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第2章

第33話 獣聖王ジラルディーノ(追加の話)

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トラキア商会でホリーの装備やアイテムを大量に買い、店をあとにした。お気に入りの色の魔法の鞄も見つかり、ホリーは上機嫌となっていた。

「ふふんふん♪……ふふんふん♪」

「鼻歌なんか歌っちゃって。ホリーは好みのアイテムをセシルに買ってもらえて上機嫌だね! ピンク色のビキニアーマーなんて女の子らしくて可愛かったしね~。その代わり結構時間が過ぎちゃったよ。もうすっかり夜だよ!」

「そうだな。だがホリーのためにもとことん吟味する必要があったから仕方ないな」

「私のために……気を使っていただき……ありがとうございます……ふふんふん♪」

ホリーは納得がいくまで十分に吟味をして買い物をしたので、大変に機嫌が良かった。オレの左腕に両腕をからめ、鼻歌を歌いながら歩いている。女の子にとって買い物はストレス解消の一環みたいなものだからな。その代償で白金貨をかなり使ってしまった。

「仲間のホリーのためだからいいのいいの! 自分の女の子に頼られてセシルも男冥利に尽きるってものさ! それよりオイラお腹空いちゃったよ。すぐ食べたいから冒険者ギルドの食堂に寄っていこうよ!」

「そうしよう。おっ! ギルド前の看板を見ろよ。ロック鳥の肉が入荷したらしい。あれは相当に美味いらしいな。ガディが酒のつまみには最高だって言ってたぞ」

「うんうん、白い鳥のモンスターでしょ! 前に何度か食べた事があるけど、めっちゃ美味いよ! 高レベルモンスター特有の上質な油と赤身の焼ける、何とも言えない香ばしい匂いがあってさ! 分厚い肉をガブッと噛むとジュワ~と少しだけ甘みのある油が滲み出てくるのさ!」

「ゴクリッ……美味しそうです」

「おし! 今日はロック鳥肉を腹いっぱい食べて精力をつけよう! 明日への活力に!」

「「「お~っ!」」」

『ギィ』

パックの説明でさらに腹が減ったオレたちは、勢いで冒険者ギルド食堂に突撃していく。東京ドームの内部ほどある大きな食堂には、晩ごはん時ということもあり数千人が酒を飲み、食事をして冒険話をして大いに盛り上がっていた。このフェロニア市には十万人近い冒険者が存在しているのでこの人数でもほんの一部にしか過ぎない。

「明日はラスピリ村に出たゴブリンを討伐しに行くぞ! 女の子がさらわれたらしいから、取り返すことで依頼料が上がる。気合を入れていくぞ」

「隊商の護衛の依頼なんてどうだ? パルミラ教皇国のティムガッド市まででな、これがなかなかの報酬なんだよ」

「ねぇ、私、どの傭兵団に入るか決めたわ! ルーファス様のオーディン傭兵団にする! まだ未婚のあの方のそばにいられれば、チャンスを逃さず夜伽して孕ませてもらうわ」

『バシィ』

「てめぇ、勝手に尻触ってんじゃねぇ!」

「尻くれぇ~、いいじゃねぇ~か。デカくていい尻なんだしよ」

ルーファスに孕ませてもらうという目的であのガチ傭兵団に入るのか。ティナにフルボッコされる未来しか見えないな。また、別の冒険者は革鎧を着た美人の女冒険者の尻を触って殴られている。日本じゃまず見られない光景で、やはりここは異世界だねぇ。
そのようなやり取りを横目で見ていると、料理を近くのテーブルに届けたウェイトレスにパックが声をかけた。その娘はすぐに気がついて元気いっぱいに返事をして小走りで来た。

「外の看板で見たんだけど、今日はロック鳥が入ったの?」

「はい! アルル公国から来たゼンガ隊商が龍の谷の辺りでロック鳥に襲われたらしくて、返り討ちにしたのです。ゼンガ隊商は強者ぞろいで有名じゃないですか。隊長のゼンガさんは商人なのにミスリルプレートですし、他のメンバーもプラチナプレートの集団ですからね。おかげで冒険者ギルドにロック鳥が大量に入ってきたわけです。実は私もロック鳥は好物でして、まかないが楽しみなんです……うふふっ」

ロック鳥が好物とウェイトレスは嬉しそうに笑った。従業員特権であとで少しだけ食べさせてもらえるのだろう。なにせあの白い鳥は体長5メートル近くある脅威度ランクCのモンスターだ。肉量が豊富で食べ出があるというものだ。

「じゃあ、それを3つお願いね!」

「はい! 畏まりました。少々お待ち下さい」

ウェイトレスは小走りで去ると厨房に入っていった。ロック鳥定食3つと、とても元気にオーダーする声が聞こえてくる。

「ロック鳥は本当に久しぶりだよ! 楽しみだなぁ~」

「私は初めて食べます……噂に聞くロック鳥……どのようなお味……なのでしょうか」

「実はホリーと同じくオレも初めてでな。楽しみだよ……ん、なんだ?」

「「「俺たちの獣聖王ジラルディーノ!!」」」

「「「真の獣耳人ならヴァラディンへ行け!!」」」

すぐそばで飲食していた獣耳人たち十数人が急に立ち上がり、大きな声で歌を歌いはじめた。片手で肩を組んでもう一方の手で酒を次々と飲みはじめた。それに釣られるように他の冒険者たちも立ち上がり、歌い始めた。

「な、なになに? 急に大声で歌いはじめてさ! ずいぶん熱いね~! ああいうのオイラ好きだよ!」

「あれは獣耳人にとって嬉しいニュースが入ってきたからでゲスよ」

「「「グルキュフ!?」」」

「へぇ、あっしです」

情報屋グルキュフが突如表れて話しかけてきた。別の所で飲んでいたのか、片手にジョッキを持っている。

「おっ! グルキュフとはちょうどいい。依頼の結果を確認できたから、お前に報酬を払わなくてはと思っていたところだったんだ。そら白金貨を受け取れ」

アイテムボックスから白金貨を1枚と金貨を5枚を出し、グルキュフに手渡した。

「え!? だ、旦那こんなに頂いていいのでゲスか!」

「ああ、グルキュフはとても良い仕事をしてくれたからな。追加報酬の金貨5枚は今後も頼むという意味も込めてだ。それにしばらくオレはステュディオス王国を離れるが、ここにいるオレの女ホリーは残るのだ。この娘の身に危険が及ぶような情報が入ったら、すぐにホリーに知らせて協力して欲しい。オレは少しこのフェロニア市で有名になりすぎたからな」

「げっへっへ、そういう事ならお任せください。危険な情報が入り次第、フェレール軍駐屯地に知らせに行きヤス」

「!? なんでそれを知っているんだ? って今更か。さすが情報通のグルキュフだな」

ホリーがフェレール軍の駐屯地に泊まることをグルキュフはすでに知っていた。やはりフェレール軍の内部に情報網があるようだ。しかもオレたちが今回ケイトから受けた依頼は、国家の最重要といってもいい秘匿性の高い依頼なので、かなり上の地位にある人が情報元ということになる。やはりこの男は侮れないな。

「オイラたちの大事なホリーを頼むよ! それとあの獣耳人たちはなんだい? 凄い盛り上がっているね! オイラワクワクするよ!」

「へぇ~、実はアルル公国から超有名な獣耳人の吟遊詩人が、ついさっき来たから盛り上がっているんでゲスよ。どうやら最新の詩歌を歌ってくれるみたいでゲスよ」

吟遊詩人とは、世界各地を低層階級の放浪の音楽師として実際に自ら旅し、各地域に住む人々から話を聞いてまわる。その場所に昔から語り継がれている伝説や神話、歴史や事件などを元に詩歌作り、伝承する役目に特化した者たちのことだ。
特に悪人や権力者などを打倒する英雄伝説は庶民の間では大変な人気があり、それらを広め伝えるために詩歌を歌った。

「そうなんだ! そんな時に晩ごはんを食べに来るとはラッキーだったね!」

「私も……楽しみ……です」

「そうでゲスな。あ、あそこから来たようでゲス」

グルキュフが指さした方向を見ると、30メートルほど離れた場所にスレンダーな男が膝下まであるフードつきマントを着て立っていた。腰には使いこなされたレイピアがあり、吟遊詩人の旅がいかに過酷なのかを表している。体の線が細いが相当な猛者なのだ。吟遊詩人は前置きもなく唐突に話しはじめた。

「私は吟遊詩人フィーフェス。獣耳人の王ジラルディーノを見にヴァラディン王国に行ってきました。ヴァラディン王国の土地はヴァルビリス帝国時代、ドゥクレ侯爵の治めるヴィースバーデンという大穀倉地帯であった。
ドゥクレ侯爵は東にあるバレンシアの森から表れるモンスター対策に獣耳人の奴隷をろくな武器も持たせずに戦わさせた。次々にモンスターに狩られて死んでいく獣耳人たち。戦闘で何万という数の獣耳人が死んでいった。
そのような帝国の傍若無人さに怒り、立ち上がったのが新進気鋭の獅子耳族ジラルディーノ将軍であった。将軍はバレンシアの森からあふれるモンスターと戦っていたが、機を見てドゥクレ侯爵軍に襲いかかったのだ!
わずか千の獣耳人の軍勢で50倍の兵を用いたドゥクレ侯爵の軍勢を破り、ヴィースバーデンの地に獣耳人国家ヴァラディンの建国を宣言したのだ!」

「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」

「俺たちの獣聖王ジラルディーノ!」

「全ての獣耳人の希望、反逆のカリスマ王!」

「ジラルディーノ王に私の命を捧げます!」

吟遊詩人の話に夢中になって聞いていた獣耳人もヒューマンも大きな歓声を上げた。獣耳人はどの国でも基本的に奴隷しかいなかった。ステュディオス王国は奴隷剣闘士から這い上がり、建国を宣言したクラウス・オルドリッジが犯罪奴隷以外の奴隷制度を完全に廃止したのだ。この国は世界でも例外という国家であった。

「千年前、ラティアリア大陸ではブライデン神信仰のもと、獣耳人が世界を支配していたのだ! だが獣耳人の戦争好きが祟り、神の怒りを買って奴隷に落とされた。千年の奴隷という悲劇を経て神への禊は終わった。獣耳人が待ち望んだヴァラディン王国を絶対に死守しなくてはならない。ジラルディーノ王のもとに集まり、もう一度獣耳人の誇りを取り戻そう! 真の獣耳人ならヴァラディンへ行け!」

「「「真の獣耳人ならヴァラディンへ行け!」」」

千年前にはヒューマンではなく、獣耳人が世界を支配していたのか? エロース信仰ではなく、ブライデン神信仰が主流だったのだろうか?

「獣耳人もそうでないものも聞け! 英雄の讃歌を!
新たな王を。歓迎しよう。帝国の暴政は、今終焉を迎えた
九徳の王、ジラルディーノ。我らに自由と人権を与えた
愛するヴァラディンの地は。我らが故郷。鉄の意志で守ろう
剣と盾を持て。立ち上がろう。死してエリュシオンに昇華する時まで。
我らが獣聖王ジラルディーノ。命と忠誠を捧げ。王と共に生きよう」

フィーフェスのギターと詩歌にギルド食堂内の獣耳人の冒険者は涙を流しながら、聞き入り、大声を出して共に歌い、両肩をしっかりと組んだ。ヒューマンも一緒に獣耳人の夢と希望を歓迎して盛り上がっている。獣耳人の悲劇と悲惨さをよく知っているからだ。

「盛り上がっているね~! オイラこの雰囲気が好きだよ! 詩歌が熱い熱い! 情熱と希望で燃えそうだよ!」

「素敵……私も頑張らなくっちゃ」

「獣耳人は世界の奴隷でゲシたからね。嬉しくて嬉しくて仕方ないんでゲしょう。金貨5枚も追加で頂いちゃったんで旦那に教えますが、ジラルディーノ王が建国したのは帝都ガイエスブルグ市から馬車でたった3日の場所なんでゲス。すでに2回大規模な帝国軍に攻められてますが、すべて跳ね返すという離れ業をやってゲス。被害がかなり出てしまったんで、それでとりあえず、今は帝国も交渉をしていこうと気運になってヤス。ジラルディーノ王……獣耳人の国家を守るために必死に頑張ったんでゲスな」

数倍の敵を跳ね返すということは歴史でも何度もあるが、勝つことの方が遥かに少ない。普通に敗北し、逃走するのだ。オレほどの武力があれば、何度やっても革命は成功するがな。

「「「愛するヴァラディンの地は。我らが故郷。鉄の意志で守ろう
剣と盾を持て。立ち上がろう。死してエリュシオンに昇華する時まで。
我らが獣聖王ジラルディーノ。命と忠誠を捧げ。王と共に生きよう!!」」」

その後もギルド食堂内は、千年ぶりに出たという獣耳人の王国を建国したジラルディーノ王を讃える歌声で一杯であった。みんな大粒涙を流してその偉業を讃えている。虐げられ続けてきた獣耳人はステュディオス王国で奴隷から開放され、さらには自分たちの国を持つことが出来て魂が震えるほど歓喜に溢れていた。

「千年ぶりの建国じゃ嬉しいよね! 次は少しだけ会えなくなるホリーを喜ばせてあげなきゃね……うひひっ」

「店長……今日は朝まで……私を可愛がってください……うううっ」

「もちろん思いっきり愛そう。お前が満足するまで徹底的にな」

ロック鳥の肉料理を美味しく平らげて冒険者食堂を出た。獣耳人たちの歓喜の歌声は止まることなく道路まで聞こえていた。








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