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新作
不審者情報
しおりを挟む「こんにちは」
公園で知らないおじさんに挨拶された。
いつも鳩に餌をあげてるおじさんだ。
「こんにちは」私は挨拶を返す。
「こっちへきな」おじさんは手招きする。
私は誘われるまま近づいた。
「ほら」ポケットから赤い飴玉を取り出す。
「いいの?」
私は手から飴玉を受け取る。男はニコっと笑い頭を撫でる。
「ちょっとすみません」
2人の制服姿の警官が話しかけてくる。
「この付近で不審者情報の通報がありまして、ご家族の方ですか?」
「ち、違いますけど」
「ちょっと署までご同行願えますか?」
「え、ちょっとなんですか?」
「署で話しを聞くだけですから」
おじさんは無理やりパトカーにのせられていく。
「危ないところだったね」
近くにいたおばさんが声をかけてくる。
「もう少しで連れてかれるとこだったよ。怖かったね」
おばさんは携帯電話を手に持っていた。
おばさんはホットココアとクッキーをだす。
おばさんはママの友達で、ママに連絡してくれたらしい。
ママが迎えにくるまでおばさんの家で待つことになった。
「最近この辺りで誘拐事件が起きてるのよ」
「ケーキもあるから、ちょっと待ってね」と台所に向かう。
トイレに行きたくなってきた。
「おトイレ借ります」
廊下に抜け出し、トイレのドアを開けようとノブを掴んだ。
ん?何か聞こえる…。なんだろう?誰かが泣いているような。
「う…わあ…ああ…あ…」微かに聞こえる声。導かれるように廊下を歩く。
ドアの前までくる。声はこの中からする。
ガチャガチャ。ドアノブを回すが鍵がかかっていて、開かない。
「どうしたの?」
振り向くとすぐ目の前におばさんの顔があった。
「キャッ」
思わず声をあげた。おばさんは腕を掴む。
「なんてこと。駄目よ、勝手に人の家を探検しちゃ…悪い子。本当に悪い子。ああ…ちゃんと躾けてあげないとね」
掴まれた腕に力がはいっていく。痛い。このおばさん何かおかしい。怖い…。
「離して!離して下さい!」手を振りほどこうとするが、おばさんの手は決してはなれない。
不意に突然の眠気がくる。なんで?こんなことありえない。力が抜けていく。
「あら、眠ってしまったのね。可愛い子。すぐみんなに会わせてあげるからね」
おばさんはポケットから鍵を取り出す。
カチャリ。ギィぃぃぃ…。
地下室への扉が開かれる。
下へと薄暗い階段が続いている。
「うあああん!」「おかあさあん!」「うえええん!痛いよぉ!」
地下からは子供達のうめき声やわめき声が響いてきた。
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