174 / 236
ゴリゴリ満載
しおりを挟む
「よっと─────。よしよし、お家は今日も平和そうね」
「何かあってたまるかっ」
シロ君と再度やってまいりました『深淵の森』。
本日のゲートは、お家側の岩にゴリゴリ宣言と共に書き記した、『転移陣』である。
─────全ては三つ子ちゃんの成長をミリも逃さないが為。
モフモフ天国を堪能する欲望を満たす為には、能力の無駄遣いと言われようが、そこに引くという文字は塵も微塵もない。
「お前、こんな所に『陣』描いてたのか」
「便利でしょ?これがあれば、いつでもお家の来れるってことよ~」
「‥‥‥‥『陣』の周りに書いてあるのは何だ?」
「これ?これは『ここは私の陣地だからね』って感じな事を書いてあるの~。まあ、署名みたいなもんかな?」
目の前にある『陣』の周りに、これでもかとゴリゴリ描かれた存在感満載の『宣誓』。
莉緒は大分端折ったが、そこには『私の聖域に入ってくんなよっ!ごらぁ!』的な事が掘り込んである。 ソレは莉緒の能力と欲望をふんだんに織り込んで、呪いの様な聖域を広範囲に発動させている事を、本人は微塵も気づいていなかった。
『陣』自体は白陽も見知ってはいたが、その周りに描かれた見慣れない模様の数々。
異様な空気を醸し出すソレからは巨大な結界の様な力を感じたが、如何せん見た目がおどろおどろしい雰囲気を醸し出していたので、白陽としては知らない間に実家の塀に落書きされたような気分だった。
「─────なんじゃお主ら。また来たのか」
岩場の上からお母さんフェンリル事、ユキママが顔を覗かせた。
「あ、ママ。それがさぁ~」
と言いながらも、ユキママの周りをキョロキョロ確認する事を怠らない。
「ま、ママ。み、三つ子ちゃん達は‥‥‥‥?」
「─────?子供達なら、あの男達と山を走っておるぞ。そろそろ帰ってくる頃じゃな」
「あ~~。アレをやってるんだ~」
ユキママの「走ってる」に経験者の自分は、そんな遠い昔の事でもないのに懐かしい気分にさせられる。
「どこまで行かせたの?また、裏うらの山まで?」
『裏うらの山』とは自分が勝手に名付けたお山の名前だが、そこは息つく暇なく魔獣の襲撃が続くという、なかなかハードな障害物コースだ。
ユキママのブートキャンプの時には、準備体操のようにあの山を周回させられたのだ。
「あほぅか。あの人間どもと子供達ではアソコは危険すぎる」
─────え、じゃあ私の時は何‥‥‥‥?
「まあ、お主たちとっては生ぬるかったろうがな─────ほれ、もう来るぞ」
ユキママの視線の方角から、きゃいきゃいと甲高い鳴き声が聞こえてきた。
「きゃ─────い!(いっちば─────ん)」
「「きゃ─────い!!((にば─────ん))」」
茂みの中から三つ子ちゃん達が、ぽぽぽっんと飛び出してきた。
続くように疲労感満載のヨレヨレおっさんが姿を現し、少し遅れて一段とくたびれたアルヴァレスは到着するなり意識を飛ばした。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
ようやくパソコンの調子が戻ってまいりました。
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。本当にありがとうございます。
「何かあってたまるかっ」
シロ君と再度やってまいりました『深淵の森』。
本日のゲートは、お家側の岩にゴリゴリ宣言と共に書き記した、『転移陣』である。
─────全ては三つ子ちゃんの成長をミリも逃さないが為。
モフモフ天国を堪能する欲望を満たす為には、能力の無駄遣いと言われようが、そこに引くという文字は塵も微塵もない。
「お前、こんな所に『陣』描いてたのか」
「便利でしょ?これがあれば、いつでもお家の来れるってことよ~」
「‥‥‥‥『陣』の周りに書いてあるのは何だ?」
「これ?これは『ここは私の陣地だからね』って感じな事を書いてあるの~。まあ、署名みたいなもんかな?」
目の前にある『陣』の周りに、これでもかとゴリゴリ描かれた存在感満載の『宣誓』。
莉緒は大分端折ったが、そこには『私の聖域に入ってくんなよっ!ごらぁ!』的な事が掘り込んである。 ソレは莉緒の能力と欲望をふんだんに織り込んで、呪いの様な聖域を広範囲に発動させている事を、本人は微塵も気づいていなかった。
『陣』自体は白陽も見知ってはいたが、その周りに描かれた見慣れない模様の数々。
異様な空気を醸し出すソレからは巨大な結界の様な力を感じたが、如何せん見た目がおどろおどろしい雰囲気を醸し出していたので、白陽としては知らない間に実家の塀に落書きされたような気分だった。
「─────なんじゃお主ら。また来たのか」
岩場の上からお母さんフェンリル事、ユキママが顔を覗かせた。
「あ、ママ。それがさぁ~」
と言いながらも、ユキママの周りをキョロキョロ確認する事を怠らない。
「ま、ママ。み、三つ子ちゃん達は‥‥‥‥?」
「─────?子供達なら、あの男達と山を走っておるぞ。そろそろ帰ってくる頃じゃな」
「あ~~。アレをやってるんだ~」
ユキママの「走ってる」に経験者の自分は、そんな遠い昔の事でもないのに懐かしい気分にさせられる。
「どこまで行かせたの?また、裏うらの山まで?」
『裏うらの山』とは自分が勝手に名付けたお山の名前だが、そこは息つく暇なく魔獣の襲撃が続くという、なかなかハードな障害物コースだ。
ユキママのブートキャンプの時には、準備体操のようにあの山を周回させられたのだ。
「あほぅか。あの人間どもと子供達ではアソコは危険すぎる」
─────え、じゃあ私の時は何‥‥‥‥?
「まあ、お主たちとっては生ぬるかったろうがな─────ほれ、もう来るぞ」
ユキママの視線の方角から、きゃいきゃいと甲高い鳴き声が聞こえてきた。
「きゃ─────い!(いっちば─────ん)」
「「きゃ─────い!!((にば─────ん))」」
茂みの中から三つ子ちゃん達が、ぽぽぽっんと飛び出してきた。
続くように疲労感満載のヨレヨレおっさんが姿を現し、少し遅れて一段とくたびれたアルヴァレスは到着するなり意識を飛ばした。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
ようやくパソコンの調子が戻ってまいりました。
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。本当にありがとうございます。
192
お気に入りに追加
899
あなたにおすすめの小説
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる