せっかく異世界転生したのに、子爵家の後継者ってそれはないでしょう!~お飾り大公のせいで領地が大荒れ、北の成り上がり伯爵と東の大公国から狙われ
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
文字の大きさ
大中小
13 / 14
第13話
しおりを挟む
一方その頃、ヴィクトリカが実質的に仕切る混成騎兵、プロテゴ城でへの移動があった事が報告されていた。
「敵の一団が南側から東側に動いています。その数約30!」
主家の嗣子に武器は向けられない。なんて殊勝な人間が離反してくれたらいいな。などと理想の未来を考えたくなるがここは現実。
逃亡でもなければ裏切りでもない。
ただ目端の利く騎士が奇襲を警戒しての行動だ。
「アーク様の予想が外れましたな……」
ヴィクトリカは勉強になりましたねとでも言いたげだ。
はて? プロテゴ城内にそこまで優秀な騎士がいただろうか?
筆頭のヒル騎士爵父子は父子共に優秀だと訊いている。
しかし、それは武功の話。
ヴィクトリカと同様に “戦略” の域には達していない。
ホーン、マガジン、ハイブリッジ、ジョイと記憶にある範囲で叔父上の重臣の名を思い出すが、心辺りはない。
「しかし、数は30にも満たないとのこと。未だに優勢と言っていいだろう」
「ですな……」
ヴィクトリカは肩を竦めて見せる。
……ん? 何だこの違和感は、なぜ敵は僅か30人ほどしか兵数を東側の防衛に割いていないのだ? 純粋に人数が足りない。または、30人で事足りると考えたのだろう。
……確かにそれでも筋は通る。
『攻撃三倍の法則』に則れば、防衛兵数30でも拠点防衛を行えば兵数90に匹敵するとされている。
そのため、我らの奇襲部隊総数110で攻めれば十分に勝機がある。
それに俺は自分の教育係である爺を信頼している。
ピューっ、パン。
夕暮れの空に華が咲いた。
魔術の炎を用いた華、戦闘開始の合図だ。
「ヴィクトリカ!」
俺は、名代に声を掛ける。
「承知しました」
「我らが友軍より戦闘開始の合図が出た! これより戦を始める総員武器を取れ!!」
「「「「「うぉぉおおおおおっ!!」」」」」
………
……
…
時は少し遡る。
【scene:フロシュ城 side:マザール・フォン・フラット】
アークが爺と呼ぶのは、フロスト城城主のマザール・フォン・フラット男爵だった。
白髪の混じった灰色の頭髪に、堀の深い顔立ちは威厳と風格を感じさせる。
「クラウド殿も苦労されますな……」
「いいえ。俺など若輩の身。『猛将』ヴィクトリカ殿が居ないからの将です。フロスト男爵の差配に従いましょう」
「それは重畳」
文化人として知られるマザールは、若くして城代を努めるコープ騎士爵の言葉に満足げに頷く。
「では付近の農民を武役で招集しましょう。兵を……」
「お待ちください!」
クラウドは声を上げ陣から出て行こうとする兵士を静止する。
「クラウド殿、先ほど私の差配に従うと言ったばかりではありませんか?」
「お言葉ですが、我ら貴族は税を徴収することで民を庇護する役しているのです。敵国や他領からの侵略に対抗するためならば、民の徴兵にも同意しますが此度の戦は同じアーク家そこまですることでしょうか?」
「……クラウド殿は勘違いをされている。我ら領主貴族とは、血統書付きの由緒ある盗賊だ」
「……なっ!」
クラウドは驚きの余り二の句が出てこない。
「領地を持たぬ法衣貴族は、より文化的になった血統書付きの由緒ある盗賊に過ぎない」
クラウドは苦し紛れに自身のアイデンティティを擁護する。
「系図を辿れば土豪や亡国の王侯貴族という者もおりますが……」
「元を辿れば皆平民だ。平民の中で力を付けるには神官か武人になり皆の頭目となる者が出て来る。一番身綺麗な貴族はコレだろうが、多くは山賊、海賊と言った暴力集団に過ぎん。傭兵という線もあるがな」
「……」
「つまり君はこう言いたいのだろう? 『民から税を得て食っている。その代わりに、義務がある。領民を守り、支配を認める国を守る義務がある』と……だが私は敢えて君の考えを否定しよう。それは理想論だと」
「……ならばせめて、近隣の領主に声を掛けては?」
「此度の戦は領内の戦、しかもこれはバナー子爵家内部のこと一枚岩ですらないノーヴル伯爵家内で不要な混乱は避けるべきだ
「ですが……」
「これは貴殿の主君ロード様の初陣でもあります。大軍で小軍それも身内を攻めて功を得たとあっては、評判に関わります。それに意味の無い死を農民にさせるつもりはない。彼らには旗を持ってもらうだけだ」
「旗ですか? そう、隊列を組みニーベル、フロシュ、フロスト、オールド、ベソルと言った旗を掲げ兵数を多く見せ相手の戦意を削ぐ、戦いとは外交手段に過ぎないのだ」
「フロスト男爵。俺は……いえ、私はあなたのことを勘違いしていました」
「謝罪は不要。戦場でのことは結果で示して下さい」
「はい!」
「訊きましたね? それでは兵役で村民を集め兵に偽装が出来次第プロテゴ城前の川まで進軍し、我々が渡河を始めプロテゴ男爵軍が釘付けとなった所で、タイニーバナー男爵軍が挟撃その隙を衝いて我も攻撃を仕掛けます。では仕事を始めてください」
============
『あとがき』
読んでいただきありがとうございます。
執筆部分はここまでとなります。
戦記物のウケが悪そうと言う理由でボツになった作品です。
お気付きの方も居ると思いますがこの作品の主人公の元ネタは、第六天魔王こと織田・弾正・信長です。
あとこれ信長の生涯を改変した戦記物って面白そうじゃね? と言う発想で書き始めた作品なので、タイトルが決まるまではノブナガと呼んでいました。
悪役=魔王→信長 見事な連想ゲーム。
史実で言うと1555年(弘治元年)守山城攻略が元ネタです。
私個人が歴史大河好きなんですよね。源義経と北条時行とか二人とも長野あたりに逃げて力を付けて都だったり、幕府を奪うと言う貴種流離譚系のエピソードもってて物語向きなんですよ。小さいとことから始められると言うと、信長あたりが無難かなと思って題材にしました。
北の毒蛇とか東の弓聖とか後から設定したから、反映できてない部分も多いし、熱田神宮の七本の宝剣の話とか書きたい話は多いけど人気で無さそうなんだよなあ……
「敵の一団が南側から東側に動いています。その数約30!」
主家の嗣子に武器は向けられない。なんて殊勝な人間が離反してくれたらいいな。などと理想の未来を考えたくなるがここは現実。
逃亡でもなければ裏切りでもない。
ただ目端の利く騎士が奇襲を警戒しての行動だ。
「アーク様の予想が外れましたな……」
ヴィクトリカは勉強になりましたねとでも言いたげだ。
はて? プロテゴ城内にそこまで優秀な騎士がいただろうか?
筆頭のヒル騎士爵父子は父子共に優秀だと訊いている。
しかし、それは武功の話。
ヴィクトリカと同様に “戦略” の域には達していない。
ホーン、マガジン、ハイブリッジ、ジョイと記憶にある範囲で叔父上の重臣の名を思い出すが、心辺りはない。
「しかし、数は30にも満たないとのこと。未だに優勢と言っていいだろう」
「ですな……」
ヴィクトリカは肩を竦めて見せる。
……ん? 何だこの違和感は、なぜ敵は僅か30人ほどしか兵数を東側の防衛に割いていないのだ? 純粋に人数が足りない。または、30人で事足りると考えたのだろう。
……確かにそれでも筋は通る。
『攻撃三倍の法則』に則れば、防衛兵数30でも拠点防衛を行えば兵数90に匹敵するとされている。
そのため、我らの奇襲部隊総数110で攻めれば十分に勝機がある。
それに俺は自分の教育係である爺を信頼している。
ピューっ、パン。
夕暮れの空に華が咲いた。
魔術の炎を用いた華、戦闘開始の合図だ。
「ヴィクトリカ!」
俺は、名代に声を掛ける。
「承知しました」
「我らが友軍より戦闘開始の合図が出た! これより戦を始める総員武器を取れ!!」
「「「「「うぉぉおおおおおっ!!」」」」」
………
……
…
時は少し遡る。
【scene:フロシュ城 side:マザール・フォン・フラット】
アークが爺と呼ぶのは、フロスト城城主のマザール・フォン・フラット男爵だった。
白髪の混じった灰色の頭髪に、堀の深い顔立ちは威厳と風格を感じさせる。
「クラウド殿も苦労されますな……」
「いいえ。俺など若輩の身。『猛将』ヴィクトリカ殿が居ないからの将です。フロスト男爵の差配に従いましょう」
「それは重畳」
文化人として知られるマザールは、若くして城代を努めるコープ騎士爵の言葉に満足げに頷く。
「では付近の農民を武役で招集しましょう。兵を……」
「お待ちください!」
クラウドは声を上げ陣から出て行こうとする兵士を静止する。
「クラウド殿、先ほど私の差配に従うと言ったばかりではありませんか?」
「お言葉ですが、我ら貴族は税を徴収することで民を庇護する役しているのです。敵国や他領からの侵略に対抗するためならば、民の徴兵にも同意しますが此度の戦は同じアーク家そこまですることでしょうか?」
「……クラウド殿は勘違いをされている。我ら領主貴族とは、血統書付きの由緒ある盗賊だ」
「……なっ!」
クラウドは驚きの余り二の句が出てこない。
「領地を持たぬ法衣貴族は、より文化的になった血統書付きの由緒ある盗賊に過ぎない」
クラウドは苦し紛れに自身のアイデンティティを擁護する。
「系図を辿れば土豪や亡国の王侯貴族という者もおりますが……」
「元を辿れば皆平民だ。平民の中で力を付けるには神官か武人になり皆の頭目となる者が出て来る。一番身綺麗な貴族はコレだろうが、多くは山賊、海賊と言った暴力集団に過ぎん。傭兵という線もあるがな」
「……」
「つまり君はこう言いたいのだろう? 『民から税を得て食っている。その代わりに、義務がある。領民を守り、支配を認める国を守る義務がある』と……だが私は敢えて君の考えを否定しよう。それは理想論だと」
「……ならばせめて、近隣の領主に声を掛けては?」
「此度の戦は領内の戦、しかもこれはバナー子爵家内部のこと一枚岩ですらないノーヴル伯爵家内で不要な混乱は避けるべきだ
「ですが……」
「これは貴殿の主君ロード様の初陣でもあります。大軍で小軍それも身内を攻めて功を得たとあっては、評判に関わります。それに意味の無い死を農民にさせるつもりはない。彼らには旗を持ってもらうだけだ」
「旗ですか? そう、隊列を組みニーベル、フロシュ、フロスト、オールド、ベソルと言った旗を掲げ兵数を多く見せ相手の戦意を削ぐ、戦いとは外交手段に過ぎないのだ」
「フロスト男爵。俺は……いえ、私はあなたのことを勘違いしていました」
「謝罪は不要。戦場でのことは結果で示して下さい」
「はい!」
「訊きましたね? それでは兵役で村民を集め兵に偽装が出来次第プロテゴ城前の川まで進軍し、我々が渡河を始めプロテゴ男爵軍が釘付けとなった所で、タイニーバナー男爵軍が挟撃その隙を衝いて我も攻撃を仕掛けます。では仕事を始めてください」
============
『あとがき』
読んでいただきありがとうございます。
執筆部分はここまでとなります。
戦記物のウケが悪そうと言う理由でボツになった作品です。
お気付きの方も居ると思いますがこの作品の主人公の元ネタは、第六天魔王こと織田・弾正・信長です。
あとこれ信長の生涯を改変した戦記物って面白そうじゃね? と言う発想で書き始めた作品なので、タイトルが決まるまではノブナガと呼んでいました。
悪役=魔王→信長 見事な連想ゲーム。
史実で言うと1555年(弘治元年)守山城攻略が元ネタです。
私個人が歴史大河好きなんですよね。源義経と北条時行とか二人とも長野あたりに逃げて力を付けて都だったり、幕府を奪うと言う貴種流離譚系のエピソードもってて物語向きなんですよ。小さいとことから始められると言うと、信長あたりが無難かなと思って題材にしました。
北の毒蛇とか東の弓聖とか後から設定したから、反映できてない部分も多いし、熱田神宮の七本の宝剣の話とか書きたい話は多いけど人気で無さそうなんだよなあ……
16
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語
さかいおさむ
ファンタジー
街中にダンジョンが現れた現代日本。
人々には戦士としてのレベルが与えられる。
主人公は世界最弱のレベル0。
レベルの低さに絶望していたある日、戦士のレベルの10倍の強さになるというボスが現れる。
世界で倒せるのレベル0の主人公だけ。
ダンジョンで戦うことは諦めていた主人公だが、その日から自分だけがレベルアップできることに。
最強戦士になって、美女の仲間たちとダンジョンの秘密を解き明かす。
勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?
シトラス=ライス
ファンタジー
漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。
かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。
結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。
途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。
すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」
特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。
さすがは元勇者というべきか。
助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?
一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった……
*本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく
竹桜
ファンタジー
神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。
巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。
千年間も。
それなのに主人公は鍛錬をする。
1つのことだけを。
やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。
これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。
そして、主人公は至った力を存分に振るう。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる