聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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知らないほうがいい‥‥‥‥

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「─────はぁ?完成されている『魔法陣』を今更変える?正気ですか?」

 おおぅ、バッチリ正気さっ! ─────だって『ナビ』ちゃんが、メッチャやる気出してるもんっ!! 

「まさか知らないわけないですよね。完成された『魔法陣』を変更なんかしたら、暴発しますよ!」

─────え?そうなの?というか、とっくに改変しまくりだよね、『ナビ』ちゃんよ?

『 ソレごときと比べられても。こちらは、レベルが違います 』

 『ナビ』ちゃん曰く、周りにそれっぽく見せる為に『勇者』の『形』を借りただけで、『暴発』?お前ごときが、んな事出来るわけないじゃん、というぐらいのレベチ差らしい‥‥‥‥。

‥‥‥‥あれ?という事は、私のレベルがおかしいって事じゃないか?

「─────あれ?リオさんどうかしましたか~?」

 とことこと、小走りにウィル少年が戻ってきた。
  その後ろから、おっさんを先頭に男たちの集団が現れた。
 後方にお姫さんが、いつもの市女笠風の帽子を被って、その姿は布地に隠れて見えないが、こちらの様子に明らかに動揺している。

 そっか~、お姫さんこの世界に忍者がいることを知らなかったんだな~。「ちょっとちょっと」という感じで手招きされている。

『ちょとリオさん!!どうして忍者がいるんです!?』
 
『知らないよ?姫さんの方が知ってるんじゃないの?アレ、公然猥褻男の家のモンらしいから』

『はぁ?─────あ、ホントだ。よく見たら、ご主人様がこの世で一番大事のイヤミ男じゃん。あいつ忍者だったわけ?そんなわけある?』

 お姫さんは驚愕した声で、チラリと忍者男を確認する。
 ─────ほ~。どうも初対面なはずなのに、あたりが強いなと思っていた忍者君は、お姫さん認識でイヤミな奴扱いなんだな。

『お姫さん。そのお家の─────『古文書』」

 ─────ちらっとお姫さんに、表紙だけ見せてみる。

『─────うげ。‥‥‥‥こ、「古文書」?』

『読まないほうが良かったよ‥‥‥‥』

『‥‥‥‥読んだんですね、内容は精神衛生上、聞かないほうが良さそうですね‥‥‥‥ところで、その『杖』って渡した杖ですよね?─────なんで光ってるんです?』

 ─────いつもそんな風に光ってないのに‥‥‥‥。というお姫さんので、作業が中断している事に気付いた。

─────そうだった。『勇者』作成の『魔法陣』に嫌気がさして、『ナビ』ちゃん推奨の『陣』に変更途中だった。

『魔法陣を一回は造ったんだけど、気に入らないから作り直そうと思って』

─────へ?というお姫さんを置いてきぼりで、クルリと問題の『魔法陣』に向き直る。

「チャチャッとやっちゃうから、問題ないよ」

─────だよね?と『杖』をコンコンと地面を突いて合図をすると『おっしゃ~待ってました~!!はいはいはいはいはい~~~やりまっせ~~』とばかりに杖に嵌っていた石までも盛大に光り出した。

『その杖、こんなに光る奴だったんだ‥‥‥‥』

─────ぺかぺか杖が作り出す光の中、お姫さんのどこか悟ったような呟きが聞こえた。

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