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オムレット?
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「ん~一仕事終えた後のお茶は、おいしいねぇ」
─────ピタんピタんと、シロ君の尻尾になぶられながら、ティーカップ片手に優雅にソファに沈み込む私。 いやぁ、至福。
「いいのか?ほっといて」
「いいんじゃない?ほら、あそこで私の出番は終わったし」
騒ぎが大きくなり、説明を求められると面倒そうなので、トンずらしたともいう。
ちょっとやり方が荒っぽかったのは反省しているが、他の方法を知らないのでしょうがないじゃないかと開き直る。
「お前は、『アレ』に関わると遠慮がないな」
シロ君が遠回しに『アレ』とは『ピンク教』の事だろう。まあ、自分でも過剰反応しているのは自覚しているが、それは自分ても仕方ないと思っている。
「ご本人が出てこれば、─────直でブチのめすよ」
自分を巻き込まれとはいえ、この世界に強制的に送り込んだ張本人。
『推し』に会いに行く至上最高の機会を取り上げられたのだ。やり返されたって文句を言われる筋合いはない。
それにピンク頭はこの世界で、自分の価値を上げようとしていた節があった。
─────アイツが女神様?胸糞悪い。
「私はこの世界の事、まだあんまり知らないんだけど。元々いた神様とかいるんじゃないの?どこにいるのかな」
「─────さぁな、俺は知らん。母上なら知っていたかもな」
「ぬぉ、しまった。フェンリル母さんに、もっと聞いとけば良かった」
モフモフ三つ子ちゃん達とのふれあいと、ブートキャンプでそんな事はぶっ飛んでいた。 いや、主にモフモフで頭がいっぱいだった、が正解だが。
「そう言えば、あの娘の仮面は取らなかったな」
そう、あのキラキラエフェクトの中で、お姫さんの頭も黒い塊が視えた。
これはいけるか、と思った時に『ナビ』から警告が入った。
「頭もげるらしいから?やめといた。なんか系統が違うらしいのよね」
取ってみようかとした瞬間、『ナビ』から『頭とれますけどいいんですか?』と世にも恐ろしいことをさらっと言われ(?)た。
さすがにスプラッタ騒ぎはご遠慮したい。
「お姫さんのは、なんか複雑に絡み合っているらしいのよね、だから雑にしちゃダメみたい」
─────アイツらはいいのか。白陽は雑に扱われた男達に、ちょこっとだけ同情した。
「お待たせしました~『ミウの実』包みです~」
ドアをノックして入ってきた雑用係の少年は、カートワゴンのような物をガラガラと押していた。
「こんなに沢山『ミウの実』を使った事なんかないので、なんだがドキドキしました~」
上機嫌で莉緒の前に、甘い匂いの『ミウの実』包みをコトリと置く。
ぱっと見、イチゴのオムレットに近い感じだ。
「ふおぉ、いい匂い。美味しそう」
腕のいい人が調理するとこうも違うのか、というぐらい何だがキラキラしている。
シロ君が興奮してフンフン匂いを嗅いでいる。─────前にあげた時、ジト目でみたくせに。
「シロ君には、これなんかどうでしょう~」
ドドンっと出てきたのは、ホールケーキタイプ。─────おぉうっスゴイっ!
「これもいいけどっ!、そっちも食べたいっ!!」
「ワウっワウワウっワウっ(なんだよっ!そっちだっていいじゃないか)っ!」
取っ組み合いが始まりそうな所で、どパァーンと扉が勢いよく開いた。
「お姉さんっ!なんでさっさと行っちゃうんですか!おかげてこっちは大変‥‥‥‥あ―――ズルいっ!私も食べたいっ!」
─────醜い取り合いに、更に参加者が増えてしまった。
─────ピタんピタんと、シロ君の尻尾になぶられながら、ティーカップ片手に優雅にソファに沈み込む私。 いやぁ、至福。
「いいのか?ほっといて」
「いいんじゃない?ほら、あそこで私の出番は終わったし」
騒ぎが大きくなり、説明を求められると面倒そうなので、トンずらしたともいう。
ちょっとやり方が荒っぽかったのは反省しているが、他の方法を知らないのでしょうがないじゃないかと開き直る。
「お前は、『アレ』に関わると遠慮がないな」
シロ君が遠回しに『アレ』とは『ピンク教』の事だろう。まあ、自分でも過剰反応しているのは自覚しているが、それは自分ても仕方ないと思っている。
「ご本人が出てこれば、─────直でブチのめすよ」
自分を巻き込まれとはいえ、この世界に強制的に送り込んだ張本人。
『推し』に会いに行く至上最高の機会を取り上げられたのだ。やり返されたって文句を言われる筋合いはない。
それにピンク頭はこの世界で、自分の価値を上げようとしていた節があった。
─────アイツが女神様?胸糞悪い。
「私はこの世界の事、まだあんまり知らないんだけど。元々いた神様とかいるんじゃないの?どこにいるのかな」
「─────さぁな、俺は知らん。母上なら知っていたかもな」
「ぬぉ、しまった。フェンリル母さんに、もっと聞いとけば良かった」
モフモフ三つ子ちゃん達とのふれあいと、ブートキャンプでそんな事はぶっ飛んでいた。 いや、主にモフモフで頭がいっぱいだった、が正解だが。
「そう言えば、あの娘の仮面は取らなかったな」
そう、あのキラキラエフェクトの中で、お姫さんの頭も黒い塊が視えた。
これはいけるか、と思った時に『ナビ』から警告が入った。
「頭もげるらしいから?やめといた。なんか系統が違うらしいのよね」
取ってみようかとした瞬間、『ナビ』から『頭とれますけどいいんですか?』と世にも恐ろしいことをさらっと言われ(?)た。
さすがにスプラッタ騒ぎはご遠慮したい。
「お姫さんのは、なんか複雑に絡み合っているらしいのよね、だから雑にしちゃダメみたい」
─────アイツらはいいのか。白陽は雑に扱われた男達に、ちょこっとだけ同情した。
「お待たせしました~『ミウの実』包みです~」
ドアをノックして入ってきた雑用係の少年は、カートワゴンのような物をガラガラと押していた。
「こんなに沢山『ミウの実』を使った事なんかないので、なんだがドキドキしました~」
上機嫌で莉緒の前に、甘い匂いの『ミウの実』包みをコトリと置く。
ぱっと見、イチゴのオムレットに近い感じだ。
「ふおぉ、いい匂い。美味しそう」
腕のいい人が調理するとこうも違うのか、というぐらい何だがキラキラしている。
シロ君が興奮してフンフン匂いを嗅いでいる。─────前にあげた時、ジト目でみたくせに。
「シロ君には、これなんかどうでしょう~」
ドドンっと出てきたのは、ホールケーキタイプ。─────おぉうっスゴイっ!
「これもいいけどっ!、そっちも食べたいっ!!」
「ワウっワウワウっワウっ(なんだよっ!そっちだっていいじゃないか)っ!」
取っ組み合いが始まりそうな所で、どパァーンと扉が勢いよく開いた。
「お姉さんっ!なんでさっさと行っちゃうんですか!おかげてこっちは大変‥‥‥‥あ―――ズルいっ!私も食べたいっ!」
─────醜い取り合いに、更に参加者が増えてしまった。
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