陰陽術全盛の平安時代から転生した陰陽師、現代世界で無双する~千年前と比べて今の時代の術者が弱すぎる。予言の御子と一緒に世界を救うため魔王に挑
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
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第7話
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剣の陰陽師……それに源氏。なるほど母や父に強請って見せてもらった。大河ドラマや漫画で見たことがある。武士の世では妖怪変化の類を専門にした武士の一族や、集団がいたのだろう平氏にも源氏にも……それが恐らく剣の陰陽師という事だろう。
まぁ大河ドラマの主役級のイケメン俳優目当てで、見ていた母のツボにはハマったらしく、再放送も見させられたため、近代史まではまだ見れていない。
それにしても武士が国を支配する時代が到来し、約1000年も続くとはいやはや何が起こるかわから無いモノだな……
「私の一族など鬼や鵺、牛鬼に土蜘蛛、と言った名だたる大妖《たいよう》を斬った方々に比べればまだまだです……」
などと言って謙遜して見せる。
多分この人なら斬れると思うんだけどなぁ……
「そちらのお子さんは随分といい眼をしてるんですね」
眼に注目するか……確かにこのレベルの隠形を見破られたとあっては、沽券にかかわるという事か……
「あ、あぁ視鬼の才は私以上で親の贔屓目だが同世代では一番であろう」
と父は俺の自慢話をする。
やめてくれと思うものの、前世の父母には親孝行らしい親孝行を出来なかったという悔いがある事もまた事実。
転生などと言う下駄を履いた状態で褒められたところで、ズルをしている気分になる。
「確かに。あの天才児を知らなければそう思いますよね……」
などと不穏な事を言う。
他にも転生者がいるのだろうか? などとあり得ない妄想をしながら女の言葉に耳を傾ける。
どうやら信じられなかったのは父も同じのようだ。
「ほう。そんなに凄い術者の子供が居るのか……」
「えぇ今年はゴロゴロと、呪術全盛の平安時代よりも凄いかもしれませんよ?」
「へぇ……」
押し黙って居たがつい口を開いてしまう。
実際に会ったことは無いが道摩法師や、播磨守クラスの術者を見ていないからそんなことを言えるのだ。
彼らは神霊を式として扱う本物の術師だ。
「ねぇボク? 名前は?」
「春に明で土御門春明です」
「良い名前ね。才能もセンスそれ度胸もある……それに今年は切磋琢磨出来る盟友となりえる術者達もいる。土御門家の分家も……いやこの呪術世界も泰《あんたい》そうだ。それでは私は、お嬢様の出迎えがあるので失礼するわね」
そう言ってアヤメさんはこの場を後にした。
「武家系ってなんですか?」
「ふむ。折角の機会だ。少し早い気もするが説明しよう。その昔日本には武士と呼ばれる戦闘集団がいて、大まかに分けて平氏と源氏に分けられた。源氏のトップである源頼朝が武士のトップである征夷大将軍に任命されると、朝廷を無視した政治を始めて行く――――」
俺が死んでからの呪術世界の歴史になるわけか、俄然興味が湧いて来た。
「――――それまで神霊で問題が起こった時には我らのような貴族や僧侶、神職が対処していたが、それでは朝廷の影響を排除しきれない。だから自らの家臣団で魔を滅ぼす事を専門とした集団を組み込むようになった。それが剣の陰陽師であり、呪殺やその防御を専門とした一団が漫画やアニメ、特撮で有名な俗にいう忍者と言う訳だ。その成り立ちの関係上我ら公家系と武家系は仲が悪いんだ」
「なるほど」
どうやら俺の予想は概ね当たっていたようだ。
「それに公家系と武家系では重視している部分が違うのよ。武家系は発動速度が速く近接戦闘能力を高めるモノを好んで、公家系は発動が遅くても高威力で遠距離を好むという、大まかな方向性の違いがあるわね。全体的に霊力や呪力が低下傾向にある現代では、霊器《れいき》や神器《じんぎ》を用いると効力の増す武家系の呪術が、近年では再評価路線にあるのは妬ましいことね」
と母さんが解説を挟んだ。
確かに俺の時代にも鬼や土蜘蛛を斬った武士は居た。家に稽古に来る者もいたが真言が長い術や習得に時間がかかるモノよりも、刃の切れ味が増す術とか、矢が遠くまで飛ぶ術を好んで習得していたなと思い出した。
神器は分かるが霊器となんだろう?
俺の顔色から察してくれたのか解説が始まる。
「霊器や神器と言うのは、神や精霊などの加護が宿った霊力や呪力を増幅・強化してくれる古の武具の事で、基本的な才能があればだれが使っても一定の能力向上が見込めるが、数が少なく歴史的希少価値も高く、その多くが美術館や名家の蔵や国庫などに収容されている。から現物を見る機会は先ずないだろう」
「それに国宝などに指定されているから値段も高いのよ。本家の蔵にでも行けば多分ゴロゴロと眠っているでしょうけど」
と母さんが毒付いた。
神器や霊器と言うのは、俺の生きていた時代でいう呪具や法具のようなモノの事か……
「愚痴を子供相手にこぼしてないでさっさと行くぞ。優鶴《ユズル》」
「もうアナタったら春明が生まれる前の呼び方するなんて……照れるじゃないの」
二人でイチャイチャとしながら、歩いていき懇親会の会場受付で受付を行う。
平安の世の常識では、ありえない光景だが戦後の日本ではありふれた光景なのだろう。
平安時代では人前でイチャイチャするなど、言語道断と言う風潮であったからこれには心底驚いた。
だから両親のイチャイチャが人前で晒された時の恥ずかしさや、痛々しさと言った感情は人一倍感じていた。共感性羞恥心も合わさってダメージ4倍! と言った所だろう。最近ハマっている育成ゲームが脳裏を過る。
まぁ大河ドラマの主役級のイケメン俳優目当てで、見ていた母のツボにはハマったらしく、再放送も見させられたため、近代史まではまだ見れていない。
それにしても武士が国を支配する時代が到来し、約1000年も続くとはいやはや何が起こるかわから無いモノだな……
「私の一族など鬼や鵺、牛鬼に土蜘蛛、と言った名だたる大妖《たいよう》を斬った方々に比べればまだまだです……」
などと言って謙遜して見せる。
多分この人なら斬れると思うんだけどなぁ……
「そちらのお子さんは随分といい眼をしてるんですね」
眼に注目するか……確かにこのレベルの隠形を見破られたとあっては、沽券にかかわるという事か……
「あ、あぁ視鬼の才は私以上で親の贔屓目だが同世代では一番であろう」
と父は俺の自慢話をする。
やめてくれと思うものの、前世の父母には親孝行らしい親孝行を出来なかったという悔いがある事もまた事実。
転生などと言う下駄を履いた状態で褒められたところで、ズルをしている気分になる。
「確かに。あの天才児を知らなければそう思いますよね……」
などと不穏な事を言う。
他にも転生者がいるのだろうか? などとあり得ない妄想をしながら女の言葉に耳を傾ける。
どうやら信じられなかったのは父も同じのようだ。
「ほう。そんなに凄い術者の子供が居るのか……」
「えぇ今年はゴロゴロと、呪術全盛の平安時代よりも凄いかもしれませんよ?」
「へぇ……」
押し黙って居たがつい口を開いてしまう。
実際に会ったことは無いが道摩法師や、播磨守クラスの術者を見ていないからそんなことを言えるのだ。
彼らは神霊を式として扱う本物の術師だ。
「ねぇボク? 名前は?」
「春に明で土御門春明です」
「良い名前ね。才能もセンスそれ度胸もある……それに今年は切磋琢磨出来る盟友となりえる術者達もいる。土御門家の分家も……いやこの呪術世界も泰《あんたい》そうだ。それでは私は、お嬢様の出迎えがあるので失礼するわね」
そう言ってアヤメさんはこの場を後にした。
「武家系ってなんですか?」
「ふむ。折角の機会だ。少し早い気もするが説明しよう。その昔日本には武士と呼ばれる戦闘集団がいて、大まかに分けて平氏と源氏に分けられた。源氏のトップである源頼朝が武士のトップである征夷大将軍に任命されると、朝廷を無視した政治を始めて行く――――」
俺が死んでからの呪術世界の歴史になるわけか、俄然興味が湧いて来た。
「――――それまで神霊で問題が起こった時には我らのような貴族や僧侶、神職が対処していたが、それでは朝廷の影響を排除しきれない。だから自らの家臣団で魔を滅ぼす事を専門とした集団を組み込むようになった。それが剣の陰陽師であり、呪殺やその防御を専門とした一団が漫画やアニメ、特撮で有名な俗にいう忍者と言う訳だ。その成り立ちの関係上我ら公家系と武家系は仲が悪いんだ」
「なるほど」
どうやら俺の予想は概ね当たっていたようだ。
「それに公家系と武家系では重視している部分が違うのよ。武家系は発動速度が速く近接戦闘能力を高めるモノを好んで、公家系は発動が遅くても高威力で遠距離を好むという、大まかな方向性の違いがあるわね。全体的に霊力や呪力が低下傾向にある現代では、霊器《れいき》や神器《じんぎ》を用いると効力の増す武家系の呪術が、近年では再評価路線にあるのは妬ましいことね」
と母さんが解説を挟んだ。
確かに俺の時代にも鬼や土蜘蛛を斬った武士は居た。家に稽古に来る者もいたが真言が長い術や習得に時間がかかるモノよりも、刃の切れ味が増す術とか、矢が遠くまで飛ぶ術を好んで習得していたなと思い出した。
神器は分かるが霊器となんだろう?
俺の顔色から察してくれたのか解説が始まる。
「霊器や神器と言うのは、神や精霊などの加護が宿った霊力や呪力を増幅・強化してくれる古の武具の事で、基本的な才能があればだれが使っても一定の能力向上が見込めるが、数が少なく歴史的希少価値も高く、その多くが美術館や名家の蔵や国庫などに収容されている。から現物を見る機会は先ずないだろう」
「それに国宝などに指定されているから値段も高いのよ。本家の蔵にでも行けば多分ゴロゴロと眠っているでしょうけど」
と母さんが毒付いた。
神器や霊器と言うのは、俺の生きていた時代でいう呪具や法具のようなモノの事か……
「愚痴を子供相手にこぼしてないでさっさと行くぞ。優鶴《ユズル》」
「もうアナタったら春明が生まれる前の呼び方するなんて……照れるじゃないの」
二人でイチャイチャとしながら、歩いていき懇親会の会場受付で受付を行う。
平安の世の常識では、ありえない光景だが戦後の日本ではありふれた光景なのだろう。
平安時代では人前でイチャイチャするなど、言語道断と言う風潮であったからこれには心底驚いた。
だから両親のイチャイチャが人前で晒された時の恥ずかしさや、痛々しさと言った感情は人一倍感じていた。共感性羞恥心も合わさってダメージ4倍! と言った所だろう。最近ハマっている育成ゲームが脳裏を過る。
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