ホラーの詰め合わせ

斧鳴燈火

文字の大きさ
上 下
2 / 33
新作

不審者情報

しおりを挟む

「こんにちは」
公園で知らないおじさんに挨拶された。
いつも鳩に餌をあげてるおじさんだ。
「こんにちは」私は挨拶を返す。
「こっちへきな」おじさんは手招きする。
私は誘われるまま近づいた。
「ほら」ポケットから赤い飴玉を取り出す。
「いいの?」
私は手から飴玉を受け取る。男はニコっと笑い頭を撫でる。

「ちょっとすみません」
2人の制服姿の警官が話しかけてくる。
「この付近で不審者情報の通報がありまして、ご家族の方ですか?」
「ち、違いますけど」
「ちょっと署までご同行願えますか?」
「え、ちょっとなんですか?」
「署で話しを聞くだけですから」
おじさんは無理やりパトカーにのせられていく。 
「危ないところだったね」
近くにいたおばさんが声をかけてくる。
「もう少しで連れてかれるとこだったよ。怖かったね」
おばさんは携帯電話を手に持っていた。

おばさんはホットココアとクッキーをだす。
おばさんはママの友達で、ママに連絡してくれたらしい。
ママが迎えにくるまでおばさんの家で待つことになった。

「最近この辺りで誘拐事件が起きてるのよ」

「ケーキもあるから、ちょっと待ってね」と台所に向かう。
トイレに行きたくなってきた。
「おトイレ借ります」
廊下に抜け出し、トイレのドアを開けようとノブを掴んだ。
ん?何か聞こえる…。なんだろう?誰かが泣いているような。
「う…わあ…ああ…あ…」微かに聞こえる声。導かれるように廊下を歩く。
ドアの前までくる。声はこの中からする。
ガチャガチャ。ドアノブを回すが鍵がかかっていて、開かない。
「どうしたの?」
振り向くとすぐ目の前におばさんの顔があった。
「キャッ」
思わず声をあげた。おばさんは腕を掴む。
「なんてこと。駄目よ、勝手に人の家を探検しちゃ…悪い子。本当に悪い子。ああ…ちゃんと躾けてあげないとね」
掴まれた腕に力がはいっていく。痛い。このおばさん何かおかしい。怖い…。
「離して!離して下さい!」手を振りほどこうとするが、おばさんの手は決してはなれない。
不意に突然の眠気がくる。なんで?こんなことありえない。力が抜けていく。
「あら、眠ってしまったのね。可愛い子。すぐみんなに会わせてあげるからね」
おばさんはポケットから鍵を取り出す。
カチャリ。ギィぃぃぃ…。
地下室への扉が開かれる。
下へと薄暗い階段が続いている。
「うあああん!」「おかあさあん!」「うえええん!痛いよぉ!」
地下からは子供達のうめき声やわめき声が響いてきた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

意味が分かると怖い話 考察

井村つた
ホラー
意味が分かると怖い話 の考察をしたいと思います。 解釈間違いがあれば教えてください。 ところで、「ウミガメのスープ」ってなんですか?

怖い話短編集

お粥定食
ホラー
怖い話をまとめたお話集です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

フリー台本と短編小説置き場

きなこ
ライト文芸
自作のフリー台本を思いつきで綴って行こうと思います。 短編小説としても楽しんで頂けたらと思います。 ご使用の際は、作品のどこかに"リンク"か、"作者きなこ"と入れていただけると幸いです。

短な恐怖(怖い話 短編集)

邪神 白猫
ホラー
怪談・怖い話・不思議な話のオムニバス。 ゾクッと怖い話から、ちょっぴり切ない話まで。 なかには意味怖的なお話も。 ※追加次第更新中※ YouTubeにて、怪談・怖い話の朗読公開中📕 https://youtube.com/@yuachanRio

ちょこっと怖い話・短編集(毎話1000文字前後)──オリジナル

山本みんみ
ホラー
少しゾワっとする話、1話1000文字前後の短編集です。

処理中です...