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時価2000万
3-16
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煌びやかホールはまるで宝石箱の中のようだった。磨き上げられた床の上に、ちらちらとシャンデリアの光が美しい影を作っている。
「あれは神子様……なんとお美しい……」
「まあ本当に。竜神様に引けを取らない美しさ……」
「竜神様もいつもと雰囲気が違いますわ」
「やはり神子様がお隣にいるからでしょう……」
2階席、竜神様専用の部屋として宛てがわれたテラスの上で、下のホールにて密やかに交わされる会話に耳を傾けていたジスランは、振り返って不服そうな目でじと、とアオイを見つめた。
「結局、アオイばかり注目されている気がしますけど」
「だって本気でジスランを仕立てたら僕が霞むじゃん」
「うん?」
アオイは腰に手を当て、ジスランの胸を指差した。
「よく考えて、僕よりジスランの方が顔が良いの」
「はあ……」
ジスランはどうでも良さそうに頷いた。アオイはまじまじとその整った顔を凝視した。
「うっそだろ、もしかしてその顔で無自覚?」
「人なら同じパーツが同じ数ついてるものでしょう」
「ジスラン、本当に僕の顔好きなの?」
「物の良し悪しと好みは別次元の話ですよ」
「正論。でも違う」
アオイはやれやれ、と首を横に振った。
「人は綺麗なものを好きだと思うし、綺麗なものはみんなが好きなんだよ」
アオイがトップアイドルとして人気を博していたのも顔が整っていて、そして何より多くの人が整っていると認識していたからだ。キャラクターなり何なりは後からついてくるものである。「まずは顔でしょ」と言うと、ジスランは曖昧に頷いた。
「もちろんその考えを一概に否定するつもりもありません。ただ、世間の評価と個人の評価は必ずしも一致はしないものです」
アオイは器用に片眉を上げ、続きを促した。
「私が好んでつける柘榴石ですが……元はとても格の低い宝石でした。もちろんその中には高価なものがありますが、市井の人間の収入でも十分手に入れることができる程度の宝石です。それでも私はアレが放つ光が一番美しいと思った」
アオイは下で踊る男女へ視線を移した。ジスランは柵に体重を預けながら「ですから」と続けた。
「私はアオイが私よりも劣っているとは思いませんよ」
アオイは俯いて、小さく頷いた。
「……ありがとう」
「おや、不満ですか」
「嬉しいよ」
嬉しすぎて泣きそうだった。薄らと膜が張った瞳を見られたくなくて、アオイは俯いたままもう一度「ありがとう」とつぶやいた。思えば、ずっとこんな風に肯定してくれる誰かを待っていたような気さえする。
アオイはギュッと目を瞑り、パッと前を向いた。
「ま、まあでも他のみんなはそうは思ってないみたいだし」
「嘆かわしいことです」
アオイは苦笑いを浮かべた。ジスランが自分の意思を貫けるのは、それはきっとジスランが強いからだ。自分の好きを貫くのは難しい。大きな流れを跳ね除けるには、やはり相応の力が必要だ。
そんなジスランに、自分を最大多数に最適化されるように作ってきたアオイはきっとふさわしくない。売れると分かればいくらでも偽ってきたし、アオイはそれを今なお後悔したこともなかった。
アオイはいつの間にか横道に逸れてしまった話題を戻すため、早口に言った。
「でも僕がやったことはちょっとバランスを取っただけだよ。普段のジスランよりちょっと親しみやすい雰囲気を作ってあげて、僕にはその逆をしただけ」
「確かに今日のアオイはどこか寂しそうに見えますけど」
「ジスランにはそう映るのか……。とにかく、相対的に僕の方が近づき難く見えるから、遠巻きに見るしかないんだ。たぶん話しかけられるのはジスランの方が多いはずだよ」
ジスランは顔を顰めた。
「それは面倒ですね」
アオイはふふん、と得意気に笑うと、くるりと振り返って手を差し出した。
「だから、僕と踊っていよう?」
下階に降りると自然と人波が割れ、自然と中央へと移動することになった。アオイは周囲には聞こえないくらい小さな声でつぶやいた。
「……神子は踊らないことも多いって聞いたけど」
「これだけ綺麗なアオイが壁の花になるのは不可能だと思いますよ」
「いや別にいいんだけどさあ……」
元々そのつもりで練習してきたのだから異論などあるはずがない。ただちょっと聞いてた話と違うな、ってことを言いたいだけだ。
ジスランはくすくすと肩を揺らした。
「アオイは、今までの神子とは少し違いますから、色々期待されているんでしょう」
「ジスランのお金で衣装仕立てたのそんなにマズかった?」
「いいえ、まったく。だからこれっきりなんて寂しいことは言わないでくださいね」
「言わないよ。これからもよろしくね」
「こちらこそ。さ、手を」
ジスランに促されアオイは男の肩に手を添え、そして手を重ねた。
アオイの腰に腕を回しながらジスランが尋ねた。
「私の言ったことは覚えてる?」
「肩の力はできるだけ抜く、視線は斜め45度」
「よくできました。あとは私が支えます」
「…………」
「不満そうな顔しないの。これが普通なんですから」
ジスランが眉を下げる。頬を膨らませていたアオイは、小さくため息を吐くともう一度顔を横に向けた。ジスランもそれにならう。程なくして、音楽が流れ出した。
音楽に合わせてステップを踏んでいく。何度目かのターンのとき、そっとジスランが顔を近づけた。ぐっと縮まった距離に心臓が跳ねる。
「アオイ」
咄嗟に素数を数えてみた。13から先が思い出せなくてあえなく撃沈した。
「ど、どうしたのジスラン……」
うっかり魔が差したらキスもできてしまうようなこの距離はちょっと心臓がもたない。
「いえ、ただアオイは私がリードする側でよかったのかな、と……」
「その話今するの!?」
「今気になったので」
「そっか!全然いいんだけどやっぱり今じゃなくてもいい気がするな!」
「それで、よかったんですか?」
ジスラン俺の話聞く気ある?
思わずじとりとした目でジスランを睨むと、男は飄々とした様子でただ目を細めた。アオイは、ふい、と顔を背けた。
「……別に、女側なのは気にしてない。元々踊れなかったし」
「でも、昨日練習したでしょう?」
「ううん……そもそも僕の中で男がどうとか、そういうのはあまり大事じゃないんだよね」
「なるほど?」
「大事なのはどうしたら見栄えがするかだと思ってるから……この場合は僕より背が高いジスランがリードする方が綺麗に見えるでしょ」
ジスランは笑いを含んだ声で尋ねた。
「アオイが?」
「そう僕が」
アオイは真面目くさった顔で頷いた。その堂々とした態度を見て、ジスランがくすくすと笑う。
「少し、アオイのことが分かってきた気がします」
アオイは「ほんとに?」と小首を傾げた。口元には好戦的な笑みが浮かんでいる。
くるりとターンするその瞬間、アオイはぐっと顔を近づけ囁いた。
「僕はそんな単純な男じゃないけど?」
ジスランが小さく息を飲む。アオイはふふん、と鼻をは鳴らすとぐっと腰を反った。動揺していても体が覚えているのだろう、ジスランは流れるような美しい所作でアオイの身体を支えた。気まぐれに本来のステップから外しても自然にカバーしてくれるジスランは本当に上手なのだろう。もうジスラン以外とは踊れないかもな、とアオイは思った。
いつの間にか、踊っているのはアオイとジスランだけだった。会場にいる誰もが美しい2人に釘付けになっている。慣れ親しんだ視線を全身に浴びながら、アオイは微笑んだ。
「あれは神子様……なんとお美しい……」
「まあ本当に。竜神様に引けを取らない美しさ……」
「竜神様もいつもと雰囲気が違いますわ」
「やはり神子様がお隣にいるからでしょう……」
2階席、竜神様専用の部屋として宛てがわれたテラスの上で、下のホールにて密やかに交わされる会話に耳を傾けていたジスランは、振り返って不服そうな目でじと、とアオイを見つめた。
「結局、アオイばかり注目されている気がしますけど」
「だって本気でジスランを仕立てたら僕が霞むじゃん」
「うん?」
アオイは腰に手を当て、ジスランの胸を指差した。
「よく考えて、僕よりジスランの方が顔が良いの」
「はあ……」
ジスランはどうでも良さそうに頷いた。アオイはまじまじとその整った顔を凝視した。
「うっそだろ、もしかしてその顔で無自覚?」
「人なら同じパーツが同じ数ついてるものでしょう」
「ジスラン、本当に僕の顔好きなの?」
「物の良し悪しと好みは別次元の話ですよ」
「正論。でも違う」
アオイはやれやれ、と首を横に振った。
「人は綺麗なものを好きだと思うし、綺麗なものはみんなが好きなんだよ」
アオイがトップアイドルとして人気を博していたのも顔が整っていて、そして何より多くの人が整っていると認識していたからだ。キャラクターなり何なりは後からついてくるものである。「まずは顔でしょ」と言うと、ジスランは曖昧に頷いた。
「もちろんその考えを一概に否定するつもりもありません。ただ、世間の評価と個人の評価は必ずしも一致はしないものです」
アオイは器用に片眉を上げ、続きを促した。
「私が好んでつける柘榴石ですが……元はとても格の低い宝石でした。もちろんその中には高価なものがありますが、市井の人間の収入でも十分手に入れることができる程度の宝石です。それでも私はアレが放つ光が一番美しいと思った」
アオイは下で踊る男女へ視線を移した。ジスランは柵に体重を預けながら「ですから」と続けた。
「私はアオイが私よりも劣っているとは思いませんよ」
アオイは俯いて、小さく頷いた。
「……ありがとう」
「おや、不満ですか」
「嬉しいよ」
嬉しすぎて泣きそうだった。薄らと膜が張った瞳を見られたくなくて、アオイは俯いたままもう一度「ありがとう」とつぶやいた。思えば、ずっとこんな風に肯定してくれる誰かを待っていたような気さえする。
アオイはギュッと目を瞑り、パッと前を向いた。
「ま、まあでも他のみんなはそうは思ってないみたいだし」
「嘆かわしいことです」
アオイは苦笑いを浮かべた。ジスランが自分の意思を貫けるのは、それはきっとジスランが強いからだ。自分の好きを貫くのは難しい。大きな流れを跳ね除けるには、やはり相応の力が必要だ。
そんなジスランに、自分を最大多数に最適化されるように作ってきたアオイはきっとふさわしくない。売れると分かればいくらでも偽ってきたし、アオイはそれを今なお後悔したこともなかった。
アオイはいつの間にか横道に逸れてしまった話題を戻すため、早口に言った。
「でも僕がやったことはちょっとバランスを取っただけだよ。普段のジスランよりちょっと親しみやすい雰囲気を作ってあげて、僕にはその逆をしただけ」
「確かに今日のアオイはどこか寂しそうに見えますけど」
「ジスランにはそう映るのか……。とにかく、相対的に僕の方が近づき難く見えるから、遠巻きに見るしかないんだ。たぶん話しかけられるのはジスランの方が多いはずだよ」
ジスランは顔を顰めた。
「それは面倒ですね」
アオイはふふん、と得意気に笑うと、くるりと振り返って手を差し出した。
「だから、僕と踊っていよう?」
下階に降りると自然と人波が割れ、自然と中央へと移動することになった。アオイは周囲には聞こえないくらい小さな声でつぶやいた。
「……神子は踊らないことも多いって聞いたけど」
「これだけ綺麗なアオイが壁の花になるのは不可能だと思いますよ」
「いや別にいいんだけどさあ……」
元々そのつもりで練習してきたのだから異論などあるはずがない。ただちょっと聞いてた話と違うな、ってことを言いたいだけだ。
ジスランはくすくすと肩を揺らした。
「アオイは、今までの神子とは少し違いますから、色々期待されているんでしょう」
「ジスランのお金で衣装仕立てたのそんなにマズかった?」
「いいえ、まったく。だからこれっきりなんて寂しいことは言わないでくださいね」
「言わないよ。これからもよろしくね」
「こちらこそ。さ、手を」
ジスランに促されアオイは男の肩に手を添え、そして手を重ねた。
アオイの腰に腕を回しながらジスランが尋ねた。
「私の言ったことは覚えてる?」
「肩の力はできるだけ抜く、視線は斜め45度」
「よくできました。あとは私が支えます」
「…………」
「不満そうな顔しないの。これが普通なんですから」
ジスランが眉を下げる。頬を膨らませていたアオイは、小さくため息を吐くともう一度顔を横に向けた。ジスランもそれにならう。程なくして、音楽が流れ出した。
音楽に合わせてステップを踏んでいく。何度目かのターンのとき、そっとジスランが顔を近づけた。ぐっと縮まった距離に心臓が跳ねる。
「アオイ」
咄嗟に素数を数えてみた。13から先が思い出せなくてあえなく撃沈した。
「ど、どうしたのジスラン……」
うっかり魔が差したらキスもできてしまうようなこの距離はちょっと心臓がもたない。
「いえ、ただアオイは私がリードする側でよかったのかな、と……」
「その話今するの!?」
「今気になったので」
「そっか!全然いいんだけどやっぱり今じゃなくてもいい気がするな!」
「それで、よかったんですか?」
ジスラン俺の話聞く気ある?
思わずじとりとした目でジスランを睨むと、男は飄々とした様子でただ目を細めた。アオイは、ふい、と顔を背けた。
「……別に、女側なのは気にしてない。元々踊れなかったし」
「でも、昨日練習したでしょう?」
「ううん……そもそも僕の中で男がどうとか、そういうのはあまり大事じゃないんだよね」
「なるほど?」
「大事なのはどうしたら見栄えがするかだと思ってるから……この場合は僕より背が高いジスランがリードする方が綺麗に見えるでしょ」
ジスランは笑いを含んだ声で尋ねた。
「アオイが?」
「そう僕が」
アオイは真面目くさった顔で頷いた。その堂々とした態度を見て、ジスランがくすくすと笑う。
「少し、アオイのことが分かってきた気がします」
アオイは「ほんとに?」と小首を傾げた。口元には好戦的な笑みが浮かんでいる。
くるりとターンするその瞬間、アオイはぐっと顔を近づけ囁いた。
「僕はそんな単純な男じゃないけど?」
ジスランが小さく息を飲む。アオイはふふん、と鼻をは鳴らすとぐっと腰を反った。動揺していても体が覚えているのだろう、ジスランは流れるような美しい所作でアオイの身体を支えた。気まぐれに本来のステップから外しても自然にカバーしてくれるジスランは本当に上手なのだろう。もうジスラン以外とは踊れないかもな、とアオイは思った。
いつの間にか、踊っているのはアオイとジスランだけだった。会場にいる誰もが美しい2人に釘付けになっている。慣れ親しんだ視線を全身に浴びながら、アオイは微笑んだ。
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