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こちらお城です。5
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「─────陛下、ガルス参りまし‥‥‥‥た」
執務室にガルスが入ると、眼鏡をかけ眉間に皺を寄せながら、報告書とにらめっこをしている二人がいた。
その様子から「‥‥‥‥ああ、アイツか」とお堅い性格と、堅苦しい眼鏡をかけた知り合いの顔が浮かんだ。
「─────ん?もう来たのか」
「おや、あの従魔はどうしました?」
二人の視線の先には、先ほどまで頭に張り付いていた鳥型従魔の姿はなかった。
髪型はやや乱れたままだったが、どうにか荒ぶる従魔から、彼は自分の頭髪を守り抜いたらしい。
「─────あ、あの。実はあの後、城に登城していた母に会いまして‥‥‥‥」
「─────夫人がか?」
─────はい。と返事を返すガルスは、苦笑じみた顔で答えた。
頭にピイィィィィィピイィィィィィ─────とサイレン張りのに鳴き散らかす魔獣を貼り付けたまま走っていると。
「ガルス。何をしているのです」
「─────は、母上!?なぜ城に?」
目の前には、二人の侍女を引き連れた己の母がいた。
「王妃様のお茶会に呼ばれたのよ。それよりもあなた、緊急でもない限り城の廊下を走るなんて‥‥‥‥その子はどうしたのです?」
いい年をして悪いことが見つかった気分になっていた時、頭に従魔が張り付いているのを思い出した。
「あ、これはです「ピュイ♪ ピュイ♪ ピ」─────うぇ!?」
頭の方から、これまで一度も聞いた事のない鳴き声が聞こえた。
「あら、可愛いのね」
「─────あ、こら」
張り付いていた従魔は、こっちにする~と言わんばかりに、ぱっと自分の頭から離れた。
その際、クルリと一回転し長い尻尾は消え、全身ほんのり白く輝いていた姿はなくなり、二回りほど小さな身体になった。
女人とはいえ、元騎士団長の妻である母。周りの驚きを余所に、いきなり向かってくる魔獣に対して微動だにしない。
そのまま、しゅたと従魔は夫人の肩に止まったのだが、こちらの心配をよそに、かぎ爪を立てずに止まるという芸当を見せた。
ピュイピュイピュイ♪と自分の母になにやら訴えている。まるで「お腹すいた~、こいつご飯くれないよ~」と何故か告げ口されている気分になる。
「あらまあ、君は賢いのね。お菓子でも食べる?」
侍女が手に持っていたお茶会用だったろう菓子鉢から、焼き菓子を一つ差し出すと、ピュイ~♪ピュイ♪と片足で掴んで器用に食べ始める従魔。
「‥‥‥‥この子、あの人のなのね。いつの間に従魔持ちになったのかしら」
母は従魔の足に付けられた、刻印付きの足輪に気付いていたようだ。
「先刻来たばかりです。詳細は陛下の元に行かないと解りませんが‥‥‥‥」
「そう、じゃあこの子は私が面倒を見るから、あなたは陛下の元に行きなさい。─────さぁさぁ、一緒にいきましょうね~」
ピュイ♪ピュイ♪
サイレン並みに騒がしい従魔の姿はどこへやら。
完全に愛玩動物状態で、自分の母に付いていく従魔。
─────何あれ?態度違いすぎじゃね?食い物か?食い物の差か?‥‥‥‥なんか納得いかない。
執務室にガルスが入ると、眼鏡をかけ眉間に皺を寄せながら、報告書とにらめっこをしている二人がいた。
その様子から「‥‥‥‥ああ、アイツか」とお堅い性格と、堅苦しい眼鏡をかけた知り合いの顔が浮かんだ。
「─────ん?もう来たのか」
「おや、あの従魔はどうしました?」
二人の視線の先には、先ほどまで頭に張り付いていた鳥型従魔の姿はなかった。
髪型はやや乱れたままだったが、どうにか荒ぶる従魔から、彼は自分の頭髪を守り抜いたらしい。
「─────あ、あの。実はあの後、城に登城していた母に会いまして‥‥‥‥」
「─────夫人がか?」
─────はい。と返事を返すガルスは、苦笑じみた顔で答えた。
頭にピイィィィィィピイィィィィィ─────とサイレン張りのに鳴き散らかす魔獣を貼り付けたまま走っていると。
「ガルス。何をしているのです」
「─────は、母上!?なぜ城に?」
目の前には、二人の侍女を引き連れた己の母がいた。
「王妃様のお茶会に呼ばれたのよ。それよりもあなた、緊急でもない限り城の廊下を走るなんて‥‥‥‥その子はどうしたのです?」
いい年をして悪いことが見つかった気分になっていた時、頭に従魔が張り付いているのを思い出した。
「あ、これはです「ピュイ♪ ピュイ♪ ピ」─────うぇ!?」
頭の方から、これまで一度も聞いた事のない鳴き声が聞こえた。
「あら、可愛いのね」
「─────あ、こら」
張り付いていた従魔は、こっちにする~と言わんばかりに、ぱっと自分の頭から離れた。
その際、クルリと一回転し長い尻尾は消え、全身ほんのり白く輝いていた姿はなくなり、二回りほど小さな身体になった。
女人とはいえ、元騎士団長の妻である母。周りの驚きを余所に、いきなり向かってくる魔獣に対して微動だにしない。
そのまま、しゅたと従魔は夫人の肩に止まったのだが、こちらの心配をよそに、かぎ爪を立てずに止まるという芸当を見せた。
ピュイピュイピュイ♪と自分の母になにやら訴えている。まるで「お腹すいた~、こいつご飯くれないよ~」と何故か告げ口されている気分になる。
「あらまあ、君は賢いのね。お菓子でも食べる?」
侍女が手に持っていたお茶会用だったろう菓子鉢から、焼き菓子を一つ差し出すと、ピュイ~♪ピュイ♪と片足で掴んで器用に食べ始める従魔。
「‥‥‥‥この子、あの人のなのね。いつの間に従魔持ちになったのかしら」
母は従魔の足に付けられた、刻印付きの足輪に気付いていたようだ。
「先刻来たばかりです。詳細は陛下の元に行かないと解りませんが‥‥‥‥」
「そう、じゃあこの子は私が面倒を見るから、あなたは陛下の元に行きなさい。─────さぁさぁ、一緒にいきましょうね~」
ピュイ♪ピュイ♪
サイレン並みに騒がしい従魔の姿はどこへやら。
完全に愛玩動物状態で、自分の母に付いていく従魔。
─────何あれ?態度違いすぎじゃね?食い物か?食い物の差か?‥‥‥‥なんか納得いかない。
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