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第10話
しおりを挟む「一閃ッ――――!!!!」
まさに必殺の間合い。必殺の一閃。
相手の双眸が怪しく眩く煌めき――――
空間を真っ二つに切断するが如き必殺の一撃が放たれた。
彩華は持ちうる限りの技術と闘気を、余すことなくこの渾身の一撃のせ放ったのだ。
「がぁぁああああああッ!!」
バニーは吹き飛び。意識を失った。
「先輩。早く荷物を届けましょう……」
掃除屋と呼ばれる隠蔽を得意とする部署を電話で後始末を頼む。
俺と彩華はその足で議員の事務所へたどり着くと、秘書に安藤議員からの配達物としてファイルを届けた。
数日後酒井議員は体調不良のためこれ以上、議員を続けることが困難という事で、今期限りで議員を辞する意向を固めたと報道された。
「ユースケ先輩私たちが配達したファイルって何だったと思います?」
地元にあるローカルなラーメンチェーン店あっ晴れにて、熟成味噌赤ラーメンとチャーシュー丼にミニ餃子、生卵のトッピングをした物を俺は隣の席の彩華と共に啜っていた。
「美味いか?」
「美味しいですケド、カロリーが気になりますよぉ。ホタテ油にバター美味しいですけど一食何キロカロリーあるんだか……話を逸らさないでくださいよ」
文句は言いつつも美味しそうにラーメンを啜っている。
「あの議員過去に贈収賄の疑惑があったんだが……恐らくそれが本当で地盤を揺るがすレベル……多分奴の父の代から大陸国からの賄賂を受け取っていた。その証拠か特捜部の動きを伝えたと言ったところだろう。
もしばらされて後継者に地盤を引き継げないぐらいなら、国会議員を引退した方がマシと思ったんだろうな……その背景まで考えると、主民党の主流派が下手に発言力を持った馬鹿な元防衛大臣を、消しにかかったと言った所だろう」
「そうでしょうね……父の周りも母の周りもてんやわんやって感じみたいです」
外交官まで動員するとは……結構大きなヤマだったんだな。英国が動いている事を考えると……ってこんな事を考えても仕方がない。
「いつもありがとうな」
「何ですか急に? 気持ち悪いですね……今日もゴチになります」
「いいけどさ……前回の寿司はソッチ持ちな!」
「チ、覚えてましたか……」
「あ、今舌打ちしたな!」
「してないですぅ~先輩の聞き間違いですよぉ~耳鼻科にでも言ったらいいんじゃないですかぁ~」
二人で軽口を叩きながらラーメンを突く。
どうやら俺の想像が、ほとんど当たっているようだな。
お冷を飲み干して口内の油分と塩分、それに今回の事件の真相を流し込んだ。
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