3 / 55
第一章 ミュージカル界へ
第二話 あの人
しおりを挟む
「ミュージカルですって!」
母が銀縁の眼鏡越しに、侮蔑の視線を投げつけてきた。
「あなた、気は確かなの?」
「ただオーディションを受けただけよ」
「悪魔に魂を売り渡す気?」
「悪魔って……そういう言い方はないでしょう」
案の定、母は私の決断を端から否定してかかった。ミュージカルを悪魔とまで罵って――。
「だって今の私は、歌だけじゃ生活できないのよ。時々小さなコンサートに呼ばれて、あとは学生相手に歌を教えるだけ」
「生活費くらい、出してあげます」
「そういう問題じゃないの」
「研鑽を積み重ねて、チャンスが訪れるのを待つの」
「無理よ。米田礼二が生きてる限り、誰も私を使おうとはしない」
「米田が死ねば状況が変わるわ」
「そんなの待ってられない。来年、私三十よ。このまま何もせずにお婆さんになっちゃう。そんなの耐えられない。それに米田が死んだって、誰も私を使わないわ」
「そんなことない」
「だって……あんな事件を起こしたのよ、私は」
六年前の忌まわしい記憶が脳裏に蘇り、全身が細かく振動した。
「こんな私を、オペラ界が起用すると思う? あの閉鎖的な世界の住人が、私にもう一度チャンスを与えると思う?」
「お前が真面目に精進を重ねれば……」
「無理よ!」
母の発言を遮って叫んだ。「無理なのよ」
「だからって……」
母は両手を握り締め、押し殺した声で言葉を継ぐ。「ミュージカルに逃げることは許されないよ」
「まだ決めたわけじゃないわ。三次選考の五人に残っただけで、合否も分からないし」
「お前は受かるよ」
母は断言した。
「合格するに決まってる。そしたら、出演する気なんだろ」
「……」
私は目線を落として、絨毯を見つめた。
「言っとくけどね、一旦ミュージカルの世界に行ったら、二度とオペラには戻れないよ」
「そんなこと分からないわ」
「分かるさ。演歌のような喉に負担のかかる歌を歌わされるんだよ。それも一週間に六回も七回も。おまけに台詞まで言わされるんだろ。いっぺんに喉が潰れちまう。長い間かけて作り上げたお前の黄金の喉が、二ヶ月か三ヶ月で木っ端微塵だ。二度とクラシックの世界に戻れやしないよ」
確かにそうなのだろう。これは片道切符の旅なのだ。元の地点に戻ることは許されない。また、その覚悟がなければ行ってはならない場所なのだ。
「でもお母さん、劇団はあの明星なのよ。日本一のミュージカル劇団」
「規模が日本一だろうと、芸術性はゼロだね」
「だったら私が芸術性を付与するわ」
「なに」
「ミュージカルの世界に、私が芸術の息吹を送り込む。本物の歌とは何かを見せつけてやる。――それにね、お母さん。演目はあの『ラ・ボエーム』なのよ」
「ラ・ボエーム?」
母の顔色が一瞬にして変化するのが分かった。
「そうよ。アンドリュー・ライトがミュージカル版を書き下ろしたの。ブロードウェイで二年以上ロングランを続けているわ」
母はかつて、私と同じソプラノ・リリコだった。
オペラ歌手の声種は、主に「高さ」と「太さ」によって規定される。女声は高い順に、ソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルトの三つに区分され、同じソプラノでも声の太さによって太い順に、ドラマティコ、スピント、リリコ、レッジェーロに分かれている。厳密には、もっと細かく区分することも可能だ。
ソプラノ・リリコは、柔らかく抒情的で、かつ豊かな声量を求められるパートで、オペラではもっとも役柄の多い声質である。『フィガロの結婚』の伯爵夫人、『魔笛』のパミーナ、『カルメン』のミカエラなどが有名だ。
母は若い頃、天才的ソプラノ・リリコと騒がれ、二十九歳の時には、世界的なテノール歌手ホセ・モリエンテスから名指しで共演の指名が入った。それが『ラ・ボエーム』のミミだ。母が最も得意とした役で、世界的デビューへの足がかりとなる絶好のチャンスだった。
だがその準備中に、妊娠が発覚する。当時交際中だった父との間に子供が出来たのだ。
カトリック信者である母は堕胎に対する抵抗感が強く、迷った末に結婚・出産の道を選んだ。
ホセとの共演話は当然キャンセルとなった。
母はそれを一生悔やむことになる。
当時の母は、チャンスは今後いくらでもあると高をくくっていた。ところが出産が思わぬ難産となり、帝王切開の末に私を産み落としたものの、術後に合併症を引き起こし何ヶ月にもわたって体調不良に悩まされた。声の調子も微妙に狂ってしまった。その後完全復帰を果たすも海外からの夢のようなオファーは二度と巡ってこず、やがて加齢による声質の変化が訪れ、その声は太く重くなっていった。
もはや母はリリコではなくなった。
ミミを演じる機会は永遠に失われ、そして人々から忘れ去られていった。
「私はお前と引き換えに、名声を手放したんだよ」
子供の頃から、ことあるごとにそう言われて育ってきた。何千回、何万回と繰り返し植え付けられた台詞だ。もはやトラウマといってもいい。
だからラ・ボエームのミミは、母にとっても、私にとっても、特別な意味を持つ役柄なのだ。私がこれを完璧に演じ切ることで、母の失われた人生をも取り戻すことになる。
「でも、プッチーニの楽曲じゃないんだろ」
「当たり前よ。ミュージカルだもん」
「それじゃ、本物のラ・ボエームとは言えないよ」
と母は言った。だが、先程「悪魔に魂を売り渡す気」と叫んだ時とは微妙に声のトーンが違っていた。
ラ・ボエームは、以前「RENT」という名でミュージカル化されブロードウェイで大ヒットを記録し、映画化もされた。これは、舞台を現代に移し変え、麻薬や同性愛など今日的テーマを盛り込んだ、換骨奪胎の作品だ。
しかしアンドリュー・ライトの新作は、その名もずばり「ラ・ボエーム」。原作の時代背景やストーリーの骨格をそのままに、ミュージカルの形に移し変えている。エルトン・ジョン作曲の「アイーダ」と同じ手法である。
現代のプッチーニと謳われるアンドリュー・ライトが、ポップス界からミュージカル界に乗り込み次々傑作をものしているエルトン・ジョンに対抗すべく作った作品、と巷では言われている。
「演歌版のラ・ボエームをやったって、そんなもの手柄にはならないよ」
母はあくまでミュージカル界行きに反対した。
「でも、このままじゃ一生歌の先生で終わっちゃう」
私は思いのたけをぶつける。
「年老いて忘れ去られていくだけの人生なんて耐えられない。それじゃお母さんと同じじゃない。私にもお母さんと同じ道を歩めというの!」
「オペラを捨てたら、絶対後悔することになるんだよ」
「私だってミュージカルなんかやりたくない。本物のラ・ボエームを歌いたい。でも、できないのよ。やりたくても、できないの。お母さんならこの悔しい気持ち、分かるでしょ。実力がありながら陽の目を見ることなく消えていく。忘れ去られていく。その切なさ。悔しさ。やりきれなさ。――私はお母さんみたいに、それを他人のせいにして生きていきたくないの」
「私がいつ他人のせいに……」
「したじゃない!」
思わず大声を発していた。
「お前と引き換えに名声を手放したんだって、耳にたこができるくらい何度も何度も聞かされたわ。言われた子供がどういう気持ちになるか、考えたことある? 私は自分の子供にそんなことを言う人間には絶対なりたくない。だから年老いる前に、やれることは全て挑戦しておきたいの。あらゆる可能性に賭けてみたいの。お母さんが何と言おうと、私の人生は私が決める。これ以上、お母さんの指図は受けないわ!」
「……」
母は一瞬きっとした目でこちらを睨みつけたが、口を開くことはなく、やがて視線を外し、背を向けて近くの椅子に座りこんだ。そのまま一言も発しようとしない。
胸にチクリと針で刺されたような痛みが走ったが、構うものかと思った。これを言うためにわざわざ実家まで足を運んだのだ。母との精神的決別なしに――母からの自立なしに――ミュージカルの世界に飛び込んではいけない。
避けて通れない通過儀礼なのだ。
母から解き放たれることで、私は初めて片道切符の旅に発つことができる。
母が銀縁の眼鏡越しに、侮蔑の視線を投げつけてきた。
「あなた、気は確かなの?」
「ただオーディションを受けただけよ」
「悪魔に魂を売り渡す気?」
「悪魔って……そういう言い方はないでしょう」
案の定、母は私の決断を端から否定してかかった。ミュージカルを悪魔とまで罵って――。
「だって今の私は、歌だけじゃ生活できないのよ。時々小さなコンサートに呼ばれて、あとは学生相手に歌を教えるだけ」
「生活費くらい、出してあげます」
「そういう問題じゃないの」
「研鑽を積み重ねて、チャンスが訪れるのを待つの」
「無理よ。米田礼二が生きてる限り、誰も私を使おうとはしない」
「米田が死ねば状況が変わるわ」
「そんなの待ってられない。来年、私三十よ。このまま何もせずにお婆さんになっちゃう。そんなの耐えられない。それに米田が死んだって、誰も私を使わないわ」
「そんなことない」
「だって……あんな事件を起こしたのよ、私は」
六年前の忌まわしい記憶が脳裏に蘇り、全身が細かく振動した。
「こんな私を、オペラ界が起用すると思う? あの閉鎖的な世界の住人が、私にもう一度チャンスを与えると思う?」
「お前が真面目に精進を重ねれば……」
「無理よ!」
母の発言を遮って叫んだ。「無理なのよ」
「だからって……」
母は両手を握り締め、押し殺した声で言葉を継ぐ。「ミュージカルに逃げることは許されないよ」
「まだ決めたわけじゃないわ。三次選考の五人に残っただけで、合否も分からないし」
「お前は受かるよ」
母は断言した。
「合格するに決まってる。そしたら、出演する気なんだろ」
「……」
私は目線を落として、絨毯を見つめた。
「言っとくけどね、一旦ミュージカルの世界に行ったら、二度とオペラには戻れないよ」
「そんなこと分からないわ」
「分かるさ。演歌のような喉に負担のかかる歌を歌わされるんだよ。それも一週間に六回も七回も。おまけに台詞まで言わされるんだろ。いっぺんに喉が潰れちまう。長い間かけて作り上げたお前の黄金の喉が、二ヶ月か三ヶ月で木っ端微塵だ。二度とクラシックの世界に戻れやしないよ」
確かにそうなのだろう。これは片道切符の旅なのだ。元の地点に戻ることは許されない。また、その覚悟がなければ行ってはならない場所なのだ。
「でもお母さん、劇団はあの明星なのよ。日本一のミュージカル劇団」
「規模が日本一だろうと、芸術性はゼロだね」
「だったら私が芸術性を付与するわ」
「なに」
「ミュージカルの世界に、私が芸術の息吹を送り込む。本物の歌とは何かを見せつけてやる。――それにね、お母さん。演目はあの『ラ・ボエーム』なのよ」
「ラ・ボエーム?」
母の顔色が一瞬にして変化するのが分かった。
「そうよ。アンドリュー・ライトがミュージカル版を書き下ろしたの。ブロードウェイで二年以上ロングランを続けているわ」
母はかつて、私と同じソプラノ・リリコだった。
オペラ歌手の声種は、主に「高さ」と「太さ」によって規定される。女声は高い順に、ソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルトの三つに区分され、同じソプラノでも声の太さによって太い順に、ドラマティコ、スピント、リリコ、レッジェーロに分かれている。厳密には、もっと細かく区分することも可能だ。
ソプラノ・リリコは、柔らかく抒情的で、かつ豊かな声量を求められるパートで、オペラではもっとも役柄の多い声質である。『フィガロの結婚』の伯爵夫人、『魔笛』のパミーナ、『カルメン』のミカエラなどが有名だ。
母は若い頃、天才的ソプラノ・リリコと騒がれ、二十九歳の時には、世界的なテノール歌手ホセ・モリエンテスから名指しで共演の指名が入った。それが『ラ・ボエーム』のミミだ。母が最も得意とした役で、世界的デビューへの足がかりとなる絶好のチャンスだった。
だがその準備中に、妊娠が発覚する。当時交際中だった父との間に子供が出来たのだ。
カトリック信者である母は堕胎に対する抵抗感が強く、迷った末に結婚・出産の道を選んだ。
ホセとの共演話は当然キャンセルとなった。
母はそれを一生悔やむことになる。
当時の母は、チャンスは今後いくらでもあると高をくくっていた。ところが出産が思わぬ難産となり、帝王切開の末に私を産み落としたものの、術後に合併症を引き起こし何ヶ月にもわたって体調不良に悩まされた。声の調子も微妙に狂ってしまった。その後完全復帰を果たすも海外からの夢のようなオファーは二度と巡ってこず、やがて加齢による声質の変化が訪れ、その声は太く重くなっていった。
もはや母はリリコではなくなった。
ミミを演じる機会は永遠に失われ、そして人々から忘れ去られていった。
「私はお前と引き換えに、名声を手放したんだよ」
子供の頃から、ことあるごとにそう言われて育ってきた。何千回、何万回と繰り返し植え付けられた台詞だ。もはやトラウマといってもいい。
だからラ・ボエームのミミは、母にとっても、私にとっても、特別な意味を持つ役柄なのだ。私がこれを完璧に演じ切ることで、母の失われた人生をも取り戻すことになる。
「でも、プッチーニの楽曲じゃないんだろ」
「当たり前よ。ミュージカルだもん」
「それじゃ、本物のラ・ボエームとは言えないよ」
と母は言った。だが、先程「悪魔に魂を売り渡す気」と叫んだ時とは微妙に声のトーンが違っていた。
ラ・ボエームは、以前「RENT」という名でミュージカル化されブロードウェイで大ヒットを記録し、映画化もされた。これは、舞台を現代に移し変え、麻薬や同性愛など今日的テーマを盛り込んだ、換骨奪胎の作品だ。
しかしアンドリュー・ライトの新作は、その名もずばり「ラ・ボエーム」。原作の時代背景やストーリーの骨格をそのままに、ミュージカルの形に移し変えている。エルトン・ジョン作曲の「アイーダ」と同じ手法である。
現代のプッチーニと謳われるアンドリュー・ライトが、ポップス界からミュージカル界に乗り込み次々傑作をものしているエルトン・ジョンに対抗すべく作った作品、と巷では言われている。
「演歌版のラ・ボエームをやったって、そんなもの手柄にはならないよ」
母はあくまでミュージカル界行きに反対した。
「でも、このままじゃ一生歌の先生で終わっちゃう」
私は思いのたけをぶつける。
「年老いて忘れ去られていくだけの人生なんて耐えられない。それじゃお母さんと同じじゃない。私にもお母さんと同じ道を歩めというの!」
「オペラを捨てたら、絶対後悔することになるんだよ」
「私だってミュージカルなんかやりたくない。本物のラ・ボエームを歌いたい。でも、できないのよ。やりたくても、できないの。お母さんならこの悔しい気持ち、分かるでしょ。実力がありながら陽の目を見ることなく消えていく。忘れ去られていく。その切なさ。悔しさ。やりきれなさ。――私はお母さんみたいに、それを他人のせいにして生きていきたくないの」
「私がいつ他人のせいに……」
「したじゃない!」
思わず大声を発していた。
「お前と引き換えに名声を手放したんだって、耳にたこができるくらい何度も何度も聞かされたわ。言われた子供がどういう気持ちになるか、考えたことある? 私は自分の子供にそんなことを言う人間には絶対なりたくない。だから年老いる前に、やれることは全て挑戦しておきたいの。あらゆる可能性に賭けてみたいの。お母さんが何と言おうと、私の人生は私が決める。これ以上、お母さんの指図は受けないわ!」
「……」
母は一瞬きっとした目でこちらを睨みつけたが、口を開くことはなく、やがて視線を外し、背を向けて近くの椅子に座りこんだ。そのまま一言も発しようとしない。
胸にチクリと針で刺されたような痛みが走ったが、構うものかと思った。これを言うためにわざわざ実家まで足を運んだのだ。母との精神的決別なしに――母からの自立なしに――ミュージカルの世界に飛び込んではいけない。
避けて通れない通過儀礼なのだ。
母から解き放たれることで、私は初めて片道切符の旅に発つことができる。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
月夜のさや
蓮恭
ミステリー
いじめられっ子で喘息持ちの妹の療養の為、父の実家がある田舎へと引っ越した主人公「天野桐人(あまのきりと)」。
夏休み前に引っ越してきた桐人は、ある夜父親と喧嘩をして家出をする。向かう先は近くにある祖母の家。
近道をしようと林の中を通った際に転んでしまった桐人を助けてくれたのは、髪の長い綺麗な顔をした女の子だった。
夏休み中、何度もその女の子に会う為に夜になると林を見張る桐人は、一度だけ女の子と話す機会が持てたのだった。話してみればお互いが孤独な子どもなのだと分かり、親近感を持った桐人は女の子に名前を尋ねた。
彼女の名前は「さや」。
夏休み明けに早速転校生として村の学校で紹介された桐人。さやをクラスで見つけて話しかけるが、桐人に対してまるで初対面のように接する。
さやには『さや』と『紗陽』二つの人格があるのだと気づく桐人。日によって性格も、桐人に対する態度も全く変わるのだった。
その後に起こる事件と、村のおかしな神事……。
さやと紗陽、二人の秘密とは……?
※ こちらは【イヤミス】ジャンルの要素があります。どんでん返し好きな方へ。
「小説家になろう」にも掲載中。
ザイニンタチノマツロ
板倉恭司
ミステリー
前科者、覚醒剤中毒者、路上格闘家、謎の窓際サラリーマン……社会の底辺にて蠢く四人の人生が、ある連続殺人事件をきっかけに交錯し、変化していくノワール群像劇です。犯罪に関する描写が多々ありますが、犯罪行為を推奨しているわけではありません。また、時代設定は西暦二〇〇〇年代です。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】縁因-えんいんー 第7回ホラー・ミステリー大賞奨励賞受賞
衿乃 光希
ミステリー
高校で、女子高生二人による殺人未遂事件が発生。
子供を亡くし、自宅療養中だった週刊誌の記者芙季子は、真相と動機に惹かれ仕事復帰する。
二人が抱える問題。親が抱える問題。芙季子と夫との問題。
たくさんの問題を抱えながら、それでも生きていく。
実際にある地名・職業・業界をモデルにさせて頂いておりますが、フィクションです。
R-15は念のためです。
第7回ホラー・ミステリー大賞にて9位で終了、奨励賞を頂きました。
皆さま、ありがとうございました。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる