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第六章 第二次長州征伐
第五話 西郷の決断と桂の怨念
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翌日。
西郷は目覚めた瞬間からある決意を固めていた。
それが自分の中でぐらつく前に龍馬と桂を呼び寄せ、また薩摩藩家老・小松帯刀も同席させた。
小松には事前に自分の考えを伝え了承を取り付けた上での会談だ。
一室に四人が集まると、西郷は一方的に切り出した。
「昨日一晩、頭を冷やしてじっくり考えもんした。坂本さんに言われたことを熟考し、自省する気持ちで、己れの考えを振り返ったんでごわす。……たしかに、国家危急存亡のときに、藩同士の小さな恨みつらみや因縁をあげつらっている場合ではなか。朝になっても、そん思いは変わらんやった。……じゃっで」
と、正面に座る長州の実質的責任者を見つめる。
「桂さん……過去のことはすべて水に流しもんそう。この西郷隆盛……おはんの言い分を、目をつぶって丸呑みすると決めもんした」
「ほんまか」
龍馬は驚いたように目を瞠り、続いて両手を打ち鳴らした。
まさかそこまで譲歩するとは思わなかったのだろう。
「いやぁ、さすがは西郷どんじゃ。勝先生からさんざん聞かされちょったけんど、おまんは大した傑物じゃのぉ。いや、恐れ入った。よう決断してくれたな」
喜びのあまり、思わず饒舌になる。
両手を差し出し、西郷の右手を握って、上下にゆさぶる。
「めでたい、めでたい。こがぁに嬉しいことはないぜよ。……お互い過去にはいろいろあったろうけんど、ここは一つ、きれいさっぱり水に流すっちゅうことで、二人が笑って握手を交わせば、その瞬間、薩長同盟は成立じゃ」
西郷はうなずいて坂本の握手をほどくと、桂に向かって右手を差し出す。
顔は満面の笑みである。
しかし、桂は微動だにしない。握手を拒絶し、西郷の言葉に不服でもあるかのように、憮然とした表情で言葉を発する。
「同盟成立にあたって、こちらからもう一つ条件がござる。それを呑んでいただけるなら、前向きに考えてもいいです」
西郷とは正反対の姿勢である。
熱しかけた空気が一気に冷え込んでいく。
「桂さん、それはないぜよ」
龍馬が身を捩るようにして言葉を発した。
「西郷どんがここまで譲歩してくれたちゅうのに、その態度はないろうが」
顔を真っ赤にして憤懣をぶつける。
桂は口元を固く結んだまま、ぷいと視線をそらす。
それを見て西郷は、
「いいでしょう。どけん条件か聞きもんそう」
と太っ腹なところを示した。
顔には笑みさえ浮かんでいる。
すでに同盟への決意を固めた西郷は、なんとしてもこれを成立させる腹積もりだった。
桂は無表情のまま、静かに口を開く。
「我々は、八・一八の政変や池田屋での恨みを忘れたわけではございません。特に池田屋には私も顔を出す予定になっていた。私はあの日、殺されていたかもしれないのです」
「池田屋は我々は関係なか。新撰組が勝手にやったこつでごわす」
「そうでしょうか?」
桂が眉を吊り上げた。
「新撰組の背後には薩摩がいると聞いております。新撰組は、なぜか薩摩の浪士だけは襲わないと」
西郷は豪快に笑った。
「そげんこつは嘘でごわす。誰が言うちょるんですか。そげんこつを!」
「京都中の噂でござる」
「馬鹿な」
「では、その証拠を見せていただきたい」表情一つ変えずに言った。
「証拠?」
「新撰組を……我々とともに討っていただきたい」
「ちっくと待て。ほがぁな話やないろうが、今日は」
龍馬が会話をさえぎるように言葉を発するが、桂は無視して話を進める。
「あの日、私はたまたま池田屋に早く着き、出直そうとよそへ寄っていたために命が助かった。助かった者の使命として、死んでいった者たちの弔い合戦をせねばならない。それが薩長同盟の条件です。これを呑んでいただかなければ、私は長州に帰れない」
「こんまいことにこだわるな。大事の前の小事じゃ、ほがぁなことは」
その瞬間、桂はぎろりと目を剥いて龍馬を見据えた。
「小事なくして大事なし!」
野太い声で言うと、西郷に視線を戻して続ける。
「人間の信頼関係は、小事から始まる。小事もできん人間に、大事ができますか」
「分かりもんした。どげんすればよかですか」
「新撰組討伐に、兵隊をお貸しいただきたい」
「わしゃ、ほがぁなやり方は好かんぜよ」
龍馬が両手を広げて口を尖らせる。
「同志の敵討ちなんですよ」
「おまんらだって天誅と称して開国派の人間をこじゃんと斬ったろうが。お互い様じゃ」
「なに」
桂の表情がこわばった。
くわっと両目を見開き、
「我々と奴らを一緒にするんですか」
「ああ、おんなじじゃ」
「我々は勤皇の志士でござる。あのような山猿どもと一緒にされてはかなわぬ」
「何を言うがじゃ。長州は現在、天朝から敵対視され、討伐軍を差し向けられる身やないがか。勤皇の志士の称号は、今や新撰組の側にこそあるがやぞ」
「なんだと」
「ほんまのことやないがか」
「おのれ!」
鋭い声で叫ぶや、腰の脇差を瞬時に引き抜き、目にも止まらぬ速さで龍馬に襲い掛かった。
桂は江戸の三大道場のひとつ「練兵館」で神道無念流を学び、入門からわずか一年で塾頭をつとめたほどの剣豪である。
不意を衝かれ、思わずうずくまる龍馬に馬乗りになると、襟首をつかんで首元に白刃を突きつける。
「やめんか!」
西郷が一喝した。
「桂さん。薩長同盟ができんごつなってもよかですか!」
桂は龍馬を瞋恚の目で睨みつけたまま、首に押し当てた白刃をゆっくりと離す。
「桂さん」
西郷が落ち着き払った声で言った。
「喜んで協力しもんそう。新撰組征伐に薩摩藩から人手をお貸しします」
桂は所定の位置に座り直すと、何事もなかったようににっこり頷いてみせた。
西郷は目覚めた瞬間からある決意を固めていた。
それが自分の中でぐらつく前に龍馬と桂を呼び寄せ、また薩摩藩家老・小松帯刀も同席させた。
小松には事前に自分の考えを伝え了承を取り付けた上での会談だ。
一室に四人が集まると、西郷は一方的に切り出した。
「昨日一晩、頭を冷やしてじっくり考えもんした。坂本さんに言われたことを熟考し、自省する気持ちで、己れの考えを振り返ったんでごわす。……たしかに、国家危急存亡のときに、藩同士の小さな恨みつらみや因縁をあげつらっている場合ではなか。朝になっても、そん思いは変わらんやった。……じゃっで」
と、正面に座る長州の実質的責任者を見つめる。
「桂さん……過去のことはすべて水に流しもんそう。この西郷隆盛……おはんの言い分を、目をつぶって丸呑みすると決めもんした」
「ほんまか」
龍馬は驚いたように目を瞠り、続いて両手を打ち鳴らした。
まさかそこまで譲歩するとは思わなかったのだろう。
「いやぁ、さすがは西郷どんじゃ。勝先生からさんざん聞かされちょったけんど、おまんは大した傑物じゃのぉ。いや、恐れ入った。よう決断してくれたな」
喜びのあまり、思わず饒舌になる。
両手を差し出し、西郷の右手を握って、上下にゆさぶる。
「めでたい、めでたい。こがぁに嬉しいことはないぜよ。……お互い過去にはいろいろあったろうけんど、ここは一つ、きれいさっぱり水に流すっちゅうことで、二人が笑って握手を交わせば、その瞬間、薩長同盟は成立じゃ」
西郷はうなずいて坂本の握手をほどくと、桂に向かって右手を差し出す。
顔は満面の笑みである。
しかし、桂は微動だにしない。握手を拒絶し、西郷の言葉に不服でもあるかのように、憮然とした表情で言葉を発する。
「同盟成立にあたって、こちらからもう一つ条件がござる。それを呑んでいただけるなら、前向きに考えてもいいです」
西郷とは正反対の姿勢である。
熱しかけた空気が一気に冷え込んでいく。
「桂さん、それはないぜよ」
龍馬が身を捩るようにして言葉を発した。
「西郷どんがここまで譲歩してくれたちゅうのに、その態度はないろうが」
顔を真っ赤にして憤懣をぶつける。
桂は口元を固く結んだまま、ぷいと視線をそらす。
それを見て西郷は、
「いいでしょう。どけん条件か聞きもんそう」
と太っ腹なところを示した。
顔には笑みさえ浮かんでいる。
すでに同盟への決意を固めた西郷は、なんとしてもこれを成立させる腹積もりだった。
桂は無表情のまま、静かに口を開く。
「我々は、八・一八の政変や池田屋での恨みを忘れたわけではございません。特に池田屋には私も顔を出す予定になっていた。私はあの日、殺されていたかもしれないのです」
「池田屋は我々は関係なか。新撰組が勝手にやったこつでごわす」
「そうでしょうか?」
桂が眉を吊り上げた。
「新撰組の背後には薩摩がいると聞いております。新撰組は、なぜか薩摩の浪士だけは襲わないと」
西郷は豪快に笑った。
「そげんこつは嘘でごわす。誰が言うちょるんですか。そげんこつを!」
「京都中の噂でござる」
「馬鹿な」
「では、その証拠を見せていただきたい」表情一つ変えずに言った。
「証拠?」
「新撰組を……我々とともに討っていただきたい」
「ちっくと待て。ほがぁな話やないろうが、今日は」
龍馬が会話をさえぎるように言葉を発するが、桂は無視して話を進める。
「あの日、私はたまたま池田屋に早く着き、出直そうとよそへ寄っていたために命が助かった。助かった者の使命として、死んでいった者たちの弔い合戦をせねばならない。それが薩長同盟の条件です。これを呑んでいただかなければ、私は長州に帰れない」
「こんまいことにこだわるな。大事の前の小事じゃ、ほがぁなことは」
その瞬間、桂はぎろりと目を剥いて龍馬を見据えた。
「小事なくして大事なし!」
野太い声で言うと、西郷に視線を戻して続ける。
「人間の信頼関係は、小事から始まる。小事もできん人間に、大事ができますか」
「分かりもんした。どげんすればよかですか」
「新撰組討伐に、兵隊をお貸しいただきたい」
「わしゃ、ほがぁなやり方は好かんぜよ」
龍馬が両手を広げて口を尖らせる。
「同志の敵討ちなんですよ」
「おまんらだって天誅と称して開国派の人間をこじゃんと斬ったろうが。お互い様じゃ」
「なに」
桂の表情がこわばった。
くわっと両目を見開き、
「我々と奴らを一緒にするんですか」
「ああ、おんなじじゃ」
「我々は勤皇の志士でござる。あのような山猿どもと一緒にされてはかなわぬ」
「何を言うがじゃ。長州は現在、天朝から敵対視され、討伐軍を差し向けられる身やないがか。勤皇の志士の称号は、今や新撰組の側にこそあるがやぞ」
「なんだと」
「ほんまのことやないがか」
「おのれ!」
鋭い声で叫ぶや、腰の脇差を瞬時に引き抜き、目にも止まらぬ速さで龍馬に襲い掛かった。
桂は江戸の三大道場のひとつ「練兵館」で神道無念流を学び、入門からわずか一年で塾頭をつとめたほどの剣豪である。
不意を衝かれ、思わずうずくまる龍馬に馬乗りになると、襟首をつかんで首元に白刃を突きつける。
「やめんか!」
西郷が一喝した。
「桂さん。薩長同盟ができんごつなってもよかですか!」
桂は龍馬を瞋恚の目で睨みつけたまま、首に押し当てた白刃をゆっくりと離す。
「桂さん」
西郷が落ち着き払った声で言った。
「喜んで協力しもんそう。新撰組征伐に薩摩藩から人手をお貸しします」
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