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第47話馬車工場ができるまで

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 約束通り奴隷は納品され、俺とジョバンニ、コジモの三人での話し合いの結果。工場は公爵家に繋がりの深い村と城下町で部品を別けて作る事になった。
 工場を分散する事で、密偵が侵入してきてもある程度秘密を守れ、また都市に居ついた流民やスラムの住人を都市外に追いり、治安の回復に繋がると考えたからだ。

 そして俺が、工場建設第一号に選んだのは、城に食品を納入する村だった。

 理由は単純で、他の村に比べ税金が高くなく、そこそこ高い頻度で騎士達が見回り魔物を殺してくれるため、公爵家へ好意的だからだ。

「村長。村の隅を借りる事になる。税制での優遇措置は与えてやれんが……この組み立て工場が形になれば村で養える人工も増えるだろう」

「ありがとうございます」

 こうやって6か月に一つづつ工場を立て、生産能力を拡張し制作した新型馬車を通常の馬車より少し高い程度で販売し、商人達が「より遠くへ」「早く行きたい」と言うニーズを抱くように誘導をかけた。

ここまでに3年がかかり4歳だったオレも7歳になった。

 その間にも奴隷、兵士、スラムの住人その全てにかからわず圧倒的な人的資源を投入した道路建設が始まった。
 もちろん最優先は採石場までの道。その次が、城下町から次男領や三男領に出来るだけ繋がらない。商業的に重要な道だ。

 商人や村民から「ここに道路を作ってくれ!」「ここに橋を架けてくれれば……」と言った嘆願たんがん陳情ちんじょうが来たが、父やその側近には相手をさせず。
 側近の部下の部下から順に相手をさせ最後に俺自らが相手をする事で、俺から譲歩を引き出そうとする商人を手玉に取り、「金を出すなら作ってやる予算は最低限コレだ」と言って人件費にかかる費用は請求しなかったのだが……

「ふざけるなよ! このクソ餓鬼が」

 などと激高する商人もいたので、その商人とそいつが所属する組合に厳重注意の勧告をだし、要注意リストに書き加えた。

 そんな事んなで子供ながら忙しく働いていると、本家……つまりはお爺様の城に行く事が決まりその時に正式なお披露を行う事になった。

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