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風呂場は戦場
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「ちょ、ちょちょ─────!どこから来んの!」
え、何だ、どういう事だ? 大量の湯を顔面に浴びたフリートは、周りの状況がまったく見えなかった。
「え、なになになに─────!?お前らまさか入る気!?」
戸惑っているこちらの都合などお構いなしに、フリートの頭上をいくつかの影が次々飛び越えていく。
どっぼ~ん。だっぼ~ん。だっぱ~ん。
たっぷりお湯を、頭から一人かぶったフリート。
気付けば周りは、見慣れない犬魔獣がパシャパシャと泳ぎまくる混浴状態。
一匹だけ湯舟の縁で「え、ここ?ど、どどうするの?」とウロウロしたあと「えいっ」と下手なジャンプをしていく魔獣。
ただ彼?彼女はちょっとばかり目測を誤り、フリートを巻き込んでの着水。
「わあぁ!フリート様大丈夫ですか!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
‥‥‥‥何故に自分の上を飛んでいく?
浮上したフリートは、理不尽な法則にムッとしながらも周りの惨状を改めて確認すれば、乱入してきた犬魔獣によって綺麗だった浴槽は、だんだん泥とゴミが浮く水と化していくのであった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥シ ロ く ん」
大して大きな声でもないのに、白陽は「あ、やべ」とお耳ヒコーキとなった。
「まあ、これでいいでしょう。皆さまお疲れさまでした」
作業をしていた数人の侍女達を部屋から退出させると、サラは作業中には邪魔にならないように退避させていたクリスティーナに呼びかける。
「姫様、部屋が整いましたのでこちらにへどうぞ」
寝所となる部屋からコソコソと出てきたクリスティーナは、自分の侍女の機嫌を損ねないように、楚々と椅子に座る。
クリスティーナはカーテンを拘束道具として使用した張本人が、いつの間にかスルっと抜け出していたのに気付いたのは、目の前にいるサラが「なぜカーテンが無くなってるのです!」と声を荒げた時だった。
「‥‥‥‥私ではないんだけど」という台詞は「なんの為に護衛がいるんです?」という一言でかき消された。
長くなりそうな侍女の説教に覚悟を決めた瞬間、バターンと派手に部屋の扉が開いた。
「ユリアっ!貴方ドアは「サラ先輩大変です!男性用の浴場が、わんわんパラダイスになってるそうですっっ!!」 な、なんですって─────っ」
理知的だと思われたサラは、報告に来たユリアと先を争うかのように廊下を走り去っていった。扉を開けっぱなしにして‥‥‥‥。
扉の前にいた隊員が何も言わず、そっと閉めてくれる。
「‥‥‥‥なんか知らないけど、助かった。─────ん?男性用?」
まさか隊員が使用中に、乱入したりはしないだろう─────だよね?
ちょっと温くはなったが、サラの入れてくれたお茶は美味しかった。
クリスティーナの希望的観測は見事に外れ、不服そうな侍女二人と「うえ~ん。シロ君が洗わせてくれないぃ~悲しい~」としおしおになったリオが、部屋に戻されたのはもう少し後の事。
え、何だ、どういう事だ? 大量の湯を顔面に浴びたフリートは、周りの状況がまったく見えなかった。
「え、なになになに─────!?お前らまさか入る気!?」
戸惑っているこちらの都合などお構いなしに、フリートの頭上をいくつかの影が次々飛び越えていく。
どっぼ~ん。だっぼ~ん。だっぱ~ん。
たっぷりお湯を、頭から一人かぶったフリート。
気付けば周りは、見慣れない犬魔獣がパシャパシャと泳ぎまくる混浴状態。
一匹だけ湯舟の縁で「え、ここ?ど、どどうするの?」とウロウロしたあと「えいっ」と下手なジャンプをしていく魔獣。
ただ彼?彼女はちょっとばかり目測を誤り、フリートを巻き込んでの着水。
「わあぁ!フリート様大丈夫ですか!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
‥‥‥‥何故に自分の上を飛んでいく?
浮上したフリートは、理不尽な法則にムッとしながらも周りの惨状を改めて確認すれば、乱入してきた犬魔獣によって綺麗だった浴槽は、だんだん泥とゴミが浮く水と化していくのであった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥シ ロ く ん」
大して大きな声でもないのに、白陽は「あ、やべ」とお耳ヒコーキとなった。
「まあ、これでいいでしょう。皆さまお疲れさまでした」
作業をしていた数人の侍女達を部屋から退出させると、サラは作業中には邪魔にならないように退避させていたクリスティーナに呼びかける。
「姫様、部屋が整いましたのでこちらにへどうぞ」
寝所となる部屋からコソコソと出てきたクリスティーナは、自分の侍女の機嫌を損ねないように、楚々と椅子に座る。
クリスティーナはカーテンを拘束道具として使用した張本人が、いつの間にかスルっと抜け出していたのに気付いたのは、目の前にいるサラが「なぜカーテンが無くなってるのです!」と声を荒げた時だった。
「‥‥‥‥私ではないんだけど」という台詞は「なんの為に護衛がいるんです?」という一言でかき消された。
長くなりそうな侍女の説教に覚悟を決めた瞬間、バターンと派手に部屋の扉が開いた。
「ユリアっ!貴方ドアは「サラ先輩大変です!男性用の浴場が、わんわんパラダイスになってるそうですっっ!!」 な、なんですって─────っ」
理知的だと思われたサラは、報告に来たユリアと先を争うかのように廊下を走り去っていった。扉を開けっぱなしにして‥‥‥‥。
扉の前にいた隊員が何も言わず、そっと閉めてくれる。
「‥‥‥‥なんか知らないけど、助かった。─────ん?男性用?」
まさか隊員が使用中に、乱入したりはしないだろう─────だよね?
ちょっと温くはなったが、サラの入れてくれたお茶は美味しかった。
クリスティーナの希望的観測は見事に外れ、不服そうな侍女二人と「うえ~ん。シロ君が洗わせてくれないぃ~悲しい~」としおしおになったリオが、部屋に戻されたのはもう少し後の事。
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