?
森だと鬱陶しいくらい飛び回っていたぞ。とシロ君は教えてくれたが。
「いたっけ?見かけなかったけどな~」
「ワウワウワウ───わふわふわふ (弱い奴等だからな。これは付いて来たんだろ、この子供に)」
言いながらシロ君の顔の周りを周回する「羽虫」とやらを、ふんっ─────と鼻息で吹き飛ばす。
─────付いて来た? 虫が?
『 シロ君の言う「羽虫」は人でいうところの「妖精」です 』
「─────え、よぅ」
あまりにメジャーな単語に興奮しかけたが、他に人がいる事にはたっと手で口を押えた。
へぇ~、これが「妖精」って奴か。ちょっとイメージが‥‥‥‥でも。
「‥‥‥‥これって何系?仲良し力貸す系とか、反対の害なす系とか色々あるじゃん(小声)」
『ピンポーン!(小) 妖精はどこにでもいるっす! たまに気に入った人に付いて、力を貸すこともあるっす!けど、力的に従魔と比べて「微妙」なんすよね~。だから「羽虫」っす !』
久しぶりじゃん『鑑定』君よ。そして相変わらず文字だけなのに喧しい。
んで何々?悪いことする系じゃないけど、元世界の漫画やアニメの様にバリバリ力ありまっせ! 気に入られた俺は特別超強えぇぇぇ!て感じじゃないんだ。
再びブンブンとシロ君周りを飛び回り、またしても鼻息で飛ばされていく白い球‥‥‥‥。
‥‥‥‥想像してたのと違う。それに飛び方が。‥‥‥‥うん、虫だね
『力的に微妙なので、ほっといてもいい存在です』
‥‥‥‥私の妖精への認識が‥‥‥‥、期待のしすぎ?‥‥‥‥そうなんだ、ちょっと残念。
どうやら元世界の、ああだったらいいな~♪設定に大分毒されて、こちらの「こんなの大したことねーよ」感覚に残念感がぬぐえない。
「まあ、悪さしないようならいい‥‥‥‥か?」
顔によってきた妖精とやらを「邪魔だなぁ」シっシっと手で払っていると。
「じゃあ、妹に付いてるやつはいても問題ないんですね?」
いつの間にかお兄ちゃんがさっきより近くに寄っていて、呟いていた台詞をちゃっかり拾われていたことに、ワタワタと動揺してしまう。
「─────あ、あれ?ひょとして君にも見えてるの?」
周りをブンブン飛び回っているのを指さすと、「はい」とサラッと返された。
「最初は気のせいかと。でもこの街に来たら一段と増えたんです。父さんにも見えてるみたいで、娘は天の使いだとか言い出しちゃって‥‥‥‥ちょっと‥‥‥‥」
ありゃ~「うちの子、才能あって特別なのよ~!」ってマウント取ってきた、近所のオバハンを思い出すわ。その子が成人する頃には‥‥‥‥。教育と指導って本当に大事だわ。
「他に見えてるのは?」
「村にいる友達の半数位は‥‥‥‥。大人の人だと父さんと、もう一人ぐらいです」
『子供は感受性が強いです。成長するにつれて見えなくなるでしょう 』
ああ、そこら辺は期待を裏切らない設定なんだ。
そうなんだと納得していると『ナビ』ちゃんが『付け足しておきますけど』と再度表示がされた。
『 この子に「羽虫」が付いてるのは、「御大」のせいですね 』
─────ん゛んん゛ん゛っっ!!なんでそうなるの!?
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