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お姫さんの事情
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『おかめさん』の目から滝のように涙があふれだし、テーブルをバンバン叩きながら、クリスティーナ姫さんの愚痴大会は、延々続いた。
遠巻きにしている三人組は、私たちが日本語で会話をしているため、「なんだ?何を話してるんだ」と怪しんではいるが邪魔はしない。
ときおり、おんおんと泣きが入るが、クリスティーナちゃんのアイドル聖女生活は、忙しいながらも充実そのものだったらしい。
両親にも兄妹たちにも、城のみんなや平民たちにも、好感度抜群のアイドルスター。
『そんな百パー好感度のアイドル、いるかな?』
どんな好感度アイドルでも、反感派は少数ながら存在するものだ。
『頑張ったもんっ!私、頑張ったもんっ!!』
さらに、滝を決壊させるお姫様。─────あかん、これチャチャを入れると長くなる奴だ。 しばらく黙っていよう。口を閉じる代わりにフライドポテトを口にする。
要約すると、順調にレベルアップしていた聖女生活に、最近もう一人の聖女が乗り込んで来たらしい。
その聖女とやらは、クリスティーナ姫の国に、ピンク宗教教団の集団を引き連れ突然現れ、『私こそが本物の聖女っ!』とのたまったそう。
突然乗り込んできた自称聖女に、王城は大混乱。
乱入者とはいえ、聖女と名乗る者に乱暴な扱いはできず、話し合いましょうとしたところ『この世界に聖女は二人もいらないのよっ!私と勝負しなさい』と聞く耳を持たず、王宮の広場で一方的に攻撃してきたらしい─────ん?それ聖女か?
なすすべもなくクリスティーナちゃんは吹っ飛ばされたが、アル隊長が割って入って難を逃れたそう。─────おいおい。
勝負に勝ったと満足した自称聖女は、去り際に『その顔、気に入らないわね。おかめ顔にでもなったらいいわ』とクリスティーナちゃんに『呪詛』をかけていったそう。
そうしてクリスティーナ姫は、頭部だけ『おかめさん』になってしまった。
『私の認識がおかしいのかな?それは聖女でいいの?』
『んなわけないですっ!いきなり乗り込んできて攻撃してきたり、呪いかけるのが聖女かってのっ!あんなの転生チート野郎ですよっ!』
さらに国内の雲行きが怪しくなってきたのはそれからで、いくら 箝口令を敷いたところで人の口に戸は立てられぬもの、国の姫が変貌してしまった噂は、まことしやかに国中にながれ、今までの好感度が反転するのに、時間はかからなかった。
父親である国王もただ黙っていたわけではなく、掛かった呪いを解除しようと、魔術使いや研究員など呼び寄せ、呪いを解こうとしり、いきなり攻撃を仕掛けてきた、自称聖女の本拠地に抗議もした。
しかし向こうは詫びる気などさらさらなく、いつの間にか呪いではなく、それが本性だと言い張る始末。
しかも、なぜかその話は真実の様に広まり、事態は不穏の要素を帯びてくる。
瞬く間にクリスティーナ姫は、聖女から不幸を呼び寄せる悪女に変化する。
ちょっとした事故や事件も彼女のせいにされ、不穏な空気が城下に流れた。
国王は決断を迫られ、とうとう療養という名目で、姫を城から出すことになる。
「城から放逐された騎士団って、そういう意味だったのね」
本格的におんおん泣き出した姫様に対話は不可能となり、後半部分は付き添いの三人組から聞いた話だった。
「─────それどこで聞いた?」
放逐という言葉にピりつく三人だが、私にイラついてもしょうがないと思うけど。
森の中で盗賊と一緒にいたピンク野郎。というと一層顔をしかめる。
「まあまあ、安心しなよ。奴は穴倉の中で、仲間の魔獣と戯れてるよ」
‥‥‥‥私もピンクの輩。嫌いだからね
─────にこおぉと笑顔で返すが、全力で引かれた。あれ?
遠巻きにしている三人組は、私たちが日本語で会話をしているため、「なんだ?何を話してるんだ」と怪しんではいるが邪魔はしない。
ときおり、おんおんと泣きが入るが、クリスティーナちゃんのアイドル聖女生活は、忙しいながらも充実そのものだったらしい。
両親にも兄妹たちにも、城のみんなや平民たちにも、好感度抜群のアイドルスター。
『そんな百パー好感度のアイドル、いるかな?』
どんな好感度アイドルでも、反感派は少数ながら存在するものだ。
『頑張ったもんっ!私、頑張ったもんっ!!』
さらに、滝を決壊させるお姫様。─────あかん、これチャチャを入れると長くなる奴だ。 しばらく黙っていよう。口を閉じる代わりにフライドポテトを口にする。
要約すると、順調にレベルアップしていた聖女生活に、最近もう一人の聖女が乗り込んで来たらしい。
その聖女とやらは、クリスティーナ姫の国に、ピンク宗教教団の集団を引き連れ突然現れ、『私こそが本物の聖女っ!』とのたまったそう。
突然乗り込んできた自称聖女に、王城は大混乱。
乱入者とはいえ、聖女と名乗る者に乱暴な扱いはできず、話し合いましょうとしたところ『この世界に聖女は二人もいらないのよっ!私と勝負しなさい』と聞く耳を持たず、王宮の広場で一方的に攻撃してきたらしい─────ん?それ聖女か?
なすすべもなくクリスティーナちゃんは吹っ飛ばされたが、アル隊長が割って入って難を逃れたそう。─────おいおい。
勝負に勝ったと満足した自称聖女は、去り際に『その顔、気に入らないわね。おかめ顔にでもなったらいいわ』とクリスティーナちゃんに『呪詛』をかけていったそう。
そうしてクリスティーナ姫は、頭部だけ『おかめさん』になってしまった。
『私の認識がおかしいのかな?それは聖女でいいの?』
『んなわけないですっ!いきなり乗り込んできて攻撃してきたり、呪いかけるのが聖女かってのっ!あんなの転生チート野郎ですよっ!』
さらに国内の雲行きが怪しくなってきたのはそれからで、いくら 箝口令を敷いたところで人の口に戸は立てられぬもの、国の姫が変貌してしまった噂は、まことしやかに国中にながれ、今までの好感度が反転するのに、時間はかからなかった。
父親である国王もただ黙っていたわけではなく、掛かった呪いを解除しようと、魔術使いや研究員など呼び寄せ、呪いを解こうとしり、いきなり攻撃を仕掛けてきた、自称聖女の本拠地に抗議もした。
しかし向こうは詫びる気などさらさらなく、いつの間にか呪いではなく、それが本性だと言い張る始末。
しかも、なぜかその話は真実の様に広まり、事態は不穏の要素を帯びてくる。
瞬く間にクリスティーナ姫は、聖女から不幸を呼び寄せる悪女に変化する。
ちょっとした事故や事件も彼女のせいにされ、不穏な空気が城下に流れた。
国王は決断を迫られ、とうとう療養という名目で、姫を城から出すことになる。
「城から放逐された騎士団って、そういう意味だったのね」
本格的におんおん泣き出した姫様に対話は不可能となり、後半部分は付き添いの三人組から聞いた話だった。
「─────それどこで聞いた?」
放逐という言葉にピりつく三人だが、私にイラついてもしょうがないと思うけど。
森の中で盗賊と一緒にいたピンク野郎。というと一層顔をしかめる。
「まあまあ、安心しなよ。奴は穴倉の中で、仲間の魔獣と戯れてるよ」
‥‥‥‥私もピンクの輩。嫌いだからね
─────にこおぉと笑顔で返すが、全力で引かれた。あれ?
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