194 / 236
いや、知らん
しおりを挟む
「─────そんな事出来ないけど?」
二人そろって何の話かなと思ったら、ピーちゃんに城へ行くよう指示を出せないか?だった。
そもそも従魔にどう指示しているかなんて知らないし、ピーちゃんとは会話も成立しないから出来る気がしない。
「リオさん出来ないんですか?」
何故かお姫さんから『意外』みたいな顔をされる。
一応姫さんには、『一体何がどこにあるかわかりませんステータス表』を見せているから、わからんでもないが。
ワンチャン『ナビ』ちゃんに聞いてみるという裏技があるが、会話が成立しない時点で自分には指示を出せるという事は出来ないと思う。というか、やり方を知らないや。
そもそも初見の所に、会った事もない人物の元に行くという謎仕様。
「おっさんがピーちゃんに、どう指示したのかも知らないし」
「従魔と主の間には特別な絆があるらしいので、相手の情報を伝える技があるらしいのですが‥‥‥‥」
─────うむ、わからん。
『 一度行ったことのある場所なら、行けるのでは? この子は賢いですし、人が話す言葉は理解していますよ 』
ピロっと小さく『ナビ』ちゃんの表示が飛んできた。
ん~でもなぁ、理解しているかどうかなんて、主人じゃない人間側がわかるかなぁ~。
「ワウ、ワウワウわふ ワフワフ (おい、使いに行ってほしいらしいぞ)」
シロ君がピーちゃんに何やらヒソヒソ話しかけている。
え、シロ君。ピーちゃんと会話できんの?
対するピーちゃんは「ピーピャピャッピャ」と何やら返事をしている。
うん、わかんない。
「ワウワウ、ワフワフわふ(男共は嫌?女の人の所ならいい?なんだそれは)」
うん、なんだろうな。
「ピーちゃん向こうで誰に会ったかわかる?」
「王宮でですか?陛下の所へ行ったのは確かですが‥‥‥‥」
おかしな質問に律儀にも報告書をパラパラめくって確認してくれる。
結果、ピーちゃんは最初はおっさんの指示通りにたどり着いたらしいが、その後は、ほぼほぼおっさんの奥さんにべったりだったらしい。
「従魔は、強い人に惹かれる傾向がありますからね‥‥‥‥」
相性の問題もあるらしいのだが、おっさんの奥さんは若かりし頃、それはそれはブイブイいわしたてらしい‥‥‥‥。
「あの人なら不思議じゃないわ‥‥‥‥」
「そうですね‥‥‥‥」
フリートとラングは何を思い出しているのか、腕をさすりながら遠くを見ていた。
その後ピーちゃんに、「前に会った女の人の所に行けれる?」と試しに聞いてみたら、「ピュイピュイピュイ♪」と誰が聞いてもご機嫌な返事が返ってきた。
「解ってるみたいだな‥‥‥‥」
「正直、助かります‥‥‥‥」
「僕、実家用に報告書書きます~」
バタバタと周りが慌ただしくなる中、ピーちゃんから「じ~~」と意味ありげな視線をもらった。
「ピーちゃん、リオさんに何か言いたそうですね。なんでしょう?」
「はは、これは解るかも」
アイテムボックスからポテっと『桃ちゃん』を取り出すと、待ってました!とばかりに「じょ~じょ~」と甘えた声出して、ユラユラ体を揺らすおねだりが始まった。
─────うん、ちゃっかりしてるよね。 知ってた。
二人そろって何の話かなと思ったら、ピーちゃんに城へ行くよう指示を出せないか?だった。
そもそも従魔にどう指示しているかなんて知らないし、ピーちゃんとは会話も成立しないから出来る気がしない。
「リオさん出来ないんですか?」
何故かお姫さんから『意外』みたいな顔をされる。
一応姫さんには、『一体何がどこにあるかわかりませんステータス表』を見せているから、わからんでもないが。
ワンチャン『ナビ』ちゃんに聞いてみるという裏技があるが、会話が成立しない時点で自分には指示を出せるという事は出来ないと思う。というか、やり方を知らないや。
そもそも初見の所に、会った事もない人物の元に行くという謎仕様。
「おっさんがピーちゃんに、どう指示したのかも知らないし」
「従魔と主の間には特別な絆があるらしいので、相手の情報を伝える技があるらしいのですが‥‥‥‥」
─────うむ、わからん。
『 一度行ったことのある場所なら、行けるのでは? この子は賢いですし、人が話す言葉は理解していますよ 』
ピロっと小さく『ナビ』ちゃんの表示が飛んできた。
ん~でもなぁ、理解しているかどうかなんて、主人じゃない人間側がわかるかなぁ~。
「ワウ、ワウワウわふ ワフワフ (おい、使いに行ってほしいらしいぞ)」
シロ君がピーちゃんに何やらヒソヒソ話しかけている。
え、シロ君。ピーちゃんと会話できんの?
対するピーちゃんは「ピーピャピャッピャ」と何やら返事をしている。
うん、わかんない。
「ワウワウ、ワフワフわふ(男共は嫌?女の人の所ならいい?なんだそれは)」
うん、なんだろうな。
「ピーちゃん向こうで誰に会ったかわかる?」
「王宮でですか?陛下の所へ行ったのは確かですが‥‥‥‥」
おかしな質問に律儀にも報告書をパラパラめくって確認してくれる。
結果、ピーちゃんは最初はおっさんの指示通りにたどり着いたらしいが、その後は、ほぼほぼおっさんの奥さんにべったりだったらしい。
「従魔は、強い人に惹かれる傾向がありますからね‥‥‥‥」
相性の問題もあるらしいのだが、おっさんの奥さんは若かりし頃、それはそれはブイブイいわしたてらしい‥‥‥‥。
「あの人なら不思議じゃないわ‥‥‥‥」
「そうですね‥‥‥‥」
フリートとラングは何を思い出しているのか、腕をさすりながら遠くを見ていた。
その後ピーちゃんに、「前に会った女の人の所に行けれる?」と試しに聞いてみたら、「ピュイピュイピュイ♪」と誰が聞いてもご機嫌な返事が返ってきた。
「解ってるみたいだな‥‥‥‥」
「正直、助かります‥‥‥‥」
「僕、実家用に報告書書きます~」
バタバタと周りが慌ただしくなる中、ピーちゃんから「じ~~」と意味ありげな視線をもらった。
「ピーちゃん、リオさんに何か言いたそうですね。なんでしょう?」
「はは、これは解るかも」
アイテムボックスからポテっと『桃ちゃん』を取り出すと、待ってました!とばかりに「じょ~じょ~」と甘えた声出して、ユラユラ体を揺らすおねだりが始まった。
─────うん、ちゃっかりしてるよね。 知ってた。
163
お気に入りに追加
899
あなたにおすすめの小説
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
【完結】召喚されて聖力がないと追い出された私のスキルは家具職人でした。
佳
ファンタジー
結城依子は、この度異世界のとある国に召喚されました。
呼ばれた先で鑑定を受けると、聖女として呼ばれたのに聖力がありませんでした。
そうと知ったその国の王子は、依子を城から追い出します。
異世界で街に放り出された依子は、優しい人たちと出会い、そこで生活することになります。
パン屋で働き、家具職人スキルを使って恩返し計画!
異世界でも頑張って前向きに過ごす依子だったが、ひょんなことから実は聖力があるのではないかということになり……。
※他サイトにも掲載中。
※基本は異世界ファンタジーです。
※恋愛要素もガッツリ入ります。
※シリアスとは無縁です。
※第二章構想中!
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる