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その他
コーディネート
しおりを挟む私は都内のアパレルショップで働いていた。
閉店時間になり、店じまいしていると店長に声をかけられる。
「マネキンの衣装、夏服から秋服に変えといて」
「はい!わかりました」
「じゃ、まかせるから、今日は先にあがらせてもらうわね」
マネキンの衣装はお店の看板。
マネキンコーデで服を選ぶお客様もいる。
私は店長に言われ夏服を脱がせ、新商品の秋服にかえる。
うえはニットのセーターで下は、流行のピンクのスカートから、ロングの落ち着いたスカートに変える。
翌朝、マネキンの衣装を店長がみてくれている。
驚いたことに、私がコーデした服と違う衣装をマネキンはきていた。
店長は褒めてくれたが、何か釈然としない。
私のコーデより評価が高い。
そんなことが何回かあった。
冬が近づき、冬コーデを任される。
マネキンに服を着させ、雑用を片付けてるといつの間にか終業時刻だ。
続きは明日にしよう。
そう考え帰宅する。
あれ?ない?
私は携帯を忘れたことを思い出し、職場に戻る。
携帯はすぐに見つかる。デスクのうえに置きっぱなしだった。
店舗に誰かいる。
非常灯に照らされた影がハンガーラックの間を動いている。
服を選んでいるようだ。
私はピンときた。私が必死に考えたコーデを誰かが直しているのだ。犯人を驚かせてやろう!
私はバレないよう忍び足で後ろから近づく。
「誰だ!」私は携帯のライトを当てる。
「キャアアアアアア!!!」
叫び声をあげたのは私のほうだった。
振り向く犯人の顔はマネキン。
顔がなかった。
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