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三章

上手⭐︎

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「……ぁ」
「上手にイけましたね」
「っん……」

 杉野は優しく藤ヶ谷に口付けつつパジャマの上から下半身に触れ、そこが湿っているのを確認した。
 高揚感で頭がほわほわと心地よい藤ヶ谷は、浅い呼吸で胸を上下させながらとろりと目尻を下げる。

「杉野に、イかせてもらった……妄想じゃ、なくて」
「藤ヶ谷さ」
「うれしい」

 腕を首に回してしっかりと抱き付く。
 互いの胸元が触れ、体温が伝わってきた。

「杉野、大好きだ」

 頬を寄せて伝えると、杉野が頭を力強く支える様にして抱きしめ返してくれる。

「……もっと触って良いですか」
「いっぱい触ってくれ」

 藤ヶ谷は杉野の胸を押して身体を離すと、上半身のパジャマをスルリとベッドに落とす。杉野が見守る中、自分でズボンも脱いだ。

 すると、濡れてしまった下着が姿を表す。
 レースの布地は藤ヶ谷の欲望でベッタリと肌に張り付き、覆う面積が小さかったせいで力を失ったモノの頭も出てしまっている。

「これはまた」
「も、もももっと綺麗な状態で見せたかったなー、なんてっ……ゃ!」

 自分のいやらしい絵面を目の当たりにし、照れ隠しでふざけようとした藤ヶ谷が肩を跳ねさせた。
 杉野が濡れた先端に人差し指で触れ、形を辿る様にレースの上を動かしていく。

「兄さんがうちの商品みてどれが好きだとか珍しいこと聞くと思ったら……」

 どうやら優一朗も山吹の共犯だったらしい。
 兄弟の会話として特に不自然な話題ではなかったため、杉野は何も疑わず答えたのだと言う。
 藤ヶ谷はもどかしい刺激に震える吐息を零す。

「お、前……っこんなのが好きなの……?」
「藤ヶ谷さんに、似合うでしょう?」

 杉野が見せつける様に持ち上げた手には、白い糸が引いていた。
 ネットリと親指と人差し指で弄ばれる自分の放ったものを見ていられず、藤ヶ谷は目線をそらした。

「真っ黒のレースも良かったけど」
「なっなんで知って……!やぁん」

 最後まで言えずにセリフが矯声に変わる。
 狭い布の中に手を入れられて、達したばかりで敏感になっているソコを揉まれた。
 ぐちゃぐちゃと淫らな音が、耳まで犯してくる。

 涙目になった藤ヶ谷は悶えながらも体を起こして抗議した。

「ぁんっ、イ、イッたばっかだって、……ちょっとそっとぉ……!も、ばかっ」
「……っ」

 どう言っても手が止まらなさそうだと判断し、仕返しとばかりに肩を掴み首筋に歯を立てる。
 甘噛み程度の強さだったが、まさかの反撃に杉野は動きを止めた。

 その隙に藤ヶ谷は杉野の下着に手をつっこみ下半身に触れる。

「わ……」

 すでに熱く猛っているソコは、想像より固く太い。一人でする時とは違う手触りに内心怯んだが、意を決して指を動かしてみた。
 杉野は詰めた息を吐き、藤ヶ谷の頬に触れた。

「……っ、は……藤ヶ谷さん、何して……っ」
「杉野も、イって欲しくて」

 慣れない手つきでも、杉野の中心は更に膨張していくのが、手のひらから伝わってくる。

 キツくて動かしにくいと、藤ヶ谷は下着に手を掛けた。
 片手では上手く脱がせることができず手間取っていると、杉野が自分で下着を脱いだ。

「……え……」

 藤ヶ谷は、姿を見せたモノを見て表情を強張らせる。
 目の当たりにした先走りを零すソレは、恐ろしく凶暴そうだ。
 無意識のうちにベッドの上を後ずさる藤ヶ谷に、察しているであろう杉野は笑い掛けてくる。

「イかせて、くれるんでしたっけ」
「わ……っ」

 逃げる足を掴んで引き寄せられる。
 膝裏を持ってあっさりと仰向けに転がされた。
 杉野の眼前に蕾を突きつける状態になってしまう。
 恥ずかしがっている暇もなく、濡れた先端で入り口の襞を擦られた。

「俺はコッチでイきたいんですが、良いですか?」

 ズルリと割れ目に竿を滑らされて、藤ヶ谷の腰が跳ねる。
 自らの指しか受け入れたことのない後孔にそれが挿入されることを想像した藤ヶ谷は、不安げに眉を下げた。

「入る、かな」
「ゆっくりしますから」

 杉野はベッドサイドに置いてある小さな円形の台に手を伸ばす。
 藤ヶ谷はこの部屋に入ってから必死で気がついていなかったが、そこにはコンドームやローションのボトル、避妊薬と思しき錠剤までが堂々と並べて置いてあった。

(山吹さん、本気すぎる……)

 そこからボトルを取った杉野を見て、藤ヶ谷は落ち着かずに手をもじもじと動かす。
 ボトルからドロリと透明な液体が出てきて、杉野の手を濡らした。その様子は先ほどの白濁を弄っていた時と同じくらい卑猥で。
 ヒート中でもないのに藤ヶ谷のまだ閉じた蕾は息づいた。
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