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カシムの秘密②
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隠し通路に入ると薄暗いが火が灯される。
通路は人一人が通れるくらいの狭さだ。
リリアムがキョロキョロしながら歩いていると、壁に何か出っ張りを発見。
近づいて見てみると、出っ張りの近くに何か文字が書いてある。
【押すと槍】
それを見て、とりあえず距離を取り、魔力球を投げて押してみる事にした。
ポチッ
すると、出っ張り付近の上方から数十本の槍が勢い良く降ってきた。
「…………?」
少女にはこの意図がわからなかった。
何故、罠なのに答えを書いてしまっているのか。
逆に何か伏線があるのか?と疑ってしまう。
槍はどかして再び歩き出す。
すると今度は地面が少し出っ張っている。
近づいてよく見ると、、、
【踏むと巨大玉】
と書いてある。
この狭い通路でソレが来るのはかなり面倒臭い。
少女は踏まないように気をつけて通り過ぎた。
それからも似た様な罠がいたる所にあった。
リリアムの疑問も募るばかりだ。
何故こんな無駄な罠が其処彼処にあるのだろう。
更に進むと、小さめの部屋に出た。
その中央には大人が入れる位の籠が逆さになって木の棒で支えられていた。
そして籠が被さる位置には宝石が置いてあった。
「…………」
何だろう、何を捕まえる気なんだろう。
しかも木の棒には紐も何も付いていない。
もしやと思い、棒に触らない様に宝石に近付き、手に取る。
本来であれば、得物を取った瞬間に籠が被さってきて閉じ込められるはず。
だが、うんともすんともいわない。
宝石を持ったまま場所を移動し、念の為小部屋の入口から魔力球を投げ、木の棒を倒してみる。
その瞬間、籠が床を覆った。
「だよね!いや、わかってたけれども!」
何とも言えないフラストレーションが溜まってきた。
違う!罠はそうじゃないだろ!!……と。
こんな仕掛けを何故カシムは作ったのか問い正したくなってくる。
寧ろ、なってる。
小部屋から先に進むと今度は扉があった。
扉には何か書いてある。
【1+3=? ①1 ②3 ③8 ④4】
選択肢の部分はボタンになっている。
リリアムは迷う事なく④を押す。
ガチャッ
ロックされていた鍵が開いたようだ。
ゆっくりを扉を開けると、また小部屋になっている。
しかし、ここが最後の場所の様だ。
気配を殺して中に入ると、男の背中が見えてきた。
何かの作業に没頭しているのか、こちらに気付かずにいる。
これまでの罠について一言言ってやりたかったがグッと堪え、カシムの手元を覗き込む。
そこには、大量のリリアムの写し絵があった。
「え?!ちょっと、何これ!!」
思わず声をあげてしまった。
それに反応し、カシムは少女の方を勢い良く向く。
「リ、リリアム?!どうやってここに!!……はっ!こ、これはだな……」
慌てて写し絵を手で隠すも、隠しきれていない。
様々な角度のリリアムが写し絵になっており、それを白紙の本に貼り付けていた様だ。
「カシム……色々言いたいところだけど、今はあえて一つにだけにしといてあげる………」
拳をぶるぶると震わせながら、息を大きく吸う。
「………罠は私が作り直すからね!!!!!!」
こうして、カシムの秘密はバレてしまったのであった。
「あの罠をすり抜けるとは、予想外だ……」
通路は人一人が通れるくらいの狭さだ。
リリアムがキョロキョロしながら歩いていると、壁に何か出っ張りを発見。
近づいて見てみると、出っ張りの近くに何か文字が書いてある。
【押すと槍】
それを見て、とりあえず距離を取り、魔力球を投げて押してみる事にした。
ポチッ
すると、出っ張り付近の上方から数十本の槍が勢い良く降ってきた。
「…………?」
少女にはこの意図がわからなかった。
何故、罠なのに答えを書いてしまっているのか。
逆に何か伏線があるのか?と疑ってしまう。
槍はどかして再び歩き出す。
すると今度は地面が少し出っ張っている。
近づいてよく見ると、、、
【踏むと巨大玉】
と書いてある。
この狭い通路でソレが来るのはかなり面倒臭い。
少女は踏まないように気をつけて通り過ぎた。
それからも似た様な罠がいたる所にあった。
リリアムの疑問も募るばかりだ。
何故こんな無駄な罠が其処彼処にあるのだろう。
更に進むと、小さめの部屋に出た。
その中央には大人が入れる位の籠が逆さになって木の棒で支えられていた。
そして籠が被さる位置には宝石が置いてあった。
「…………」
何だろう、何を捕まえる気なんだろう。
しかも木の棒には紐も何も付いていない。
もしやと思い、棒に触らない様に宝石に近付き、手に取る。
本来であれば、得物を取った瞬間に籠が被さってきて閉じ込められるはず。
だが、うんともすんともいわない。
宝石を持ったまま場所を移動し、念の為小部屋の入口から魔力球を投げ、木の棒を倒してみる。
その瞬間、籠が床を覆った。
「だよね!いや、わかってたけれども!」
何とも言えないフラストレーションが溜まってきた。
違う!罠はそうじゃないだろ!!……と。
こんな仕掛けを何故カシムは作ったのか問い正したくなってくる。
寧ろ、なってる。
小部屋から先に進むと今度は扉があった。
扉には何か書いてある。
【1+3=? ①1 ②3 ③8 ④4】
選択肢の部分はボタンになっている。
リリアムは迷う事なく④を押す。
ガチャッ
ロックされていた鍵が開いたようだ。
ゆっくりを扉を開けると、また小部屋になっている。
しかし、ここが最後の場所の様だ。
気配を殺して中に入ると、男の背中が見えてきた。
何かの作業に没頭しているのか、こちらに気付かずにいる。
これまでの罠について一言言ってやりたかったがグッと堪え、カシムの手元を覗き込む。
そこには、大量のリリアムの写し絵があった。
「え?!ちょっと、何これ!!」
思わず声をあげてしまった。
それに反応し、カシムは少女の方を勢い良く向く。
「リ、リリアム?!どうやってここに!!……はっ!こ、これはだな……」
慌てて写し絵を手で隠すも、隠しきれていない。
様々な角度のリリアムが写し絵になっており、それを白紙の本に貼り付けていた様だ。
「カシム……色々言いたいところだけど、今はあえて一つにだけにしといてあげる………」
拳をぶるぶると震わせながら、息を大きく吸う。
「………罠は私が作り直すからね!!!!!!」
こうして、カシムの秘密はバレてしまったのであった。
「あの罠をすり抜けるとは、予想外だ……」
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