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第3章
第13話 メアリーの支援
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ーーーヴァルビリス帝国帝都ガイエスブルグ、グルノワール公爵邸、公爵令嬢メアリーの部屋前
『フォンッ』
「チュンチュン、チュンチュン」
ナディアを自室に寝かせてから、再びグルノワール公爵邸に戻ってきた。すでに朝日が少し出てきており、夜の闇が明けてきている。長時間中出し育成を続けていたので、さすがに少し疲れて眠い。1時間ほど寝るとしよう。日本にいた時から睡眠時間は少し寝れば十分な方だった。異世界に来て神の肉体を得てからは、数日間睡眠を取らなくても全く問題がない。魔龍討伐メンバーが揃ったら戦力が整うまで、週6日でこのような生活をしないといけないと考えると今から良い訓練になりそうだ。
「よしよし、誰にもバレてはいないよな」
「魔法で音を消していたから、バレるはずないよ。においも潮吹きで出た液体も《クリーン/清浄》で消えるからね。今回はナディアの部屋、メアリーの部屋、ナディアの部屋、メアリーの部屋と転移魔法で飛びまくって忙しかったね~。あ、ふぁ~、さすがにオイラ眠いから寝るね。アレを出してよ」
「ああ、パックお疲れ様。ほら、鞄を出したからよく寝ろよ」
こういうときの為に作っておいたパック専用ベッドで横になってしまった。《クリエイトシリコン/創造》で作った特注の鞄で、中にはパックが寝れるベッドがある。しかもオレが歩いて揺れたとしても問題のないように、鞄の内部と外界の空間を遮断して固定をした。また鞄の外側は柔らかいシリコーン製のゴム、内側には硬いシリコンゴムを内蔵して二重構造となっており、見た目はただの鞄のように見えるから誰かに気がつかれることはない。またロックするようなボタンを付けなかったので万が一落としてもパックは自力で出てこれる。
『カチャッ』
「……おはようジーク」
「おはようございます。メアリー様。昨日はお疲れさまでした」
パックが睡眠を取りはじめると、入れ替わりに今度はメアリーが起きてきた。
「……………ううっ」
「ん? どうしました?」
「……ジークの前であんなに乱れてしまって恥ずかしいわ」
オレを見て、昨日のことを思い出した彼女はボッと耳まで真っ赤になり、両手に頬を当てて下を向いてしまった。いきなり処女を相手に股を開かせてペロペロ舐めるなどやり過ぎたか? しばらくお互いに何も言わず無言の時間が過ぎていったが、1階からメアリーが起きたことに気がついたララが階段を上がってきた。
「おはようございます、メアリー様、ジーク。私がメアリー様の着替えをお手伝いいたしますので、ジークはすぐに白湯を取ってきてもらえるかしら」
「はい、承知いたしました」
「ううん、ジークは私の側にいて。ララ、白湯を持ってきてちょうだい」
「メアリー様? はい、承知いたしました」
メアリーはララに白湯を持ってくるように指示をすると、オレの手を引っ張って自分の部屋にあるイスに座らせた。
そして反対側にあるイスに腰掛け、テーブルに両肘をつき、アゴに両手を添える。なかなか可愛い仕草だ。その後はずっと上目使いで、頬を赤く染めながら黙ってオレの目を見つめている。頬を赤らめている美少女に見つめ続けられるというのも悪くないな。オレもメアリーの心に答え、真っ直ぐに目を見つめ返す。思春期の微妙な空気感に部屋が包まれている。まさか45歳のおっさんが少女とこんな空気感を醸し出す事になるとは嬉しい限りだ。
『コンコン、カチャッ』
「メアリー様。白湯をお持ちいたしました」
「ララ、白湯をありがとう。ジーク、白湯を飲ませて」
そう言うとメアリーは口を突き出した。オレに甘えて白湯を飲ませてほしいとか、フェロニア市の修道女である甘えん坊のアマリアに似ている。言われた通り白湯をゆっくりとメアリーの口内に流していく。プルプルしたピンク色の唇がエロいな。
「……メアリー様、ジークと何かあったのですか?」
「えっ? ううん、なんにもないのよ。本当になんでもないの」
ララがメアリーの指示で私室に持ってきた朝食も、デザートもオレがメアリーに食べさせてあげた。微妙な2人の空気感に周囲の者たちは、「何が起きたのだ?」という疑問の顔になっている。だがその異常な空気感を読めない者が1人いた。その娘はフルビアであった。
「ジーク、あとで少し剣の稽古をつけて欲しいっす。メアリー様を守るのにもっと強くなりたいっす」
「フルビアにしては珍しく良いアイディアですにゃ。ジーク、私も訓練をお願いしたいにゃ」
「珍しくとはひどいっす!」
食事が終わりゆっくりと寛いでいると、後方で立って控えていたEランク冒険者であったクリスタとフルビアが、自分たちを鍛えて欲しいと言ってきた。
「私は構いませんが、メアリー様、2人を鍛えてもよろしいでしょうか?」
「もちろん構わないわよ。今日は私も休養日だから、みんなで冒険者ギルドの訓練施設に行きましょう。練習後に最近、飛ぶ鳥を落とす勢いの女の子に人気のカフェ、オーボンビュータンに行きましょうか。いつも頑張ってくれている、みんなへの労いでご馳走するわよ」
「ええっ! メアリー様嬉しいですにゃ!」
「オーボンビュータンは一度行ってみたかったっす。でも貴族向けの店っすから、高くて私たちでは無理だったんす」
そんなに美味しいのか? オーボンビュータンって店は!? ティムガット市のカフェに行った時に、このラティアリア大陸にあるスイーツのレベルが分かったからな。フルーツに砂糖をぶちまけただけであった。一応、大陸一の巨大国家ヴァルビリス帝国にあるカフェだし、少しだけ期待してみるかな。
その後、馬車に乗って冒険者ギルドに向かった。到着するとメアリーとララが施設の使用許可を取りにギルドの受付カウンターに向かっていく。オレたち護衛3人は入口近くで待っている。
「あっ、メアリー様! ちわっす!」
「この間は酒をゴチになりました!」
「ポーションの寄付を助かります! うちの仲間がそれで命拾いしました」
メアリーが通ると冒険者から次々と声をかけられ、感謝の言葉をかけられている。彼女も笑顔で軽く手を上げてその声に答えている。メアリーって冒険者に人気があるのか?
「クリスタ、メアリー様は冒険者に人気があるのですか?」
「そうですにゃ。メアリー様って冒険者ギルドにずいぶんと物資や多額の援助をしているのですにゃ。それで命が救われた者が多数いるにゃ。大貴族なのに親しみやすい人柄とお美しい容姿もともなって、ずいぶんと冒険者に好かれているにゃ」
「命が助かったものもいるのですか?」
「そうっす。この国の国神がブライデン神様に変わってから、帝国では神官に転職することが出来なくなったっす。元々、帝国で生まれると神の加護を得にくくなるんで、エロース神殿に多くの《リカバリー/回復魔法》を使える神官がパルミラ教皇国から派遣されてきたっす。だけどこの間即位した皇帝陛下がエロース神信者を弾圧しちゃったんで、帝都から神官が1人もいなくなったっす」
帝都から神官を追い出すとは、皇帝は何を考えているのだろう。回復魔法が使えないとなると、高額なポーションを買うしか治療方法がなくなってしまう。回復魔法は神殿に行き、神官にかけてもらえば治療はすむので安い。しかし、ポーションは原材料を集めに行く冒険者、その素材でポーションを作る錬金術師、売るお店と、かなりの人を経由するので高いのだ。
「神官がいないのでは、確かに《リカバリー/回復魔法》を必要な人は困りますね」
「そうですにゃ。一番困ったのは怪我をする頻度の高い冒険者ですにゃ。怪我をしたときの治療に困った彼らは、生き延びる為に高額な回復ポーションを買わなくてはならなくなったにゃ。でもランクE以下の冒険者はその日を暮らすのが精一杯でポーションを買えないから、冒険者の死傷率がだいぶあがってしまったにゃ。それに手を差し伸べたのがメアリー様だったってわけにゃ」
冒険者はランクE、F、Gの割合が全体的には70%をしめると言われており圧倒的に多い。世界最高ランクであるアダマンタイトプレートを持つSランク冒険者は10名もいない。
ランクEのカッパープレートを持つ冒険者で、ようやく1人前と言われ自分の生活が成り立つ。だが回復ポーションを気楽に飲める、というほど豊かではない。
「それで物資と多額の寄付をされたのですね」
「そうっす。メアリー様の寄付で相場が銀貨5枚の回復ポーションを銀貨2枚で買えるようにしたっす。冒険者限定っすけどね」
メアリーの冒険者ギルドでの地位があがるのは当然だ。公爵令嬢という立場で一般平民が多くの冒険者に寄り添うという事は、なかなか出来ることではない。まあ、彼女が美しいという事も高評価の原因であるとは予想できるが。
「それはいいが、一般の道具屋やポーションを作り出している錬金術師のギルドには恨まれそうですね」
社会の構図として、利益を得るものがいたら、利益を失うものがいるのは必然だ。メアリーの行いは素晴らしいことだが、錬金術師ギルドとその利権に群がる貴族が不利益になることは避けられないだろう。既得権益という特権は甘美なる旨味をもたらしているのだから、それを失われるので公爵令嬢といえど暗殺ギルドなどから命を狙われるかもしれない。
「ブライデン神の神殿でメアリー様にしつこく絡んできた公爵がいたっすよね?」
「確か……レイブルバッハ公爵だったでしょうか?」
「そうっす。その公爵が錬金術と道具屋の利権に絡んでいるから、大損しているっすよ。メアリー様は何度もレイブルバッハ公爵に冒険者と帝国民が困っていることを話しに行ったんすけど、一切聞く耳を持ってくれないっす」
「メアリー様は優しいお方なので、見るに見かねて支援したにゃ」
「そうか! だから前にトウコツを仕掛けてメアリー様を殺害しようと攻撃をしてきていたの……」
「なになに? 何のお話で盛り上がってたのかしら?」
気がつくとメアリーとララが、訓練場の使用許可証を受付カウンターから取ってきていた。
「いえいえ、たいした話ではありません。さぁ訓練場に行きましょう」
みんな自分の得意な武器を持ち、冒険者ギルドの訓練場に向った。訓練場は帝都にあるということもあり、ラティアリア大陸の最大規模の大きさを誇る。数千人の冒険者たちが汗を流しながら訓練をしている。フェロニア市も数が多かったが、ここでも多くの冒険者が戦闘訓練をしている。
ラティアリア大陸では、大きな都市の周囲にはモンスターの襲来があった時のために巨大な防御壁がある。都市と都市間には街道が整備されており、行き来が活発になっている。
街道はある程度は整備されているものの、その間は深い森に覆われていることが多い。当然、モンスターの宝庫だ。素材収集や討伐の依頼が絶えることはないため、どこでも冒険者は必要とされている。
空いているスペースを適当に見つけて荷物を置き、アイテムボックスから野太刀を出した。重さ32トン、刀身320センチメートル、身幅82センチメートルもあり、刃長に反りが若干あるという巨大な日本刀だ。オレの巨大な野太刀を見た周囲にいる冒険者たちから「おお~」と驚きの声が聞こえる。
「なっ! なんだあのデカイ剣、本当に振ることが出来るのか?」
「メアリー様の護衛だぞ! 弱いわけがないだろ」
「はぁ~、あの護衛の男性、かっこ良すぎるわ。お名前を知りたいわ」
「信じられない! この世のものとは思えないくらい素敵ね。体の線も細くて顔も好みよ」
なんとなく雑音が聞こえるが、人気者であるメアリーの護衛というだけで目立ってしまうのは、クリスタたちの話でよく分かった。
「それでは私は防御に徹しているので、4人で同時に攻撃してきてください」
「「「はい!」」」
~~~戦闘開始
◎メアリー・グルノワール×1(1)
◎ララ・テシェイラ×1(1)
◎クリスタ×1(1)
◎フルビア×1(1)
イニシアティブは当然オレだが、待機を選択する。
次に速かったのは、なんと意外にもララだった。メンバーの中で最もか細い彼女は元冒険者のクリスタとフルビアよりも戦闘経験があるようには見えなかった。彼女の実家は商人から準男爵まで成り上がった下級貴族なので、隊商の中に入って各地を転々としていた時にモンスターと戦っていたのかもしれないな。
「えい、ええい!」
『ギィギィギィン』
野太刀で全ての攻撃を受け止める。
冒険者ギルドで借りたロングソードで上段から、3発の剣撃を斬り込んできた。下級職の攻撃回数はレベル÷7+1なので、彼女のレベルは少なくとも14以上だということだ。帝国軍人の標準より上か。ちなみに上級職の攻撃回数はレベル÷5+1である。
「にゃにゃ!」
『シュシュッ』
次にクリスタがスピアで2連突きを繰り出してきた。その突きは体を少し曲げただけでかわした。
「そい、そい!」
『ビュビュッ』
3番手はフルビアが、ロングソードで袈裟斬りをしてきたが、軽くバックステップでかわした。
「えいっ!」
『ギィン!』
『ザクッ』
「あっ! ジーク大丈夫!?」
「ええ、防御膜でダメージは無いのでご安心ください」
「クリティカルヒットが出てダメージがないとか、どんな防御力をしてるにゃ!」
~~~戦闘終了
最後にメアリーがダガーで突いてきたのを体を斜めにしてかわそうとしたが、クリティカルヒットが出て攻撃が当たってしまった。神のお遊びなのだろうが、どんなにレベル差があってもクリティカルヒットだけは、MMORPGモンスターバスターでは当たる仕様になっている。まあ、オレの場合、高い防御膜でダメージは0だが。
いきなり百分の一という確率のクリティカルヒットがでて急所を攻撃してくるとは、彼女のラック(幸運値)も大したものだ。ただ1発だったので、レベルは高くても6か。せっかく魔法を使用できる神の加護があるのに少しもったいない気がするが、エロース神の加護持ちだと知られると危険だから仕方ない。意図的に手加減して一発しか攻撃していない可能性もあるが。
「ジークは強いですね! かすりもしなかったわ。そのような大きな剣を装備しているのに、器用に動けるものですね」
「そうっすね! クリスタのスピアもサラッと避けちゃって、ジークさん素敵っす!」
「うふふ、ジークは私のだから、どんなに褒めてもあげないわよ」
そう言ってメアリーが腕に抱きついてきた。昨日、バター犬になり陰部を舐めまくったのがよほど気持ちが良かったのかもしれない。彼女との距離が急激に縮まり、よりフレンドリーになったな。周囲から見たらまるで恋人同士がイチャラブしているようにしか見えないだろう。
イチャイチャしていたら、《探査マップ/神愛》に冒険者ギルド方面からオレたちの方に真っ直ぐに歩いてくるマーカーがあった。
「メアリー様、誰かがこちらに近づいてきます。ご注意ください」
「え? 誰かしら。あら? あれは」
「メアリー、ここにいたのか」
「お父様! ヴォルブスブルク要塞から帰られたんですね!」
突然、訓練場にメアリーの父親が現れた。メアリーの父親であるグルノワール公爵はアルアバレル平原でのストュディオス王国との戦争に、息子のハブリッツォ・グルノワールと戦争に従軍していた。
「ああ、やっとストュディオス王国との戦後処理が終わった。その件でちょうど冒険者ギルドに寄っていてな。冒険者にも相当な被害が出てしまったのだよ。
そこでお前が訓練施設にいると、ギルドマスターのレッドフィールド君に報告書を渡したときに言われたのだ」
「……そうでしたか」
「すぐにでもグルノワール公爵家の今後について、お前と話し合わねばならないがよいな。もはや私の子はお前しかいなくなってしまった。先日のステュディオス王国との戦争でハブリッツォを失った事が、当公爵家にとって痛恨の極みであった」
グルノワール公爵家は2人の息子、1人の娘と全部で3人いたが、息子を2人とも戦争で失っていた。グルノワール家は跡継ぎがメアリーしかいなくなってしまった。だが彼女は女性である。帝国の法律で女性は家を継ぐことが出来ないため、婿を取り家を存続させるしか手段がない。
「……はい。あれほど強かったお兄様が亡くなってしまうなんて、今でも信じられません」
「うむ、非常に残念だが起きてしまったことは仕方ない。グルノワール公爵家の未来はお前にかかっているのだ。戦闘訓練を終わらせて、すぐに館に戻ってきなさい。家の今後について話し合うぞ。また後でな」
グルノワール公爵は久しぶりに娘のメアリーと会えたのに、用件だけ伝え、冒険者ギルドに戻って行った。
メアリーの兄は、アリアバレル平原の戦いで亡くなっていたのか。パックと2人で上から観ていた。確か大将同士の一騎打ちから、乱戦となり、最後はスタードラゴン傭兵団の団長エバンズの突撃で帝国が敗れたのだった。
「みんなごめんね。聞いていたとおりよ。すぐに帰り支度をしてお屋敷に戻るわよ」
「「「はい、メアリー様」」」
和気あいあいと戦闘訓練をしていたが、グルノワール公爵が来たことで微妙な空気になった。跡継ぎが1人でしかも女性となると、お家取り潰しとなるので焦るのも仕方のないことだ。その後、すぐにグルノワール公爵家に帰ることとなった。グルノワール公爵家の未来がかかっているという、最重要な課題を話し合うという事で皆が楽しみにしていたオーボンヴュータンは次回ということになった。
『フォンッ』
「チュンチュン、チュンチュン」
ナディアを自室に寝かせてから、再びグルノワール公爵邸に戻ってきた。すでに朝日が少し出てきており、夜の闇が明けてきている。長時間中出し育成を続けていたので、さすがに少し疲れて眠い。1時間ほど寝るとしよう。日本にいた時から睡眠時間は少し寝れば十分な方だった。異世界に来て神の肉体を得てからは、数日間睡眠を取らなくても全く問題がない。魔龍討伐メンバーが揃ったら戦力が整うまで、週6日でこのような生活をしないといけないと考えると今から良い訓練になりそうだ。
「よしよし、誰にもバレてはいないよな」
「魔法で音を消していたから、バレるはずないよ。においも潮吹きで出た液体も《クリーン/清浄》で消えるからね。今回はナディアの部屋、メアリーの部屋、ナディアの部屋、メアリーの部屋と転移魔法で飛びまくって忙しかったね~。あ、ふぁ~、さすがにオイラ眠いから寝るね。アレを出してよ」
「ああ、パックお疲れ様。ほら、鞄を出したからよく寝ろよ」
こういうときの為に作っておいたパック専用ベッドで横になってしまった。《クリエイトシリコン/創造》で作った特注の鞄で、中にはパックが寝れるベッドがある。しかもオレが歩いて揺れたとしても問題のないように、鞄の内部と外界の空間を遮断して固定をした。また鞄の外側は柔らかいシリコーン製のゴム、内側には硬いシリコンゴムを内蔵して二重構造となっており、見た目はただの鞄のように見えるから誰かに気がつかれることはない。またロックするようなボタンを付けなかったので万が一落としてもパックは自力で出てこれる。
『カチャッ』
「……おはようジーク」
「おはようございます。メアリー様。昨日はお疲れさまでした」
パックが睡眠を取りはじめると、入れ替わりに今度はメアリーが起きてきた。
「……………ううっ」
「ん? どうしました?」
「……ジークの前であんなに乱れてしまって恥ずかしいわ」
オレを見て、昨日のことを思い出した彼女はボッと耳まで真っ赤になり、両手に頬を当てて下を向いてしまった。いきなり処女を相手に股を開かせてペロペロ舐めるなどやり過ぎたか? しばらくお互いに何も言わず無言の時間が過ぎていったが、1階からメアリーが起きたことに気がついたララが階段を上がってきた。
「おはようございます、メアリー様、ジーク。私がメアリー様の着替えをお手伝いいたしますので、ジークはすぐに白湯を取ってきてもらえるかしら」
「はい、承知いたしました」
「ううん、ジークは私の側にいて。ララ、白湯を持ってきてちょうだい」
「メアリー様? はい、承知いたしました」
メアリーはララに白湯を持ってくるように指示をすると、オレの手を引っ張って自分の部屋にあるイスに座らせた。
そして反対側にあるイスに腰掛け、テーブルに両肘をつき、アゴに両手を添える。なかなか可愛い仕草だ。その後はずっと上目使いで、頬を赤く染めながら黙ってオレの目を見つめている。頬を赤らめている美少女に見つめ続けられるというのも悪くないな。オレもメアリーの心に答え、真っ直ぐに目を見つめ返す。思春期の微妙な空気感に部屋が包まれている。まさか45歳のおっさんが少女とこんな空気感を醸し出す事になるとは嬉しい限りだ。
『コンコン、カチャッ』
「メアリー様。白湯をお持ちいたしました」
「ララ、白湯をありがとう。ジーク、白湯を飲ませて」
そう言うとメアリーは口を突き出した。オレに甘えて白湯を飲ませてほしいとか、フェロニア市の修道女である甘えん坊のアマリアに似ている。言われた通り白湯をゆっくりとメアリーの口内に流していく。プルプルしたピンク色の唇がエロいな。
「……メアリー様、ジークと何かあったのですか?」
「えっ? ううん、なんにもないのよ。本当になんでもないの」
ララがメアリーの指示で私室に持ってきた朝食も、デザートもオレがメアリーに食べさせてあげた。微妙な2人の空気感に周囲の者たちは、「何が起きたのだ?」という疑問の顔になっている。だがその異常な空気感を読めない者が1人いた。その娘はフルビアであった。
「ジーク、あとで少し剣の稽古をつけて欲しいっす。メアリー様を守るのにもっと強くなりたいっす」
「フルビアにしては珍しく良いアイディアですにゃ。ジーク、私も訓練をお願いしたいにゃ」
「珍しくとはひどいっす!」
食事が終わりゆっくりと寛いでいると、後方で立って控えていたEランク冒険者であったクリスタとフルビアが、自分たちを鍛えて欲しいと言ってきた。
「私は構いませんが、メアリー様、2人を鍛えてもよろしいでしょうか?」
「もちろん構わないわよ。今日は私も休養日だから、みんなで冒険者ギルドの訓練施設に行きましょう。練習後に最近、飛ぶ鳥を落とす勢いの女の子に人気のカフェ、オーボンビュータンに行きましょうか。いつも頑張ってくれている、みんなへの労いでご馳走するわよ」
「ええっ! メアリー様嬉しいですにゃ!」
「オーボンビュータンは一度行ってみたかったっす。でも貴族向けの店っすから、高くて私たちでは無理だったんす」
そんなに美味しいのか? オーボンビュータンって店は!? ティムガット市のカフェに行った時に、このラティアリア大陸にあるスイーツのレベルが分かったからな。フルーツに砂糖をぶちまけただけであった。一応、大陸一の巨大国家ヴァルビリス帝国にあるカフェだし、少しだけ期待してみるかな。
その後、馬車に乗って冒険者ギルドに向かった。到着するとメアリーとララが施設の使用許可を取りにギルドの受付カウンターに向かっていく。オレたち護衛3人は入口近くで待っている。
「あっ、メアリー様! ちわっす!」
「この間は酒をゴチになりました!」
「ポーションの寄付を助かります! うちの仲間がそれで命拾いしました」
メアリーが通ると冒険者から次々と声をかけられ、感謝の言葉をかけられている。彼女も笑顔で軽く手を上げてその声に答えている。メアリーって冒険者に人気があるのか?
「クリスタ、メアリー様は冒険者に人気があるのですか?」
「そうですにゃ。メアリー様って冒険者ギルドにずいぶんと物資や多額の援助をしているのですにゃ。それで命が救われた者が多数いるにゃ。大貴族なのに親しみやすい人柄とお美しい容姿もともなって、ずいぶんと冒険者に好かれているにゃ」
「命が助かったものもいるのですか?」
「そうっす。この国の国神がブライデン神様に変わってから、帝国では神官に転職することが出来なくなったっす。元々、帝国で生まれると神の加護を得にくくなるんで、エロース神殿に多くの《リカバリー/回復魔法》を使える神官がパルミラ教皇国から派遣されてきたっす。だけどこの間即位した皇帝陛下がエロース神信者を弾圧しちゃったんで、帝都から神官が1人もいなくなったっす」
帝都から神官を追い出すとは、皇帝は何を考えているのだろう。回復魔法が使えないとなると、高額なポーションを買うしか治療方法がなくなってしまう。回復魔法は神殿に行き、神官にかけてもらえば治療はすむので安い。しかし、ポーションは原材料を集めに行く冒険者、その素材でポーションを作る錬金術師、売るお店と、かなりの人を経由するので高いのだ。
「神官がいないのでは、確かに《リカバリー/回復魔法》を必要な人は困りますね」
「そうですにゃ。一番困ったのは怪我をする頻度の高い冒険者ですにゃ。怪我をしたときの治療に困った彼らは、生き延びる為に高額な回復ポーションを買わなくてはならなくなったにゃ。でもランクE以下の冒険者はその日を暮らすのが精一杯でポーションを買えないから、冒険者の死傷率がだいぶあがってしまったにゃ。それに手を差し伸べたのがメアリー様だったってわけにゃ」
冒険者はランクE、F、Gの割合が全体的には70%をしめると言われており圧倒的に多い。世界最高ランクであるアダマンタイトプレートを持つSランク冒険者は10名もいない。
ランクEのカッパープレートを持つ冒険者で、ようやく1人前と言われ自分の生活が成り立つ。だが回復ポーションを気楽に飲める、というほど豊かではない。
「それで物資と多額の寄付をされたのですね」
「そうっす。メアリー様の寄付で相場が銀貨5枚の回復ポーションを銀貨2枚で買えるようにしたっす。冒険者限定っすけどね」
メアリーの冒険者ギルドでの地位があがるのは当然だ。公爵令嬢という立場で一般平民が多くの冒険者に寄り添うという事は、なかなか出来ることではない。まあ、彼女が美しいという事も高評価の原因であるとは予想できるが。
「それはいいが、一般の道具屋やポーションを作り出している錬金術師のギルドには恨まれそうですね」
社会の構図として、利益を得るものがいたら、利益を失うものがいるのは必然だ。メアリーの行いは素晴らしいことだが、錬金術師ギルドとその利権に群がる貴族が不利益になることは避けられないだろう。既得権益という特権は甘美なる旨味をもたらしているのだから、それを失われるので公爵令嬢といえど暗殺ギルドなどから命を狙われるかもしれない。
「ブライデン神の神殿でメアリー様にしつこく絡んできた公爵がいたっすよね?」
「確か……レイブルバッハ公爵だったでしょうか?」
「そうっす。その公爵が錬金術と道具屋の利権に絡んでいるから、大損しているっすよ。メアリー様は何度もレイブルバッハ公爵に冒険者と帝国民が困っていることを話しに行ったんすけど、一切聞く耳を持ってくれないっす」
「メアリー様は優しいお方なので、見るに見かねて支援したにゃ」
「そうか! だから前にトウコツを仕掛けてメアリー様を殺害しようと攻撃をしてきていたの……」
「なになに? 何のお話で盛り上がってたのかしら?」
気がつくとメアリーとララが、訓練場の使用許可証を受付カウンターから取ってきていた。
「いえいえ、たいした話ではありません。さぁ訓練場に行きましょう」
みんな自分の得意な武器を持ち、冒険者ギルドの訓練場に向った。訓練場は帝都にあるということもあり、ラティアリア大陸の最大規模の大きさを誇る。数千人の冒険者たちが汗を流しながら訓練をしている。フェロニア市も数が多かったが、ここでも多くの冒険者が戦闘訓練をしている。
ラティアリア大陸では、大きな都市の周囲にはモンスターの襲来があった時のために巨大な防御壁がある。都市と都市間には街道が整備されており、行き来が活発になっている。
街道はある程度は整備されているものの、その間は深い森に覆われていることが多い。当然、モンスターの宝庫だ。素材収集や討伐の依頼が絶えることはないため、どこでも冒険者は必要とされている。
空いているスペースを適当に見つけて荷物を置き、アイテムボックスから野太刀を出した。重さ32トン、刀身320センチメートル、身幅82センチメートルもあり、刃長に反りが若干あるという巨大な日本刀だ。オレの巨大な野太刀を見た周囲にいる冒険者たちから「おお~」と驚きの声が聞こえる。
「なっ! なんだあのデカイ剣、本当に振ることが出来るのか?」
「メアリー様の護衛だぞ! 弱いわけがないだろ」
「はぁ~、あの護衛の男性、かっこ良すぎるわ。お名前を知りたいわ」
「信じられない! この世のものとは思えないくらい素敵ね。体の線も細くて顔も好みよ」
なんとなく雑音が聞こえるが、人気者であるメアリーの護衛というだけで目立ってしまうのは、クリスタたちの話でよく分かった。
「それでは私は防御に徹しているので、4人で同時に攻撃してきてください」
「「「はい!」」」
~~~戦闘開始
◎メアリー・グルノワール×1(1)
◎ララ・テシェイラ×1(1)
◎クリスタ×1(1)
◎フルビア×1(1)
イニシアティブは当然オレだが、待機を選択する。
次に速かったのは、なんと意外にもララだった。メンバーの中で最もか細い彼女は元冒険者のクリスタとフルビアよりも戦闘経験があるようには見えなかった。彼女の実家は商人から準男爵まで成り上がった下級貴族なので、隊商の中に入って各地を転々としていた時にモンスターと戦っていたのかもしれないな。
「えい、ええい!」
『ギィギィギィン』
野太刀で全ての攻撃を受け止める。
冒険者ギルドで借りたロングソードで上段から、3発の剣撃を斬り込んできた。下級職の攻撃回数はレベル÷7+1なので、彼女のレベルは少なくとも14以上だということだ。帝国軍人の標準より上か。ちなみに上級職の攻撃回数はレベル÷5+1である。
「にゃにゃ!」
『シュシュッ』
次にクリスタがスピアで2連突きを繰り出してきた。その突きは体を少し曲げただけでかわした。
「そい、そい!」
『ビュビュッ』
3番手はフルビアが、ロングソードで袈裟斬りをしてきたが、軽くバックステップでかわした。
「えいっ!」
『ギィン!』
『ザクッ』
「あっ! ジーク大丈夫!?」
「ええ、防御膜でダメージは無いのでご安心ください」
「クリティカルヒットが出てダメージがないとか、どんな防御力をしてるにゃ!」
~~~戦闘終了
最後にメアリーがダガーで突いてきたのを体を斜めにしてかわそうとしたが、クリティカルヒットが出て攻撃が当たってしまった。神のお遊びなのだろうが、どんなにレベル差があってもクリティカルヒットだけは、MMORPGモンスターバスターでは当たる仕様になっている。まあ、オレの場合、高い防御膜でダメージは0だが。
いきなり百分の一という確率のクリティカルヒットがでて急所を攻撃してくるとは、彼女のラック(幸運値)も大したものだ。ただ1発だったので、レベルは高くても6か。せっかく魔法を使用できる神の加護があるのに少しもったいない気がするが、エロース神の加護持ちだと知られると危険だから仕方ない。意図的に手加減して一発しか攻撃していない可能性もあるが。
「ジークは強いですね! かすりもしなかったわ。そのような大きな剣を装備しているのに、器用に動けるものですね」
「そうっすね! クリスタのスピアもサラッと避けちゃって、ジークさん素敵っす!」
「うふふ、ジークは私のだから、どんなに褒めてもあげないわよ」
そう言ってメアリーが腕に抱きついてきた。昨日、バター犬になり陰部を舐めまくったのがよほど気持ちが良かったのかもしれない。彼女との距離が急激に縮まり、よりフレンドリーになったな。周囲から見たらまるで恋人同士がイチャラブしているようにしか見えないだろう。
イチャイチャしていたら、《探査マップ/神愛》に冒険者ギルド方面からオレたちの方に真っ直ぐに歩いてくるマーカーがあった。
「メアリー様、誰かがこちらに近づいてきます。ご注意ください」
「え? 誰かしら。あら? あれは」
「メアリー、ここにいたのか」
「お父様! ヴォルブスブルク要塞から帰られたんですね!」
突然、訓練場にメアリーの父親が現れた。メアリーの父親であるグルノワール公爵はアルアバレル平原でのストュディオス王国との戦争に、息子のハブリッツォ・グルノワールと戦争に従軍していた。
「ああ、やっとストュディオス王国との戦後処理が終わった。その件でちょうど冒険者ギルドに寄っていてな。冒険者にも相当な被害が出てしまったのだよ。
そこでお前が訓練施設にいると、ギルドマスターのレッドフィールド君に報告書を渡したときに言われたのだ」
「……そうでしたか」
「すぐにでもグルノワール公爵家の今後について、お前と話し合わねばならないがよいな。もはや私の子はお前しかいなくなってしまった。先日のステュディオス王国との戦争でハブリッツォを失った事が、当公爵家にとって痛恨の極みであった」
グルノワール公爵家は2人の息子、1人の娘と全部で3人いたが、息子を2人とも戦争で失っていた。グルノワール家は跡継ぎがメアリーしかいなくなってしまった。だが彼女は女性である。帝国の法律で女性は家を継ぐことが出来ないため、婿を取り家を存続させるしか手段がない。
「……はい。あれほど強かったお兄様が亡くなってしまうなんて、今でも信じられません」
「うむ、非常に残念だが起きてしまったことは仕方ない。グルノワール公爵家の未来はお前にかかっているのだ。戦闘訓練を終わらせて、すぐに館に戻ってきなさい。家の今後について話し合うぞ。また後でな」
グルノワール公爵は久しぶりに娘のメアリーと会えたのに、用件だけ伝え、冒険者ギルドに戻って行った。
メアリーの兄は、アリアバレル平原の戦いで亡くなっていたのか。パックと2人で上から観ていた。確か大将同士の一騎打ちから、乱戦となり、最後はスタードラゴン傭兵団の団長エバンズの突撃で帝国が敗れたのだった。
「みんなごめんね。聞いていたとおりよ。すぐに帰り支度をしてお屋敷に戻るわよ」
「「「はい、メアリー様」」」
和気あいあいと戦闘訓練をしていたが、グルノワール公爵が来たことで微妙な空気になった。跡継ぎが1人でしかも女性となると、お家取り潰しとなるので焦るのも仕方のないことだ。その後、すぐにグルノワール公爵家に帰ることとなった。グルノワール公爵家の未来がかかっているという、最重要な課題を話し合うという事で皆が楽しみにしていたオーボンヴュータンは次回ということになった。
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