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第14話 僕何かやっちゃいましたか?
しおりを挟む「で、その読解力を鍛える方法は、国語のドリルと新聞の要約だっけ?」
「その通りよ。基礎が出来たら『○○と言う語句を用いて記述しなさい』などの文章問題に取り組むと、効率的に読解力を鍛えることが出来るわ! そして実践の舞台として『LIMEグループ』に入って貰うわ」
「LIMEグループってどこのだよ? 中学の?」
高校のグループであってほしくないという。
蜘蛛の糸のような、か細い僅かな希望を打ち砕いて欲しくないという儚い願いは、次の瞬間には見事に断ち切られる。
「それはね我が『菊花学園新一年生グループ』よ」
「はぁッ!? 入学式でクラスLIMEも作ってないのに、もう学年LIMEあるのッ!? は、初耳なんだけど……」
「ここでもまた情報の差で泣くことになったね。Twitter……X、Instagram、FacebookなんかのSNSを通じてでプロフかポストに『今年から菊花学園新一年生です』とか書いておけば、有志が作ってくれたグループに招待してくれたのに……」
そう言ってTwitterとLIMEの画面を見せてくれる。
「あ、先ず注意点だけどオタトークは基本禁止。ジャ〇プ……の中でも鬼滅、スパファ、ワンピ、ヒロアカ、呪術ぐらいまでならセーフかな? でも基本はしないこと!!」
と強めに念押しされる。
「なるほど……大体わかった」
つまり看板作品レベルなら男の嗜みとして許されると言う訳だ。
「ホントかなぁ?」
随分信頼がないようだ。
まあ、努力したところで元々僕は過負荷側の人間だ。
努力して、取り繕って、要約ゼロに近づいているけれど未だマイナス。
だから信頼されている方がおかしいと言える。
「でもやらなきゃ身に付かない……でしょ?」
「その通り! 先ずは当たって砕けなさい」
「砕ける前提かよ!!」
「痛みが無きゃ学習出来ないわ。骨は拾ってあげる……だって私はお姉ちゃんだから!! 失敗を恐れないでフォローもするし褒めてもあげるだから一歩踏み出して」
僕は彼女の瞳に吸い込まれた。
よく漫画やアニメでは星や光なんかのエフェクトが目に描かれる。
それは「目を見て」「目の色が変わった」などの言葉に代表されるように、日本人は表情の中で目を重要視するからだ。
そして彼女の美貌も相まってブラックホールもかくやとでも言うべき、引力を持っている。
俺の意識全てが彼女に吸い込まれ魅了される。
家族ではないのに、僕は既に彼女に親近感を覚えているのだ。
普通の家族の関係じゃないのかもしれない。
だけど僕にとって春姫は、家族の次に近い存在だ。
< 菊花高校新一年生学年グループ(312) Q 3 三
今日
10:11
春姫が勇気をグループに招待しました。招待中の友達が参加するまでしばらくおまちください。
10:13
勇気がグループに参加しました。
既読13 xx中学出身の岩野勇気です。
10:14 趣味は読書です。これからよ
ろしくお願いします。
皆ヒマなのかものの数秒で通知音が鳴り、「よろしく」とか「よろ」とか言った返事が返ってくる。
一先ず面倒ごとにはなっていないようだ。
だがこの誰が招待したのか一目で分かるこのシステムは、ボッチには辛いモノがある。
「学校の皆が好意的でよかったね」
春姫は年の離れた弟を見守るような目で俺を見る。
グループの過去ログを遡って見る。
「このグループは普段どんなことを話してるの?」
「雑談がメインかなぁ~」
やっぱり人数が多いとコアな話題にはつながっていないようだ。
どうせなら使うSNSの種類をLIMEではなくDiscordにして、様々な用途のチャンネルを作った方が、ゴチャゴチャせずに個人の話題で盛り上がると思うんだけどなぁ……
中学のクラスLIMEには参加はしているものの、基本的に通知をOFにして稀に既読を付けるだけにしている。
たいして仲がいい訳でもないのに、家でもクラスメイトに気を遣うなんて無駄なことをしたくないからだ。
「会話の流れで必要そうならDiscordに部屋作るよって、提案してみようかな? ともだちが進めてくれた作品にこんな言葉があった『逃げたら一つ、進めば二つ』……今の俺にはなんだかポジティブに聴こえる」
こうして僕は努力を重ねたハズだった……
「ねぇ? どうしてこんなことになってるの?」
僕が加入したから数日でLIMEグループは廃れた。
理由は一度に二つの会話をし始めたと時に不便だと声が上がったからだ。
女子はドラマやファッション。
男子は最近発売したばかりのモン狩りなどのゲームの話題で、何かいいものは無いか? となっていた時にDiscordを提案した。
するとDiscordを使う人数が男子を中心に増え、やがて女子も移住を進め現在は趣味に勉強、部活と既に学年グループから逸脱し始めている。
「真面目にやってきたからですかね?」
「そんなんでこんなことになるかー!」
「このままの勢いだと学年どころか、学校単位のグループになりそうだな……管理権限を生徒会やクラス委員に付与して負担を軽減しようかな?」
なんて飛躍したことを考えていると……。
「予想外のできごとだけど、今君は知名度を手にれることが出来た。これを活かすことを考えましょう」
「お、おう」
こうして新しいタスクを増やし僕の春休みは過ぎていった。
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