87 / 101
第2章
第34話 ホリーの穴
しおりを挟む
「チュンチュン、チュンチュン」
朝、小鳥の鳴き声で目覚めると、ホリーが隣で安らかな吐息を立てて寝ている。目の辺りを見ると流した涙の跡が残っていた。オレに抱かれながら、しばらく会えない寂しさで泣いていたのだ。そう思うと帝国に遠征する高難度の依頼を受けた事、彼女に悪いなと罪悪感が残る。
「この可愛い寝顔もしばらく見納めだな」
オレとパックはこの後、帝国へ向け出発する。今回受けた依頼は長期に及ぶので、ホリーと次に会えるのは数ヶ月後になる。ラティアリア大陸で最も広大なヴァルビリス帝国の帝都ガイエスブルグまで、馬車で片道行くだけで6日ほどかかる。ただし、オレと随行予定のナディアはレベル5魔法の《フライ/飛行魔法》が使えるので、1日でガイエスブルグに到着をする。
強大なヴァルビリス帝国帝都ガイエスブルグと、帝国に続く大国であるステュディオス王国首都フェロニア間は意外だが近い距離にある。新しく即位した皇帝アレクサンダー・ハミルトンは平和路線を捨て、本格的にステュディオス王国の併合を目指している。そのため大臣たちの反対を粛清という形で押し切り、ステュディオス王国首都に最も近い巨大都市、ガイエスブルグ市への遷都を敢行したからだ。
どちらにせよ、ケイトから長期に渡る依頼を受けたので、ホリーとはしばらく会えない。昨夜の夜伽で無双超人ホリーはかつてない勢いで、オレの一物を蹂躙してきた。神液吸収のボーナス効果で彼女の戦闘能力を少しでも上げ、会えない間に彼女に何かあっても自分の命を守れるようにしたかったのでちょうど良かったと言えよう。今夜は神液吸収回数を限界までやってみた結果、とんでもない事になった。
ーーなんと1897回! 膣内に発射させられてしまった!
発射したのではない、発射させられたのだ! まさに人間の限界への挑戦だ。彼女の体を何度も何度も腰を振って貫くたびにオレが性的絶頂をむかえた。彼女の穴の中で蠢き、一物に絡みつくヒダのような物が異常な快楽をオレに与える。一往復する度にイカされるが、パックの性愛魔法《マカ/精力絶倫》ですぐに一物は穴から抜かずに復活した。抜かずの1897回という訳だ。無茶苦茶な話だよな。
今回はオレも対ホリーとの戦いに、とある作戦を立てていた。それは発射を最も深い場所にある偉大な女体の神秘というべき、ポルチオに神液をすべて当ててみるという事だった。
ポルチオとはクリトリスやGスポットとは違った女性の性感帯の一つであり、女性の性感帯の中で最も感じる部位と言われている。膣内の最奥に位置し、膣内で何度もイクことができる連続攻撃イキが出来るため、究極の快楽を得られる。ちなみにバックや騎乗位のように深く一物を挿れる体制でないとポルチオに届くことはない。
その効果もあり、ホリーははじめて体が弓なりになるほどの絶イキをしたようで、失神してしまい夜伽を終了した。ポルチオ発射連打はさすがの夜の無双超人も堪らなかったらしく、性的絶頂をむかえられた。
ヴァルビリス帝国に旅立つ前に、最後にホリーをイカせてあげた満足感がオレの胸を熱くさせた。この娘だけはパックの性愛魔法《センシティビリ/感度上昇》を使わずにイカせてあげたかったのだ。神レベルのオレがここまで頑張らないとイカないとか、マジでどんな穴だよ。彼女のステータスがどうなったのか《探査マップ/神愛》で見てみよう。
●名前:ホリー
●年齢:16歳
●種族:神族
●所属:ステュディオス王国フェロニア市、ランクGパーティー粉砕のミョルニル
●身長/体重:148/43
●髪型:茶髪ゆるふわ系ポニーテール
●瞳の色:黒色
●スリーサイズ:75/55/78
●カップ/形:C/皿型
●経験:セシルのみ、神液吸収2240回、第3次進化まであと97760回
●状態:睡眠
●職業:戦士
●レベル:21
●HP:617+13820=14437
●MP:563+12611=13174
●腕力:315+7056=7371
●体力:302+6764=7066
●敏捷:295+6608=6903
●知力:278+6227=6505
●魔力:285+6384=6669
●器用度:320+7168=7488
●スキル
戦鎚術2、戦闘技2
●エキストラスキル
ヘリングロゥシーリング/数の子天井
おわっ! これはすでにホリーは武の達人ケイトよりも圧倒的に強くなっちゃってるぞ。確か彼女の平均ステータスは1300前後だったはず。神液吸収スキル、恐るべし!
例えば腕力の場合、315がホリーの本来持っているステータスだ。神液吸収2240回だから、能力が2240%増加する。増加分の腕力は7056で合計7371ということだ。龍には全く勝てないが、オレを抜かすとホリーはすでにラティアリア大陸トップの強さなのでは!?
ま、まあこれで安心してホリーを置いてヴァルビリス帝国に行けるな。この後は帝国在留中にワガママ娘ナディアを心底屈服させ、主と奴隷という主従の関係をしっかりと築くことに集中するぞ。龍を討伐できるようになるまで、数千回も中出ししまくって彼女を強くしてやろう。ぐふふふふ♪
ーーーフェロニア市フェレール軍駐屯地
フェレール軍駐屯地にはケイト、ホリー、司教アリサ、アルフォンスがオレたち3人をお見送りしてくれていた。極秘の任務なのでお見送りは必要最低限で抑えた。ルーファスやガディたちにも教えていない。
「それじゃ、そろそろ行くぞ」
「ナディア様……店長……パック……行ってらっしゃいませ」
「ホリーもケイトの武術訓練を頑張ってね!」
「うん……私……頑張る」
ホリーは涙を浮かべながら別れの挨拶をする。
彼女のマーカーは「黄色薄緑ーー愛」になっていた。まだはじめて会ってから、そんなに時間は経っていないが、オレを心から愛してくれている。依頼を終え、ヴァルビリス帝国から戻って来た時に会うのが楽しみだな。きっとケイトの訓練で成長し、さらに自信に満ちた姿を見せてくれるであろう。
「セシル様、実は折り入ってお願いしたいことがございます」
エロース神殿の女司教アリサが真剣な顔をして話しかけてきた。
「話って何だ? 遠慮せずに言ってみなさい」
「ありがとうございます。実はヴァルビリス帝国帝都ガイエスブルグの修道士と、帝国との戦争がはじまってから連絡が取れなくなり、だいぶ経ちました。商人の伝手など、色々手を尽くしたのですが、消息すら掴めないのです。ガイエスブルグ教会に所属していた修道士たちの行方がどうなったのか、調べていただけないでしょうか?」
「分かった。ヴァルビリス帝国に着いたら調べてやろう。何かのトラブルに巻き込まれていたら、手厚く保護するとしよう」
「はい! 申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」
エロース神様の信徒は大事にしないとな。その辺を手抜きすると、神の世界に戻った時にエロース神様に嫌味でも言われそうだ。
「ホリー、アマリアに提供するクッキーは、毎日届けてあげてな」
「はい、店長……お任せください」
ホリーは連日の寝る間も惜しんでスウィーツ作りに励んできた。オレとパックの指導で70点の及第点にまで達し、人様に出せるレベルとなっている。アマリアに提供するクッキーを任せても大丈夫だ。
「ホリーとしばらく会えないの、オイラ寂しいよ」
「私も……とても寂しいわ……パック、気をつけてね」
「セシル、王女殿下を頼んだわよ。絶対に無事にフェロニア市に連れて戻ってきてね。絶対の絶対よ。この国には必要なお方なの」
「分かってるよ。安心して待ってろな。それよりも……依頼達成後のことは分かっているんだろうな」
「え!? ええ、あはははは! もちろん分かっているわよ。私は嘘をつかない女よ(まっ、なんとかなるでしょ)」
ジーッと見ていると、ケイトはサッと視線をそらして、不審者のように視線が上下左右へと動かし、瞬きの回数が増えた。この女、本当に惚れてくれるのか? 絶対に抱かれる気があるのか疑わしいよな。パフパフもまだ未払いだしな。今回はナディアを育てて魔龍討伐をしなくてはいけない件があるから依頼を受けるが。
「クゥーン、クゥーン、クゥーン、クゥーン」
「アルフォンスもまたなのじゃ。すぐ戻ってくるから、良い子にしておるのじゃぞ。それじゃあ行くかのう」
ナディアはアルフォンスの頭を名残惜しそうにナデナデモフモフしている。そして頭から手を離すと、呪文の詠唱をはじめる。それに合わせてオレも呪文を唱える。
《フライ/飛行魔法》
《フライ/飛行魔法》
一気に上空高くに飛び上がる。下を見ると、ホリーが泣きながら、両手を一生懸命に振っている。《探査マップ/神愛》でヴァルビリス帝国の方向を確認すると、そちらに向かって飛んでいく。
ーーーオーディン傭兵団主城ポルトヴェネレ
ルーファスのもとにステュディオス王国政府から命令書を持った高官が来ていた。高官はステュディオス王国の国旗を背にして上座に立ち、命令書を大きく広げた。ルーファスは、ステュディオス政府の高官に頭を下げて片膝をつき、手を胸に置いている。ルーファスの後ろにはオーディン傭兵団の幹部が横一列に並び、ルーファスと同様の姿勢を保っていた。
「四大将軍ルーファス、ステュディオス政府からの命令を伝える。国境ウィンクラウド要塞に駐留し、チェザレス山にて悪事を働く大規模な野盗の討伐を命じる」
「はっ! 謹んでお受けいたします」
ステュディオス政府の使者は命令を伝えると、玉璽の印が押された書簡を手渡し、それをルーファスは片膝の状態で丁重に受け取った。高官は任務を終了すると、すぐに護衛を引き連れて部屋を出て行った。
「なぁルーファス。最近、街で有名になっている超大規模な野盗団の討伐なんてぇ~、久しぶりにデカイ仕事だな。傭兵はどのくらい連れて行くんだ?」
「うむ、帝国との緩衝地帯に砦を作るとは、頭の切れる野盗どもだ。本来なら多めに傭兵を連れて行きたいところだ。だが敵の規模が大きいというところで討伐をするため多くの傭兵を連れて行くと、帝国側に宣戦布告したなどと曲解されるとまずい」
「だな。せっかく戦争も終わったばかりだしな。んじゃ少数精鋭か」
「そういうことになるわね。ルーファス、誰がリーダーで行くのが適任かしら? まだ吸収したポイズンファング傭兵団の者に警戒しなくちゃならないし。ねぇ~、ルーファス、えっと、私ならいつでも出発出来るわよ。っていうか、頼むから私に任せておきなさいよ」
ティナはルーファスの秘書的な役割を続けており、頭が固く金に汚い、既得権益に執着する国の上級貴族と会う日々を送っていた。そのような生活に嫌気が差していた。そろそろ自分の性分に合う自由奔放な傭兵生活に戻りたかった。
「いや、今回は私とガディ、ニコルの3部隊のみ300名で行くことにする」
「え~、勘弁してよルーファス~。そろそろ私を解き放ってよぉ~。セシルとデートもしたいのよね。ガディばっかり美味しいとこ取りでズルいわ」
「まっ、ティナ。今回は諦めて俺たちに任せるんだな。ガディは連れて行ってもらえて良かったな。ポイズンファングとの戦いに勝ち、傭兵団が大きくなったら、武門担当のお前はやることがなくなってずっと暇そうだったもんな」
『ドガッ!』
疲労困憊状態で椅子に力なくもたれかかっていたロンドが首だけ起こし、ニコルの言葉に憤慨してテーブルを蹴った。
「ガディが暇なんて、ニコルふざけんなよ! ポイズンファング所属の強い団員が増えて、このままだと部隊長の座がヤバイという理由で、毎日毎日毎日毎日訓練場でガディにフルボッコにされている俺様に謝れ! 見ろよこの全身にできたアザの数をよ!」
「ロンドは馬鹿ね。あなたが弱いから悪いんじゃない」
「チクショウ! いつかティナに勝って、俺様の足下に膝まづかせてやるぞ! 参りましたロンド様って、絶対に土下座させて言わせてやる!」
「あらロンド? 私ならいつでも挑戦は受けるわよ……そうね、あなたが私に勝ったら何でも1つ言うことを聞いてあげるわよ。私に勝・て・た・ら・ね♪」
ロンドは何度もティナに戦いを挑んでいるが、一度も勝ったことがない。傭兵は強さが法律であり、正義でもある。ティナに勝つ事ができれば晴れてロンドは副団長の座につくことができる。もう1人の副団長であるガディを倒すことは無理だと諦めているが、ティナなら届くはず! と思っている。
「おいおいティナ、ロンドをからかうのはそのくらいにしておけ。それとセシルにも回復役として軍に帯同してもらうから、ガディは依頼を冒険者ギルドに出しておいてくれ」
「ああ、分かっ……ん?」
『ドガドガドガドガドガドガッ、バーンッ!』
ロレンゾが扉を勢いよく開け、息を切らせながら執務室に飛び込んできた。
「おい、ロレンゾ騒がしいぞ!」
「はあはあはあ、それどころじゃありません! セシルさんが誰かの依頼で長期間、フェロニア市を留守にするそうです。今、ホリーさんと偶然そこで会って聞きました」
「おいおいマジかよ。セシルはフェロニア市にいないのかよ。せっかく野盗退治をして盛り上がろうと思ってたのによ。依頼に行く前にひと声かけて欲しかったよな」
「本当そうだよな。でも大事にしているホリーを置いていくとは結構危険な依頼なのかもしれないな」
「そうかもしれないわね。それより討伐には別の僧侶か聖騎士を探すしかないかしら。どうするのルーファス?」
「セシルがいないのはかなり痛いが依頼でフェロニアにいないのでは仕方ない。エロース神殿で《ハイリカバリー/上位回復魔法》まで使える聖騎士を雇うことにしよう」
「了解」
朝、小鳥の鳴き声で目覚めると、ホリーが隣で安らかな吐息を立てて寝ている。目の辺りを見ると流した涙の跡が残っていた。オレに抱かれながら、しばらく会えない寂しさで泣いていたのだ。そう思うと帝国に遠征する高難度の依頼を受けた事、彼女に悪いなと罪悪感が残る。
「この可愛い寝顔もしばらく見納めだな」
オレとパックはこの後、帝国へ向け出発する。今回受けた依頼は長期に及ぶので、ホリーと次に会えるのは数ヶ月後になる。ラティアリア大陸で最も広大なヴァルビリス帝国の帝都ガイエスブルグまで、馬車で片道行くだけで6日ほどかかる。ただし、オレと随行予定のナディアはレベル5魔法の《フライ/飛行魔法》が使えるので、1日でガイエスブルグに到着をする。
強大なヴァルビリス帝国帝都ガイエスブルグと、帝国に続く大国であるステュディオス王国首都フェロニア間は意外だが近い距離にある。新しく即位した皇帝アレクサンダー・ハミルトンは平和路線を捨て、本格的にステュディオス王国の併合を目指している。そのため大臣たちの反対を粛清という形で押し切り、ステュディオス王国首都に最も近い巨大都市、ガイエスブルグ市への遷都を敢行したからだ。
どちらにせよ、ケイトから長期に渡る依頼を受けたので、ホリーとはしばらく会えない。昨夜の夜伽で無双超人ホリーはかつてない勢いで、オレの一物を蹂躙してきた。神液吸収のボーナス効果で彼女の戦闘能力を少しでも上げ、会えない間に彼女に何かあっても自分の命を守れるようにしたかったのでちょうど良かったと言えよう。今夜は神液吸収回数を限界までやってみた結果、とんでもない事になった。
ーーなんと1897回! 膣内に発射させられてしまった!
発射したのではない、発射させられたのだ! まさに人間の限界への挑戦だ。彼女の体を何度も何度も腰を振って貫くたびにオレが性的絶頂をむかえた。彼女の穴の中で蠢き、一物に絡みつくヒダのような物が異常な快楽をオレに与える。一往復する度にイカされるが、パックの性愛魔法《マカ/精力絶倫》ですぐに一物は穴から抜かずに復活した。抜かずの1897回という訳だ。無茶苦茶な話だよな。
今回はオレも対ホリーとの戦いに、とある作戦を立てていた。それは発射を最も深い場所にある偉大な女体の神秘というべき、ポルチオに神液をすべて当ててみるという事だった。
ポルチオとはクリトリスやGスポットとは違った女性の性感帯の一つであり、女性の性感帯の中で最も感じる部位と言われている。膣内の最奥に位置し、膣内で何度もイクことができる連続攻撃イキが出来るため、究極の快楽を得られる。ちなみにバックや騎乗位のように深く一物を挿れる体制でないとポルチオに届くことはない。
その効果もあり、ホリーははじめて体が弓なりになるほどの絶イキをしたようで、失神してしまい夜伽を終了した。ポルチオ発射連打はさすがの夜の無双超人も堪らなかったらしく、性的絶頂をむかえられた。
ヴァルビリス帝国に旅立つ前に、最後にホリーをイカせてあげた満足感がオレの胸を熱くさせた。この娘だけはパックの性愛魔法《センシティビリ/感度上昇》を使わずにイカせてあげたかったのだ。神レベルのオレがここまで頑張らないとイカないとか、マジでどんな穴だよ。彼女のステータスがどうなったのか《探査マップ/神愛》で見てみよう。
●名前:ホリー
●年齢:16歳
●種族:神族
●所属:ステュディオス王国フェロニア市、ランクGパーティー粉砕のミョルニル
●身長/体重:148/43
●髪型:茶髪ゆるふわ系ポニーテール
●瞳の色:黒色
●スリーサイズ:75/55/78
●カップ/形:C/皿型
●経験:セシルのみ、神液吸収2240回、第3次進化まであと97760回
●状態:睡眠
●職業:戦士
●レベル:21
●HP:617+13820=14437
●MP:563+12611=13174
●腕力:315+7056=7371
●体力:302+6764=7066
●敏捷:295+6608=6903
●知力:278+6227=6505
●魔力:285+6384=6669
●器用度:320+7168=7488
●スキル
戦鎚術2、戦闘技2
●エキストラスキル
ヘリングロゥシーリング/数の子天井
おわっ! これはすでにホリーは武の達人ケイトよりも圧倒的に強くなっちゃってるぞ。確か彼女の平均ステータスは1300前後だったはず。神液吸収スキル、恐るべし!
例えば腕力の場合、315がホリーの本来持っているステータスだ。神液吸収2240回だから、能力が2240%増加する。増加分の腕力は7056で合計7371ということだ。龍には全く勝てないが、オレを抜かすとホリーはすでにラティアリア大陸トップの強さなのでは!?
ま、まあこれで安心してホリーを置いてヴァルビリス帝国に行けるな。この後は帝国在留中にワガママ娘ナディアを心底屈服させ、主と奴隷という主従の関係をしっかりと築くことに集中するぞ。龍を討伐できるようになるまで、数千回も中出ししまくって彼女を強くしてやろう。ぐふふふふ♪
ーーーフェロニア市フェレール軍駐屯地
フェレール軍駐屯地にはケイト、ホリー、司教アリサ、アルフォンスがオレたち3人をお見送りしてくれていた。極秘の任務なのでお見送りは必要最低限で抑えた。ルーファスやガディたちにも教えていない。
「それじゃ、そろそろ行くぞ」
「ナディア様……店長……パック……行ってらっしゃいませ」
「ホリーもケイトの武術訓練を頑張ってね!」
「うん……私……頑張る」
ホリーは涙を浮かべながら別れの挨拶をする。
彼女のマーカーは「黄色薄緑ーー愛」になっていた。まだはじめて会ってから、そんなに時間は経っていないが、オレを心から愛してくれている。依頼を終え、ヴァルビリス帝国から戻って来た時に会うのが楽しみだな。きっとケイトの訓練で成長し、さらに自信に満ちた姿を見せてくれるであろう。
「セシル様、実は折り入ってお願いしたいことがございます」
エロース神殿の女司教アリサが真剣な顔をして話しかけてきた。
「話って何だ? 遠慮せずに言ってみなさい」
「ありがとうございます。実はヴァルビリス帝国帝都ガイエスブルグの修道士と、帝国との戦争がはじまってから連絡が取れなくなり、だいぶ経ちました。商人の伝手など、色々手を尽くしたのですが、消息すら掴めないのです。ガイエスブルグ教会に所属していた修道士たちの行方がどうなったのか、調べていただけないでしょうか?」
「分かった。ヴァルビリス帝国に着いたら調べてやろう。何かのトラブルに巻き込まれていたら、手厚く保護するとしよう」
「はい! 申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」
エロース神様の信徒は大事にしないとな。その辺を手抜きすると、神の世界に戻った時にエロース神様に嫌味でも言われそうだ。
「ホリー、アマリアに提供するクッキーは、毎日届けてあげてな」
「はい、店長……お任せください」
ホリーは連日の寝る間も惜しんでスウィーツ作りに励んできた。オレとパックの指導で70点の及第点にまで達し、人様に出せるレベルとなっている。アマリアに提供するクッキーを任せても大丈夫だ。
「ホリーとしばらく会えないの、オイラ寂しいよ」
「私も……とても寂しいわ……パック、気をつけてね」
「セシル、王女殿下を頼んだわよ。絶対に無事にフェロニア市に連れて戻ってきてね。絶対の絶対よ。この国には必要なお方なの」
「分かってるよ。安心して待ってろな。それよりも……依頼達成後のことは分かっているんだろうな」
「え!? ええ、あはははは! もちろん分かっているわよ。私は嘘をつかない女よ(まっ、なんとかなるでしょ)」
ジーッと見ていると、ケイトはサッと視線をそらして、不審者のように視線が上下左右へと動かし、瞬きの回数が増えた。この女、本当に惚れてくれるのか? 絶対に抱かれる気があるのか疑わしいよな。パフパフもまだ未払いだしな。今回はナディアを育てて魔龍討伐をしなくてはいけない件があるから依頼を受けるが。
「クゥーン、クゥーン、クゥーン、クゥーン」
「アルフォンスもまたなのじゃ。すぐ戻ってくるから、良い子にしておるのじゃぞ。それじゃあ行くかのう」
ナディアはアルフォンスの頭を名残惜しそうにナデナデモフモフしている。そして頭から手を離すと、呪文の詠唱をはじめる。それに合わせてオレも呪文を唱える。
《フライ/飛行魔法》
《フライ/飛行魔法》
一気に上空高くに飛び上がる。下を見ると、ホリーが泣きながら、両手を一生懸命に振っている。《探査マップ/神愛》でヴァルビリス帝国の方向を確認すると、そちらに向かって飛んでいく。
ーーーオーディン傭兵団主城ポルトヴェネレ
ルーファスのもとにステュディオス王国政府から命令書を持った高官が来ていた。高官はステュディオス王国の国旗を背にして上座に立ち、命令書を大きく広げた。ルーファスは、ステュディオス政府の高官に頭を下げて片膝をつき、手を胸に置いている。ルーファスの後ろにはオーディン傭兵団の幹部が横一列に並び、ルーファスと同様の姿勢を保っていた。
「四大将軍ルーファス、ステュディオス政府からの命令を伝える。国境ウィンクラウド要塞に駐留し、チェザレス山にて悪事を働く大規模な野盗の討伐を命じる」
「はっ! 謹んでお受けいたします」
ステュディオス政府の使者は命令を伝えると、玉璽の印が押された書簡を手渡し、それをルーファスは片膝の状態で丁重に受け取った。高官は任務を終了すると、すぐに護衛を引き連れて部屋を出て行った。
「なぁルーファス。最近、街で有名になっている超大規模な野盗団の討伐なんてぇ~、久しぶりにデカイ仕事だな。傭兵はどのくらい連れて行くんだ?」
「うむ、帝国との緩衝地帯に砦を作るとは、頭の切れる野盗どもだ。本来なら多めに傭兵を連れて行きたいところだ。だが敵の規模が大きいというところで討伐をするため多くの傭兵を連れて行くと、帝国側に宣戦布告したなどと曲解されるとまずい」
「だな。せっかく戦争も終わったばかりだしな。んじゃ少数精鋭か」
「そういうことになるわね。ルーファス、誰がリーダーで行くのが適任かしら? まだ吸収したポイズンファング傭兵団の者に警戒しなくちゃならないし。ねぇ~、ルーファス、えっと、私ならいつでも出発出来るわよ。っていうか、頼むから私に任せておきなさいよ」
ティナはルーファスの秘書的な役割を続けており、頭が固く金に汚い、既得権益に執着する国の上級貴族と会う日々を送っていた。そのような生活に嫌気が差していた。そろそろ自分の性分に合う自由奔放な傭兵生活に戻りたかった。
「いや、今回は私とガディ、ニコルの3部隊のみ300名で行くことにする」
「え~、勘弁してよルーファス~。そろそろ私を解き放ってよぉ~。セシルとデートもしたいのよね。ガディばっかり美味しいとこ取りでズルいわ」
「まっ、ティナ。今回は諦めて俺たちに任せるんだな。ガディは連れて行ってもらえて良かったな。ポイズンファングとの戦いに勝ち、傭兵団が大きくなったら、武門担当のお前はやることがなくなってずっと暇そうだったもんな」
『ドガッ!』
疲労困憊状態で椅子に力なくもたれかかっていたロンドが首だけ起こし、ニコルの言葉に憤慨してテーブルを蹴った。
「ガディが暇なんて、ニコルふざけんなよ! ポイズンファング所属の強い団員が増えて、このままだと部隊長の座がヤバイという理由で、毎日毎日毎日毎日訓練場でガディにフルボッコにされている俺様に謝れ! 見ろよこの全身にできたアザの数をよ!」
「ロンドは馬鹿ね。あなたが弱いから悪いんじゃない」
「チクショウ! いつかティナに勝って、俺様の足下に膝まづかせてやるぞ! 参りましたロンド様って、絶対に土下座させて言わせてやる!」
「あらロンド? 私ならいつでも挑戦は受けるわよ……そうね、あなたが私に勝ったら何でも1つ言うことを聞いてあげるわよ。私に勝・て・た・ら・ね♪」
ロンドは何度もティナに戦いを挑んでいるが、一度も勝ったことがない。傭兵は強さが法律であり、正義でもある。ティナに勝つ事ができれば晴れてロンドは副団長の座につくことができる。もう1人の副団長であるガディを倒すことは無理だと諦めているが、ティナなら届くはず! と思っている。
「おいおいティナ、ロンドをからかうのはそのくらいにしておけ。それとセシルにも回復役として軍に帯同してもらうから、ガディは依頼を冒険者ギルドに出しておいてくれ」
「ああ、分かっ……ん?」
『ドガドガドガドガドガドガッ、バーンッ!』
ロレンゾが扉を勢いよく開け、息を切らせながら執務室に飛び込んできた。
「おい、ロレンゾ騒がしいぞ!」
「はあはあはあ、それどころじゃありません! セシルさんが誰かの依頼で長期間、フェロニア市を留守にするそうです。今、ホリーさんと偶然そこで会って聞きました」
「おいおいマジかよ。セシルはフェロニア市にいないのかよ。せっかく野盗退治をして盛り上がろうと思ってたのによ。依頼に行く前にひと声かけて欲しかったよな」
「本当そうだよな。でも大事にしているホリーを置いていくとは結構危険な依頼なのかもしれないな」
「そうかもしれないわね。それより討伐には別の僧侶か聖騎士を探すしかないかしら。どうするのルーファス?」
「セシルがいないのはかなり痛いが依頼でフェロニアにいないのでは仕方ない。エロース神殿で《ハイリカバリー/上位回復魔法》まで使える聖騎士を雇うことにしよう」
「了解」
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
【R18】セックス・ダンジョンでハーレム生活
ねんごろ
ファンタジー
僕はアトレント公爵家の次期当主、サイモン・アトレントだ。
我が一族には代々伝わる修行がある。
それに僕も挑戦することになるのだが……
まさか、その行き先がセックス・ダンジョンだったなんて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる