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風呂場は戦場 2
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「あ~腹減った」
「お前はいつもだよな‥‥‥‥」
「いいだろ。昨夜はコイツのおかげで大変だったんだよ。なあ、お前も朝飯食おうな~」「わんっ」
ラングは自分の足元に声をかけると「おう、そうだよなっ」とばかり尻尾ブンブンの犬魔獣が返事をする。
「朝から元気ですね‥‥‥‥私は昨日の余韻がまだ残ってますよ」「くう~ん‥‥‥‥」
眉間の皺をぐりぐりしながら歩くフリートの足元には「平気?元気?」とばかりにクルクル纏わりつく犬魔獣。
「なんだよ。お前従魔持ちになったんじゃないか。なんの文句があるんだよ」
対して足元は空席のアルヴァレス。
昨夜男性用風呂を襲撃し、浴槽を泥水と化した犬魔獣達はそのまま「この人に付いてく~」とばかり、各々気に入った隊員に勝手に付いていった。
大抵は身体を丁寧に洗ってくれた面倒見のいい隊員に付いていったが、一番身体が大きくテンションの高い個体は、様子を見にラングが大浴場に入っていった際に「お、誰ぇ誰ぇ~」と身体に泡を付けたまま纏わりつき、浴槽に飛び込む際フリートを巻き込み事故で沈めた個体は「え、あんた大丈夫?そんなんで生きていける?」とばかりそのままフリートの周りをウロウロした。
身体を洗っている途中で外に出て行った白陽を再度洗い直している背後で、順番待ちの様にじと~んと視線を送ってくる犬魔獣。
「‥‥‥‥あれは何でしょうか、シロ君」と聞いてはみたが「ぷしっ」と鼻息で返事をされた。
言葉は理解できなくても「知らん」と言われたのは分かった。
「別に不満とかじゃないのですか‥‥‥‥若干釈然としないんですよね‥‥‥‥」
フリートは自分に付いた犬魔獣が、主の事を「コイツは私が守んないと倒れちゃう!」と思い込んでいるような節があった。
‥‥‥‥どちらかと言えば、自分じゃなくてお前の方が鈍くさいのでは‥‥‥‥
その犬魔獣はフリートの足元で「元気?元気?」と聞いているような視線を送りながら、足に纏わりついてくる。
「‥‥‥‥いいよな‥‥‥‥お前らは‥‥‥‥」
あの時アルヴァレスは入り口で揉めていた侍女二人に手間取り、その隙に脇を抜けていった部屋着姿のリオを大浴場で確保する事に大忙しで、犬魔獣が主を決めてしまった時には完全に乗り遅れていたのだった。
ちなみにリオが「シロ君~お姉ちゃんが洗ってあげる~」と乱入した際一瞬の沈黙が流れ、内湯にいた隊員達は悲鳴を上げながら浴槽にダイブするという阿鼻叫喚の図が繰り広げられ、白陽といえば「シロ君なんで隠れるの?なんで?なんで?」とアルヴァレスに引きずり出されるリオの姿を、フリートの背後にから眺めていた。
フリートは腰に布を巻いた姿だったので浴槽ダイブする事はしなかったが、男性用浴場にリオがあまりにも堂々と乱入してきた姿に、ブラシ片手にしばらくの間フリーズをしていた。
「ラングに行かせずに俺が先に行っていれば‥‥‥‥俺も従魔欲し~リオに付いて回れば、従魔くれるかな‥‥‥‥」
「そればっかりは‥‥‥‥。状況からいってリオさんが従魔となる魔獣を呼んでいるわけではないと思いますが‥‥当たりはいいですよね」
「よし、アイツに付いて回るか!」
「不審がられて、叩きだされるだけかと‥‥‥‥」
─────どこかの従者の姿、忘れてません? と言えば、かくっと肩が落ちた。
「お前はいつもだよな‥‥‥‥」
「いいだろ。昨夜はコイツのおかげで大変だったんだよ。なあ、お前も朝飯食おうな~」「わんっ」
ラングは自分の足元に声をかけると「おう、そうだよなっ」とばかり尻尾ブンブンの犬魔獣が返事をする。
「朝から元気ですね‥‥‥‥私は昨日の余韻がまだ残ってますよ」「くう~ん‥‥‥‥」
眉間の皺をぐりぐりしながら歩くフリートの足元には「平気?元気?」とばかりにクルクル纏わりつく犬魔獣。
「なんだよ。お前従魔持ちになったんじゃないか。なんの文句があるんだよ」
対して足元は空席のアルヴァレス。
昨夜男性用風呂を襲撃し、浴槽を泥水と化した犬魔獣達はそのまま「この人に付いてく~」とばかり、各々気に入った隊員に勝手に付いていった。
大抵は身体を丁寧に洗ってくれた面倒見のいい隊員に付いていったが、一番身体が大きくテンションの高い個体は、様子を見にラングが大浴場に入っていった際に「お、誰ぇ誰ぇ~」と身体に泡を付けたまま纏わりつき、浴槽に飛び込む際フリートを巻き込み事故で沈めた個体は「え、あんた大丈夫?そんなんで生きていける?」とばかりそのままフリートの周りをウロウロした。
身体を洗っている途中で外に出て行った白陽を再度洗い直している背後で、順番待ちの様にじと~んと視線を送ってくる犬魔獣。
「‥‥‥‥あれは何でしょうか、シロ君」と聞いてはみたが「ぷしっ」と鼻息で返事をされた。
言葉は理解できなくても「知らん」と言われたのは分かった。
「別に不満とかじゃないのですか‥‥‥‥若干釈然としないんですよね‥‥‥‥」
フリートは自分に付いた犬魔獣が、主の事を「コイツは私が守んないと倒れちゃう!」と思い込んでいるような節があった。
‥‥‥‥どちらかと言えば、自分じゃなくてお前の方が鈍くさいのでは‥‥‥‥
その犬魔獣はフリートの足元で「元気?元気?」と聞いているような視線を送りながら、足に纏わりついてくる。
「‥‥‥‥いいよな‥‥‥‥お前らは‥‥‥‥」
あの時アルヴァレスは入り口で揉めていた侍女二人に手間取り、その隙に脇を抜けていった部屋着姿のリオを大浴場で確保する事に大忙しで、犬魔獣が主を決めてしまった時には完全に乗り遅れていたのだった。
ちなみにリオが「シロ君~お姉ちゃんが洗ってあげる~」と乱入した際一瞬の沈黙が流れ、内湯にいた隊員達は悲鳴を上げながら浴槽にダイブするという阿鼻叫喚の図が繰り広げられ、白陽といえば「シロ君なんで隠れるの?なんで?なんで?」とアルヴァレスに引きずり出されるリオの姿を、フリートの背後にから眺めていた。
フリートは腰に布を巻いた姿だったので浴槽ダイブする事はしなかったが、男性用浴場にリオがあまりにも堂々と乱入してきた姿に、ブラシ片手にしばらくの間フリーズをしていた。
「ラングに行かせずに俺が先に行っていれば‥‥‥‥俺も従魔欲し~リオに付いて回れば、従魔くれるかな‥‥‥‥」
「そればっかりは‥‥‥‥。状況からいってリオさんが従魔となる魔獣を呼んでいるわけではないと思いますが‥‥当たりはいいですよね」
「よし、アイツに付いて回るか!」
「不審がられて、叩きだされるだけかと‥‥‥‥」
─────どこかの従者の姿、忘れてません? と言えば、かくっと肩が落ちた。
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