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第3章
第3話 セクシュアリティーチェック
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ーーーヴァルビリス帝国プレマ村近郊、ステュディオス王国諜報部隊の隠れ家
隠れ家の洞窟を出ると、いまだ強い光を宇宙から地上へと放っている恒星が高い位置にある。その位置から予測すると、まだ昼前というところだろうか。異世界には時計がないので、おおよその時間が分かるだけだ。
朝、ホリーと別れてステュディオス王国首都フェロニア市を出たばかりなのに、昼前には目的地であるプレマ村近郊に到着した。レベル5魔法《フライ/飛行魔法》はとても便利だ。馬車なら6日ほどかかる距離がわずか数時間で到着してしまう。
だがそれ以前にラティアリア大陸のニ大強国の首都はわずか6日という近接した場所にある。通常ならば、国の首都は国家の政治、経済、軍事とすべての中心であるので、他国から攻められやすいところに置くことはありえないことだ。この極めて珍しいケースの場合、その理由は2つあった。
1つめの理由は、ステュディオス王国の前王朝であるイシュタル王国がオルドリッジ王にクーデターを起こされる前は、もっと国土の中央に近いウィンザー市が首都であった。だがクーデターが成功して新国家樹立してから、フェロニア市にある地下大迷宮からもたらされる豊富な資源に以前から目をつけていたヴァルビリス帝国が、度々国境を越えて侵攻をしてくるようになった。フェロニア市を占領されてしまうと、国民一千五百万人と国家の収入源の大黒柱のひとつが失われてしまう。そのため、国の最高戦力であるオルドリッジ王自ら、フェロニア市を守るために遷都を行った。
2つめの理由は、数年前に新皇帝に即位した皇帝アレクサンダー・ハミルトンがラティアリア大陸統一を目指しており、ステュディオス王国だけでなく、他の国にも戦争を仕掛けている。すでにいくつかの小規模の国家は滅亡している。そのため、軍事費が国庫を圧迫していることの解消手段として、巨大都市であるガイエスブルグ市とフェロニア市間で連結をし、密接な交流をさせることで経済を回していく。この2つの市の人口を足すと4千万人近くにまでなり、大変な経済効果が期待できるというものである。
そのために現皇帝は国内の反対派を大粛清し、ガイエスブルグ市に遷都を強行したのだった。
そのような理由で2つの大都市はわずか馬車で6日という近距離にある。
『ガタガタッ、ガタガタッ、ガタガタッ』
プレマ村から馬車でオレたちは帝都ガイエスブルグに向かっている。帝都に近い街道なので、馬車2台が余裕で通れるほどに、道は綺麗にレンガを敷き詰めて整備されている。
「馬車で小一時間も走るとガイエスブルグ市に到着します。その前に設定の確認をさせていただきます。こちらがセシル様の身分証です」
ダフは四角い身分証を手渡してきた。それを受け取って書いてある内容を見る。すると身分証の名前がジークフリードと書いてあった。
「!? 名前がジークフリードって書いてあるぞ」
「はい、セシル様は今からフェロニア市で中堅冒険者のシルバープレート、Dランク冒険者ジークフリードと名乗っていただきます。そして、ある依頼のため、緩衝地帯で探索中に野盗に捕まり奴隷にされましたが、私の隊商に助けられ、帝都ガイエスブルグに連れて来られたという事にしてください」
「でもさ! 真実の石にかけられたら、嘘とバレちゃうんじゃない?」
パックの疑問も最もだ。真実の石は、嘘か真実かを見抜くという単純なシステムだけに、オレでも騙すことは出来ない。
「奴隷の過去に、そこまで気をつけることはないでしょうから大丈夫です。奴隷になるような者は、大抵ろくな過去がないものですからね。さて、そろそろ鉄錠も両手両足にはめさせていただきます。帝都ガイエスブルグに到着です」
「じゃあオイラ、アイテムボックスに入るね」
《インビシブル/透明化》
『フォンッ』
「おおっ! パック様は凄いですな! こんな魔法があるって初めて知りました」
「驚いただろう。アイテムボックス持ちは眷属を持つととても便利なのだよ。きっと褒められたパックも今頃鼻が高くなって喜んでいるぞ」
帝都ガイエスブルグは高さ30メートルの城壁に囲まれた城塞都市だった。人口は2000万人以上のラティアリア大陸最大の大都市だ。《探査マップ/神愛》を拡大して見ると、その巨大な都市の全貌が見えてくる。
皇帝の住まう皇宮ハーレックを中心に円形に形作られている。外側から平民、下級貴族、上級貴族が住むエリアと分けられており、一区画ごとに高い防御壁が備わっている。その辺りはフェロニア市やパルミラ教皇国と同じようだ。どの場所から攻められたとしても、国のトップが危険にさらされにくい都市づくりという事だな。
馬車は入り口で厳重にチェックされ、3時間待たされたものの、夕方には無事に入る事ができた。その後は平民が住むエリアの中にある商人地区に向け馬車を進め、大きな庭園がある屋敷の中に入っていった。屋敷の前に女性がメイド服を着て立っている。奴隷商館のメイドだけあり、厳選された美しい女性で名前をアリエルというそうだ。彼女は目尻が下がり瞳がぱっちりと大きな所が印象的な、癒し系美人である。身体は細身のスレンダー系なので、残念ながら胸はBカップといったところだ。
「ダフ様、ようこそおいでくださいました。メイフィールドはあいにく商談中です。応接室で少々お待ちください」
「うむ、よろしく頼む」
屋敷に入ると、癒やし系美人メイドのアリエルが応接室にまで案内してくれた。メイフィールドはヴァルビリス帝国でも有名な奴隷商人だそうだ。奴隷商人というくらいだから鉱山奴隷や性奴隷などを扱うイメージがあり、個人的にはあまり印象は良くない。
『ガチャッ』
しばらく応接室で待っていると、扉を開けて入ってきたのは30代ほどの太り気味で腹が出ている男だった。愛嬌のある笑みが印象深い、優しそうな雰囲気の中年男性である。
「これはダフ様、いつもご利用いただきありがとうございます。今日も奴隷を買い取らせていただきます。おお! な、なんという美少年なのでしょう。これは高く買い取らせていただきますぞ!」
ダフたちはいつも利用しているのか? そうやって違和感なく、奴隷と偽って諜報員を様々な所に送り込み、情報網を広げているのだろう。万一何かが起こっても首輪を外して逃げればいいので簡単だしな。馬車の中で首輪の外し方も教わっていた。通常なら主人に逆らったり、傷つけようとすると閉まる首輪も、当然ダミーなのでそのような事にはならない。外すときは首輪の内側に指を入れてボタンを押すだけで外れる仕組みだ。
「今回は私の隊商がアルル公国の周辺を通りかかったときに、野盗との戦いになりましてな。撃退したら、この男が野盗に捕まっていたのですよ。素晴らしい商品でしょう! しかも、何と暗黒魔法と神聖魔法が使える賢者なのです! しかもレベル30のマスターレベルです」
この異世界ではレベル30を超えると、レベル3のスキルや魔法が使えるようになる。そこまでレベルが上がるとマスターレベルと言われており、達人級だと認められる。
「なななな、なんですと! ただの加護持ちでもこの5年ほどは奴隷オークションで販売された事がありません。それなのに凄まじく貴重な賢者のマスターレベルの者となると、価値がとてつもなく跳ね上がることは疑いようがありません。賢者の奴隷など市場に出たのは間違いなく史上初でしょう……むむむ、値段は……そう……う~ん……白金貨1500枚ではいかがでしょう?」
メイフィールドはうんうんと唸りながら、ソロバンをパチパチと鳴らして何かを計算していたが、最終的には白金貨1500枚というところで落ち着けたようだ。
「ぶっ!」
うげ! 白金貨1500枚って、日本円で15億円か。ずいぶん高く売れそうだ。魔法で姿を隠して肩に座っているパックから、料金の高さに驚いて吹く音が聞こえてきた。
「良いでしょう。いつも奴隷を買っていただいていますから、その値段で結構です」
「おおっ! 即決とはありがたいことです。さすがダフ様は決断力がいつも素晴らしいですな。それでは商談成立ということで。いやいや、しかし賢者とは今だに信じられませんが、実際に目の前にいるので信じるしかありませんな。ダフ様は信じておりますが、一応確認させていただきますぞ」
《アプレイザル/鑑定》
『フォンッ』
「いかかでしたかな?」
メイフィールドはダフの質問には答えず、右手を差し出した。2人は固く握手を交わした。契約書を書いてお金を受け取ると、ダフはチラッとオレの目を見て頷くと扉から出ていった。ちなみに鑑定を使われたとき、隠蔽を使ってレベル30賢者ということにしておいた。ステータスの数値も適当だ。
「やあ、君のような加護付き超絶美少年は、長く奴隷商人をしているが初めて扱うよ! 本当に来てくれてありがとう! うちは奴隷を扱っているといっても、売り手を選んでいるんだ。変な性癖や暴力をふるいそうな馬鹿な貴族には売らないから安心しなさい。あとの説明はアリエルから聞いてくれ。下がっていいぞ。
あ、アリエル、もちろんボディチェックを忘れずに頼むよ。ちょっと急だが明日の奴隷オークションで出品するからな」
「はい、承知いたしました。旦那様」
メイフィールドは奴隷にも傲慢に当たることがなく、わりと好感の持てる奴隷商人だった。それにしてもボディチェックって何のことだろう。身長や体重でも測るのだろうか。アリエルの顔が微妙に赤くなっているのも気になる。
「それではジークフリードさん、こちらへどうぞ」
奴隷メイドのアリエルについていくと、5階にある部屋に通される。その部屋は清潔で、なおかつベッドもある1人部屋になっていた。
「え? 奴隷なのに1人部屋なのか?」
「はい、ジークフリードさんは特別に1人部屋です。あなたの容姿に嫉妬した奴隷が、顔に傷でもつけたら大変な損失ですからね。女の私から見ても、肌が白くて傷もない綺麗な肌です」
アリエルはオレの頬を両手でフワッと触ると微笑んだ。
「そうなのか。褒めてもらえて嬉しいよ」
「いえ。それで今後についてお話しいたします。通常ならジークフリードさんに、貴族に応対する時の礼儀や、奴隷としてのルールなどを教えるのです。ですが、よりによって明日、ヴァルビリス帝国最大規模の奴隷オークションがあるのです。上級貴族も多数いらっしゃいます。そこに急遽ジークフリードさんを出品させていただきます」
アリエルは申し訳無さそうな顔でそう言った。明日、奴隷オークションがあるのは想定済みだから、なんの問題もない。計画通りに進めばバッジョ準男爵家が購入することもすでに決まっている。
「オレは明日、売られるのか?」
「はい、大変急で申し訳ないのですが。本当に申し訳ございません」
深く頭を下げ、心からお詫びをするアリエルは優しい女の子だった。申し訳ないという気持ちが伝わってくる。
「頭をあげてほしい。別に不愉快に思ったりしていないから」
「ありがとうございます。それでは今からお体を流させていただいて、色々な所をチェックさせていただきます」
え? 色々なところってどこだろう? こんな優しくて癒し系美人なアリエルさんが背中を流してくれるとは、興奮して一物が今にも反り返りそうだ。
「それではお風呂場へご案内いたします。こちらへどうぞ」
アリエルについて行くと、10人ほどが一緒に入れる大きさの湯船があるお風呂場に入って行った。このような大きな風呂に1人で入らせてくれるとは、奴隷を手厚く扱ってくれて緊張しなくてすむ。
「それじゃあ、お風呂に入ってくるな」
服を脱ぎ、スタスタお風呂場に入っていくと、日本人らしくお湯を手桶で汲んでバシャッと体にかける。お湯の温度を手ではかると、意外にもちょうど良い湯加減だった。お湯の温度は43°というところか。
『カラカラカラッ』
適当に温まっていると、ドアが空いてメイドのアリエルが入ってきた。彼女は薄い白装束を頭からすっぽりと被っている。なんだよ、ここは裸で入ってくる展開だろ。ふざけるなよ。
「チッ」
左肩から舌打ちが聞こえてくる。どうやらパックもアリエルが裸で来るのだろうと思っていたようだ。彼女のエロいスレンダーボディを見ることを楽しみにしていたらしい。
「お待たせいたしました。それでは最初に後ろから流させていただきます」
『シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、シャコ』
異世界にはシリコン製のスポンジなどないため、布で石鹸を泡立てて、背中側を丁寧に丁寧に洗ってくる。ちょっと、こそばゆいが、気持ちが良い♪ 女の子の手つきって、優しくてエロいよな。背中側をひと通り洗い終わると、オレの前側に移動してきた。
「では次に前を洗わせていただきます」
『シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、シャコ』
アリエルは布を石鹸で泡立て、次に前側を優しい手つきで洗ってくる。一物の裏側も持ち上げて洗い、肛門の辺りもサワサワと、触れるか触れないかという感じで洗った。最後にお湯を肩から全身をかけて終了となった。
「これでお身体の方は終了です。痛くなかったですか?」
「全く痛くなかったぞ。気持ち良すぎて勃起しそうだった」
前側は気持ちが良すぎてヤバかったな。一物が勃起してきそうなのを気合で我慢する。勃起してしまい、アリエルみたいな良い娘に、変態的な目で見られるのは避けたいからな。オレは日本人だから、アリエルのような謙虚でおしとやかな女性が1番好みなのだ。
「うふふ、ご冗談を。それではお身体の方のチェックをさせていただきます。失礼します」
「ああ、いくらでも調べてくれ」
アリエルは体を洗い終わり、傷があるかどうか、入念にチェックをしていた。ボディチェックって体が健全かどうか、切り傷や火傷のあとなどないかを調べることだったようだ。そういったものがあると、当然、奴隷としての価値が下がるからな。
「綺麗……ジークフリードさんは元冒険者だと聞いておりましたが、本当に傷一つない真っ白なお体ですね。それに体の線は細いですが、決して弱いわけではなく、筋肉が固く引き締まっているのですね。それでは次にセクシュアリティチェックを……いたします」
「え? セクシュアリティチェックって何のこと……ぐわっ!」
アリエルは桶のお湯で体を流したあと、前側から椅子に座っているオレの腰に両手を回した。そして腰の辺りで手をロックし、一物を自分の口に含み、喉の奥深くまで咥え入れた。可愛らしいアリエルのお口にすっぽりとおさまったオレの一物は即座にフル勃起してしまった。
『ジュッポ、チュッポ、ジュッポ、チュッポ』
「ちょっ、アリエル待って!」
「んむむ、まひまひぇんよ。ブブッ、ブブブブッ」
一物を可愛いお口で咥えながら、アリエルは話した。彼女のフェラテクは凄まじく、一物は前後に擦られ蹂躙されている。一物を吸うバキューム力も強く、吸われながら擦られると一物の根本から腰が抜けそうになる。想定外にパワフルなバキュームフェラですぐに発射しそうになる。
「くくくっ、もう、イキそうだアリエル」
「わたひのおくひの中でイッへいいへすよ」
『ジュッポ、グッポ、ジュッポ、ジュッポ』
「っく、もうイクぞ!」
「んむ!」
『ドプッ、ドプッ、ドプッ』
フィニッシュはアリエルの頭を一物に押しつけながら、口内に神液を思いっきり出してしまった。いや~、気持ち良かった、ぐふふふ♪ ちょっと、サプライズで驚いたがな。
『コクッ、コクッ、コクッ、コクッ』
うわっ、オレの神液を全部飲んでくれちゃったよ。これがセクシュアリティチェックなのか? 神液をすべて飲み終わると、アリエルはお口の周りに残った神液を舌なめずりをして舐めとった。女の喜ぶ理想の一物5代要素をすべて達成しているオレの一物を咥え、いつも冷静なアリエルも興奮し、顔が紅潮している。
「うふふっ、一杯私のお口の中に出しましたね。奴隷を売る際に、詳細を記入欄する所がありまして、肌の傷やセクシュアリティを間違ってしまうとトラブルの元なんです。ですので、女で一物が勃起するかを確認する必要があります」
神液を全て飲み終わったアリエルは微笑んで、その他のセクシュアリティの説明と質問をしてきた。フェラチオをして少し性的に興奮をしたのか頬が赤い。
「アリエルも大変だな。奴隷の男は色々といるだろう。そのたびに精液を飲んでいては辛いだろう?」
その言葉を聞いたアリエルは冷静な大人の女性から、ボッと耳まで赤くなり、俯いて純情な少女のように雰囲気が変わった。冷静なメイドを装っていたが、こちらの方が本当のアリエルのようだった。
「はい、通常は勃起と手コキで射精が出来るかを確認するだけで終わりなのです。ですが、ジークフリード様は特別なんです」
「うん? それはどういう意味なんだ?」
「私がこの奴隷商会に来てから、会った人の中で圧倒的に1番素敵な殿方でしたので……つい必要のない事までやってしまいました。って言わせないで下さい、うふふ」
『ちゅっ、んちゅ、んんむ、ちゅっ』
そう言いながら照れて微笑むアリエルだったが、立ち上がると顔を寄せてきてキスをしてきた。先程のフェラチオで興奮していたのが冷めていなかったようで、舌を奥まで入れて絡めてきた。
ーーーステュディオス王国、四大将軍三位クララ・ビュレル主城モンフェラート
四大将軍第三位クララ・ビュレルは寝室で愛する女ペトラと夜伽を楽しんでいた。ビュレルは男ではなく女性が好きだという性癖を持っているレズビアンであった。双頭タイプのディルドをお互いの膣内に挿入し、ビュレルは盛んに腰を振り続けている。
『クッチュ、グッチュ、ズリュッ、グッチュ』
「ああ、クララ様ぁ~、気持ち良くて私、どうにかなっちゃいそう。またイ、イキそう……はぁああああ~!」
「はぁはぁはぁ、ふふふっ、可愛い娘ねペトラ。いつでもイッていいんだよ。ほらっ」
『クチュ、グチュ、クチュ、グチュ、クチュ、グチュ』
双頭タイプのディルドで、優しくペトラを貫いていたが、急に激しくピストン運動をはじめた。陰核と乳首を軽く擦る。
「あああああああ! クララ様! クララ様ァ! 私、私もう……イッちゃいそうです! んんんん、イクゥ~~~~~~!」
『ブシャ、ブシャ、ブシャ~~~~』
ビュレルの胸にペトラは体を預けて失神した。レズビアンの夜伽は底なしだという。ペトラはすでに12回もイカされていた。女同士のセックスは男のセックスと違い、何度性的絶頂をむかえても性への情動はおさまらないのが特徴である。
『コンコンッ』
「ビュレル様、イシュタル公爵閣下が参られました」
「うむ、入っていいぞ」
『ガチャッ』
「うん? な、なにっ? これは……ビュレル殿どういうことですかな」
旧イシュタル王国王族であるクラウディオ・イシュタルは、ビュレルの主城を訪れていた。オルドリッジ王は呪い(公式発表は病気である)の影響で、その命は風前の灯だということは上級貴族は誰でも知っている。そのため次の王になるという野望を持つ者たちの活動がステュディオス王国中で活性化していた。その中でもオルドリッジ王の娘である第一王女シャルビーが最有力候補であるが、その対抗馬としてクラウディオ・イシュタルの名前があった。イシュタルがビュレルのもとを本日、訪れた理由も自身の派閥と野党連合を組んで欲しいと協力要請をするためであった。
ステュディオス王国は世襲によらず、元老院で選挙をして国王を選ぶという選挙君主制である。大公爵から男爵までの上級貴族にのみ選挙権があり、下級貴族には選挙権はない。
現在、ステュディオス王国の選挙権を持つ上級貴族は810家あり、大きく分けると派閥は4つある。その1つである第二党の王党派筆頭のイシュタルは185家を束ねていた。第四党の中立派筆頭のビュレルは140家を束ねている。
イシュタルはいつもの応接室ではなく、ビュレルの寝室に通された。つい先程まで夜伽をペトラとしていたので、寝室内は女同士のセックスの後の野手的な匂いで充満していた。
「ああ、ここはあたしの寝室だよ。イシュタル卿の手紙は読んだわ。これがその答えよ」
「どういう意味ですかな?」
「あたしがイシュタル卿に手を貸す条件は1つのみさ。イシュタルの宝石をあたしに寄こしな」
「なっ! 我が妹であるイングリッドが欲しいというのか!」
イングリッド・イシュタルーー通り名イシュタルの宝石。旧イシュタル王国王族筆頭クラウディオ・イシュタルのたった1人の妹である。つい先日、16歳で成人し、貴族の社交界の場にデビューしたばかりの新星であった。その容姿のあまりの光り輝く美しさに、貴族たちは彼女との関係を望み、敬意を込めてイシュタルの宝石という通り名がついた。
「くくくくっ、そうだよ。イシュタルの宝石があたしの物になるなら、次の国王選定にイシュタル卿サイドについてやろう。四大将軍第一位であり、民衆派筆頭ダビド・エバンズが魔王セオドラをクラウス・オルドリッジともに倒した旧知の仲である以上、間違いなく奴は第一王女シャルビーにつくだろう。四大将軍第ニ位ルディ・アルベールは政治に全く関心がないし、四大将軍になったばかりのルーファスはまだ政治力が乏しく力がない。要はあたしの協力がないと、イシュタル卿は国王には絶対になる事ができないんだよ」
侯爵クララ・ビュレルの派閥を取り込む事は、6割近い圧倒的な勢力を誇る現国王オルドリッジの派閥を倒すために絶対条件となっていた。情報によるとオルドリッジ王の崩御はほぼ確実だという。その前に敵の派閥にくさびを打ち込み、切り崩して自身の持つ派閥に取り込んでおかなければ、次の国王選挙に間に合わないという事は百も承知であった。そのためクラウディオ・イシュタルは焦っていた。愛する妹を悪い噂の絶えないビュレルにくれてやるなど、考えるだけで鳥肌が立つほどおぞましいことであった。
だがビュレル侯爵が筆頭の中立派140家がなければ、相当に厳しい戦いとなる事は予想できた。クラウディオはその条件を提示された時から葛藤で苦しんでいた。
「ぐっ、しかし、まだ社交界デビューしたばかりである16歳のイングリッドがあまりにも不憫ではないか。他の条件に変える事は出来ないのか?」
「それならこの話はお流れだね。あたしは金も武も権力にも困ってはいないからね。いいから何も言わずにイシュタルの宝石を説得しな。そうすればお前に国王の椅子をくれてやるよ」
ビュレルはテーブルに両足をドンと乗せ、両手を首の後に回して組み、片側の口角をあげて悪そうに笑った。この交渉のイニシアティブはイシュタルにはなく、自分にあるという事を誇示した。お前に選択の余地はないんだよ、と言わんばかりの公爵家に対して礼のない行動であった。
「わ、分かった。イングリッドにこの件を話してみる。少しだけ待ってくれ」
「早く結論を出しておくれよ。あたしは気が長い方じゃないからね」
隠れ家の洞窟を出ると、いまだ強い光を宇宙から地上へと放っている恒星が高い位置にある。その位置から予測すると、まだ昼前というところだろうか。異世界には時計がないので、おおよその時間が分かるだけだ。
朝、ホリーと別れてステュディオス王国首都フェロニア市を出たばかりなのに、昼前には目的地であるプレマ村近郊に到着した。レベル5魔法《フライ/飛行魔法》はとても便利だ。馬車なら6日ほどかかる距離がわずか数時間で到着してしまう。
だがそれ以前にラティアリア大陸のニ大強国の首都はわずか6日という近接した場所にある。通常ならば、国の首都は国家の政治、経済、軍事とすべての中心であるので、他国から攻められやすいところに置くことはありえないことだ。この極めて珍しいケースの場合、その理由は2つあった。
1つめの理由は、ステュディオス王国の前王朝であるイシュタル王国がオルドリッジ王にクーデターを起こされる前は、もっと国土の中央に近いウィンザー市が首都であった。だがクーデターが成功して新国家樹立してから、フェロニア市にある地下大迷宮からもたらされる豊富な資源に以前から目をつけていたヴァルビリス帝国が、度々国境を越えて侵攻をしてくるようになった。フェロニア市を占領されてしまうと、国民一千五百万人と国家の収入源の大黒柱のひとつが失われてしまう。そのため、国の最高戦力であるオルドリッジ王自ら、フェロニア市を守るために遷都を行った。
2つめの理由は、数年前に新皇帝に即位した皇帝アレクサンダー・ハミルトンがラティアリア大陸統一を目指しており、ステュディオス王国だけでなく、他の国にも戦争を仕掛けている。すでにいくつかの小規模の国家は滅亡している。そのため、軍事費が国庫を圧迫していることの解消手段として、巨大都市であるガイエスブルグ市とフェロニア市間で連結をし、密接な交流をさせることで経済を回していく。この2つの市の人口を足すと4千万人近くにまでなり、大変な経済効果が期待できるというものである。
そのために現皇帝は国内の反対派を大粛清し、ガイエスブルグ市に遷都を強行したのだった。
そのような理由で2つの大都市はわずか馬車で6日という近距離にある。
『ガタガタッ、ガタガタッ、ガタガタッ』
プレマ村から馬車でオレたちは帝都ガイエスブルグに向かっている。帝都に近い街道なので、馬車2台が余裕で通れるほどに、道は綺麗にレンガを敷き詰めて整備されている。
「馬車で小一時間も走るとガイエスブルグ市に到着します。その前に設定の確認をさせていただきます。こちらがセシル様の身分証です」
ダフは四角い身分証を手渡してきた。それを受け取って書いてある内容を見る。すると身分証の名前がジークフリードと書いてあった。
「!? 名前がジークフリードって書いてあるぞ」
「はい、セシル様は今からフェロニア市で中堅冒険者のシルバープレート、Dランク冒険者ジークフリードと名乗っていただきます。そして、ある依頼のため、緩衝地帯で探索中に野盗に捕まり奴隷にされましたが、私の隊商に助けられ、帝都ガイエスブルグに連れて来られたという事にしてください」
「でもさ! 真実の石にかけられたら、嘘とバレちゃうんじゃない?」
パックの疑問も最もだ。真実の石は、嘘か真実かを見抜くという単純なシステムだけに、オレでも騙すことは出来ない。
「奴隷の過去に、そこまで気をつけることはないでしょうから大丈夫です。奴隷になるような者は、大抵ろくな過去がないものですからね。さて、そろそろ鉄錠も両手両足にはめさせていただきます。帝都ガイエスブルグに到着です」
「じゃあオイラ、アイテムボックスに入るね」
《インビシブル/透明化》
『フォンッ』
「おおっ! パック様は凄いですな! こんな魔法があるって初めて知りました」
「驚いただろう。アイテムボックス持ちは眷属を持つととても便利なのだよ。きっと褒められたパックも今頃鼻が高くなって喜んでいるぞ」
帝都ガイエスブルグは高さ30メートルの城壁に囲まれた城塞都市だった。人口は2000万人以上のラティアリア大陸最大の大都市だ。《探査マップ/神愛》を拡大して見ると、その巨大な都市の全貌が見えてくる。
皇帝の住まう皇宮ハーレックを中心に円形に形作られている。外側から平民、下級貴族、上級貴族が住むエリアと分けられており、一区画ごとに高い防御壁が備わっている。その辺りはフェロニア市やパルミラ教皇国と同じようだ。どの場所から攻められたとしても、国のトップが危険にさらされにくい都市づくりという事だな。
馬車は入り口で厳重にチェックされ、3時間待たされたものの、夕方には無事に入る事ができた。その後は平民が住むエリアの中にある商人地区に向け馬車を進め、大きな庭園がある屋敷の中に入っていった。屋敷の前に女性がメイド服を着て立っている。奴隷商館のメイドだけあり、厳選された美しい女性で名前をアリエルというそうだ。彼女は目尻が下がり瞳がぱっちりと大きな所が印象的な、癒し系美人である。身体は細身のスレンダー系なので、残念ながら胸はBカップといったところだ。
「ダフ様、ようこそおいでくださいました。メイフィールドはあいにく商談中です。応接室で少々お待ちください」
「うむ、よろしく頼む」
屋敷に入ると、癒やし系美人メイドのアリエルが応接室にまで案内してくれた。メイフィールドはヴァルビリス帝国でも有名な奴隷商人だそうだ。奴隷商人というくらいだから鉱山奴隷や性奴隷などを扱うイメージがあり、個人的にはあまり印象は良くない。
『ガチャッ』
しばらく応接室で待っていると、扉を開けて入ってきたのは30代ほどの太り気味で腹が出ている男だった。愛嬌のある笑みが印象深い、優しそうな雰囲気の中年男性である。
「これはダフ様、いつもご利用いただきありがとうございます。今日も奴隷を買い取らせていただきます。おお! な、なんという美少年なのでしょう。これは高く買い取らせていただきますぞ!」
ダフたちはいつも利用しているのか? そうやって違和感なく、奴隷と偽って諜報員を様々な所に送り込み、情報網を広げているのだろう。万一何かが起こっても首輪を外して逃げればいいので簡単だしな。馬車の中で首輪の外し方も教わっていた。通常なら主人に逆らったり、傷つけようとすると閉まる首輪も、当然ダミーなのでそのような事にはならない。外すときは首輪の内側に指を入れてボタンを押すだけで外れる仕組みだ。
「今回は私の隊商がアルル公国の周辺を通りかかったときに、野盗との戦いになりましてな。撃退したら、この男が野盗に捕まっていたのですよ。素晴らしい商品でしょう! しかも、何と暗黒魔法と神聖魔法が使える賢者なのです! しかもレベル30のマスターレベルです」
この異世界ではレベル30を超えると、レベル3のスキルや魔法が使えるようになる。そこまでレベルが上がるとマスターレベルと言われており、達人級だと認められる。
「なななな、なんですと! ただの加護持ちでもこの5年ほどは奴隷オークションで販売された事がありません。それなのに凄まじく貴重な賢者のマスターレベルの者となると、価値がとてつもなく跳ね上がることは疑いようがありません。賢者の奴隷など市場に出たのは間違いなく史上初でしょう……むむむ、値段は……そう……う~ん……白金貨1500枚ではいかがでしょう?」
メイフィールドはうんうんと唸りながら、ソロバンをパチパチと鳴らして何かを計算していたが、最終的には白金貨1500枚というところで落ち着けたようだ。
「ぶっ!」
うげ! 白金貨1500枚って、日本円で15億円か。ずいぶん高く売れそうだ。魔法で姿を隠して肩に座っているパックから、料金の高さに驚いて吹く音が聞こえてきた。
「良いでしょう。いつも奴隷を買っていただいていますから、その値段で結構です」
「おおっ! 即決とはありがたいことです。さすがダフ様は決断力がいつも素晴らしいですな。それでは商談成立ということで。いやいや、しかし賢者とは今だに信じられませんが、実際に目の前にいるので信じるしかありませんな。ダフ様は信じておりますが、一応確認させていただきますぞ」
《アプレイザル/鑑定》
『フォンッ』
「いかかでしたかな?」
メイフィールドはダフの質問には答えず、右手を差し出した。2人は固く握手を交わした。契約書を書いてお金を受け取ると、ダフはチラッとオレの目を見て頷くと扉から出ていった。ちなみに鑑定を使われたとき、隠蔽を使ってレベル30賢者ということにしておいた。ステータスの数値も適当だ。
「やあ、君のような加護付き超絶美少年は、長く奴隷商人をしているが初めて扱うよ! 本当に来てくれてありがとう! うちは奴隷を扱っているといっても、売り手を選んでいるんだ。変な性癖や暴力をふるいそうな馬鹿な貴族には売らないから安心しなさい。あとの説明はアリエルから聞いてくれ。下がっていいぞ。
あ、アリエル、もちろんボディチェックを忘れずに頼むよ。ちょっと急だが明日の奴隷オークションで出品するからな」
「はい、承知いたしました。旦那様」
メイフィールドは奴隷にも傲慢に当たることがなく、わりと好感の持てる奴隷商人だった。それにしてもボディチェックって何のことだろう。身長や体重でも測るのだろうか。アリエルの顔が微妙に赤くなっているのも気になる。
「それではジークフリードさん、こちらへどうぞ」
奴隷メイドのアリエルについていくと、5階にある部屋に通される。その部屋は清潔で、なおかつベッドもある1人部屋になっていた。
「え? 奴隷なのに1人部屋なのか?」
「はい、ジークフリードさんは特別に1人部屋です。あなたの容姿に嫉妬した奴隷が、顔に傷でもつけたら大変な損失ですからね。女の私から見ても、肌が白くて傷もない綺麗な肌です」
アリエルはオレの頬を両手でフワッと触ると微笑んだ。
「そうなのか。褒めてもらえて嬉しいよ」
「いえ。それで今後についてお話しいたします。通常ならジークフリードさんに、貴族に応対する時の礼儀や、奴隷としてのルールなどを教えるのです。ですが、よりによって明日、ヴァルビリス帝国最大規模の奴隷オークションがあるのです。上級貴族も多数いらっしゃいます。そこに急遽ジークフリードさんを出品させていただきます」
アリエルは申し訳無さそうな顔でそう言った。明日、奴隷オークションがあるのは想定済みだから、なんの問題もない。計画通りに進めばバッジョ準男爵家が購入することもすでに決まっている。
「オレは明日、売られるのか?」
「はい、大変急で申し訳ないのですが。本当に申し訳ございません」
深く頭を下げ、心からお詫びをするアリエルは優しい女の子だった。申し訳ないという気持ちが伝わってくる。
「頭をあげてほしい。別に不愉快に思ったりしていないから」
「ありがとうございます。それでは今からお体を流させていただいて、色々な所をチェックさせていただきます」
え? 色々なところってどこだろう? こんな優しくて癒し系美人なアリエルさんが背中を流してくれるとは、興奮して一物が今にも反り返りそうだ。
「それではお風呂場へご案内いたします。こちらへどうぞ」
アリエルについて行くと、10人ほどが一緒に入れる大きさの湯船があるお風呂場に入って行った。このような大きな風呂に1人で入らせてくれるとは、奴隷を手厚く扱ってくれて緊張しなくてすむ。
「それじゃあ、お風呂に入ってくるな」
服を脱ぎ、スタスタお風呂場に入っていくと、日本人らしくお湯を手桶で汲んでバシャッと体にかける。お湯の温度を手ではかると、意外にもちょうど良い湯加減だった。お湯の温度は43°というところか。
『カラカラカラッ』
適当に温まっていると、ドアが空いてメイドのアリエルが入ってきた。彼女は薄い白装束を頭からすっぽりと被っている。なんだよ、ここは裸で入ってくる展開だろ。ふざけるなよ。
「チッ」
左肩から舌打ちが聞こえてくる。どうやらパックもアリエルが裸で来るのだろうと思っていたようだ。彼女のエロいスレンダーボディを見ることを楽しみにしていたらしい。
「お待たせいたしました。それでは最初に後ろから流させていただきます」
『シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、シャコ』
異世界にはシリコン製のスポンジなどないため、布で石鹸を泡立てて、背中側を丁寧に丁寧に洗ってくる。ちょっと、こそばゆいが、気持ちが良い♪ 女の子の手つきって、優しくてエロいよな。背中側をひと通り洗い終わると、オレの前側に移動してきた。
「では次に前を洗わせていただきます」
『シャコ、シャコ、シャコ、シャコ、シャコ』
アリエルは布を石鹸で泡立て、次に前側を優しい手つきで洗ってくる。一物の裏側も持ち上げて洗い、肛門の辺りもサワサワと、触れるか触れないかという感じで洗った。最後にお湯を肩から全身をかけて終了となった。
「これでお身体の方は終了です。痛くなかったですか?」
「全く痛くなかったぞ。気持ち良すぎて勃起しそうだった」
前側は気持ちが良すぎてヤバかったな。一物が勃起してきそうなのを気合で我慢する。勃起してしまい、アリエルみたいな良い娘に、変態的な目で見られるのは避けたいからな。オレは日本人だから、アリエルのような謙虚でおしとやかな女性が1番好みなのだ。
「うふふ、ご冗談を。それではお身体の方のチェックをさせていただきます。失礼します」
「ああ、いくらでも調べてくれ」
アリエルは体を洗い終わり、傷があるかどうか、入念にチェックをしていた。ボディチェックって体が健全かどうか、切り傷や火傷のあとなどないかを調べることだったようだ。そういったものがあると、当然、奴隷としての価値が下がるからな。
「綺麗……ジークフリードさんは元冒険者だと聞いておりましたが、本当に傷一つない真っ白なお体ですね。それに体の線は細いですが、決して弱いわけではなく、筋肉が固く引き締まっているのですね。それでは次にセクシュアリティチェックを……いたします」
「え? セクシュアリティチェックって何のこと……ぐわっ!」
アリエルは桶のお湯で体を流したあと、前側から椅子に座っているオレの腰に両手を回した。そして腰の辺りで手をロックし、一物を自分の口に含み、喉の奥深くまで咥え入れた。可愛らしいアリエルのお口にすっぽりとおさまったオレの一物は即座にフル勃起してしまった。
『ジュッポ、チュッポ、ジュッポ、チュッポ』
「ちょっ、アリエル待って!」
「んむむ、まひまひぇんよ。ブブッ、ブブブブッ」
一物を可愛いお口で咥えながら、アリエルは話した。彼女のフェラテクは凄まじく、一物は前後に擦られ蹂躙されている。一物を吸うバキューム力も強く、吸われながら擦られると一物の根本から腰が抜けそうになる。想定外にパワフルなバキュームフェラですぐに発射しそうになる。
「くくくっ、もう、イキそうだアリエル」
「わたひのおくひの中でイッへいいへすよ」
『ジュッポ、グッポ、ジュッポ、ジュッポ』
「っく、もうイクぞ!」
「んむ!」
『ドプッ、ドプッ、ドプッ』
フィニッシュはアリエルの頭を一物に押しつけながら、口内に神液を思いっきり出してしまった。いや~、気持ち良かった、ぐふふふ♪ ちょっと、サプライズで驚いたがな。
『コクッ、コクッ、コクッ、コクッ』
うわっ、オレの神液を全部飲んでくれちゃったよ。これがセクシュアリティチェックなのか? 神液をすべて飲み終わると、アリエルはお口の周りに残った神液を舌なめずりをして舐めとった。女の喜ぶ理想の一物5代要素をすべて達成しているオレの一物を咥え、いつも冷静なアリエルも興奮し、顔が紅潮している。
「うふふっ、一杯私のお口の中に出しましたね。奴隷を売る際に、詳細を記入欄する所がありまして、肌の傷やセクシュアリティを間違ってしまうとトラブルの元なんです。ですので、女で一物が勃起するかを確認する必要があります」
神液を全て飲み終わったアリエルは微笑んで、その他のセクシュアリティの説明と質問をしてきた。フェラチオをして少し性的に興奮をしたのか頬が赤い。
「アリエルも大変だな。奴隷の男は色々といるだろう。そのたびに精液を飲んでいては辛いだろう?」
その言葉を聞いたアリエルは冷静な大人の女性から、ボッと耳まで赤くなり、俯いて純情な少女のように雰囲気が変わった。冷静なメイドを装っていたが、こちらの方が本当のアリエルのようだった。
「はい、通常は勃起と手コキで射精が出来るかを確認するだけで終わりなのです。ですが、ジークフリード様は特別なんです」
「うん? それはどういう意味なんだ?」
「私がこの奴隷商会に来てから、会った人の中で圧倒的に1番素敵な殿方でしたので……つい必要のない事までやってしまいました。って言わせないで下さい、うふふ」
『ちゅっ、んちゅ、んんむ、ちゅっ』
そう言いながら照れて微笑むアリエルだったが、立ち上がると顔を寄せてきてキスをしてきた。先程のフェラチオで興奮していたのが冷めていなかったようで、舌を奥まで入れて絡めてきた。
ーーーステュディオス王国、四大将軍三位クララ・ビュレル主城モンフェラート
四大将軍第三位クララ・ビュレルは寝室で愛する女ペトラと夜伽を楽しんでいた。ビュレルは男ではなく女性が好きだという性癖を持っているレズビアンであった。双頭タイプのディルドをお互いの膣内に挿入し、ビュレルは盛んに腰を振り続けている。
『クッチュ、グッチュ、ズリュッ、グッチュ』
「ああ、クララ様ぁ~、気持ち良くて私、どうにかなっちゃいそう。またイ、イキそう……はぁああああ~!」
「はぁはぁはぁ、ふふふっ、可愛い娘ねペトラ。いつでもイッていいんだよ。ほらっ」
『クチュ、グチュ、クチュ、グチュ、クチュ、グチュ』
双頭タイプのディルドで、優しくペトラを貫いていたが、急に激しくピストン運動をはじめた。陰核と乳首を軽く擦る。
「あああああああ! クララ様! クララ様ァ! 私、私もう……イッちゃいそうです! んんんん、イクゥ~~~~~~!」
『ブシャ、ブシャ、ブシャ~~~~』
ビュレルの胸にペトラは体を預けて失神した。レズビアンの夜伽は底なしだという。ペトラはすでに12回もイカされていた。女同士のセックスは男のセックスと違い、何度性的絶頂をむかえても性への情動はおさまらないのが特徴である。
『コンコンッ』
「ビュレル様、イシュタル公爵閣下が参られました」
「うむ、入っていいぞ」
『ガチャッ』
「うん? な、なにっ? これは……ビュレル殿どういうことですかな」
旧イシュタル王国王族であるクラウディオ・イシュタルは、ビュレルの主城を訪れていた。オルドリッジ王は呪い(公式発表は病気である)の影響で、その命は風前の灯だということは上級貴族は誰でも知っている。そのため次の王になるという野望を持つ者たちの活動がステュディオス王国中で活性化していた。その中でもオルドリッジ王の娘である第一王女シャルビーが最有力候補であるが、その対抗馬としてクラウディオ・イシュタルの名前があった。イシュタルがビュレルのもとを本日、訪れた理由も自身の派閥と野党連合を組んで欲しいと協力要請をするためであった。
ステュディオス王国は世襲によらず、元老院で選挙をして国王を選ぶという選挙君主制である。大公爵から男爵までの上級貴族にのみ選挙権があり、下級貴族には選挙権はない。
現在、ステュディオス王国の選挙権を持つ上級貴族は810家あり、大きく分けると派閥は4つある。その1つである第二党の王党派筆頭のイシュタルは185家を束ねていた。第四党の中立派筆頭のビュレルは140家を束ねている。
イシュタルはいつもの応接室ではなく、ビュレルの寝室に通された。つい先程まで夜伽をペトラとしていたので、寝室内は女同士のセックスの後の野手的な匂いで充満していた。
「ああ、ここはあたしの寝室だよ。イシュタル卿の手紙は読んだわ。これがその答えよ」
「どういう意味ですかな?」
「あたしがイシュタル卿に手を貸す条件は1つのみさ。イシュタルの宝石をあたしに寄こしな」
「なっ! 我が妹であるイングリッドが欲しいというのか!」
イングリッド・イシュタルーー通り名イシュタルの宝石。旧イシュタル王国王族筆頭クラウディオ・イシュタルのたった1人の妹である。つい先日、16歳で成人し、貴族の社交界の場にデビューしたばかりの新星であった。その容姿のあまりの光り輝く美しさに、貴族たちは彼女との関係を望み、敬意を込めてイシュタルの宝石という通り名がついた。
「くくくくっ、そうだよ。イシュタルの宝石があたしの物になるなら、次の国王選定にイシュタル卿サイドについてやろう。四大将軍第一位であり、民衆派筆頭ダビド・エバンズが魔王セオドラをクラウス・オルドリッジともに倒した旧知の仲である以上、間違いなく奴は第一王女シャルビーにつくだろう。四大将軍第ニ位ルディ・アルベールは政治に全く関心がないし、四大将軍になったばかりのルーファスはまだ政治力が乏しく力がない。要はあたしの協力がないと、イシュタル卿は国王には絶対になる事ができないんだよ」
侯爵クララ・ビュレルの派閥を取り込む事は、6割近い圧倒的な勢力を誇る現国王オルドリッジの派閥を倒すために絶対条件となっていた。情報によるとオルドリッジ王の崩御はほぼ確実だという。その前に敵の派閥にくさびを打ち込み、切り崩して自身の持つ派閥に取り込んでおかなければ、次の国王選挙に間に合わないという事は百も承知であった。そのためクラウディオ・イシュタルは焦っていた。愛する妹を悪い噂の絶えないビュレルにくれてやるなど、考えるだけで鳥肌が立つほどおぞましいことであった。
だがビュレル侯爵が筆頭の中立派140家がなければ、相当に厳しい戦いとなる事は予想できた。クラウディオはその条件を提示された時から葛藤で苦しんでいた。
「ぐっ、しかし、まだ社交界デビューしたばかりである16歳のイングリッドがあまりにも不憫ではないか。他の条件に変える事は出来ないのか?」
「それならこの話はお流れだね。あたしは金も武も権力にも困ってはいないからね。いいから何も言わずにイシュタルの宝石を説得しな。そうすればお前に国王の椅子をくれてやるよ」
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「わ、分かった。イングリッドにこの件を話してみる。少しだけ待ってくれ」
「早く結論を出しておくれよ。あたしは気が長い方じゃないからね」
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