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冷汗がとまらない
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「きゅう~きゅう~きゅう~(あれ~ひくくなった~。たってよ~)」
屈みこんだ男の額をえいやっえいやっと前足で突くが、実際は小っちゃい肉球がテシテシと男の顔にスタンプを付けるだけで、何の威力もなかった。
「‥‥‥‥ラング様。この子犬、可愛すぎるんですが」
「お主も大概じゃな。『深淵の森』に只の子犬が生息できるはずなかろう。小さくてもシロ同様フェンリルじゃろ。本気を出せばワシらなんぞ一捻りぞ」
「‥‥‥‥それもいいかも」
‥‥‥‥ダメだこりゃ。
顔中を肉球スタンプまみれになりながら、小さなフェンリルの子供をニヨニヨと気味の悪い笑顔で見つめている、変態まがいの男がそこにいた。
『お前たちどうしてここにいる?住処はもっと奥地だろ?』
『ンとね~あのね~リオとにいたまがいったあとね~』
『きーきーするやちゅとか、にょろにょろするやちゅとかが、お家のまわりにいなくなって、しじゅかになったとかーたまがいってたんでちゅけど~』
─────カサカサカサと葉に雨が落ちるような粕かな物音を、白陽の耳が捉えた。
『しょのかわりに~、やちゅらがたくちゃんでるようになって~』
『でっかくなると、かーたまでもてにおえなくなるから~』
今度はガサガサガサガサと音が増えていく。
『かーたまがいまのうちに「まびき」ちないとって。~でっかくなるとめんどうだからって』
『まだちっちゃいから、ぼくらでもやれるから』
次第に音は厚みを増し、異様な気配が近付いてくる。
『れんちゅうしなさいって、かーたまが』
『さいちょはよかったんだけど。でもなんか、だんだんかじゅがおおくなってきて』
兄妹たちの報告に、嫌な予感がビンビン白陽に走る。
『お前らまさか「巣」を壊したりは─────』
白陽の中で、冷汗がタラタラに流れ出す。
『「巣」?わかんない~』
『でもなんかあの子がへんなのがあるって』
いよいよ音は大きく近付いており、男達もその方向を見やる。
『ど~んってふきとばちたよ~』
『そちたら、ぶわ~~って』
「─────ワンワンワンワンワン!(まずいっ!下がれ!走れ!ヤバいぞ!)」
白陽が崖と反対方向へ走り出すと同時に、男二人も同じ方向へ全力で走り出した。
何が起こったという質問はない。 フェンリルが警告しながら背中に毛玉二匹を乗せたまま走り出したのだ。
「─────何が」
「─────なんじゃあれは?」
走りながら背後を見やると、先刻三つの毛玉が飛び出してきた崖から、巨大な黒い塊が陽の光にギランギランと照らされながら、大量に飛び出してきた。
─────ぼとぼとぼとぼとぼとぼと崖下に落下し、落下地点でワサワサと集団で動き回る。
「「─────ひぃっ!」」
『頭○字G』!!
てらてら光る鳥肌集団に、男達は先を走る白陽を追い抜く勢いで加速しだした。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。押してもらえると思っておらず、おもわず声が出てしまいました。ありがとうございます。
屈みこんだ男の額をえいやっえいやっと前足で突くが、実際は小っちゃい肉球がテシテシと男の顔にスタンプを付けるだけで、何の威力もなかった。
「‥‥‥‥ラング様。この子犬、可愛すぎるんですが」
「お主も大概じゃな。『深淵の森』に只の子犬が生息できるはずなかろう。小さくてもシロ同様フェンリルじゃろ。本気を出せばワシらなんぞ一捻りぞ」
「‥‥‥‥それもいいかも」
‥‥‥‥ダメだこりゃ。
顔中を肉球スタンプまみれになりながら、小さなフェンリルの子供をニヨニヨと気味の悪い笑顔で見つめている、変態まがいの男がそこにいた。
『お前たちどうしてここにいる?住処はもっと奥地だろ?』
『ンとね~あのね~リオとにいたまがいったあとね~』
『きーきーするやちゅとか、にょろにょろするやちゅとかが、お家のまわりにいなくなって、しじゅかになったとかーたまがいってたんでちゅけど~』
─────カサカサカサと葉に雨が落ちるような粕かな物音を、白陽の耳が捉えた。
『しょのかわりに~、やちゅらがたくちゃんでるようになって~』
『でっかくなると、かーたまでもてにおえなくなるから~』
今度はガサガサガサガサと音が増えていく。
『かーたまがいまのうちに「まびき」ちないとって。~でっかくなるとめんどうだからって』
『まだちっちゃいから、ぼくらでもやれるから』
次第に音は厚みを増し、異様な気配が近付いてくる。
『れんちゅうしなさいって、かーたまが』
『さいちょはよかったんだけど。でもなんか、だんだんかじゅがおおくなってきて』
兄妹たちの報告に、嫌な予感がビンビン白陽に走る。
『お前らまさか「巣」を壊したりは─────』
白陽の中で、冷汗がタラタラに流れ出す。
『「巣」?わかんない~』
『でもなんかあの子がへんなのがあるって』
いよいよ音は大きく近付いており、男達もその方向を見やる。
『ど~んってふきとばちたよ~』
『そちたら、ぶわ~~って』
「─────ワンワンワンワンワン!(まずいっ!下がれ!走れ!ヤバいぞ!)」
白陽が崖と反対方向へ走り出すと同時に、男二人も同じ方向へ全力で走り出した。
何が起こったという質問はない。 フェンリルが警告しながら背中に毛玉二匹を乗せたまま走り出したのだ。
「─────何が」
「─────なんじゃあれは?」
走りながら背後を見やると、先刻三つの毛玉が飛び出してきた崖から、巨大な黒い塊が陽の光にギランギランと照らされながら、大量に飛び出してきた。
─────ぼとぼとぼとぼとぼとぼと崖下に落下し、落下地点でワサワサと集団で動き回る。
「「─────ひぃっ!」」
『頭○字G』!!
てらてら光る鳥肌集団に、男達は先を走る白陽を追い抜く勢いで加速しだした。
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ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。押してもらえると思っておらず、おもわず声が出てしまいました。ありがとうございます。
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