聖女召喚に巻き添え異世界転移～だれもかれもが納得すると思うなよっ！

ボコりましたけど？何か？

「‥‥‥‥どこで何をしてるんですか、リオさん」

「え、私確定なの？─────まあ、私だろうけど‥‥‥‥ピンク頭と金髪厨二病野郎はボコした」

　魂の形態で、下級とはいえ神格のある人物をドツキ回すという、他では見たことも聞いたこともない光景に、「御大」も驚嘆した。という『ナビ』ちゃんの報告。
 
「‥‥‥‥魂形態でって何？それで更にドツキ回す‥‥‥‥？」

─────純粋に姫さんにドン引きされている。
　あれは自分でもよくやったな～、だって推しにも会えず、更に巻き添えを喰らって死んだっていうんだよ？しかも、あのピンク頭。証拠隠滅がごとく魂を消滅させようとしたし。─────私の事は、なかった事にしようとしたんだよね。

「─────ほら、ボコってもいいよね？」

　それ以外の意見は取り入れません。とシレっと答えた。

 「巻き添え転生ってのは聞きましたけど。巻き込まれだからリオさんの場合、神界では魂の状態で、身体は形成されてなかったということですね。思っていたより凄い事してますね」

「─────え、そうかな？頭に来てたからあんまり分らないけど、気合でやれば結構いけるんじゃないかな」

　あ、この人ダメだ。みたいな事を言って、お姫さんは『ナビ』ちゃんに質問をする。─────えぇ、ひどくない？気合は大事だとおもうんだけど。

「魂形態ってこういうのよね？」

　両手で丸を作って見せる。─────そうなの？　まあ、そんな感じだったとは思うけど、自分で自分は見えないもんね。

『そうです。意識も薄い羽虫ぐらい弱い存在です。それが自我を持ち、鉄球のごとく飛び回り、更に自己再生で身体を生成するという姿に「御大」も驚愕したそうです』

　─────いやぁ～、ボコるならやっぱりグーじゃないとね～

　しみじみ語る私に、またしても「何この人」みたいな視線をいただきました‥‥‥‥。　先に蹴りが入ったとは言わないほうがいいのか‥‥‥‥。

『一連の騒動で、他次元の下級神も加わっていたことが判明いたしました。「御大」はそちらも調査する為、移動する必要が出てきましたので、貴方に「印」として「加護」を付けていったのです』

「─────貰った覚えないんだけど」

『神界から落下する直前ですらかね。身体も「御大」の加護に耐えられるよう、再度造り替えられました─────あの高さから落下すれば、さすがに助かりませんよ』

─────あ、あの高さはやっぱりマズかったのか‥‥‥‥。 それにしても、落とされた時か‥‥‥‥あ。

「─────ね、ねぇ『ナビ』ちゃん！ひょっとして私の捨て台詞、発動してる!？」

『現在進行形で発動中です』

─────しゃあぁぁぁぁっ！！！　『加護』くれてありがとう『御大』！　会った事ないけどっ！